0.1%の計量器の検定・検査が世のなかに適正計量をもたらす
0.1%の計量器の検定・検査が世のなかに適正計量をもたらす
計量計測のエッセー 
0.1%の計量器の検定・検査が世のなかに適正計量をもたらす
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月と木星や土星はときどき接近して見える。

(タイトル)
0.1%の計量器の検定・検査が世のなかに適正計量をもたらす

(本文)

 計測技術は世のなかに隙間なく張り巡らされている。世の中は多かれ少なかれ計られている。人の手の届かない山のなかでも宇宙からの写真撮影とGPSによって細密にとらえられている。2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災の直後は電話が通じなくなってテレビ放送が頼りであったが、衛星カメラは変動の細かなところまで写し取っていた。それをインターネットでみることができた。

 自動車では速度計、回転計、電圧計などが運転席の前に表示される。エンジンが求めに応じで回転し機能する背景には燃料噴射とそれを制御するシステムが働いている。圧力感知の制御系が組み込まれている。ブレーキが動作するときも同じだ。運転者はこのように用意だてられた仕組みを知らない。センサーのかたまりと、よくできた制御系の集積が現代の自動車である。1960年代の乗用車のホンネットを開けると数本の配線があるだけだ。

 計測と制御系は普通の人には見えないところで確実に働いている。センサーと計測器があり、制御され求める情報を集めている。運転中の映像の記録システムが普及している。センサーの様相を呈する車載カメラは前方の危険物や危険な状況を察知する。危険物と接近するとブレーキをかける。計ること、計っていることが充満している現代社会である。直接に間接にセンサーと計測器が用いられている。

 世のなかに計ることが増えて計測器が大量なると、すべて役所が精密さを確かめることはできない。計測器と計量器の多くが取引と証明のための器具機械装置であった時代には全てを「検定」という手法で確かさを管理をした。ガラス容器もそのほとんどが検定されていた。モノサシだって巻き尺だって検定されていた。曲尺の検定が廃止されるときには家族経営の製造事業者は検定制度存置のために当時の通産省計量行政機関に懇願した。新計量法制定制定にともなって曲尺の検定が廃止された。

 電気、ガス、水道の計量器は検定されている。ガソリン計量器も灯油の計量器も検定されている。お店のハカリも検定されている。タクシーの料金メーターも検定されている。計量法が検定制度を設けて法規定にしたがって検定している計量器は「法定計量器」の名称を冠せられた20数種類である。計量器の検定は役所が直接に実施する方式であった。これが指定製造事業者制度の創設によって規定を満たすことを条件にメーカーが自ら検定に方式が導入された。役所による検査と同等の取り扱いを受けて検定品となる。ハカリの定期検査は指定定期検査期間制度の創出によって計量協会など民間機関が役所の指定を受けて検査し、役所の検査と同じ扱いになった。

 ハカリの定期検査は計量士による代検査がある。もう一つあり、適正計量管理事業所の指定を受けている者は指定された管理をすることによって定期検査に代えることができる。これを定期検査の免除といっているが、現代の世のなかにでは言葉が実態にそぐわない。そのような免除なら、役所の検査を受けたほうが安上がりだという猛者がいる。猛者すぎたのか、儲からなくなったから猛者となったかわからないが、この事業者の経営は後退した。誰に言われなくても計量器の管理は当たり前のようにする、という自治の思想と行動を通じて、適正計量管理事業者制度ができた。

 計量法が検定制度を設けて規制している計量器は20数種であり、機種ごとにさらに絞り込んだで検定を実施している。ハカリは製造されるもののうち検定品の割合は5割を超えるか割るかという状態である。検定品を用いる対象となる計量は取引と証明分野に限る。世のなかにある計量器のうち、計量法が直接に立ち入って検定の枠をはめている計量器は、世のなかで動作している計量器のうちの1%に達することはない。多く見積もっても0.1%である。計量法は取引と証明にかかわるうち国民生活に密着して計量器の検定を実施している。計量器のうちの0.1%を検定することによって世のなかの計量の信頼と安全を確保するという仕組みが計量法の検定制度である。

 計量法は検定制度という仕組みとその実施を通じて、計量器の管理の手本を示す。簡単な計量器は別にして、機械要素とセンサーや電子要素が絡み合って構成されている計量器は管理されなければ性能を維持することができない。長年使っている計量器では、精密さが維持されているのは10のうちの1つの偶然であるかも知れない。検査という行為を通じて確かめなければ計測結果は偶然の世界に浮遊するあやふやな状態となる。

 計量思想という言葉がある。尺貫法とは尺と貫という日本の度量衡の単位の呼称からでている。尺貫法からメートル法に切り替えるときにその推進のための合言葉になったのが計量思想の普及であった。メートル法推進のために自動車に看板などを付けて街頭パレードが盛大に行われていた。メートル法の宣伝を行うことが計量思想の普及であるということで考えも行動も単純であったから人には惑(まどい)がなかった。計量思想の普及を看板に掲げる組織は何を考えてどのように行動したらよいのだろう。答えは計量の信頼と安全を確保するための適正計量の実施につながる行動である。すなわち計量協会においてはハカリの定期検査の実施などである。尺貫法を使用していた時代であっても度量衡の基準はメートル法によっていた。明治政府の隠れてはいるものの賢明な施策であった。

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霧ヶ峰高原の八島湿原の周りに出現する景色

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