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福島産の農産物と海産物と放射線測定器
福島産の農産物と海産物と放射線測定器
計量計測のエッセー 

福島産の農産物と海産物と放射線測定器

ウミネコ
写真は挿絵です。本文と連動する意味はありません。


福島産の農産物と海産物と放射線測定器

(本文)

 八ヶ岳に向かう中央道の脇に太陽光発電のパネルが目立つようになった。レタスと高原野菜の長野県川上村にも太陽光発電パネルが立ち始めている。川上産レタスがブランドになったためにカラマツ林がレタス畑に代わっている。ブランド野菜をもたない地域の畑地には太陽光パネルが増殖している。畑で電気をつくっているのだ。人は日影に住んで日当たりの良いところは畑になっているというのが日本の山村である。

 日本の電力の何割かは原子力発電による。原子力発電をもとに据えて火力、水力などで補充するという電力構造であった。現在の原子力発電所の規制は安全基準とはいわない。規制基準を満たしているかどうかだけを審査する。規制基準を満たしても安全だと宣言しない。規制を定める側が原子力発電は安全であると考えていないからである。福島第一原発の事故がおきてしまうと原子力技術者はもともと安全でもなく制御が効かない原子力発電に安全の言葉と概念を用いることができなくなった。だから規制基準なのである。

 原子力資源であるウランは無尽蔵な資源ではない。ウランを燃やしてできるプルトニュームによって核爆弾がつくられる。北朝鮮でつくられる原爆資源のプルトリウムは日本の原子力発電がうみだすプルトリウムの量を米俵だとすると芥子粒一つほどでしかない。アメリカが原爆をつくるためのプルトニウムを確保するために日本に原子力発電を押し付けた。政府はそのようには語らない。

 原発のある地方公共団体の長を含む人々はコロリと騙される。学童の原子力発電の標語を求めて喜んで審査する。そして「原子力を正しく理解しよう」という横断幕や看板を町中にたてる。看板が撤去されるのに対して標語入選作の人は大人に騙(だま)されたと怒った。みんなが騙されたのである。騙したのはアメリカである。核兵器の大半はアメリカが保有する。

 三陸地方では明治の津波を昭和の人々に語り継いでいた。母親を背負って逃げているときに母は子において行けと告げて津波に飲まれた。津波がここまで来たと峠道の脇に石碑を残してもいる。これより先に家を建てるなという石碑もある。この経験に対応して街を高台につくった村もあってここは被害が少なかった。関東大震災の被害から学ぶならば東京都心に高層ビルをつくってはならないのだ。嵌め込み式のガラス窓は空中をひらひらと飛ぶ。鉄道も道路もマヒする。地震と津波履歴は日本のあらゆる沿岸部に残されている。高知市なども津波に洗われたのである。

 堺屋太一氏はこの前の津波と地震被害に対して私たちの敗北だといった。津波が家を呑み込む場所に市街地ができて役所庁舎もあった。庁舎屋上の鉄塔につかまって生き延びた町長もいる。避難のアナウンスをしつづけて波にもまれた女性の英雄行動はあっぱれだが何故そのような場所に庁舎を建てたのか。やはり日本人の敗北なのである。

 原子力発電が安全であるというなら国会議事堂と東京都庁の横にそれぞれ一基原発を建てたらいい。大阪府庁と名古屋屋府庁にそれぞれ一基。仙台市の少し先には女川原発がある。九州にはいくつか原発がある。札幌市から遠くない場所に泊原発がある。核のゴミの捨て場は青森県の辺鄙な場所にある。貧乏な自治体の財政補助として押し付けた。核のゴミは永久に消えないから厄介である。

 取材のために原発事故現場に近づくほどに理屈を超えた恐怖で慄(おのの)いた。それでも何度も事故現場近くに足を踏み入れた。避難地域の家は壊れたままに放置されている。汚染度は田圃に大量に積まれている。避難地域では生計が原発がらみでなりたっている。農業はできない。そもそも過疎地域で若い人が暮らしをするための方途がないから戻ることができない。第一原発の事故は対応次第では日本列島沈没と同じ状況をもたらした。

 震災直後から被災地に足を踏み入れていると経済が回りだすのを象徴するようにハカリが稼働を始めた。壊れたガソリンスタンドでは手回しの給油器が動いた。海辺の床屋の爺さんも流されてしまったの埼玉県から故郷を見にきた中年が女川港で記者に語った。女川港では漁業が再開するのと同時にトラックスケールが動き出した。壊れたトラックスケールと撮影したカメラは復興の最新のトラックスケールをも写した。小さな漁港を訪れると魚が水揚げされているその場所でハカリが動いていた。

 被害が大きかった三陸地方である。石巻市は工場地帯である。魚介類の加工業は第二次産業だ。仙台市は商業都市である。東北道沿線は工業地帯である。産業統計がそれを物語る。第一次産業としての漁業は規模は大きくはない。その漁業が沿岸部の人々の生計である。漁業従事者は多くはない。漁業従事者の生計の再建に温かい目を注ぐことこそ大事である。福島産の農産物と海産物に「原子力を正しく理解」しての購買促進をすることもまた日本人の望ましい心の在り方である。福島産の農産物と海産物は放射線測定器によって他の地域と変わらない放射線濃度であることが確かめられている。

(誤字、不適切な表現などについてはご容赦ください)

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