計測の目的と求められる確かを考える
計測の目的と求められる確かを考える
計量計測のエッセー 
計測の目的と求められる確かを考える
写真は本文とは連動しない挿絵ですのでよろしくお願いします。

写真は6月25日に撮影した高原のダケカンバと青空と雲。

(タイトル)
計測の目的と求められる確かを考える

(本文)

 計ることには目的がある。部品の嵌(は)めあわせのために凸(でこ)と凹(ぼこ)との適切な寸法を決めるための計測である。ホ(かし)めることを求めれば凸と凹の寸法は超接近する。適度な回転を与える場合にはゆるみをもたせる。計測の加減がここでなされる。計っておかなかなくてはわからないことがある。ダイオキシンのカモメへの影響を確かめるために卵の質量を長期間計測することがなされた。ダイオキシンの影響はカモメが生む卵の質量を徐々に低下させていた。英国の海岸線における事例である。

 計測は目的にあわせてなされる。調理のための塩と砂糖の計測は大さじ、中さじ、小さじというように表現されてきたが、質量のグラム表記で目安を示すこともある。これとても原材料の大きさ(質量の大小など)に対しての表示である。家庭における調理に塩と砂糖を0.1グラム単位で計測することの意味がない。これより一桁小さいような計測値の協定をしていてそれを違(たが)えたから責任をとれと迫られたのが製鉄会社の計測値偽装問題だ。

 製造工程を調整しても実現できない精密さを協定値を決めていた。実現できない厚みなどを含む品質であるから測定値を勝手に変えて取引する。これが慣行になっていた。このことが表ざたになると買う側は製品をつくった側が悪いという。製品を買ってモノをつくる側の技術者は提供される鉄板などの使っても強度面を含めた製品の性能と品質に影響しないことを知っている。構造物を含む計測機器の性能と品質に影響しないことが確かめるられている。

 米国の弁護士はどのような事柄でも隙があればつけこむ。鉄板など製品を使う当事者はその性能と品質で十分だと考えていても、相手に不備、瑕疵(かし)などがあるようだと企業を焚きつけて訴訟にして賠償金を求める。積算するとその金額は大企業を破綻させるほどになる。製鉄会社は意味をなさない計測値とそれが示す品質のことを知っているから平気でデータを誤魔化してきた。組織的にそれをしてきた。賢い選択は技術力に見合った計測値を含めた品質内容を表示して販売すること、意を決して取り組んで嘘の過剰品質を表記しないことであった。

 計測は求められる確かさで実現される。要求精度の二けたも細かい値をだすからといってその値の意味を考えるのは無駄だ。普通の人が普通の目的で体重を計るのに1グラム以下の値に目を向けることには意味がない。いま飲んだ水の分、体重計のその日の気分で値は変わる。

 アメリカで体重を厳密に計るある実験がなされた。臨終と同時に体重が減るか確かめようとした。人の魂の質量を測定しようというのである。人の体は臨終のあとでも生きている。臓器は臨終から1時間は生きていて移植できる。皮膚からは水分が蒸発する。冬場の蒸発は大きいし梅雨時だと少ない。アメリカ人は世界は神の創造物だと信じて疑わない。臨終と同時に人の魂は人から飛び出していくと考えて体重を測定した。測定結果は上に示した条件などを考慮して考える。

2018-08-03-think-about-the-purpose-of-measurement-and-the-certainty-required-

(誤字、不適切な表現などについてはご容赦ください)
 
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