紀州犬物語【紀州犬メス犬シロ(白)の物語】(13)(執筆 横田俊英)

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第13章 紀州犬のシツケ、日本犬のシツケに対する考え方

写真は紀州犬のメス 生後5ヶ月過ぎ シツケのことを考えながら飼う

紀州犬メス犬シロ(白)物語(13)(執筆 横田俊英)

第13章 紀州犬のシツケ、日本犬のシツケに対する考え方


1、日本犬のシツケに対する考え方を近藤啓太郎氏と安岡章太郎氏が対談
 紀州犬のシツケ、日本犬のシツケに対する考え方を近藤啓太郎氏と安岡章太郎氏が対談のなかで語っております。

2、紀州犬オスの「コンタ」は安岡章太郎氏の気持ちをすべて察して行動していた
 安岡章太郎氏が飼っていた紀州犬オスの「コンタ」は、7歳過ぎてフィラリアにかかってからは家の中で飼うようになったのだが、主人の気持ちをすべて察して行動していた。小説家の部屋に散らばった原稿用紙を踏むことはないし、犬の忠義がどのくらいか試すために安岡章太郎氏が誰かに襲われたように2階の窓から身を外に出したら、「コンタ」は暴漢が来たと思って2階の窓に向かって飛び出したのだ。

3、命を惜しいと思わない犬の行動はまさしく士(もの)の武(ふ)であります
 犬を見ていると自分の生命への愛おしさなど何もないかのごとき行動をすることには驚きます。勝てない喧嘩でも平気で仕掛けたり応じたりということで、これはまさしく士(もの)の武(ふ)であります。あまりにも無鉄砲な行動はどうかと思いますが、命を惜しいと思わない犬の行動はどこからくるのでしょうか。安岡章太郎氏の愛犬の「コンタ」にもそのようなところがありました。

4、安岡章太郎氏は「コンタ」を連れて歩くことによって自分の時間を確保していたのです
 安岡章太郎氏は「コンタ」を連れて多摩川べりを朝に夕に散歩するのが日課でした。犬を連れての散歩の時間は息抜きでもあり思索の時間でもあったのでしょう。流行作家は書き続けなければなりません。書いて書いて書き続ける生活は机にへばりつく生活でもありますから、開高健氏は背中が痛いのを直すためにプールで泳ぐのだと言っておりました。安岡章太郎氏は「コンタ」を連れて歩くことによって自分の時間を確保していたということができるように思います。

5、安岡章太郎氏は飼うにあたって近藤啓太郎氏から、何も教えてはいけない、シツケてはいけないということを伝えられた
 紀州犬オス犬の「コンタ」は近藤啓太郎氏が紹介した犬で、飼うにあたって、何も教えてはいけない、シツケてはいけないということを伝えられ、安岡章太郎氏はそれを忠実に守って、お座りひとつ教えなかった。近藤啓太郎氏は、「しつけちゃいけないと言われているんだよ、野性味がなくなるからね」と述べている。その「コンタ」は紀州犬のベテランの佐野良雄さんという人が世話した犬である。

6、佐野良雄さんの犬のシツケのことでのエピソード
 その佐野良雄さんの犬のシツケのことでのエピソードも登場する。
 佐野さんから犬を世話された人が、その犬の自慢して展覧会場で、「こんなに利口な犬はいません、ワンワンはすぐ覚えるし、お手も覚える、右手といえば右手を出すし、左手といえば左手を出します」というようなことを言ったら、佐野さんは「そういう馬鹿なことはやんねえでくれ」と怒ったのだ。

7、佐野良雄さん曰く、日本犬は訓練するもんじゃないんだ
 展覧会では犬がぱっと立つところを見る立ち込みというのがありますが、そのシツケ自慢の人に対して、佐野さんは、どうりでさっきから見ているとキョロキョロしていて落ち着きがないのでおかしいと思った。そういう馬鹿なことをしているからそうなるんだ。日本犬は訓練するもんじゃないんだ。野性的なものなんだ。そんなことをやっているから主人の顔色ばかりうかがって落ち着かないんだ、と叱ったということです。

8、「何もしないで、本当に行儀がいいんだ。自然のままだからね。最初、俺は、それが不思議でならなかったからね」と安岡章太郎氏が述べている
 この会話の後で安岡章太郎氏は、「だから、何もしないで、本当に行儀がいいんだ。自然のままだからね。最初、俺は、それが不思議でならなかったからね」と述べている。また7歳過ぎに家に入れてからは「ほとんど、家族の一員みたいに暮らしてて、それでいて分をわきまえているんだね。食卓の上に出ているものに、絶対手を出さないし、やっても手からは直接は食べない。いちど下に落として、自分で匂いを嗅いでからでないと食べないしね。要するに犬のふり見てわがふり直せ」と述べている。

9、奥さんと娘さんも「泣いて泣いて、大変だった」
 「コンタ」が死んだ後、安岡章太郎氏は少し変になっていたことを指摘、安岡氏も「まあ、とにかく、コンタの話が出ると泣いちゃってね」とそれを認めている。奥さんと娘さんも「泣いて泣いて、大変だった」ということを近藤啓太郎氏の息子さんが訪問してみている。

10、コンタは「言葉はわかるんだよ。人間のしゃべっていることはかなりわかるんだね」
 コンタは近藤啓太郎氏には他の客とは違って特別に敬意を払っていたと安岡章太郎氏は述べている。「それから佐野のおっちゃんね、彼にはやっぱり敬意を払っていたよ」とも。その近藤啓太郎氏が佐野良雄さんのことを指して「あれは犬の扱いが決定的にうまかったからね」の述べている。その後につづく安岡章太郎氏の言葉は「だから、言葉はわかるんだよ。人間のしゃべっていることはかなりわかるんだね」とうこと。


(掲載前に十分に読み返しておりません。変換ミスその他のことご容赦のほどよろしくお願いします)



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紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす日々】(40)(執筆 横田俊英)
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紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす日々】(42)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす日々】(43)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす日々】(44)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす日々】(45)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(1)】(46)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(2)】(47)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(3)】(48)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(4)】(49)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(5)】(50)(執筆 横田俊英)
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紀州犬物語【紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(2)】(52)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(3)】(53)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(6)】(54)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(4)】(55)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとミーの物語(1)】(56)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとミーの物語(2)】(57)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとミーの物語(3)】(58)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとミーとブンの物語(4)】(59)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとブンの物語(5)】(60)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語(61)【日本在来犬と紀州犬(その1)】(執筆横田俊英)
紀州犬物語(62)【日本在来犬と紀州犬(その2)】(執筆横田俊英)
紀州犬物語(63)【日本在来犬と紀州犬(その3)】(執筆横田俊英)





紀州犬物語(63)【日本在来犬と紀州犬(その3)】(執筆横田俊英)
日本列島に古くからいた犬たちと縄文遺跡の犬骨
(純粋日本犬という言い方をする犬たちのこと)
(縄文期は犬は人の友だち、だった)


紀州犬物語(62)【日本在来犬と紀州犬(その2)】(執筆横田俊英)
縄文遺跡から犬の骨は出ており、旧石器時代の遺跡から犬の骨は出ていない
野尻湖で犬は人と伴にナウマン象を追ったか
(野尻湖のナウマン象の発掘調査では犬の骨は出ていない)


紀州犬物語(61)【日本在来犬と紀州犬(その1)】(執筆横田俊英)
遺跡からでてきた犬の骨とそのもっとも古い年代
(人と犬は利用し利用される共存関係にあった)


紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとブンの物語(5)】(60)(執筆 横田俊英)
第60章 紀州犬メスシロの学校とその生徒のポチとブンの物語(5)
(紀州犬の大人のメス犬のシロの学校で、生後5カ月の紀州犬のオス犬のポチと生後6カ月の紀州犬のオス犬のブンが教育を受け、訓練を積んでいるのです。ポチもブンも散歩を楽しみにしていて、綺麗な姿態と歩様で散歩ができるのです。)


紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとミーとブンの物語(4)】(59)(執筆 横田俊英)
第59章 紀州犬メス シロの学校とその生徒のポチとミーとブンの物語(4)
(詫びや寂などまだ先のことですから、対象外です。しかしブンより一月遅く産まれている紀州犬オス犬の「ポチ」のほうにそれを感じることがあります。三つ子の魂百まで、ということが言えるのでしょうか。)


紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとミーの物語(3)】(58)(執筆 横田俊英)
第58章 紀州犬メス シロの学校とその生徒のポチとミーの物語(3)
(私は紀州犬のメス犬のシロの学校と題してお伽の国のような話しをしております。書いていることはすべて事実ですが、すべての紀州犬がこのようにできる訳ではありません。たまたま性質のよいシロというメス犬の大人がいて、たまたま、或いはこの時期に限って喧嘩をしない2匹の子犬がいて、それにもう1頭加わったということであります。子犬同士の折り合いがあって、幼児組と小学生組の2クラスに分けての学校運営になりました。)


紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとミーの物語(2)】(57)(執筆 横田俊英)
第57章 紀州犬メス シロの学校とその生徒のポチとミーの物語(2)
(今で飼い主が寛いでいるときに、また夜にテレビを見ながらビールを飲んでいるときにポチとミーはその気配を全身で受けとめていて、声を掛けると犬舎の格子に顔を挟んで応えます。)


紀州犬物語【シロの学校とその生徒のポチとミーの物語(1)】(56)(執筆 横田俊英)
第56章 紀州犬メス シロの学校とその生徒のポチとミーの物語(1)
(子育てを終えたシロ(白)には生後3カ月ほどのオスとメスの子犬の学校の先生の新しい役目が与えられ、シロはこの仕事を喜んでしております。シロが先生を勤める学校の生徒はオスの子犬が「ポチ」で、メスの子犬が「ミー」です。シロとポチとミーの3頭は喧嘩とも見えるレスリング風の遊技を嬉々として演じております。)


紀州犬物語【紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(4)】(55)(執筆 横田俊英)
第55章 紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(4)
(ポチは生後76日に子育てを終えた白を母親代わりに暮らすことになりました。白は不思議なことにポチを自分の子犬と同じように遊技をしてやります。ポチもまた実の母親と思っているようです。あるいはただの犬の仲間と思っているのかも知れません。)


紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(6)】(54)(執筆 横田俊英)
第54章 紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(6)
(子犬は母親に徹底的に遊んでもらって、身体をうんと使い、手も足も腰も胴も身体を鍛えることになるのです。その遊びたるや人間の子どもが身体を動かすのを厭わないのと同じです。)


紀州犬物語【紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(3)】(53)(執筆 横田俊英)
第53章 紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(3)
(生後70日ころのポチは乗車訓練に取り組み、またリードをつけて60メートルほどの散歩の練習もします。家の向こうの畑で遊ぶポチはモンシロチョウやツバメを眼で追いかけて外界の様子を知っていくのです。)


紀州犬物語【紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(2)】(52)(執筆 横田俊英)
第52章 紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(2)
(子犬の喉につかえないことを前提に生後70日の頃にはパピーのほかに、ラン・ミールも少しだけ与えます。生後5カ月、6カ月、7カ月、8カ月になるに従ってラン・ミールの割合を増やして、生後8カ月過ぎにはラン・ミールを中心にします。一家の主人が紀州犬に惚れていないのなら紀州犬を飼ってはなりません。一家の主人と思いを同じにする家族のもとで飼われる紀州犬は仕合わせであり、その一家も仕合わせであることになります。)


紀州犬物語【紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(1)】(51)(執筆 横田俊英)
第51章 紀州犬オス ぽち(ポチ)の物語(1)
(チビの子どもの白と黒は母親と別れ、母親と別れてきた紀州犬オス犬のポチはこの家でずっと過ごしてきたように振る舞います。)


紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(5)】(50)(執筆 横田俊英)
第50章 紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(5)
(生後30日ころから母親は子犬が乳を吸いにくるとグワーと吠えて拒絶することがしばしばです。夜中にもこの声が聞こえます。犬の親と子の自然がここにあるのです。)


紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(4)】(49)(執筆 横田俊英)
第49章 紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(4)
(駐車場横の畑では菜の花が黄色い色を見事に周囲に放っております。この先一週間して春が進むと新緑の美しい季節になります。もう雑草むしりを余儀なくされました。)

紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(3)】(48)(執筆 横田俊英)
第48章 紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(3)
(子犬たちが生後三週間を迎えたこの日、遅れていた春が進んで、この地は梅の花とサクラの花と水仙とツツジに似た花が一斉に咲きました。)

紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(2)】(47)(執筆 横田俊英)
第47章 紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(2)
(子犬を身体をまるめて抱いて、お尻をなめて排泄を促してそれをなめてやってと健気な子育てがつづきます。)

紀州犬物語【紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(1)】(46)(執筆 横田俊英)
第46章 紀州犬メス犬シロの出産と子育て物語(1)
(シロが2匹の子犬を産んだその夜、空には金星が燦然と輝いておりました。)






紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす】(39)(執筆 横田俊英)
第39章 子犬のさまざまな行動への対応(紀州犬の躾け(シツケ)に関する考察)

(子犬は飼い主が思うようにはしつからない)


紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす】(40)(執筆 横田俊英)
第40章 安岡章太郎さんは紀州犬の気性の美しさを物語にした
(近藤啓太郎さんは飼い犬の健康美あるいは紀州犬特有の美しさに魅せられた)

紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす】(41)(執筆 横田俊英)
第41章 紀州犬が内に秘めている特性
(紀州犬の正しい理解のために近藤啓太郎さんと安岡章太郎の小説を読むことをお奨めします)

紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす】(42)(執筆 横田俊英)
第42章 泣かない騒がいのが紀州犬が美徳

(安岡章太郎さんのコンタは家に来た夜に、「ウォー」と一声あげただけでした)

紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす】(43)(執筆 横田俊英)
第43章 犬を飼うときに人の側の力量は何時でも不測しております

(紀州犬は歩く速度があるいはリズムが波長が人の散歩に調和しております)

紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす】(44)(執筆 横田俊英)
第44章 素直な、素朴な、賢い、格好いい紀州犬に育てたい
(藤井聡さんの『シツケの仕方で犬がどんどん賢くなる』を読めば人も犬も賢くなる)

紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす】(45)(執筆 横田俊英)
第45章 子犬を怪我させないことが一番大事
(子犬は親から離されるとしばらく夜泣きを含めてなくものだと考えていたらよいでしょう)


紀州犬物語【紀州犬メス犬シロ(白)の物語】(37) (執筆 横田俊英)

紀州犬物語【紀州犬を連れて散歩し紀州犬と暮らす日々】(38)(執筆 横田俊英)
紀州犬物語 第38章 紀州犬に主従関係を教える、そして犬の性質を知る
(その問題は子犬の問題ではなく飼い主がつくっている問題なのです)



 

 

 

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