計量法の解説
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(36) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(36) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(36) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(36) 筆者 高原隆
筆者は計量行政職員であり現職時に作成した文章です。その後に計量法令は変更になっており、変更のある部分には編集部で注意書きをしております。元になっている文章は 計量計測データバンク「計量法の読み方」 ですので、本文に疑問がある場合には 「計量法の読み方」 を開いて確かめてください。この文章は計量法を理解するための古典ともいえる内容になっております。なお 「計量法の読み方」 が編集の都合によってPGFファイルですので、そのhtlm版として、本稿を作成いたしました。新聞紙面と併せてご利用ください。また経済産業省の穂オームページに掲載の次のページ計量制度の概要(METI/経済産業省)などで内容を確認してください。 「計量法の読み方」(https://www.keiryou-keisoku.co.jp/yomikata/ver.4-101022/yomikata-zenfile20170421.pdf)(計量計測データバンク編集部)
(見出し)
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-筆者 高原隆
(本文)
はじめに----------3
1、 計量法の目的----------4
1-1、計量法の目的とは----------4
1-2、計量法の目的と諸規定----------4
1-3、明示されていない目的----------5
2、定義等----------6
2-1、「計量」と「計量単位」----------6
2-2、「取引」及び「証明」----------7
2-3、「計量器」と「特定計量器」----------10
2-4、製造、改造、修理----------14
2-5、計量器の校正、標準物質、標準物質の値付け----------15
3、計量単位----------18
3-1、メートル条約----------18
3-2、SI単位----------20
3-3、法定計量単位----------22
3-4、非法定計量単位に関する規制----------25
4、適正な計量の実施----------37
4-1、正確な計量----------37
4-2、商品の販売に係る計量----------39
4-3、計量器等の使用----------46
5、定期検査----------53
5-1、定期検査制度----------53
5-2、指定定期検査機関----------69
6、正確な特定計量器等の供給----------81
6-1、正確な計量器の供給----------81
6-2、製造----------82
6-3、修理----------87
6-4、販売----------93
6-5、家庭用特定計量器----------96
6-6、譲渡等の制限----------100
6-7、特殊容器----------101
7、検定等----------110
7-1、検定----------110
7-2、型式承認----------136
7-3、指定製造事業者----------149
7-4、基準器検査----------160
7-5、指定検定機関----------177
8、計量証明の事業----------186
8-1、計量証明事業者制度とは----------186
-1-
8-2、計量証明事業者制度----------188
8-3、計量証明検査----------202
8-4、特定計量証明事業者制度----------210
9、適正な計量管理----------227
9-1、計量士----------227
9-2、適正計量管理事業所----------238
10、計量器の校正等----------247
10-1、トレーサビリティ制度(JCSS)----------247
10-2、公的な計量標準の設定と供給----------254
10-3、民間の計量標準の設定と供給(校正事業者登録制度)----------263
10、雑則----------274
11-1、報告----------274
11-2、立入検査----------278
11-3、計量行政審議会----------287
11-4、地方分権改正----------292
11-5、行政手続と不服申立て----------305
11-6、中央省庁再編(中央省庁等改革)に伴う改正----------313
11-7、その他----------317
計量法の解説
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(35) 筆者 高原隆
からの続き。
この他、「土壌と一体かどうかで判断する」という説もあるが、極めて抽象的な表現であり、具体的に「土壌と一体」か否かを判断することが容易ではなく、行政担当者間で使用されている用語であるが意味が曖昧で実用的ではない。
なお、廃棄物については、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」があり、一般廃棄物とは家庭ゴミ等が該当し地方自治体が処理責任を負うものであるが、産業廃棄物は排出事業者の責任で処理しなければならないものとなっている。そして、厚生省では、産業廃棄物の運搬・処分の際の分析と報告を義務づけている。これまでの計量行政による指導では、これらの分析については対象外との見解を示してきたが、一部でこうした行為が計量証明事業の登録対象に該当するという指摘がされている。
【質問事例1】
産業廃棄物については、移動中のものは対象外と思われるが、中間処理施設内のものや最終処分場内のものは対象か。また、埋め立て処分又は海洋投棄された後の分析は対象か否か。
これについては、行政内部の検討会等で何度も議論されているが、「埋め立て若しくは海洋投入される以前の状態であれば対象外、土壌中又は水中に入れば対象」とされている。
なお、「廃棄物処理施設」については、水質汚濁防止法の特定施設であるため、施設から公共用水域への排水は対象である。
産業廃棄物の処分方法については、埋め立て、焼却後埋め立て、海洋投棄などがかなりの部分を占め、廃棄物を自然環境中に環流させる行為であるため、「環境計量」の範疇に含まれるという説が根強く残っている。また、一部の地方自治体では、条例等で定めた様式(環境計量士名の記載、等)で測定結果を提出させるなど、環境計量証明事業者が分析することを求められている。こうしたことから、産業廃棄物の投棄・埋め立て直前の分析を計量証明事業登録の対象に含めるよう、日本環境測定分析協会(以下、「日環協」)から国(計量行政室)へ要望書が出されたこともあった。
産業廃棄物を対象外とする理由については、廃掃法(厚生省)と計量法間の法律規制の兼ね合いを調整しているためと推察されるが、具体的に法令等の条文に登録除外規定があるわけではなく、計量証明事業者への理解を得られる説明となっていない。
【質問事例2】
産業廃棄物の分析結果について、地方自治体からの要請があるため、「分析報告書」に「計量証明書」の表題を付けて出して良いか。
結論としては、計量法第107条の登録対象外の計量証明については、省令で定める標章を付した場合以外は、計量法では関知しない。
都道府県指導のガイドラインとして出ている「移動可能な状態で~」の文章については、日環協の機関誌(94年6月号)からの抜粋であるが、この原文には「この場合、発注者又は監督官公庁から特に依頼があれば計量証明書の用紙を用いて分析報告書を作成することは差し支えない。」との文章が後段に続いていたのである。そして、ガイドラインにおいても、「計量法第107条の登録を要しない物象の状態の量について、計量証明書の用紙を用いて計量証明を発行するか否かは、法の対象外とする。この場合、計量証明書を発行するときに同条の対象となる証明事業ではない旨を
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明記する等、法との関係において誤解を生じることのないこととする。」とされている。
従って、計量法上の登録対象外の計量証明書を発行することは、計量法では関知しないが、「計量法第107条の対象外である」旨を明記すれば良い。ただし、平成14年4月の計量法一部改正により、標章を付した計量証明書を登録対象以外の計量証明に用いることの禁止規定ができたため、標章を付したまま計量証明書を発行した場合は罰則適用の可能性があることに注意すべきである。
(5)工場排水等
《判断基準》
地下水を除けば、「公共用水域に排出される水」は対象、それ以外のものは対象外である。
水における「環境測定」の範囲については、地下水を除けば、環境影響評価を目的とした測定及び水質汚濁防止法で規制される工場排水等の測定が中心になると考られる。
工場等で使用される水には、「工業用水として使用される水」「工程中の水」「公共用水域に排出される水」などいろいろなものがあるが、これらのどの範囲までが計量証明事業の登録対象となるかについては議論のあるところである。
水濁法では、公共用水域等の水質の汚濁防止を目的としているため、「特定施設を設置している工場・事業場(特定事業場)」から公共用水域に排出される水に規制基準を設けている。
従って、計量証明事業者による第三者証明が必要なのは、この規制のかかる排水測定の部分になると思われる。このため、「工程中の水」については対象外とされてきた。これは、計量法に基づく証明行為が「一定の法的責任を伴うもの」に限定されると考えられることから、「計量法上の規制の対象にすべきほどの社会的要請」が希薄であると認識されてきたためである。
なお、「工業用水として使用される水」については、水道事業者から供給される水を使用する場合や地下水を汲み上げて使用する場合等があり、地下水の場合は「環境中」の水であるから対象とする説が有力である。
【質問事例1】
公共用水域の範囲は、どこからどこまでか。また、排水のサンプリング場所によっては対象対象外に影響するのか。
公共用水域とは、水質汚濁防止法(2条)によれば、「河川、湖沼、港湾、沿岸海域、その他~」と定義されていて、一般に自然環境中と解される水域のほとんどが含まれる。そして、同法は、公共用水域に排出される水について規制し、その規制を受ける排水は「特定施設を設置している工場・事業場(特定事業場)」とされている。そして、この「特定事業場」から公共用水域に排出される水については、一般に「工場排水」とよばれ、JIS等でサンプリング方法や測定方法が定められている。
この「公共用水域」の解釈については、「沖合海域」などが含まれ、「公共用水域であることは、原則としてそれがどのような場所を、どのような形態で流れているかは問わない」とされている。例えば、工場の敷地内を河川が流れていればその河川は公共用水域であり、都市下水路が暗渠で流れていても公共用水域に該当する。
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一方、地下水については、公共用水域には含まれないとされている。これについては、もともと「公共用水域」という概念は工場等からの排出水の排出先として考えられたものであるため、地下水や地下水脈はこれらの排出先ではないからである。しかし、地下水の水質についても、水濁法で規制する「水質の汚濁」に含まれるため、環境中の水として計量証明事業登録の対象であると解釈するのが自然である。
工場排水等のサンプリング・測定方法等については、JIS等により公定法として定められた方法があるため、これに則った方法によりサンプリングされていれば対象と解釈される。因みにJISでは、「採取地点は、公共用水域への排水口とし、ここでの採取ができない場合は、同じ水質の得られる地点を選ぶ」とされている。
【質問事例2】
排水される前の処理工程中の水について、計量証明書を出せるか否か。
結論から言えば、ごく希なケースとして計量証明書で出すことは可能と思われる。
工程水については、排水と併せて測定依頼された場合、一枚の計量証明書に排水と工程水を並列に表記し、それぞれの測定結果を併記することが一般的に行われている。この場合、工程水について「計量法第107条の対象外」を併記することで通常は問題がなく、この「~対象外」のない計量証明書を要求されることはまずないと思われる。
一般に工程水は、工場等内の工程管理用として測定する場合がほとんどで、自己証明に該当するケースが多かった。以前は、企業内部の分析部門などが内部管理用として測定してきたが、分業等による効率化や極微量測定等の測定技術の問題などから、外部委託するケースが増えてきている。しかし、測定ニーズは増えていても、それを計量証明書で出さなければならない必然性(法的的根拠)はなく、「測定ニーズ」イコール「計量証明書ニーズ」ではない。
ただ、顧客が信頼性の高い測定データを望む場合や官公庁への提出資料として添付する場合、測定データが公にされる可能性もあり計量証明書で出すケースもあるようである。こうしたケースでは、計量証明の必要性と測定結果が環境汚染対策に利用されることなどを総合的に判断し、「環境計測に係る事業」の範疇と解釈して計量証明書を出すことが、ごく希なケースとして可能と考えられる。
なお、工程水のみの計量証明を行っている事業者に対して計量証明事業登録が必要かどうかについては、基本的には工程水は環境中のものではなく測定しなければならない法的義務づけもないため、通常は登録指導する必要はない。
(6)大気関係
《判断基準》
基本的には、環境測定を目的とする計測の場合は対象、それ以外の場合は対象外である。大雑把に捉えれば、建築物内は対象外である。
大気関係における判断基準としては、やはり「環境計測か否か」の基本原則を中心に判断する方が間違いが少ない。大気についても、水関係ほど多くはないが他法律との兼ね合いがあり、兼ね合
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いのある法律の趣旨を理解しておく必要がある。
この他の判断基準としては、制度発足当初より、通達(昭和50年8月8日、「機計50ー40」)で「建物物内の空気を含まず、工場又は事業所から排出されるガスを含む」とされている。
「建築物内の空気を含まず」とした根拠については、「建築物における衛生環境の確保に関する法律(通称、ビル管理法)」との調整によるとする説、作業環境測定機関との棲み分けを図ったとする説、又は両方など、諸説あるが定かではない。
後段の「工場又は事業所から排出されるガスを含む」については、説明の必要もないが、大気汚染防止法(以下、「大防法」)による規制対象の測定を計量証明事業の登録対象としたものである。具体的には、工場排水等と同様の考え方で公定法に基づく測定・サンプリング方法であれば対象であり、煙道内空気は当然に対象範囲となる。
【質問事例1】
作業環境測定法との関係はどうなっているのか。
作業環境測定機関については、計量法第107条ただし書により登録の適用除外とされているが、その範囲については議論のあるところである。
作業環境測定法との関係については、作業環境測定士と環境計量士との資格試験における科目免除の規定があるなど、それぞれの測定機関の測定業務内容や登録規制の内容も似た部分があり、計量法とかなり密接な関係となっているが両者の法規制の目的等は異なる。
計量法第107条ただし書により登録の適用除外となる部分については、作業環境測定法に基づき測定される場合では、計量法上の証明事業となる場合であっても登録を要しないとされている。
具体的には、「労働安全衛生法において、~有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場の作業環境の測定等」(旧法例規集)について登録の適用除外となるが、労働安全衛生法等で作業環境測定機関が測定することを義務付けている部分以外については曖昧になっている。一般的には、作業環境測定機関が測定することを法律等で義務づけされていなければ、計量に関する一般法である計量法の適用を受けると考えられる。しかし、実際には、労働者の安全と健康・保護を目的とする作業環境測定と環境汚染物質の量的把握を目的とする環境計測とは、測定趣旨が異なるため同一に考えることは適当ではない。
従って、測定目的が環境計測でなければ登録対象外と考えるのが妥当である。因みに、過去に日環協より労働省宛に、労働安全衛生法で作業環境測定機関に義務づけされている以外の測定については計量証明事業者に測定させるようとの要望書が提出されたことがあったが、誰が測定してもかまわないとの見解であったとのことである。
【質問事例2】
悪臭防止法に基づく特定悪臭物質の測定は、対象か否か。
悪臭防止法による規制基準は、「特定悪臭物質」(政令指定)について、悪臭の強度と大気中濃度の関係を基礎とし、政令で定める範囲内で知事等が特定悪臭物質の種類ごとに濃度又は「臭気指数」のいずれかにより設定することとなっている。
「臭気指数」については、人の嗅覚を用いて判定試験する嗅覚測定法によるため、計量法上の濃
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度ではなく登録対象外となる。
濃度規制の場合は、事業所の敷地境界線上の大気濃度の基準(1号規制)、煙突等の排出口における基準(2号規制)、排出水における濃度基準(3号規制)の3種類の規制基準がある。これらについては、1号規制と3号規制については濃度基準(ppm)であるため明らかに計量証明対象であるが、2号規制については「悪臭物質の流量 に係る許容限度」(純粋な濃度規制ではない)のため扱い(対象対象外)は若干異な る。
2号規制の場合は、規制基準濃度(ppm)に排出口高さ(m)及び係数をかけた流量(m3/h)により規制されるため、測定濃度から計算した数値(m3/h)については計量法上の計量証明事業登録(濃度)の対象ではない。
結論としては、2号規制における測定をおこなった場合は、「測定濃度(ppm)」と規制値と同じ単位に変換した「流量値(m3/h)」を計量証明書に併記し、流量値については「計量法第107条の対象外」である旨を記載するべきである。
【質問事例3】
自動車排ガスの測定は、対象か否か。
結論から言えば、対象外である。自動車排ガスについては、その自動車の車種・整備状況等によって排出ガスの成分・濃度等がほぼ決まるものであることから、自動車の性能検査の範疇であると考えられる。
自動車排ガスに係る規制は、大防法による許容限度を国土交通省が道路運送車両法で保安基準を定める仕組みとなっている。そして、自動車排出ガスの測定については、道路運送車両法による検査の際に排出ガス試験が行われる。この検査は、同法による指定整備事業者等が車検等の際に行っているものである。
この指定整備事業者については、旧計量法において計量証明事業登録を適用除外する規定を設けていたが、もともと自動車の性能検査の範疇のものであることから新法より削除された。
なお、これらの指定整備事業者等が自動車運送車両の検査に用いる計測器を使用して道路等の自動車排ガスを測定する場合は、環境計測であり計量証明事業の登録を受ける必要がある。
因みに自動車排ガス規制は、1966年にCOの濃度規制から始まり、逐次規制強化され、現在は「CO」「HC」「NOx」「PM」「鉛化合物」の5物質となっている。
また、近年の窒素酸化物による大気汚染の深刻化により、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)」による規制や測定も行われている。
4 おわりに
最後に付け加えることとしては、行政判断には原則があり例外があるということである。行政判断とういうものは、不変のものではなく時代の変化により解釈も変わるため、複雑な世の中の現象を固定観念で捉えることは危険である。判断がつかないケースが生じたときは、常に基本に立ち返り、原理原則や論理に照らし矛盾がないかなどを検証すべきである。
また、最初に述べたように、計量法の条文中には「登録の対象範囲は~」と定義した条文はない。
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これは、登録の対象範囲を計量法で明確に定義すると他の法律との兼ね合いで支障が生じることを避けたために、あえて「政令で定める物象の状態の量の計量証明の事業を行おうとする者は~」などの間接的な表現を用いらなければならかったものと推察される。法律的に言えば、既にある他の法律の条文に抵触する新たな条文を計量法に追加すると、追加した条文は法律上無効となる。現在の計量法の条文は、こうしたことを考慮した当時の担当者の苦労の産物として引き継がれているのである。
一方、業界内では、通達等で明確にされていない部分について計量証明書で出すか分析報告書で出すかの判断については、事業者が自ら判断すれば足りるという意見も根強くある。登録事業者から見れば、計量法上の登録だけで分析業務等を行っているわけではなく、業務上、登録の対象外のものについても計量証明書を出さなくてはならないケースもある。こうした実態を踏まえて計量法では、解釈上「大気、水又は土壌中の物質の濃度」の対象外とされるものでも、「計量法の対象外」といった行政判断で対象外の計量証明書の発行については関知せずとの立場をとってきている。
これらについては、ある程度は業界主導によるルール化に任せた方が世の中のニーズや実態を反映したものになると考えられるが、社会的に容認される範囲でなければ行政指導の必要性を生じる。行政サイドとしても、そうした問題が生じないよう環境計量証明事業者制度の適正化を図っていくため、温故知新、日々、研究・努力していかなくてはならない。
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(主な参考文献)
・「計量法の概要」(社)日本計量振興協会発行、平成12年度版
・「新計量法の概要」通商産業省計量行政室編集、第一法規、平成6年発行
・「新計量法の解説」(社)日本計量士会発行、平成5年度版
・「計量法の概要」通商産業省計量行政室編、計量管理協会発行、昭和61年版
・「計量法関係法令例規集」通商産業省計量行政室編集(旧法)、昭和42年9月初版
・「計量法逐条解説」堀内道一(通商産業省計量課)著、昭和50年3月初版
・「東京の計量」東京都計量検定所発行、昭和51年
・「計量百年史」(社)日本計量協会、昭和53年(第2版)
・「新版計量法と解説(計量百科11)」計量新報調査部編、昭和47年発行
・「新計量法とその解説(計量百科5)」計量新報調査部編、
・「日計証30年のあゆみ」日本計量証明事業連合会、平成3年10月
・「新版計量技術ハンドブック」
工業技術院計量研究所計量技術ハンドブック編集委員会編、コロナ社、昭和62年発行
・「将来の計量計測のあり方についての調査研究報告書」
(財)機会振興協会経済研究所発行、(社)日本計量協会委託、昭和58年2月
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計量制度の概要(METI/経済産業省)
計量法における単位規制の概要
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の届出について
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の承認について
計量法における計量器の規制の概要
特定計量器に関する規制の概要
家庭用特定計量器(体重計・調理用はかり)に関する規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要(特定商品(食品など)の量目公差・内容量表記など)
特殊容器(丸正びん)制度
計量証明の事業
計量標準
法定計量における国際整合化の推進(国際法定計量機関)
普及啓発(計量記念日)
2026-03-28-no36-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-