計量法の解説
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(31) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(31) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(31) 筆者 高原隆
筆者は計量行政職員であり現職時に作成した文章です。その後に計量法令は変更になっており、変更のある部分には編集部で注意書きをしております。元になっている文章は 計量計測データバンク「計量法の読み方」 ですので、本文に疑問がある場合には 「計量法の読み方」 を開いて確かめてください。この文章は計量法を理解するための古典ともいえる内容になっております。なお 「計量法の読み方」 が編集の都合によってPGFファイルですので、そのhtlm版として、本稿を作成いたしました。新聞紙面と併せてご利用ください。また経済産業省の穂オームページに掲載の次のページ計量制度の概要(METI/経済産業省)などで内容を確認してください。 「計量法の読み方」(https://www.keiryou-keisoku.co.jp/yomikata/ver.4-101022/yomikata-zenfile20170421.pdf)(計量計測データバンク編集部)
(見出し)
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-筆者 高原隆
(本文)
はじめに----------3
1、 計量法の目的----------4
1-1、計量法の目的とは----------4
1-2、計量法の目的と諸規定----------4
1-3、明示されていない目的----------5
2、定義等----------6
2-1、「計量」と「計量単位」----------6
2-2、「取引」及び「証明」----------7
2-3、「計量器」と「特定計量器」----------10
2-4、製造、改造、修理----------14
2-5、計量器の校正、標準物質、標準物質の値付け----------15
3、計量単位----------18
3-1、メートル条約----------18
3-2、SI単位----------20
3-3、法定計量単位----------22
3-4、非法定計量単位に関する規制----------25
4、適正な計量の実施----------37
4-1、正確な計量----------37
4-2、商品の販売に係る計量----------39
4-3、計量器等の使用----------46
5、定期検査----------53
5-1、定期検査制度----------53
5-2、指定定期検査機関----------69
6、正確な特定計量器等の供給----------81
6-1、正確な計量器の供給----------81
6-2、製造----------82
6-3、修理----------87
6-4、販売----------93
6-5、家庭用特定計量器----------96
6-6、譲渡等の制限----------100
6-7、特殊容器----------101
7、検定等----------110
7-1、検定----------110
7-2、型式承認----------136
7-3、指定製造事業者----------149
7-4、基準器検査----------160
7-5、指定検定機関----------177
8、計量証明の事業----------186
8-1、計量証明事業者制度とは----------186
-1-
8-2、計量証明事業者制度----------188
8-3、計量証明検査----------202
8-4、特定計量証明事業者制度----------210
9、適正な計量管理----------227
9-1、計量士----------227
9-2、適正計量管理事業所----------238
10、計量器の校正等----------247
10-1、トレーサビリティ制度(JCSS)----------247
10-2、公的な計量標準の設定と供給----------254
10-3、民間の計量標準の設定と供給(校正事業者登録制度)----------263
10、雑則----------274
11-1、報告----------274
11-2、立入検査----------278
11-3、計量行政審議会----------287
11-4、地方分権改正----------292
11-5、行政手続と不服申立て----------305
11-6、中央省庁再編(中央省庁等改革)に伴う改正----------313
11-7、その他----------317
計量法の解説
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(30) 筆者 高原隆
からの続き。
を受けたときは、会議において、その意を文書により表明することができる。
⑥ 前五項の規定は、部会の議事に準用する。
<施行則110条>
①は、審議会の充足数は委員及び臨時委員の過半数であることを規定している。
②は、委員の3分の1以上の者から会議の招集請求があった場合、会長は会議を招集しなければならないことを規定している。
③は、審議会の議決は出席した委員及び臨時委員の過半数の賛成で決し、可否同数のときは会長が決することを規定している。
④は、必要と認める場合、会長は委員、臨時委員及び専門委員以外の者を出席させることができることを規定している。
⑤は、会議に出席できない場合であっても会長の許可を受けた場合、委員、臨時委員及び専門委員は会議において文書によりその意を表明することができることを規定している。
⑥は、部会においても①から⑤の規定を準用することを規定している。
その他
(庶務)
審議会の庶務は、経済産業省産業技術環境局知的基盤課において処理する。
<施行則112条>
具体的には、「計量行政審議会運営規程」により運営される。
(雑則)
この省令に定めるもののほか、議事の手続その他審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
<施行則113条>
審議会への諮問
経済産業大臣は、次の場合には、審議会に諮問しなければならない。
1) 法2条1項2号若しくは4項、法3条、法4条1項若しくは2項、法5条2項、法12条2項、法13条1項、法16条1項、法51条1項、法53条1項、法57条1項若しくは法72条2項の政令、法12条1項の商品を定める政令又は法19条1項の特定計量器を定める政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。
2) 法134条1項若しくは2項の規定による指定をし、又は同条3項若しくは4項の規定によりこれらの指定を取り消そうとするとき。
3) 法135条1項の規定により特定標準器による校正等を行い、若しくは日本電気計器検定所若しくは指定校正機関に行わせ、又はこれらを取りやめようとするとき。
<法157条>
1)は、法2条1項2号「非法定物象量」(若しくは4項「特定計量器」、法3条「SI単位に係る単位」、法4条1項「SI単位のない非SI単位」(若しくは2項「SI単位のある非SI単位」、法5条2項「用途を限定する非SI単位」、法12条2項「容器商品」、法13条1項「密封商品」、法16条1項「使用の制限」、法51条1項「販売事業の届出に係る特定計量器」、法53条1項「家庭用特定計量器」、法57条1項「譲渡等の制限」若しくは法72条2項「有効期限付特定計量器」の政令、法12条1項の商品(特定
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商品)を定める政令又は法19条1項「定期検査対象計量器」の特定計量器を定める政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき、を規定している。
2)は、法134条1項「特定標準器」若しくは2項「特定副標準器」の規定による指定をし、又は同条3項若しくは4項の規定によりこれらの指定を取り消そうとするとき、を規定している。
3)は、(ⅰ)国が特定標準器による校正等を行うとき、若しくは(ⅱ)日本電気計器検定所若しくは指定校正機関に行わせるとき、又は(ⅲ)これらを取りやめようとするとき、を規定している。
11-4地方分権改正
地方分権化による計量法改正は、国主導による地方分権の推進を図る動きの中で、平成10年12月の計量行政審議会答申を受け、平成11年に改正(平成12年施行)されたものである。
11-4-1地方分権改正の意義と背景
地方分権とは
地方分権とは、国の権限や財源を地方自治体に移譲することであり、地方政府の存立を保証した憲法に則り「地方自治の本旨」を具体化しようとする動きである、と一般的には言われている。
「地方自治の本旨」とは何かについては、憲法にも法律にも明記されていないが一般的な学説では、「地方自治の本来のあり方」のこととされ、「団体自治(国から独立した自らの権限と責任による行政)」と「住民自治(住民の意思と責任に基づく行政)」の二つの要素からなるとされている。
我が国においては、「国から地方へ」「官から民へ」「官僚から政治へ」という行政改革の流れの中で、地方自治体が担う公共の役割分担における中央省庁・都道府県・市町村の権限の再整理を行おうとする動きを指す、と言われている。
地方分権改革の経緯
土光臨調
地方分権の議論が活発になったのは、鈴木善幸首相の「増税なき財政再建」を達成すべく昭和56年(1981年)に発足した第二次臨時行政調査会(第二臨調)において、行財政改革についての審議が行なわれた頃からと言われている。第二臨調は、その中心人物「土光敏夫」の名前から、「土光臨調」とも呼ばれる。
その後、第二臨調の解散後(昭和58年(1983年)3月)は、答申にある行政改革の実現を監視する機関として、臨時行政改革推進審議会(略称「行革審」)が同年7月1日に発足した。行革審は、内閣総理大臣の私的諮問機関で、会長には第二臨調会長を務めた土光敏夫(元経団連会長)が就任した。。
この行革審では、昭和61年(1986年)6月に「今後の行財政改革の基本方向」という答申を出して解散したが、答申の中で地方分権の推進の必要性が謳われ、民間団体からも様々な提言が出されていた。
地方分権の議論の高まり(地方分権推進法)
地方分権の議論が再び高まったのは、平成7年(1995年)の阪神大震災や地下鉄サリン事件などにより、地方自治体が独力で地域社会での公共的課題を解決できない自体に直面したことから、その解決のために地方自治体への権限整理の議論が盛り上がったと言われている。
具体的な動きとしては、平成5年6月、衆参両院で「地方分権の推進に関する決議」が行なわれ、第三次行革審最終答申(平成5年10月)において、地方分権を規制緩和と並ぶ主要な柱と位置づけ、国
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と地方の役割分担の本格的見直しなど、地方分権の推進方策を明らかにした提言がなされた。
これを受け政府は、地方分権の推進に関する基本理念、基本方針及び今後の推進方策のあり方を定めた「地方分権に関する大綱」を平成6年12月に閣議決定した。平成7年5月(村山内閣)には、大綱の内容を具体化した「地方分権推進法」が成立した。
地方分権推進法においては、「地方分権の推進は、国と地方公共団体とが共通の目的である国民福祉の増進に向かって相互に協力する関係にあることを踏まえつつ、各般の行政を展開する上で国及び地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、地方公共団体の自主性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ること」を基本理念とし、国及び地方公共団体の責務や役割分担、政府が策定する「地方分推進計画」、同計画作成のための指針となる勧告を行なう「地方分権推進委員会」の設置等について定め、これらに基づき具体的な作業が進められることとなった。
地方分権推進委員会の勧告
地方分権推進委員会とは、平成7年(1995年)5月に成立した地方分権推進法に基づいて、内閣総理大臣の諮問機関として同年7月3日に発足した機関である。
同委員会は、地方分権推進法が当初5年間の時限立法であったため、活動は2000年までの予定であったが、後に1年間の延長を受けて2001年まで活動し、5次に渡る勧告を行ない、2001年6月に最終報告を行っている。
第一次勧告(平成8年12月)においては、機関委任事務制度の廃止と廃止後の地方公共団体の新たな事務区分、新たな関係についての一般ルール、これらに関連した個別政策分野での権限委譲などを中心に勧告している。第二次(平成9年7月)及び第三次(平成9年9月)勧告においては、第一次勧告で積み残した大部分の機関委任事務の廃止、国庫補助負担金の整理合理化と地方税財源の充実確保、必置規制の見直し、都道府県と市町村の新しい関係について勧告された。第四次勧告(平成9年10月)では、機関委任事務の最終整理、地方公共団体に対する国の関与の基準、国と地方公共団体の係争処理の仕組み、市町村の規模に応じた権限委譲等について提言を行なっている。
地方分権推進計画
地方分権推進計画は、地方分権推進委員会の勧告を踏まえ、地方分権を総合的かつ計画的に推進するため、勧告内容を具体化する行動計画として、平成10年5月に閣議決定されたものである。
地方分権推進計画の概要は、①地方分権推進の基本的考え方、②国と地方公共団体との役割分担及び国と地方公共団体の新しい関係(機関委任事務制度の廃止、地方公共団体に対する関与の新たなルール、権限委譲の推進)、③必置規制の見直しと国と地方出先機関の在り方、④国庫補助負担金の整理合理化と地方税財源の充実確保、⑤都道府県と市町村の新しい関係、⑥地方公共団体の行政体制の整備・確立、⑦地方分権の推進に伴い必要となるその他の措置、などとなっている。
地方分権推進の基本的考え方
地方分権推進の基本的考え方は、地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図るため、国と地方の役割分担を明確にし、住民に身近な行政をできる限り身近な地方公共団体において処理することが基本とされている。
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機関委任事務の廃止
機関委任事務とは、行政効率や住民の利便を考慮し、地方公共団体の長又はその他の機関に対して、法律又はこれに基づく政令により委任された事務である。具体的には、旅券発給や国政選挙に関する事務など約560件に上り、自治体が行う事務の約7割を占めるとされていた。
機関委任事務制度は、本来は主務大臣が直接執行すべき事務であるが、個別の事務ごとに法律又は政令で都道府県知事・市町村長もしくは都道府県・市町村の行政委員会を主務大臣の地方機関と位置づけ、事務執行を委任するものである。(※因みに、機関委任事務は、戦後、GHQが知事公選制を強く求めたのに対して、内務省が地方統制の手段として考案したものだと言われている。)
また、機関委任事務は、あくまで特定の機関に委任されたものであり、同じ地方公共団体の別機関(地方議会)はそれに関与できず、委任された事務は「国の事務」として扱われ、その事務については国の指揮監督を受ける。(※費用は、原則として国が負担するとされていた。)
さらに、機関委任事務の事務処理に関して違法や怠慢があったときは、職務執行命令訴訟の裁判手続きを経て国又は都道府県が代執行するものとされ、1991年までは従わない知事に対して内閣総理大臣の罷免権が定められていた。
地方分権推進委員会の第1次勧告では、こうした国と地方の主従関係を対等協力の関係へ転換を図るため、制度の廃止を求めた。
地方公共団体に対する関与の新たなルール
国の地方公共団体への関与は、従前は国が機関委任事務に係る包括的な指揮監督権(地方自治法150条、151条)を有していたが、基本類型に沿った必要最小限のものとされた。
関与の基本原則は、①法定主義原則(関与は法律又はこれに基づく政令の根拠を要する。)、②一般法主義原則(関与は、地方自治法に一般的なルールを定め、必要最小限度とし、地方公共団体の自主性及び自立性に配慮する。)、③公正・透明原則(関与手続について、書面の交付、審査基準、標準処理期間、公表等を定める。)の三つである。
関与の基本類型は、自治事務(助言及び勧告、資料の提出要求、協議、是正措置要求)、法定受託事務(助言及び勧告、資料の提出要求、協議、同意、許可、認可及び承認、指示、代執行)の事務ごとに関与の基本類型を地方自治法に規定することとした。
また、国と地方公共団体の係争処理仕組みについては、①国の関与に不服がある場合、②国地方係争処理委員会(総理府)へ審査の申し出を行なう、③同委員会は審査結果を国へ勧告又は通告する、④国は勧告に即した必要な措置を地方公共団体に行なう、⑤国の措置に不服がある場合は高等裁判所に訴訟提起する、などとなっている。
国庫補助負担金の合理化と地方税財源の充実確保
国庫負担金及び国庫補助金は、事務の実施主体が費用を負担するという原則を踏まえ、「整理合理化」、「運用・関与の改革」、「地方交付税等の地方財源の充実確保」の三点を基本的な方向として見直された。
国庫負担金は、国と地方相互に利害関係のある事務を国と地方がそれぞれ一定割合を負担(割り勘)する場合の国の負担分であり、機関委任事務では法令で特に定めがない場合は地方がこの経費を負担しなければならないが、経費の算定基準は国が定めることになっている。
国庫補助金は、国の奨励的ないし財政援助的意図に基づいて支出されるものであり、奨励的補助金は地方公共団体の任意の申請により支出され、交付の決定権は国にある。
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これらの国庫補助負担金制度については、国の過度の関与等によって地方の自主性や自立性が損なわれるため、その運用や関与のあり方を見直すこととされた。
また、地方税財源の充実確保については、地方交付税の算定方法の簡素化や意見申し出制度の創設などのほか、地方債の許可制度を廃止して事前協議制への移行などの見直しが行なわれた。
三位一体改革
三位一体改革は、①国庫補助負担金の廃止・縮減、②税財源の地方への移譲、③地方交付税の一体的な見直し、などの国と地方公共団体に関する行財政システムに関する三つの改革を言う。
三位一体の改革は、2001年に成立した小泉純一郎内閣における「聖域なき構造改革」の目玉として、「地方に出来る事は地方に、民間に出来る事は民間に」という小さな政府論を具現化する政策として推進されているものである。
具体的には、2002年(平成14年)6月の「骨太の方針2002」で方針が決まり、2004年度はこの改革によって、国庫支出金(約1兆円)及び地方交付税(約3兆円)がそれぞれ削減され、約6600億円の税源移譲が行われた。この改革では、税源移譲額よりも補助金削減額のほうが大きかったため、地方自治体からは税源移譲が不十分だとの意見が出て反発を招いた経緯がある。
地方分権一括法
地方分権一括法は、正式名称を「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(平成11年7月成立、平成12年4月施行)といい、地方分権推進委員会の5次にわたる勧告を受け、地方公共団体の事務に関する記述のある法律のうち、改正が必要な475本の法律の改正部分を、1本の法律として改正したものである。
地方分権一括法の施行は、地方自治体を「国の下請け機関」とみなした機関委任事務を廃止し、国と地方を法制度上、「上下、主従」から「対等、協力」の関係に変えるものであり、この機関委任事務の廃止がこの法律の最大の意義であり、地方自治改革の大きな象徴的出来事となった。
機関委任事務を自治事務と法定受託事務に整理
機関委任事務は、地方公共団体の処理する事務は「自治事務」と「法定受託事務」に整理された。
法定受託事務は、「国が本来果たすべき責務に係る事務であって、国民の利便性又は事務処理の効率性の観点から都道府県又は市町村が処理するものとして法律又はこれに基づく政令に定めるもの」とされた。(地方自治法2条9項)
自治事務は、「地方公共団体の処理する事務のうち、法定受託事務を除いたもの」とされた。(地方自治法2条8項)
必置規制の緩和(廃止等)
必置規制とは、国が自治体に対して法令等(法律、政令、省令、通達)によって、行政機関や施設、特別の資格や職名を有する職員、などの設置を義務付けることをいう。
地方分権推進委員会は、第2次勧告の中で必置規制見直しの視点として、「①自治体の自主的組織権を阻害している。」「②機関委任事務制度の廃止は国と自治体とを対等な関係におくものであり、自治事務はもとより法定受託事務においても、自治体の自主的組織に基づき事務処理の組織・定員が定められるべきである。」「③必置規制の多くは、行政の技術水準の維持や専門性の確保を目的として設けられて
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きたが、行政サービスの総合性や柔軟性を失わせることのないよう、弾力的なものとすべきである。」「④自治体の簡素で効率的な行政を実現するためにも廃止ないし緩和が求められる。」の4点を挙げていた。
必置規制は、多種多様な行政を総合的かつ効率的に処理していくために必要となる職員配置や組織編成など、自主的に組織をつくる地方公共団体の権利の制限していたものである。必置規制の廃止や緩和は、機関委任事務の廃止に伴い、地方行政の総合化・効率化をより一層推進することになる。
権限委譲の推進と事務処理特例条例(地方自治法252条の17の2)
権限委譲の推進は、地方公共団体の自主性・自立性を高め、住民に身近な行政をできる限り身近な行政主体において処理し、地域住民のニーズを迅速かつ的確に反映させる観点から、国の権限を都道府県に、都道府県の権限を市町村に積極的に委譲するよう、地方分権一括法により、35の法律について改正が行われた。
都道府県から市町村への権限委譲については、都道府県の条例の定めるところにより市町村が事務を処理することとする制度(地方自治法252条の17の2「条例による事務処理の特例制度」)が設けられ、都道府県から市町村への地域の実情に応じた事務の委譲を推進することとなった。ただし、都道府県知事は、条例を制定するにあたり、事務を受ける側である市町村の意向を反映させるため、あらかじめ市町村長と協議しなければならないとされた。
また、人口20万人以上の市については、人口規模に応じて事務をまとめて委譲するため、指定都市や中核市の制度に加えて「特例市」の制度を新たに設け、より一層の都市の規模に応じた事務の配分が可能となった。
11-4-2計量行政審議会答申(平成10年12月)
地方分権と計量法
計量法においては、近代的な計量制度の確立時(明治24年制定の度量衡法)から、検定や立入検査などの大部分を国の包括的指揮監督権の下で行なう地方公共団体の事務としてきている。
計量法における地方分権改正は、地方公共団地が行なう計量法関係事務の大部分を自治事務化し、地方公共団体に従事する職員の資格制限を廃止し、計量法関係事務の市町村の規模に応じた権限委譲を行なうことを意味する。
計量法における地方分権を具体的にどう進めるかについては、地方公共団体が計量規制の重要な部分を担っていることから、国と地方の役割分担や方向性を検討することが必要不可欠となる。
計量行政審議会への諮問
計量法における地方分権改正による計量行政審議会は、平成10年5月に地方分権推進計画が閣議決定されたことから、平成10年9月に通商産業大臣から諮問を受けて検討を開始した。
諮問事項は、当時の計量行政が直面している課題である①地方分権の推進、②基準認証制度の見直しに伴う新たな計量制度の整備、③計量分野における今後の国際協力、の3点であった。
具体的な検討は、計量行政審議会基本政策部会において、同年10月以降3回にわたり集中的に進められ、21世紀に向けた新しい計量行政の構築を目指すための今後の方向として、平成10年12月に答申が示された。
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地方分権の推進に伴う国と地方の新たな役割
地方分権の推進に伴う国と地方の新たな役割については、答申の中で①機関委任事務の整理、②必置規制の廃止に伴うの見直し、③手数料令、④権限委譲の推進の4点について、「今後の方向」等が示された。
機関委任事務の整理
答申では、「現行制度の現状と問題点等」において、以下のように述べている。
現行の我が国の計量制度は、計量器の製造、販売、使用に至るまで全国一律の規制を実施している。これらに係る事務は、本来は国の事務として整理されているものの、事務の効率化の観点から地方公共団体に対して事務の一部を委任している。
このように地方公共団体に委任された事務については、明治24年に近代的な計量制度として度量衡法が制定されて以来、検定や立入検査を国の包括的な指揮監督の下で行う機関委任事務として位置付けられている。このため、国は検定検査規則といった検定の合格条件等を定める技術的な基準を省令レベルで定めるのに加え、立入検査の頻度といった事務の運用に至る部分も通達にて定め、事実上、地方公共団体間で運用に差がでることを認めていない。また、地方公共団体が行った行政処分については大臣に対する審査請求を認めていることからも当該事務における最終的な責任は国にあるものと整理されている。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
「今後の方向」については、以下のとおりとしている。
地方分権の基本理念が「国と地方公共団体が共通の目的である国民福祉の増進に向かって相互に協力する関係であることを踏まえつつ、各般の行政を展開する上で国及び地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、地方公共団体の自主性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ること」であることからも、計量法に関する事務に関して、国と地方の役割分担を明確にするとともに、地方公共団体においては地域の実情に合わせ自らの自主性を高めた計量行政を推進していくべきと考える。
これらを踏まえ、国が担うべき役割としては、計量標準の供給や技術基準の制定等、全国的な統一を図る観点から実施すべきものとすることが、地方公共団体が担うべき役割としては、消費者保護や地域住民サービスの一環として適正な計量の実施の確保を図る観点から住民に身近な行政主体として実施すべきものとすることが適当である。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
以上のことから「地方分権後の国及び地方公共団体の役割、責務」に主要なものは、以下のとおりとしている。
(1) 国が担うべき主要な役割・責務
計量標準の供給や技術基準の制定等、全国的な統一を図る観点から実施すべき役割・責務として以下に掲げるもの
○ 計量制度自体の設計、整備
○ 計量単位の統一
○ 国家計量標準の開発・維持・供給
○ 〃 供給制度の運用
○ 特定計量器の指定、型式承認の実施
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○ 検定、定期検査、計量証明検査の合格条件等の統一的な技術基準(法律、政令、 省令)の制定
○ 技術基準の国際整合性の確保
○ 指定製造事業者制度の運用
○ 全国統一的な観点からの特定商品の指定及び量目公差の設定
○ 計量士関連(国家試験の運営、登録等)
○ 全国的な計量思想普及策の実施
○ 法令解釈
(2) 地方が担うべき主要な役割・責務
消費者保護や地域住民サービスの一環として適正な計量の実施の確保を図る観点から住民に身近な行政主体として実施すべき役割・責務として以下に掲げるもの
○ 商品の販売に係る量目立入検査の実施及び強化
○ 検定、定期検査、計量証明検査の実施
○ 適正計量管理事業所の指定及び指導
○ 製造事業者、販売事業者、特定計量器を使用する者等に対する立入検査等の実施 及び強化
○ 自主計量管理の推進のための指導
○ 地方の自主性を高め地域の実情に合わせた上記事務の運用の実施
○ 計量行政事務の実施水準の確保、強化
○ 都道府県と特定市間及び隣接県間の連携強化
○ 地域住民等への情報の提供及び計量思想普及策の実施
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
必置規制の廃止に伴う見直し
答申では、「現行制度の現状及び問題点等」おいて、以下のように述べられている。
現行計量法では、地方において計量に従事する職員の資質向上という観点から、当該職員に対する計量教習の受講義務を課すという必置規制を規定。このような必置規制は国が地方公共団体の組織や職の設置を義務付けているものであり、こうした規制は地方分権の観点から地方公共団体の自主組織権を尊重するために廃止されることとなる。
なお、これは地方公共団体としてより自主的に適切な職員の配置ができるようにするとの趣旨であり、地方分権推進委員会の勧告においても現に業務を行っている職員の職の廃止を推奨しているものではない。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
「今後の方向」については、以下のとおりとしている。
必置規制の廃止に伴い、地方公共団体職員の計量教習受講義務はなくなるが、分権後の計量行政においても検定の実施方法等に関しては、上述したとおり、引き続き統一した運用が望まれており、地方の職員人事が短期ローテーションで廻るという最近の傾向からしても検定等の技術的な技能や法制面での知識を教授する計量の教習制度そのものは今後とも極めて重要である。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
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手数料令
答申では、「現行制度の現状及び問題点等」において、以下のように述べている。
現行の計量法では、国、地方公共団体が関連する全ての事務について全国一律の手数料を政令で規定している。
一方、自治事務化に伴い、地方公共団体の徴収、収入に属する手数料については、地方の自主性を尊重する観点から地方公共団体がその判断により条例で定めることが基本となるが、手数料を全国的に統一して取り扱うことが特に必要と認められる場合は、国は、条例で規定する場合の手数料の対象事務及び金額の標準を法令で定めることができるとしている。
しかしながら、現行の全国一律の手数料額と各地方公共団体の業務の実務実態に合わせた実費額との間が乖離している場合もありうるのも事実であり、各地方公共団体が実費主義を直ちに導入すると、地方公共団体の手数料は現行手数料若しくは他府県の手数料と非常な格差が発生するおそれがあることが指摘されている。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
「今後の方向」については、以下のとおりとしている。
手数料については、地方分権の観点からは地方公共団体の判断により定めることが基本であり、計量法に関する事務についても、当該地方公共団体における検査検定等の受検者に与える影響を勘案しつつ、地方公共団体において各々の実状に応じた手数料を設定すべきである。
なお、手数料の設定に関しては、これまで国がある一定の算出根拠にて一律に算定していたことから、移行期においては各地方公共団体ごとの急激な格差が発生し検査検定等の受検者が混乱するおそれもある。地方分権当初は手数料の金額そのものの標準を暫定的に定めるべきではないかとの考え方もあるものの、標準額の設定を行うことが地方公共団体の手数料の設定を結果的に縛る可能性もあることから、手数料の設定は地方公共団体の独自の判断により設定するという大原則を維持しつつ、国は手数料の金額そのものではなくこれまでの計量法の手数料に関する算定式等その考え方を提示することが適当である。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
権限委譲の推進
答申では、「現行制度の現状及び問題点等」において、以下のように述べている。
地方分権の推進の観点からは、より身近な行政主体において実施すべきとされる事務については権限委譲を推進すべきであり、計量法における当該事務についても権限委譲の推進をどのように進めるべきか検討が必要である。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
「今後の方向」については、以下のとおりとしている。
商品の販売に係る計量や定期検査等の事務については、消費者保護の観点からきめ細やかな対応ができるように、より身近な行政主体である市町村において当該事務が実施できるようにしておくことが望ましい。
一方、これらの事務を実施するに当たり、計量法特有の事情として設備や技術的能力等を保有しないと十分な事務を実施することができないのも事実である。
都道府県から市町村への権限委譲については、計量法の目的である適正な計量の実施を確保することを第一に捉え、都道府県と市町村の規模や能力に応じた最も効率的で消費者利益を確保しうる
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体制を整備する観点から推進して行くべきである。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
11-4-3地方分権改正の主な内容
機関委任事務制度の廃止(地方自治法規定の削除)
機関委任事務の廃止により削除された地方自治法の規定は、「国の事務に係る指揮監督権」(地方自治法150条)、「市町村が処理する国又は都道府県の事務に係る都道府県知事の取消、停止権」(地方自治法151条1項)、「長に対する職務執行命令」(地方自治法151条2項)、「機関委任事務を掲げた別表及びその根拠規定」(地方自治法148条2項及び3項、180条の8(2項)、180条の9(3項)、186条3項、202条の2(6項)並びに別表3及び4)である。
(長が処理する国家事務の指揮監督)
普通公共団体の長が国の機関として処理する行政事務については、普通地方公共団体の長は、都道府県にあっては主務大臣、市町村にあっては都道府県知事及び主務大臣の指揮監督を受ける。
<地方自治法150条削除>
また、地方自治法の別表については、機関委任事務制度の廃止に伴う措置(別表3及び4の削除)と併せて、「処理を義務付けられた団体の事務」(別表1及び2)並びに「必置の行政機関」(別表5)、「必置の職」(別表6)及び「必置の審議会等」(別表7)が削除された。
なお、計量検定所の必置規制については、平成5年計量法改正の際、地方自治法(別表5(1号))の規定の改正と併せて廃止されている。
(地方自治法の一部改正)
32条 地方自治法(昭和22年法律67号)の一部を次のように改正する。
別表3(1号(94))を次のように改める。
(94)計量法(平成4年法律51号)及びこれに基づく政令の定めるところにより、特定計量器の定期検査、検定及び 装置検査並びに基準器検査を行い、特定計量器の修理又は販売の事業及び輸出用計量器の製造等に関する届出を受理し、並びに計量証明の事業を登録する等の事務を行い、並びに特定計量器の製造事業者等から必要な報告を求め、又は職員をして工場等に立入検査させる等適正な計量の確保上必要な措置を講ずること。
別表4(2号(36))中「、計量器」を「、特定計量器」に、「実施し、及び計量器」を「行い、及び特定計量器」に、「計量器の取締上」を「適正な計量の確保上」に改め、同号(三十七)中「計量器の種類及び」を「特定計量器の」に改める。
別表5(1)の表 検定所の項を削る。
別表6(1号)(一)及び(二)の表中「計量器の検定等の」を「計量に関する」に、「計量法225条」を「計量法166条3項の規定に基づく政令」に改める。
<官報(号外)66号(平成4年5月20日)抜粋>
機関委任事務の整理
都道府県知事及び特定市町村の行う事務は、答申に示された国と地方の役割分担に沿って機関委任事務を廃止し、地方自治法における事務区分に関する規定(地方自治法2条2項)を見直し、地方公共団体の処理する事務を「自治事務」(地方自治法2条8項)と「法定受託事務」(地方自治法2条9項)に再構築した。
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[次ページに続く]計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(32) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(14) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(15) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(33) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(34) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(35) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(36) 筆者 高原隆
計量制度の概要(METI/経済産業省)
計量法における単位規制の概要
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の届出について
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の承認について
計量法における計量器の規制の概要
特定計量器に関する規制の概要
家庭用特定計量器(体重計・調理用はかり)に関する規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要(特定商品(食品など)の量目公差・内容量表記など)
特殊容器(丸正びん)制度
計量証明の事業
計量標準
法定計量における国際整合化の推進(国際法定計量機関)
普及啓発(計量記念日)
2026-03-28-no31-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-