2020年日本経済の素描
A sketch of the Japanese economy in 2020
機械化は苦痛労働から人を解き放すためにある。8時間働き、8時間休養し、8時間就寝するのが人のまともな暮らしだ。
2020年日本経済の素描
計量計測のエッセー 
2020年日本経済の素描

休日に釣り船に乗って遊ぶ人。三重県鳥羽市浦村。

(タイトル)
2020年日本経済の素描

(本文)


 山梨県の大月駅前の商店街はかつては人通りが多く国道20号線沿いに商店が並んで賑わっていた。大月駅から山に登っていた人は山から下りて大月の賑わいに温かさを覚えた。相模湖駅前も同じであった。相模湖駅前のアーケードは維持費がないため取り壊され、同時に商店街は陰をひそめた。中央線沿いのどの登山口も同じだ。大きなショッピングモールあるいはホームセンター、スーパーマーケット、コンビニエンスストアーができて繁盛している。一定の消費のもと新店舗に買い物客の足が移ると片方が寂れる。駅前の商店街には駐車場がない。人々は車を使って買い物をするから大きなショッピングモールに客足が移る。

 日本の人口が減っているなか日本の労働人口としてのは就業者数は0.1%増えている。非正規雇用が就業者数の半分ほどになって常態化した。夫の賃金が減った補いをするために主婦が働きにでて家計収入を維持するようになった。二人で働いても以前の所得と変わらないか下回る状態だ。だから消費の停滞減少が発生する。働市場に供出された主婦層は非正規雇用あるいはパートタイマーの形式をとる。働く人の尊厳が限りなくないがしろにされる。

 1985年に世界経済のGDPで18%を占めていた日本経済は2016年に6.5%に縮んだ。何故なのか。日本に輸出させないために1985年に先進国会議の米国主導のプラザ合意によって日本の円高政策を恒常化させることを決めた。日本経済への集団リンチである。受け入れたのは中曽根康弘総理大臣だ。対ドル相場240円が一年で120円になった。同じ自走車を米国で二倍の価格で売らないと同じ利益はでない。これによって海外生産を余儀なくされた。1985年に海外生産比率が3%であったものがいまや23.8%になっている。日本の計量計測機器産業も同じ傾向を示す。働くのは海外の人であり、そのぶん日本人の雇用は失われる。働き口はコンビニエンスストアーや小売り産業の非正規雇用であり賃金は低い。

 戦争直後の沖縄の製造業20%ほどもあった。連合国の名称をとる米国の沖縄政策で事実上三倍の円高政策を敷いたことによって沖縄の製造業は5%に減った。破滅といってよい。いまの製造業の全国平均は20%なのだ。日本の経済規模の増大の動きは消えている。海外生産における就労者は現地労働者である。自分でモノをつくっているうちに人は技術を覚え工夫もするようになる。日本の若年者はモノづくりをしないから驚愕するほどにその能力は低い。現場でモノに触れないから工夫のための発想もない。金を用立ててラーメン屋やタピオカ屋になろうとする。海外生産方式となって日本人が生産に従事しなくなると技術が失われて技術劣国に堕ちていく。

 日本の内閣は大いばりで株価の高騰を語ってきた。海外の資金は日本の株を売り逃げするために買う。日本人で株をまともな形で買ったり持っている人は10%もいない。3%あればよいほうである。高所得層だけが株式市場の高騰現象の恩恵を受ける。海外資金が30%入っていると外資系企業だと規定されるようになった。この基準では日本の大企業のほとんどは外資系企業である。株主利益が声高になりその方向で動いているのは日本の大企業が海外資金によって支配されるようになったからだ。日本のGDPはやがてインドに抜かれて第四位に下がる。

 政府は自民党政権下で2%賃金がアップした」という。この数字は労働組合の「連合」が春闘で経営側から得た回答であり現実を反映した数値ではない。「連合」に加盟する大企業の正社員だけが対象であり労働者全体の状況を反映してはいない。自民党政権下で実質賃金は低下してきた。実質賃金が一年間で6%落ちたこともあった。首相は政府統計を使わず広告代理店のアンケート結果を用いてごまかす。リーマンショックのときにも一年間で実質賃金が6%落ちなかった。コロナウイルス感染症による恐慌の影響はそれ以上に大きいはずだ。若年層の男も女も大半は非正規雇用による就業となっている。正規雇用の賃金は非正規雇用における低賃金の重しによって低く抑えられるようになった。

 テレビでは家を買う、マンションを買うといった住宅販売の宣伝をしているから住宅産業が潤っているように印象される。低賃金と雇用形態の質の低さが結婚率を低めている。授かりものであった子どもを育児費用のことを考えて生むようになった。学校歴によって就労が決まることを知っているから若年層は子どものいない生活を選ぶ。年間出生数は過去最少の90万人を切り、出生率も1.36にとどまる。少子高齢化が侵攻する。

 政府は給付抑制と負担増を強いる。低所得層に対する負担増が顕著だ。実質賃金が低下するなか時間賃金は日本だけが伸びていない。社会保障制度の持続という言葉を使って給付が抑制されつづけている。自助の名によって国は公的な社会保障を捨てる。福田康夫首相の下で設置された「社会保障国民会議」で、現行の社会保障制度には問題があることが指摘され、それを強化していく方法が議論され始めていた。第二次安倍政権になってから、それまで同会議の大きなテーマだった「社会保障の機能強化」は議題から消えた。

 やらず、ぼったくりという国の社会政策がつづく。大企業の正社員は社会保険料の負担は低く受けられる給付は厚い。非正規の人は負担は重く給付は薄い。社会保険が企業の規模や職種、労働時間によって加入する組織が違う段差がある縦割りだからだ。社会保障制度の累進性が低い。高所得者がより負担し低所得者が厚い給付を受けられるよう累進性を高まっている。社会保障が逆に機能している。逆転した社会保障によって貧困が深まり所得格差が開く。

 経済成長には貧困をなくし低所得層の所得を底上げするのが良策だ。これで家計消費が増大する。格差是正は経済成長につながることがOECDの共通認識だ。富裕層の消費が社会に広がるというトリクルダウン理論は日本には通用しない。富める者が富めば、貧しい者も自然に豊かになる(trickle-down effect)というのはいかさまの経済理論だ。「首相官邸一強により官僚機構のイエスマン化は経済政策の決定過程を歪める。内閣府は予算編成の方向性を示す「骨太の方針」を取りまとめる。経済財政諮問会議は「社会保障分野での自民党政権の成果」という資料をだす。政権にとって都合のよい事柄だけが並べられる。こうした広報資料を元にした予算の妥当性は低い。

 日本の風土は7割の山林でできていて夏には畑が草むす。火山性の脆い岩石でできた山岳道路は造ってもほどなく崩れる。橋を架けると旧道は5年すると土砂で埋もれて猿の遊び場となる。上高地への道にこの現象をみる。現在標高2,899mの八ヶ岳は標高3,776 mの富士山よりも高かった。水蒸気爆発などによって八ヶ岳は山体崩壊した。崩れた土砂が甲府盆地を横切った。流れ韮崎まで走り、棚の上に韮崎市ができている。流れ出た土砂の総量を八ヶ岳に盛り上げると富士山より高くなる。韮崎は武田家の発祥地だ。地震、津波そして台風と大水が絶えず日本列島を襲う。平野は川の氾濫によって形成された。

 小さな耕地面積であっても放っておけば草が繁茂する温帯モンスーンの夏の日本の気候は畑地から豊富な作物を生み出す。畑地を工場に転換しても日本に要る規模は大きくはないから用が足りる。日本の経済は輸出に依存する割合が低まっている。輸出比率は15%を少し超える程度である。円高誘導と円高固定で日本から輸出できない構造を1985年のプラザ合意のままに維持されているからだ。

 必要なだけ生産し必要なだけ食べて着て住まうことを日本の国土と風土でする。そのための労働である。一日に8時間働けばまともに生きていける日本の社会であってほしい。無駄働きにならないように農作業では機械を使い、出荷のための選別と計量包装をする。機械化は苦痛労働から人を解き放すためにある。8時間働き、8時間休養し、8時間就寝するのが人のまともな暮しだ。二期作ができる東南アジアのある国の農民に日本の感覚でもう一作してはどうかと問うと苦痛だからしない、とあっさりと答えた。

 政府が数字とグラフと用いて示す経済は上向いている。自らの政府統計を用いずに端切れの数字を集めてきて、テレビCMにある超巨大表現に似たことをする。国土強靱化、骨太の財政方針など事実無根のまやかしの言葉が使われる。その言葉を無批判にニュースにする日本のマスコミの状態と知っておかなければならない。

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【資料】

カーボンニュートラルという虚構政策

科学研究費に求める成果に振り回される人々

人の言葉の基(もとい)は教養である

人口減少の事情と日本の50年先の状態

2020年日本経済の素描

机と椅子が織りなす快適値としての29cmという科学

新型コロナウイルス感染症COVID-19対応の温度計測機器

文武両道は集団催眠がもたらした言葉だ

日本の次世代経済はのみの市経済か

COVID-19に感染したら生命と財産を何とか守ってやる

バベルの塔に似た都市集中と林の中の工場との対比

新自由主義批判にも聞こえるトマス・モアのユートピア

COVID-19におびえて洞窟に3カ月避難した日本

新型コロナ対応で経済を止める愚挙

下気道感染症で300万人、下痢性疾患で140万人、結核130 万人、これと新型ウイルスを比較する

新型コロナウイルスと肺炎疾患を考える

新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(18日午前2時時点)AFP 2020年3月18日 5:23発信地:パリ

新型コロナウイルス感染症で体温計が市場から消えた

(不適切な表現などについては意に反するものですのでご容赦ください)

2020-06-15-japan-frightened-by-covid-19-and-evacuated-to-a-cave-for-3-months-
 
計量計測のエッセー

人の言葉の基(もとい)は教養である

人口減少の事情と日本の50年先の状態

机と椅子が織りなす快適値としての29cmという科学

新型コロナウイルス感染症COVID-19対応の温度計測機器

COVID-19に感染したら生命と財産を何とか守ってやる

バベルの塔に似た都市集中と林の中の工場との対比

新自由主義批判にも聞こえるトマス・モアのユートピア

COVID-19におびえて洞窟に3カ月避難した日本

新型コロナ対応で経済を止める愚挙

下気道感染症で300万人、下痢性疾患で140万人、結核130 万人、これと新型ウイルスを比較する

新型コロナウイルスへの国と東京都の対応の是非

新型コロナウイルス感染症で体温計が市場から消えた

新型インフルエンザ薬タミフル誤計量と天秤の改善措置

【資料】新型コロナウイルスと肺炎疾患を考える
【資料】新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(18日午前2時時点)AFP 2020年3月18日 5:23発信地:パリ

計測と計量管理の教養こそ計測技術者が身につけるべきこと

計測がねじ曲げられると白が黒になる(白いものを黒くしてしまう社会の掟の怖さ)

いつでも使える計量辞書としての国際単位系ページの利用

田中館愛橘の物理普及講演と寺田寅彦の物理学を元にした随筆

適正な計量の実施は国家と地方公共団体が共同して実現すべきもの

富士山より高かった八ヶ岳が崩壊すると泥流は甲府盆地の向こうまで流れた執筆 甲斐鐵太郞
韮崎と須玉に連なる丘の七里岩は八ヶ岳崩壊による岩屑(がんせつ)なだれの跡だ


計量計測のエッセー ( 2018年1月22日から日本計量新報の社説と同じ内容の論説です)

素直でない人は嘘をつく 素直とは正直者のことだ

法人とその構成員の意欲と能力を映し出しているwebサイト

数値や言葉を翻訳変換して診断する

大手情報媒体が低俗化しフェイク情報が充満する

人は他の人を映し鏡として生きる意義を成立されている

カメラの撮影枚数にみる技術開発とリチウムイオン電池


地が裂け山が崩れ洪水が人を襲う日本の自然(ハザードマップは人が住んではならない場所を示す地図だ

球速表示160kmは確かか(球速表示160kmは信ずるに値するものなのか)

内需依存型産業社会日本と人口減少社会の在り方

(タイトル)
控えめな計量法が適用されて実現する平和な社会
(サブタイトル)キログラムの単位記号はkgでありKGではない。メートルの単位記号はmでありMではない。

計量の教養こそ身に付けるべき課題だ

0.1%の計量器の検定・検査が世のなかに適正計量を実現をもたらす

地が裂け山が崩れ洪水が人を襲う日本の自然(ハザードマップは人が住んではならない場所を示す地図だ
見えないモノを見えるようにする計測技術
強い欲求をもっているとニーズは自ずと分かるものらしい
すべては丈夫な身体と丈夫な心あってこそ
消費は人口減少の度合いで減りGDPも同様に推移する
キログラムは新定義を満足させたうえ50 µgから10 µgに精度向上
質量と重量の違い及び質量の単位キログラムの定義変更
規則に照らせば不正でも総合性能としては問題ない事柄
バベルの塔とノアの箱舟の伝説と旧カヤバ工業の免震性能偽装
計量と計測は人の間にどのようにかかわるか
自動ハカリの検定実施は日本の計量制度に大きな転換をもたらす
2018年11月16日開催の国際度量衡総会で質量の単位キログラム(kg)を定義変更
日本人の頭骨の変化を計測値が示す副題(鎌倉時代の日本人の頭は前後に長い形をしていた)
優良事業所が適正計量管理事業所の指定を受ける社会的責任
計測の目的と求められる確かを考える
地方計量行政の模範県を躊躇なく真似たい
自動ハカリの指定検定機関制度と行政組織の関わり方
1%の検定で計量の安全を実現している日本の計量制度
自動ハカリの指定定期検査機関の動向を観察する
計測の在り方と計測値の表示をめぐる諸事情
計量協会webサイトから日本の計量行政の未来が見える
光波干渉測定システムはアインシュタインの理論を事実として確認した
収賄で終身刑になる中国要人と首相をかばい罪に問われる日本の官僚

ウィキペディアによる計量の世界の説明は1割ほど
時代の波と計量器産業の浮き沈み
世界でも範たる状態を築いている日本の計量行政
中国では日本以上の人口減少状態が出現している
ハカリの定期検査実施漏れは計量憲法である計量法違反だ
城下町の鍛冶屋が日本の産業の元になった
山口高志投手の球がベース通過時点で一番速かった
福島産の農産物と海産物と放射線測定器
通信と自己診断機能は計量器の法制度を変える
計れと人を管理したQC運動に対比される品質工学
モノの数量表現と性質表現の仕組みである国際単位系(SI)
計量法の実質の内容を変える政省令の理解と解釈
ハンドルで曲がらずブレーキで車は止まらない
計量計測のエッセー

学校は記憶容量とアプリケーションを確認するところ
計量検定所長の仕事は検査機関運営費をたっぷりと確保すること
社会の計量の安全の確保は住民サービスの基礎
神鋼素材は計測器性能に影響がない
田中舘愛橘の志賀潔と中村清二への教え方

自動ハカリの検定実施は日本の計量制度に大きな転換をもたらす
2018年11月16日開催の国際度量衡総会で質量の単位キログラム(kg)を定義変更
事実は小説よりも奇なり 二つの事件
計測システムがわかることが計測における教養だ
世の中は計測でできている
計測の目的と精密さの実現の整合
日本人の頭骨の変化を計測値が示す副題(鎌倉時代の日本人の頭は前後に長い形をしていた)
優良事業所が適正計量管理事業所の指定を受ける社会的責任
計測の目的と求められる確かを考える
地方計量行政の模範県を躊躇なく真似たい
自動ハカリの指定検定機関制度と行政組織の関わり方
1%の検定で計量の安全を実現している日本の計量制度

学校は記憶容量とアプリケーションを確認するところ
計量検定所長の仕事は検査機関運営費をたっぷりと確保すること
社会の計量の安全の確保は住民サービスの基礎
神鋼素材は計測器性能に影響がない
田中舘愛橘の志賀潔と中村清二への教え方

 
旅のエッセー集 essay and journey(essay of journey) 

滋賀県・草津市の宿で王将の餃子をたべた

京都三条の街は気詰まりで滅入る

神戸は港町だが山の街でもあり大都市だ


神戸は港町だが山の街でもあり大都市だ

霧ヶ峰 雪景色

秩父札所二十四番 光智山法泉寺

6月24日の霧ヶ峰高原道路だ。強清水から車山・肩駐車場に向かって走る

正月の下呂温泉は一夜にして白銀の世界になった

上高地 晩夏

風の子の子供たちですが人は風邪を引いてはなりません

川崎大師平間寺で願い事をする

霧ヶ峰高原の八島湿原の周りに出現する景色(2)
薄く積もった雪道を踏みしめる。クロカン四駆の世界だ。

霧ヶ峰高原の八島湿原の周りに出現する景色

霧ヶ峰高原 晩秋の八島湿原

霧ヶ峰高原 晩秋

和歌山市加太港の浜に立つ

山梨県牧丘村で秋の風景に出会った。今は新しい市になっているがその名は知らない。

ダイヤモンド富士

酉の市(おとりさま)

浅草の浅草寺界隈に足を向けた 外人がいて蜘蛛の巣の鉄塔が見えた

旧塩山の恵林寺界隈を見物した

仙台藩と青葉城

カラスウリが赤くなって秋です

スズランが赤い実を付ける秋の始まりです
 
 
 
旅のエッセー集 essay and journey(essay of journey) 

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