田中舘愛橘の志賀潔と中村清二への教え方
田中舘愛橘の志賀潔と中村清二への教え方
計量計測のエッセー 
田中舘愛橘の志賀潔と中村清二への教え方

写真はホテルのロビーを飾る花(写真は挿絵です)

(タイトル)
田中舘愛橘の志賀潔と中村清二への教え方

(本文)

 北海道の就学前の女児が質問した。蝶の蛹(さなぎ)は凍っても死なないのですか、と。回答は凍らないで冬を過ごすのだ。問答はそこまでだった。しくじって凍った蛹は死ぬ。大概は凍らないようにして越冬するのだろう。恐らく氷点下10℃ぐらいなら凍らないのだろう。カマキリの産卵位置はその年の降雪量を示すという。そうであることが多いのだろうが、そうであるように理解したがるのが人である。軒下に産卵するカマキリを賢いというのだろうか。

 NHKは冬休みラジオ子ども電話相談室を初めて開設した。宇宙・天文のこと、科学のこと、ロボットのこと、恐竜のこと、動物のこと、植物のことなど子供の関心ごとを題材として取り上げた。恐竜のことんどは図鑑をよく読んでいてそれを丸ごと暗記している児童が多くて、恐竜の名前と行動様式のことをすらすらと語っていた。夢は何かと聞かれると恐竜を研究する人になることだという。

 恐竜と宇宙のことを質問する児童はみなこまっしゃくれている。観察の要素がからむ蛹が凍らないかという女児は素朴であり事実に即して考えている。そのようなことが多いようだ。覚えたことを際限なく喋っている人がいる。新しい知識の修得はわずかでほとんどが昔仕入れた知識であり、それをのべつ幕なししゃべる。大学の教壇に立っている者にこのようなのがいる。精神科医の北杜夫が描く病院にもいる。20年前の筆記ノートが受け継がれていてそれを写して試験の回答にする。どこかにある知識を仕込んでそれをひけらかすように講義しているのだ。その知識は本に載っている。そしてインターネットにはもっと深い知識が盛り込んである。「教育者」とは何であろうか。

 志賀潔はプロペラーが風洞で発生させる渦をプロペラーの指定の位置で直接写真乾板上に撮影することを命ぜられた。命じた先生が夜中に実験室に現れて、実験のあの先はどうだったかと尋ねる。腹が減っただろうからと焼き芋を持ってきて自分も食べて、芋の皮を扇風機の前に投げ込んで風洞のなかを飛んで行くのを喜んで見ていた。あの時に僕は実際に困ったが幸いにどうにか漕ぎつけた。放電発光を電気回路に組み込んだインダクタンスの量で任意に加減することを指示されたのだった気付いて、あのときにインダクタンスという概念がわがものになったと志賀潔は述べている。

 中村清二は述懐する。先生から対数表を使って計算することの意義を初めて聞かされてハッと驚いた。計算を行うにあたって要求するところの精度に順応するように対数表ができている。それが計算尺の目盛りの刻み方でもよくわかる。たとえば同じ10という数でも10と20のところと、80と90のところの10とでは大きな相違がある。それが計算尺をみれば10から20までの距たりは大きくて、80から90までの距たりはまことに小さいのが明瞭であろう。これが計算尺、対数表のよいところ。このように物事を大局から達観するような態度の大切さを種々教えられた。そこに先生の学問の偉さというものがある。根底のある人でないと、あんなことは言えない。先生は器械のような講義はなさらない。

 上のことは中村清二著『田中舘愛橘先生』にある。志賀潔は赤痢菌の発見者として知られ、朝鮮総督府医院長、京城医学専門学校校長、京城帝国大学総長などを歴任。中村清二は東京帝國大学理科大学教授、文化功労者。

 子ども電話相談室の回答者にも田中舘愛橘のように学生に深い同情を寄せ、ともに考えるという人がいるし、単純に知識を提供するだけの人もいる。教えとは何であるか考えさせられる。

(誤字、不適切な表現などについてはご容赦ください)

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計量計測のエッセー


1%の検定で計量の安全を実現している日本の計量制度
写真は本文とは連動しない挿絵ですのでよろしくお願いします。

写真は高層湿原に咲き始めたレンゲツツジです。夏の始まり。
学校は記憶容量とアプリケーションを確認するところ
計量検定所長の仕事は検査機関運営費をたっぷりと確保すること
社会の計量の安全の確保は住民サービスの基礎
神鋼素材は計測器性能に影響がない
田中舘愛橘の志賀潔と中村清二への教え方

 
旅のエッセー集 essay and journey(essay of journey) 

滋賀県・草津市の宿で王将の餃子をたべた

京都三条の街は気詰まりで滅入る

神戸は港町だが山の街でもあり大都市だ


神戸は港町だが山の街でもあり大都市だ

霧ヶ峰 雪景色

秩父札所二十四番 光智山法泉寺

6月24日の霧ヶ峰高原道路だ。強清水から車山・肩駐車場に向かって走る

正月の下呂温泉は一夜にして白銀の世界になった

上高地 晩夏

風の子の子供たちですが人は風邪を引いてはなりません

川崎大師平間寺で願い事をする

霧ヶ峰高原の八島湿原の周りに出現する景色(2)
薄く積もった雪道を踏みしめる。クロカン四駆の世界だ。

霧ヶ峰高原の八島湿原の周りに出現する景色

霧ヶ峰高原 晩秋の八島湿原

霧ヶ峰高原 晩秋

和歌山市加太港の浜に立つ

山梨県牧丘村で秋の風景に出会った。今は新しい市になっているがその名は知らない。

ダイヤモンド富士

酉の市(おとりさま)

浅草の浅草寺界隈に足を向けた 外人がいて蜘蛛の巣の鉄塔が見えた

旧塩山の恵林寺界隈を見物した

仙台藩と青葉城

カラスウリが赤くなって秋です

スズランが赤い実を付ける秋の始まりです
 
 
 
旅のエッセー集 essay and journey(essay of journey) 

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