計量法の解説
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(27) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(27) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(19) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(20) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(21) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(22) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(27) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(28) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(27) 筆者 高原隆
筆者は計量行政職員であり現職時に作成した文章です。その後に計量法令は変更になっており、変更のある部分には編集部で注意書きをしております。元になっている文章は 計量計測データバンク「計量法の読み方」 ですので、本文に疑問がある場合には 「計量法の読み方」 を開いて確かめてください。この文章は計量法を理解するための古典ともいえる内容になっております。なお 「計量法の読み方」 が編集の都合によってPGFファイルですので、そのhtlm版として、本稿を作成いたしました。新聞紙面と併せてご利用ください。また経済産業省の穂オームページに掲載の次のページ計量制度の概要(METI/経済産業省)などで内容を確認してください。 「計量法の読み方」(https://www.keiryou-keisoku.co.jp/yomikata/ver.4-101022/yomikata-zenfile20170421.pdf)(計量計測データバンク編集部)
(見出し)
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-筆者 高原隆
(本文)
はじめに----------3
1、 計量法の目的----------4
1-1、計量法の目的とは----------4
1-2、計量法の目的と諸規定----------4
1-3、明示されていない目的----------5
2、定義等----------6
2-1、「計量」と「計量単位」----------6
2-2、「取引」及び「証明」----------7
2-3、「計量器」と「特定計量器」----------10
2-4、製造、改造、修理----------14
2-5、計量器の校正、標準物質、標準物質の値付け----------15
3、計量単位----------18
3-1、メートル条約----------18
3-2、SI単位----------20
3-3、法定計量単位----------22
3-4、非法定計量単位に関する規制----------25
4、適正な計量の実施----------37
4-1、正確な計量----------37
4-2、商品の販売に係る計量----------39
4-3、計量器等の使用----------46
5、定期検査----------53
5-1、定期検査制度----------53
5-2、指定定期検査機関----------69
6、正確な特定計量器等の供給----------81
6-1、正確な計量器の供給----------81
6-2、製造----------82
6-3、修理----------87
6-4、販売----------93
6-5、家庭用特定計量器----------96
6-6、譲渡等の制限----------100
6-7、特殊容器----------101
7、検定等----------110
7-1、検定----------110
7-2、型式承認----------136
7-3、指定製造事業者----------149
7-4、基準器検査----------160
7-5、指定検定機関----------177
8、計量証明の事業----------186
8-1、計量証明事業者制度とは----------186
-1-
8-2、計量証明事業者制度----------188
8-3、計量証明検査----------202
8-4、特定計量証明事業者制度----------210
9、適正な計量管理----------227
9-1、計量士----------227
9-2、適正計量管理事業所----------238
10、計量器の校正等----------247
10-1、トレーサビリティ制度(JCSS)----------247
10-2、公的な計量標準の設定と供給----------254
10-3、民間の計量標準の設定と供給(校正事業者登録制度)----------263
10、雑則----------274
11-1、報告----------274
11-2、立入検査----------278
11-3、計量行政審議会----------287
11-4、地方分権改正----------292
11-5、行政手続と不服申立て----------305
11-6、中央省庁再編(中央省庁等改革)に伴う改正----------313
11-7、その他----------317
計量法の解説
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(26) 筆者 高原隆
からの続き。
CIPM-MRAの背景
CIPM-MRAの背景としては、1995年のWTO/TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)により、国内の技術基準や任意規格について、適合性評価手続を国際規格(ガイド等)に整合化する必要があったことが要因の一つとして挙げられる。
この他には、国際規格(ガイド等)を市場に適合したものへとする働きかけや、適合性評価の仕組みを国際的に統合していく流れなどから、重複検査を可能な限り排除(ワンストップ・テスティングの実現)する必要性が高まってきたことが挙げられる。
CIPM-MRAは、こうした状況を受けて、国家計量標準の同等性の程度を承認すること、加盟各国の計量機関による校正証明書を承認すること、を目的として締結された協定である。
MRA(相互承認)とは
国際的な相互承認(MRA)とは、各国の試験所認定制度の国際整合性を図るため、諸外国の制度間の同等性を相互に承認することである。
JCSSについては、その認定(登録)事業者の発行する校正証明書が「国際的に認められているもの」と「認められていないもの」がある。
国際的に認められているものは、JCSSの認定(登録)事業者が発行する「MRA IA Japan JCSS」ロゴ付き校正証明書について、加盟国間の適合性評価結果の相互受け入れ協定締結により行われる。
JCSSの国際相互承認協定への加盟については、1999年12月にAPLAC相互承認協定、2000年11月にILAC国際相互承認協定にそれぞれ「IAJapan」として署名している。
(※APLAC:アジア太平洋試験所認定協力機構(Asia-Pacific Laboratory Accreditation Cooperation)にはUSAやオーストラリアなどが加盟。ILAC:国際試験所認定協力機構(International Laboratory Accreditation Cooperation)はAPLACやEA等の地域協力機構を母体とするグローバルな協定。)
IAJapanとは
IAJapan(International Accreditation Japanの略語)とは、NITEの適合性認定分野を担当している「認定センター」の呼称であり、ISO/IEC17025等の国際規格に基づき、試験所や校正機関など適合性評価機関の認定を行っている。
IAJapan は、現在、試験所や校正機関等に対する4つの認定プログラム(JCSS、JNLA、ASNITE、MLAP)を運営しているほか、化学分析などの計量トレーサビリティ確保のための標準物質情報(RMinfo)も提供している。(※なお、MLAPは、MRAの対象外となっている。)
MRA認定対応事業者とは
MRA認定対応事業者とは、認定センターが署名したAPLAC、ILAC等の地域又は国際試験所認定機関協力機構の国際相互承認(MRA)に関して、試験所・校正機関認定制度の国際的な要求事項を満たした事業者として認定センターが認定した事業者である。
認定条件の具体的な要件については、常用参照標準及び重要校正用機器はMRA付きで校正すること、サーベイランス(年毎の部分検査と4年毎の全項目検査)の実施、認定機関が実施する技能試験への参加などである。
認定事業者には、MRA適合である旨の証明として、校正証明書に認定シンボル(MRA IAJapan)の
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使用(ILACにおいては校正証明書にILAC-MRAマークの使用)が認められる。
このロゴマークは、その試験や校正結果の信頼性を示す「認定シンボル」として、その校正証明書の海外での受け入れが容易(One-Stop-Testing)となる。
10-1-4計量トレーサビリティと「不確かさ」
基準器検査制度における「不確かさ」
基準器検査制度において「不確かさ」の用語が出てくる条文は、「基準器検査の合格条件」(法103条)において、「器差基準(同条1項2号)に適合性するかどうかは省令(基則15条)により定める。」(法103条3項)による省令(基則15条2項)である。
同省令(基則15条2項)では、基準器検査においてJCSS登録事業者が交付した校正証明書を添付した場合、特定標準器が現示する物象の状態の量との差(JCSS証明書の校正値)が基準器公差を超えず、かつ、当該証明書の不確かさが基準器公差の3分の1を超えないものであることを、器差の基準とすることができるとされている。
この条文の解釈については、基準器検査制度として「不確かさ」のある計量トレーサビリティを求めているわけではなく、「不確かさ」のある計量トレーサビリティを利用して器差基準に適合しているかどうかを判断しているものであるとされている。
「器差」と「不確かさ」
トレーサビリティ制度における「器差」とは、「その計量器の表示する物象の状態の量と特定標準器等を用いて表示される物象の状態の量との差」であり、不確かさの概念は含まれない。
一方、「不確かさ」は、「計量した値の確からしさが確率的にどの程度か」という概念である。具体的には、真実の値(物象の状態の量)が計量器の表示する値の周りにどれくらいの確率で分布しているか(言い換えれば「ばらついているか」)、を表すのが「不確かさ」という概念である。
以上のように、「器差」と「不確かさ」とは、まったく異なった概念であり、器差をいかに詳細に計っても不確かさが付いていない計量の場合、その測定結果の信頼性(不確かさ)が考慮されていないものと判断される。
メートル条約における計量トレーサビリティと「不確かさ」の導入
メートル条約締結国においては、計量の科学的発展と国際的整合性の確保のため、最新の科学的成果を反映した国際ルール作りが進められ、参加国で相互に計量トレーサビリティを認め合うCIPM-MRA(計量標準の国際相互承認協定)が機能している。
計量トレーサビリティの連鎖を科学的に保証するのは、「不確かさ」の概念である。「不確かさ」は、計量した値の周りに本当の値がどれくらいの確率で分布しているのかという信頼性を表す概念である。
かつては、正しい値からの乖離の幅を示す「誤差」という概念が使われていたが、そもそも正しい値がわからないので誤差も求められないということから、「不確かさ」という概念に発展した。
絶対的に正しい計量は、理論的には存在しても現実にはありえない。従って、計量の値の「確からしさ」が判らなければ、その値をどう評価して良いか判らないので扱えない。という考え方が、「不確かさの概念」を用いた現代的な計量の考え方であるとされている。
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「不確かさの概念」の導入経緯(GUM:計量における不確かさの表現のガイド)
国際組織における「不確かさの概念」の導入は、1981年に国際度量衡委員会の要求事項となり、1986年にはBIPM(メートル条約)、ISO(工業標準)、IEC(電気標準)、OIML(法定計量)、IUPAP(物理学会)、IUPAC(化学学会)、IFCC(臨床検査)の共同作業が開始され、1998年にはILAC(試験所認定)が参加して検討が行われている。
1993年には、GUM(Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement:計量における不確かさの表現のガイド)が編集出版され、「不確かさ概念の明確化」と計量における「不確かさの使用の徹底」が図られた。その後は、1995年にGUMの訂正版が出版され、国内では2006年に不確かさ関連JIS(Z 8404、Z 8402、Z 8101)が制定された。
我が国の計量法においては、平成4年(1992年)改正(1993年施行)により計量トレーサビリティ制度(JCSS)が導入され、平成11年(1999年)には基準器検査の器差基準の適合について計量トレーサビリティにより判断する方法(法103条3項ただし書きの追加改正)が認められた。
なお、平成4年以前の計量法には、当然ながら「不確かさ概念」はなかった。現行の計量法においても、JCSS及びその関連以外の制度には「不確かさの概念」は入れられていない。
不確かさ評価
「不確かさの評価」(GUMの評価)については、すべての測定結果はばらつくものであり、その「ばらつき」の諸原因を詳細に求めて評価する概念を導入したものとされている。
従来の誤差論(偶然誤差、系統誤差、等)にもとづく測定結果の評価では、真の値が存在することを前提としていたが、現実には真の値を求めることは困難であり、測定結果の評価を実際に即した形で実践するための手法として、「不確かさ評価」の概念が導入されたものである。
不確かさガイドでは、「標準不確かさ:u」、「合成標準不確かさ:uc」、「拡張不確かさ:U=kuc」、「包含係数:k」などの用語を用いて、「タイプAの評価:自前のデータで統計処理による評価(標準不確かさを実験標準偏差で推定する。)」、「タイプBの評価:その他の方法による(標準偏差に準じたもの u(xi )を推定する。)」などにより不確かさを求める。
「不確かさ評価」は、校正やトレーサビリティの確保などのための規格やガイドの重要性の高まりとともに、その適合性評価の判断基準としての「不確かさ評価」の重要性がますます高まってきている。
国際計量基本用語集(VIM)における「不確かさ」の定義
VIM(International Vocabulary of Basic and General Terms in Metrologyの略)は、「国際計量基本用語集」のことである。
VIMは、ISO(国際標準化機構)、IEC(国際電気標準会議)、OIML(国際法定計量機関)及びBIPM(国際度量衡局)の四つの計量関連国際組織が中心となって1984年に初版が編集発行され、1993年にはさらに三つの国際機関(IFCC、IUPAC、IUPAP)の協力を得て合同7機関の共同編集による改訂第2版、2007年にはILACを加えた8機関による見直し編集により改訂第3版が発行されている。
「トレーサビリティ」の定義については、VIMの初版(1984年)にも取り上げられているが、当初は「測定不確かさ」の概念が導入されておらず、第2版(1993年)からその概念が導入された。
「測定不確かさ」の定義については、VIM第1版(1984年)では「測定量の真の値が存在する範囲を示す推定値」とされていたが、VIM第2版(1993年)では「測定の結果に付随した、合理的に測定量に結び付けられ得る値のばらつきを特徴づけるパラメータ」とされている。
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10-2公的な計量標準の設定と供給
10-2-1特定標準器等(国家計量標準)
特定標準器等の指定
① 経済産業大臣は、計量器の標準となる特定の物象の状態の量を現示する計量器又はこれを現示する標準物質を製造するための器具、機械若しくは装置を指定するものとする。
② 経済産業大臣は、①の規定により計量器の標準となる特定の物象の状態の量を現示する計量器を指定する場合において、その指定に係る計量器(以下「特定標準器」という。)を計量器の校正に繰り返し用いることが不適当であると認めるときは、その特定標準器を用いて計量器の校正をされた計量器であって、その特定標準器に代わり得るものとして計量器の校正に用いることが適当であると認めるものを併せて指定するものとする。
<法134条1項、2項>
①は、国家標準となる「特定標準器」又は「特定標準物質を製造する器具、機械若しくは装置」を大臣が指定することを規定している。
②は、①により特定標準器を指定する場合において繰り返し用いることが不適当と認めるとき、その特定標準器に代わり得るもの(いわゆる「特定副標準器」)を併せて指定することを規定している。
①及び②の大臣が指定する具体的な特定標準器等については、告示210号xxxvにより指定されている。
特定標準器(法134条1項)
特定標準器の定義は、法134条1項より、「計量器の標準となる特定の物象の状態の量を現示する計量器」である。
具体的には、「キログラム原器」、「長さ用633nmよう素分子吸収線波長安定化ヘリウムネオンレーザー装置」(平成21年7月改正により、「協定世界時に同期した光周波数コム装置」を国家標準に指定)など産総研が保管する46の計量器、「自己校正型電流比較器」など日電検が保有する2つの計量器、(独)情報通信機構が保管する1つの計量器などとなっている。
特定副標準器(法134条2項)
特定副標準器の定義は、法134条2項より、「特定標準器を計量器の校正に繰り返し用いることが不適当であると認めるとき、その特定標準器を用いて計量器の校正をされた計量器であって、その特定標準器に代わり得るものとして計量器の校正に用いることが適当であると認めるもの」である。(※この用語は、法条文には直接出てこないが、告示において「特定副標準器」とされている。)
具体的には、産総研が保管する「標準分銅」、日電検が保管する「電流比較器」など26の計量器などとなっている。
特定標準物質(法134条3項)
「特定標準物質」の定義は、法134条3項より、「特定の物象の状態の量を現示する標準物質を製造するための器具、機械若しくは装置を用いて製造される標準物質」である。(※標準物質は品質が劣化
xxxv 「告示210号」:計量法第134条第1項及び第2項の規定に基づく特定標準器等及び特定の物象の状態の量を現示する標準物質を製造するための器具、機械又は装置の指定(平成19年8月、経済産業省告示第210号)の略
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しやすいため、当該標準を製造する装置等により製造される標準物質を「特定標準物質」としている。)
具体的には、JQAが保管する熱量標準安息香酸を製造するための精密天びん及び精密熱量測定装置で製造される「熱量標準安息香酸」、CERIが保管する標準ガス又は標準液を製造するための標準ガス製造用精密天びん、標準ガス調整装置、標準液製造用精密天びん、超純水製造装置及び分析計測装置で製造される「標準ガス」又は「標準液」などとなっている。
特定標準器等の指定の取消し
③ 経済産業大臣は、特定標準器又は法134条1項の規定による指定に係る器具、機械若しくは装置を用いて製造される標準物質(以下「特定標準物質」という。)が計量器の標準となる特定の物象の状態の量を現示するものとして不適当となったと認めるときは、その指定を取り消すことができる。この場合において、その指定の取消しに係る特定標準器について法134条2項の規定による指定がされているときは、その指定を併せて取り消すものとする。
④ 経済産業大臣は、法134条2項の規定による指定に係る計量器が特定標準器に代わり得るものとして計量器の校正に用いるものとして不適当となったと認めるときは、その指定を取り消すことができる。
<法134条3項、4項>
③は、特定標準器又は特定標準物質が国家標準として不適当となったと認めるとき、大臣はその指定を取り消すことができることを規定している。後段は、指定を取り消す特定標準器に特定副標準器(法134条2項)が指定されている場合、その特定副標準器も併せて取り消すことを規定している。
④は、③によらず特定副標準器が不適当となったと認めるとき、大臣はその指定を取り消すことができることを規定している。
特定標準器による校正等
校正等の主体
特定標準器若しくは法134条2項の規定による指定に係る計量器(以下「特定標準器等」という。)又は特定標準物質を用いて行う計量器の校正又は標準物質の値付け(以下「特定標準器による校正等」という。)は、経済産業大臣、日本電気計器検定所又は経済産業大臣が指定した者(以下「指定校正機関」という。)が行う。
<法135条1項>
特定標準器、特定副標準器又は特定標準物質を用いて行う計量器の校正又は標準物質の値付け(「特定標準器による校正等」という)の主体は、大臣、日電検又は大臣が指定した者(「指定校正機関」という)の三者であることを規定している。
指定校正機関については、省令167号xxxviにより、現在(平成21年)三つの機関が指定されている。
計量法(平成4年法律第51号)を実施するため、計量法135条1項に規定する指定校正機関を指定する省令を次のように定める。
計量法(平成4年法律第51号)135条1項に規定する指定校正機関として次の者を指定する。
・ 財団法人日本品質保証機構(昭和32年10月28日に財団法人日本機械金属検査協会という名称
xxxvi 「省令167号」:計量法第135条第1項に規定する指定校正機関を指定する省令(平成13年6月4日、経済産業省令第167号)の略
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で設立された法人をいう。)計量計測センター
・ 財団法人化学物質評価研究機構(昭和24年2月8日に財団法人ゴム製品検査協会という名称で設立された法人をいう。)東京事業所
・ 独立行政法人情報通信研究機構 第一研究部門新世代ネットワーク研究センター
<省令167号>
公示
② 経済産業大臣は、法135条1項の規定により経済産業大臣、日本電気計器検定所又は指定校正機関が特定標準器による校正等を行うときは、次の事項を公示するものとする。
1) 特定標準器による校正等を行う者
2) 特定標準器による校正等を行う計量器又は標準物質
3) 特定標準器による校正等に用いる特定標準器等又は特定標準物質
③ 経済産業大臣は、②の規定による公示に係る特定標準器による校正等をすることができなくなったときは、その旨を公示するものとする。
<法135条2項、3項>
②は、「特定標準器による校正等」(法135条1項)を行う場合、1)校正等を行う者、2)校正等を行う計量器又は標準物質、3)校正等に用いる特定標準器等又は特定標準物質を公示することを規定している。
公示は、計量標準供給制度は民間への計量標準の供給を主な目的としているため、広く一般に「特定標準器による校正等」が行われることを周知するために行うとされている。
なお、「特定標準器による校正等」を行う者等は、告示212号xxxviiにより公示されている。
③は、②の「特定標準器による校正等」をすることができなくなった場合、その旨を公示することを規定している。
特定標準器による校正等の義務
経済産業大臣、日本電気計器検定所又は指定校正機関は、特定標準器による校正等を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、特定標準器による校正等を行わなければならない。
<法137条>
依頼者から「特定標準器による校正等」を行うことを求められたときは、校正等の主体(大臣、日電検、指定校正機関)は正当な理由がある場合以外は行う義務があることを規定している。
10-2-2指定校正機関
指定の申請
法135条1項の指定は、経済産業省令(施行則83条)で定めるところにより、特定標準器による校正等を行おうとする者の申請により、その業務の範囲を限って行う。
<法138条>
指定校正機関の指定は、省令(施行則83条)により、業務範囲を限って行うことを規定している。
xxxvii 「告示212号」:計量法第135条第2項の規定に基づき、同項1号の特定標準器による校正等を行う者、同項2号の特定標準器による校正等を行う計量器又は標準物質及び同項3号の特定標準器による校正等に用いる特定標準器等又は特定標準物質(平成19年8月6日、経済産業省告示第212号)の略
-256-
(指定の申請)
法138条の規定により指定を受けようとする者は、様式74による申請書に次の書類を添えて、経済産業大臣に提出しなければならない。
1) 定款及び登記事項証明書
2) 申請の日を含む事業年度の直前の事業年度の最終日における財産目録及び貸借対照表
3) 申請の日を含む事業年度及び翌事業年度における事業計画及び収支予算書(特定標準器による校正等の業務(以下「校正業務」という。)に係る事項と他の業務に係る事項とを区分したもの)
4) 次の事項を記載した書面
イ 校正業務に類似する業務の実績
ロ 校正業務に用いる器具、機械又は装置の数、性能、所在の場所及びその所有又は借入れの別
ハ 校正業務を行う施設の概要
ニ 校正業務を行う組織に関する事項
ホ 役員又は事業主の氏名及び履歴、次条に規定する構成員(以下この号において単に「構成員」という。)のうち主たる者の氏名(構成員が法人である場合には、その法人の名称)並びに構成員の構成割合
ヘ 校正業務以外の業務を行っている場合は、その業務の種類及び概要
5) 申請者が法139条各号の規定に該当しないことを説明した書面
6) 申請者が施行則83条の3各号の規定に適合することを説明した書類
<施行則83条>
5)は、指定の「欠格事項」(法139条)に該当しないことを説明した書面(誓約書等)である。
6)は、「指定の基準」(施行則83条の3)に適合することを説明した書類である。
変更の届出
(変更の届出)
指定校正機関は、指定校正機関又は特定標準器による校正等を行う事業所の名称又は施行則83条4号ロからヘまでの記載事項を変更したときは、遅滞なく、様式75による届出書を経済産業大臣に提出しなければならない。
<施行則84条>
指定校正機関は、指定申請書記載事項(施行則83条4号ロからヘ)を変更した場合、届出書を大臣へ提出しなければならない。
欠格条項
次の各号の一に該当する者は、法135条1項の指定を受けることができない。
1) この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
2) 法141条の規定により法135条1項の指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者(法134条3項又は4項の規定により同条1項又は2項の規定による指定が取り消されたことに伴い、法141条3号に該当するものとして法135条1項の指定を取り消された者を除く。)
3) その業務を行う役員のうちに、1)に該当する者がある者
<法139条>
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1)は、この法律に違反し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終えて2年を経過しない者である。
2)は、法141条による「指定の取消し」を受け2年を経過しない者である。、
3)は、業務を行う役員に1)に該当するものがいないことである。
指定の基準
経済産業大臣は、法135条1項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
1) 特定標準器等を用いて計量器の校正を行うもの又は法134条1項の規定による指定に係る器具、機械若しくは装置を用いて特定標準物質を製造し、これを用いて計量器の校正若しくは標準物質の値付けを行うものであること。
2) 特定標準器による校正等の業務を適確かつ円滑に行うに必要な技術的能力及び経理的基礎を有するものであること。
3) 法人にあっては、その役員又は法人の種類に応じて経済産業省令(施行則83条の2)で定める構成員の構成が特定標準器による校正等の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
4) 3)に定めるもののほか、特定標準器による校正等が不公正になるおそれがないものとして、経済産業省令(施行則83条の3)で定める基準に適合するものであること。
<法140条>
1)は、特定標準器等又は特定標準物質を用いて計量器の校正若しくは標準物質の値付けを行うものであることを規定している。(※即ち、指定校正機関は、国の代わりに、国家計量標準そのものを用いて校正等を行うものであることを規定している。)
2)は、必要な技術的能力及び経理的基礎を有することを規定している。
3)は、法人については省令(施行則83条の2)で定める構成員であって、業務の公正な実施に支障を及ぼすものでないことを規定している。
4)は、公正中立要件として、省令(施行則83条の3)で定める基準に適合することを規定している。
(指定校正機関の構成員)
法140条3号の法人の種類に応じて経済産業省令で定める構成員は、次の各号に掲げる法人の種類ごとに、それぞれ当該各号に掲げるものとする。
1) 一般社団法人 社員
2) 会社法(平成17年法律86号)575条1項の持分会社 社員
3) 会社法2条1号の株式会社 株主
4) 中小企業等協同組合法(昭和24年法律181号)3条の事業協同組合、事業協同小組合及び企業組合並びに農業協同組合法(昭和22年法律132号)4条1項の農業協同組合 組合員
5) 中小企業等協同組合法3条の協同組合連合会及び農業協同組合法4条1項の農業協同組合連合会 直接又は間接にこれらを構成する者
6) その他の法人 当該法人の種類に応じて前各号に掲げる者に類するもの
<施行則83条の2>
(指定の基準)
法140条4号の経済産業省令で定める基準は、校正業務の実施に係る組織、校正の方法、手数料
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の算定の方法その他の校正業務を遂行するための体制が次の各号に適合するよう整備されていることとする。
1) 特定の者を不当に差別的に取り扱うものでないこと。
2) 校正を受ける者との取引関係その他の利害関係の影響を受けないこと。
3) 前各号に掲げるもののほか、校正業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれのないこと。
<施行則83条の3>
指定の取消し等
経済産業大臣は、指定校正機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて特定標準器による校正等の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
1) この節の規定に違反したとき。
2) 法139条1号又は3号に該当するに至ったとき。
3) 法140条1号に適合しなくなったとき。
4) 法142条において準用する法30条1項の認可を受けた業務規程によらないで特定標準器による校正等の業務を行ったとき。
5) 法142条において準用する法30条3項又は法37条の規定による命令に違反したとき。
6) 不正の手段により法135条1項の指定を受けたとき。
<法141条>
1)は、8章1節「特定標準器による校正等法」(134条~法142条)に違反したときである。
2)は、指定の「欠格事項」(法139条1号、3号)に該当したときである。
3)は、「指定の基準」に適合しなくなったときである。
4)は、「業務規程」違反である。
5)は、「業務規程の変更命令」違反及び「適合命令」違反である。
10-2-3校正証明書
証明書の交付等
① 経済産業大臣、日本電気計器検定所又は指定校正機関は、特定標準器による校正等を行ったときは、経済産業省令(施行則82条1項)で定める事項を記載し、経済産業省令(施行則82条2項)で定める標章を付した証明書を交付するものとする。
② 何人も、①に規定する場合を除くほか、計量器の校正又は標準物質の値付け(以下「計量器の校正等」という。)に係る証明書に①の標章又はこれと紛らわしい標章を付してはならない。
③ ②に規定するもののほか、指定校正機関及び法143条1項の登録を受けた者は、計量器の校正等に係る証明書以外のものに①の標章又はこれと紛らわしい標章を付してはならない。
<法136条>
①は、大臣、日電検及び指定校正機関が発行する証明書及び標章は同じであることを規定している。
②は、①に規定する場合以外は「計量器の校正等」に係る証明書に、①の標章(紛らわしい標章含む)を付してはならないことを規定している。
③は、②のほか、指定校正機関及び登録校正機関(法143条1項)は「計量器の校正等」に係る証明書以外のものに、①の標章(紛らわしい標章含む)を付してはならないことを規定している。
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証明書
証明書記載事項
(証明書)
法136条1項の経済産業省令で定める事項は、次のとおりとする。
1) 法136条1項の証明書(以下この節において「証明書」という。)である旨の表記
2) 証明書の発行番号及び発行年月日
3) 証明書を発行した者の名称
4) 特定標準器による校正等の依頼をした者の氏名又は名称及び住所
5) 特定標準器による校正等を行った計量器又は標準物質の名称、製造者名及び器物番号又は容器番号
6) 特定標準器による校正等により得られた値
7) 特定標準器による校正等の方法及び実施条件
8) 特定標準器による校正等の実施年月日
<施行則82条1項>
特定標準器による校正等における証明書記載事項の特徴としては、「依頼者の氏名又は名称及び住所」、「特定標準器による校正等の方法及び実施条件」が記載されることである。
また、証明書には、「校正等の実施年月日」は記載されるが、「有効期間」は記載されない。(※即ち、校正証明書の有効期間はない。)
標章
② 法136条1項の経済産業省令で定める標章は、次のとおりとする。
<施行則82条2項>
10-2-4、準用規定
(準用)
法28条の2、法30条から法32条まで、法36条、法37条及び法106条2項の規定は、指定校正機関及び特定標準器による校正等に準用する。この場合において、これらの規定中「都道府県知事又は特定市町村の長」とあるのは「経済産業大臣」と、法28条の2中「法20条1項」とあるのは「法135条1項」と、法37条中「法28条1号から5号まで」とあるのは「法140条2号から4号まで」と読み替えるものとする。<法142条>
前段は、「指定の更新」(法28条の2)、「業務規程」(法30条)、「帳簿の記載」(法31条)、「業務の休廃止」(法32条)、「役員及び職員の地位」(法36条)、「適合命令」(法37条)、「変更の届出」(法106条2項)は指定校正機関及び特定標準器による校正等に準用することを規定している。
後段は、準用において、「知事又は特定市町村の長」は「大臣」に読み替え、「法20条1項」(指定定
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[次ページに続く]計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(28) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(14) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(15) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(17) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(18) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(19) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(20) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(21) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(22) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(23) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(24) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(25) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(26) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(27) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(28) 筆者 高原隆
計量制度の概要(METI/経済産業省)
計量法における単位規制の概要
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の届出について
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の承認について
計量法における計量器の規制の概要
特定計量器に関する規制の概要
家庭用特定計量器(体重計・調理用はかり)に関する規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要(特定商品(食品など)の量目公差・内容量表記など)
特殊容器(丸正びん)制度
計量証明の事業
計量標準
法定計量における国際整合化の推進(国際法定計量機関)
普及啓発(計量記念日)
2026-03-28-no27-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-