紀州犬物語168 紀州犬の年齢、人換算は妥当か(横田俊英)
(副題)紀州犬の年齢は生殖能力でみると生後6か月から10歳か12歳が一区切り
(副副題)6か月で子を生めるようになり10歳までは子を生むのが紀州犬
第168章 紀州犬の年齢、人換算は妥当か 執筆 横田俊英
生後30日の紀州犬の子犬の格闘。
(本文)
犬の年齢を考察します。考察の要素によって犬の年齢の人換算は変わります。
紀州犬のことを申し上げます。
繁殖能力と人換算の年齢です。
紀州犬は生後6カ月から10歳までが繁殖年齢です。10歳は12歳まで引き上げることができるかもしれません。12歳で子を生んだ事例があります。私の経験では10歳6カ月で子を生みました。年齢がかさむと生まれる子が少なくなります。10歳6カ月および12歳の事例では生まれた子は一頭でした。子を生むということでメス犬のことを申し上げました。
オス犬の場合には生後8か月から交尾ができます。6カ月でもできる犬がおります。12歳ころまで子を生ませたオス犬もおります。私のところでは8歳過ぎになったら交尾しても子ができないオス犬がおりました。
交尾して子を生むということでは紀州犬は生後6か月から12歳まではそれができた事例を知っております。オス犬は10歳ぐらいまでと考えていたらいいでしょう。メスもそのくらいです。
10歳になったからということでメス犬が生む子に異常があるという特別な事例は知りません。メス犬は高齢になると一度にはらむ子犬が少なくなるのは事実のようです。オス犬も似たようなことになると考えておくと無難です。
紀州犬の繁殖能力を人に換算する生後6カ月で人の12歳ほど、紀州犬の12歳は人の50歳ほどでしょうか。ご自身で計算してみてください。
寿命を要素にして犬の年齢と人の年齢の換算をするとどうなるでしょうか。
紀州犬の寿命は12歳ほどです。14歳という考えを持つ人もいるかもしれません。18歳まで生きる紀州犬もおります。そうし
たなか紀州犬の寿命を12歳とします。
紀州犬の12歳は人の85歳です。85年を12年と単純に比較すると人の年齢と犬の年齢の換算になります。足腰が立たなくなって、つまり弱り果ててから死ぬまで、この死は自然死でしたが1カ月半という事例がありました。13歳5カ月で動けなくなって一月半で自然死しました。この場合に年齢をどのように数えるのでしょうか。
自然界にいる狼(オオカミ)などは食事が摂れなくなると15日もすれば死にます。その前に外敵に襲われるか、凍死するかしてしまいます。自然界では食事が摂れなかったり動けなくなることはそのまま死につながります。憐れむとか悲しむとかが排除された世界です。
犬の精神年齢と人の精神年齢、人の場合には知識・教養の修得ということがありますから単純ではありません。
犬は野生では生きていません。人が与える餌で生きております。それを考慮して考えます。
犬は生後20日で自分で与えられる餌を食べ始めます。生後30日になると問題なく自分で乾燥ドッグフードを食べます。この状態の人の年齢は幾つでしょうか。
一人で庭を駆け回るのは生後25日でできてしまいます。人は幾つでしょうか。
その後は生殖能力を持つようになりそれが終わるまでということで、この間の精神能力は人ほどには大きく変化しません。オオカミを例にとると生後8か月には親の後を追って狩りの真似事をします。ネズミを捕らえることはもっと若いころにできてしまいます。群れのリーダーになるのには体力と経験がいります。
犬の年齢を考えるのに私は上のようにしております。
動物学の世界はどのようにしているのか知りませんが、ドッグフード会社は次のような掲載事例を提示します。
ドッグフード会社が説く犬の年齢を人間に換算すると次のようになります。ここでは紀州犬は中型犬ではなく大型犬との中間として取り扱うのがよいでしょう。
人間 小型犬・中型犬 大型犬
1ヶ月 1歳 1歳
6ヶ月 9歳 9歳
1歳 17歳 12歳
2歳 24歳 19歳
3歳 28歳 26歳
5歳 40歳 36歳
10歳 75歳 56歳
15歳 110歳 76歳
20歳 145歳 96歳
犬の年齢と人の年齢換算の計算式を用いて考えることがあります。
小型犬・中型犬
24+(犬の年齢-2)×4
2歳以降の場合では上記の式で人間の年齢に当てはめることができます。2歳より小さい場合は換算表を参考に。
5歳の場合では、「24+(5-2)×4=36歳」というようになります。
小型犬と中型犬は生まれてから最初の2年で24歳まで成長し、3年目からは1年に4歳ずつ歳を取ります。幼齢期の成長スピードが速く、そのあとは緩やかに老化していきます。
大型犬
12+(犬の年齢-1)×7
2歳以降の場合では上記の式で人間の年齢に当てはめることができます。2歳より小さい場合は換算表を参考に。
5歳の大型犬の場合「12+(5-1)×7=40歳」というようになります。
大型犬は生まれてから最初の1年で12歳まで成長し、2年目からは1年に7歳ずつ歳を取ります。小型犬や中型犬とは逆で、幼齢期の成長スピードは遅いですが、そのあとの老化が早くなります。
(誤字、脱字、変換ミスなどを含めて表現に不十分なことがある場合はご判読ください。)
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