計量法の解説
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(14) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(14) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(11) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(12) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(13) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(14) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(14) 筆者 高原隆
筆者は計量行政職員であり現職時に作成した文章です。その後に計量法令は変更になっており、変更のある部分には編集部で注意書きをしております。元になっている文章は 計量計測データバンク「計量法の読み方」 ですので、本文に疑問がある場合には 「計量法の読み方」 を開いて確かめてください。この文章は計量法を理解するための古典ともいえる内容になっております。なお 「計量法の読み方」 が編集の都合によってPGFファイルですので、そのhtlm版として、本稿を作成いたしました。新聞紙面と併せてご利用ください。また経済産業省の穂オームページに掲載の次のページ計量制度の概要(METI/経済産業省)などで内容を確認してください。 「計量法の読み方」(https://www.keiryou-keisoku.co.jp/yomikata/ver.4-101022/yomikata-zenfile20170421.pdf)(計量計測データバンク編集部)
(見出し)
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-筆者 高原隆
(本文)
はじめに----------3
1、 計量法の目的----------4
1-1、計量法の目的とは----------4
1-2、計量法の目的と諸規定----------4
1-3、明示されていない目的----------5
2、定義等----------6
2-1、「計量」と「計量単位」----------6
2-2、「取引」及び「証明」----------7
2-3、「計量器」と「特定計量器」----------10
2-4、製造、改造、修理----------14
2-5、計量器の校正、標準物質、標準物質の値付け----------15
3、計量単位----------18
3-1、メートル条約----------18
3-2、SI単位----------20
3-3、法定計量単位----------22
3-4、非法定計量単位に関する規制----------25
4、適正な計量の実施----------37
4-1、正確な計量----------37
4-2、商品の販売に係る計量----------39
4-3、計量器等の使用----------46
5、定期検査----------53
5-1、定期検査制度----------53
5-2、指定定期検査機関----------69
6、正確な特定計量器等の供給----------81
6-1、正確な計量器の供給----------81
6-2、製造----------82
6-3、修理----------87
6-4、販売----------93
6-5、家庭用特定計量器----------96
6-6、譲渡等の制限----------100
6-7、特殊容器----------101
7、検定等----------110
7-1、検定----------110
7-2、型式承認----------136
7-3、指定製造事業者----------149
7-4、基準器検査----------160
7-5、指定検定機関----------177
8、計量証明の事業----------186
8-1、計量証明事業者制度とは----------186
-1-
8-2、計量証明事業者制度----------188
8-3、計量証明検査----------202
8-4、特定計量証明事業者制度----------210
9、適正な計量管理----------227
9-1、計量士----------227
9-2、適正計量管理事業所----------238
10、計量器の校正等----------247
10-1、トレーサビリティ制度(JCSS)----------247
10-2、公的な計量標準の設定と供給----------254
10-3、民間の計量標準の設定と供給(校正事業者登録制度)----------263
10、雑則----------274
11-1、報告----------274
11-2、立入検査----------278
11-3、計量行政審議会----------287
11-4、地方分権改正----------292
11-5、行政手続と不服申立て----------305
11-6、中央省庁再編(中央省庁等改革)に伴う改正----------313
11-7、その他----------317
計量法の解説
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(13) 筆者 高原隆
からの続き。
約者別表示機構の検定を要しない(検定対象外)としている。(※型式外燃料油メーターに接続する「POSの交換」「POS表示の目量の変更」については、簡易修理に該当し検定を要しないとされている。)
(燃料油メーターの分離することができる表示機構及び複数の表示機構に係る特例)
① 施行令附則9条2項3号に掲げる燃料油メーターであって型式承認表示の付されていないもの(以下「型式外燃料油メーター」という。)のうち、分離することができる表示機構であって販売時点情報管理装置の一部であるものその他経済産業大臣が別に定めるものを有するものの経過型式外検定については、当該表示機構に限り、旧検則17条の2の規定は、なお効力を有する。
② 型式外燃料油メーターのうち、平成9年10月31日までに検定の申請をしたものについての検則12条及び13条2項の規定の適用については、なお従前の例による。同日までに検定の申請をしてこれに合格した燃料油メーターであって、平成14年10月31日までに検定の申請をしたものについても、同様とする。
③ ②の規定に基づき平成14年10月31日までに検定の申請をしてこれに合格した燃料油メーターについての検則64条で準用する検則12条及び13条2項の規定の適用については、当該検定の有効期間の満了の日までは、なお従前の例による。
<検則附則5条>
複数の表示機構
(複数の表示機構)
① 二以上の表示機構を有する特定計量器は、いずれの表示機構も検定に不合格となったものであってはならない。
② 二以上の表示機構を有する特定計量器は、同一の量に対する各々の表示機構の計量値の差が次に掲げる値を超えるものであってはならない。
1) 当該表示機構が表示する計量値の器差が検定公差に適合するかどうかを検出部とともに個々に定める必要があると認められる表示機構を含む二以上の表示機構
検定公差に相当する値
2) 1)に掲げるもの以外のもの(分離することができる表示機構にあっては、専ら当該特定計量器とともに商品の物象の状態の量を示して販売するときに使用するものに限る。)
目量(各々の表示機構の目量が異なる場合にあっては、最小の目量)
③ 二以上の表示機構を有する特定計量器であって、施行令2条(特定計量器)の規定に適合しない表示機構を有するものには、当該表示機構が検定対象外である旨が表記されていなければならない。
<検則13条>
①は、複数の表示機構を有する特定計量器は、それらの表示機構は全てが検定に合格したものでなければならない。
②1)は、複数の表示機構を有する特定計量器(検出部を含めて検定適合義務のもの)は、各々の表示機構相互間の計量値の差が検定公差を超えてはならない。
②2)は、②1)以外のものは、各々の表示機構相互間の計量値の差が目量(各々の表示機構の目量が異なる場合はそれら表示機構の中でもっとも小さい目量)を超えてはならない。
③は、複数の表示機構の中に政令に定めた特定計量器に該当しないものを含む場合は、その特定計量器に適合しない表示機構に「検定対象外」であることを表記しなければならない。
-121-
複合特定計量器
(複合特定計量器)
① 特定計量器は、当該特定計量器と構造上一体となっている計量器(当該特定計量器の計ることができる範囲を切換装置によって変更した後のものを含む。以下同じ。)が検定に合格しない特定計量器又は有効期間の経過した検定証印若しくは法96条1項の表示(以下「検定証印等」という。)の付された特定計量器であってはならない。
② 特定計量器は、法定計量単位等以外の計量単位による表記等がある計量器と構造上一体となっているものであってはならない。
③ 特定計量器以外の計量器又は施行令5条(法16条1項の使用の制限の特例に係る特定計量器)に掲げる特定計量器と構造上一体となっている特定計量器には、当該特定計量器の見やすい箇所に検定対象である旨又は特定計量器でない計量器若しくは施行令5条に掲げる特定計量器の見やすい箇所に検定対象外である旨が表記されていなければならない。
<検則14条>
複合特定計量器は、複数の特定計量器が構造上一体となっているものである。
①は、複合特定計量器の構造上一体となっている特定計量器について、それらの全てが検定に合格し有効期間を経過していないものでなければならない。
②は、複合特定計量器には法定計量単位等以外の計量単位の表記等があってはならない。
③は、複合特定計量器に検定対象外特定計量器(施行令5条)が構造上一体となっている場合、その検定対象外特定計量器の見やすい箇所に「検定対象外」である旨が表記されなければならない。
封印等
(封印等)
特定計量器(検則129条に規定する一級の非自動はかり、皮革面積計、ボンベ型熱量計、ユンケルス式流水型熱量計、施行令別表2(5号)に掲げる濃度計その他経済産業大臣が特に定めるものを除く。)は、器差を容易に調整することができないもの又はその性能及び器差に著しく影響を与える部分に封印がされているものでなければならない。
<検則15条>
これは、特定計量器を使用者が勝手に分解又は調整するなど、詐欺的に使用される恐れがないよう、器差を容易に調整することができない構造、又はこれらの要素部分に封印がされなければならないことを規定している。
具体的には、特定計量器の一定の構成要素について、これらの要素を封印できる手段が講じられているか、又はケース内等に納められて封印に代わる構造であるか等、その特定計量器の型式承認の段階において確認されることになる。
新基準タクシーメーター
タクシーメーター検定には、頭部検査と装置検査の2種類の検査が必要となっている。頭部検査は、製造時や料金設定変更等の改造時に行うもので、使用中のタクシーメーであれば一旦車から取り外さなければ検査を受けることができない。このため業界では、料金改定時に車載のまま検定できるタクシーメーターの開発が、長年の大きな課題でもあった。
-122-
タクシーメーターの制度見直しは、平成15年頃から始まった検則にJISを引用する(検則JIS化)ための技術基準の見直しの中で、タクシーメーターについても平成15年度からJIS技術基準の検討が行われた。検討の結果、新基準メーターについては、頭部検査を廃止し、料金改定時の装置検査も行わないこととして、平成17年3月改正により新しい制度がスタートした。
運賃設定変更に関する具体的な法令上の変更は、①記憶装置等への運賃設定変更、②その記憶装置等のメーターへの実装等による運賃設定値の設定変更に分けられ、その設定値変更後の設定値改ざん防止のため、①における承認製造事業者、②における届出製造(修理)事業者がそれぞれの変更行為に関して封印を行うものとされた。(※平成17年3月改正において、検則15条の2及び15条の3を追加)
タクシーメーターにあっては、運賃計算に係る記憶素子その他の記録媒体の設定値が容易に調整ができないもの又は当該タクシーメーターの承認製造事業者(法79条1項に規定する承認製造事業者をいう。)により料金計算に係る設定値が封印されているものでなければならない。
<検則15条の2>
これは、タクシーメーターの運賃設定を行うための記憶装置等については、承認製造事業者により外部から容易にその設定運賃が変更できないよう封印をする、という意味である。
タクシーメーターにあっては、運賃計算に係る記憶素子その他の記録媒体の運賃設定部に封印がされ、その封印物体には当該タクシーメーターの封印を行った製造事業者又は修理事業者があらかじめその工場、事業場又は事業所の所在の場所を管轄する都道府県知事に届け出た記号が付されているものでなければならない。
<検則15条の3>
これは、製造(修理)事業者がタクシーメーターの運賃設定を行う際には、当該計量器の承認製造事業者より供給された(封印された)記憶装置等を用い、タクシーメーターの運賃設定部を介して本体への運賃設定を行う場合、その運賃設定部については外部より容易に変更ができないような封印をする、という意味である。
器差検定(法71条1項2号)
法71条1項2号に適合するかどうかは、経済産業省令(検則19条)で定める方法により、法102条1項の基準器検査に合格した計量器(経済産業省令(検則20条)で定める特定計量器の器差については、経済産業省令(検則20条)で定める標準物質)を用いて定めるものとする。
<法71条3項>
法71条1項2号に適合するかどうかは、省令(検則19条「器差検定の方法」)で定める方法により、法102条1項の基準器検査に合格した計量器(省令(検則20条「標準物質」表上欄)で定める特定計量器の器差は省令(検則20条「標準物質」表下欄)で定める標準物質)を用いて定めるとなる。(※分り易く言えば、器差検定は検則(一部JIS引用)に定める「器差検定の方法」により、基準器若しくは標準物質を用いて行う、ということである。)
器差検定の方法
(器差検定の方法)
① 法71条3項の経済産業省令で定める方法(以下「器差検定の方法」という。)は、基準器(改造又は修理(施行則10条に規定する軽微な修理を含む。)をした基準器であって、その後の基準器検査に合格していないものを除く。以下同じ。)又は検則20条に定める標準物質を用いて行う
-123-
検則2章から26章までに規定する器差検定の方法とする。
② 検則12条2項に規定する表示の付された表示機構については、①の方法を省略することができる。
<検則19条>
②は、検則12条(分離することができる表示機構)2項(型式承認表示等)の付された表示機構について、①の方法を省略できる規定である。
(標準物質)
法71条3項の経済産業省令で定める特定計量器は、次の表の上欄に掲げるものとし、同項で定める標準物質は、法135条の特定標準物質を用いて標準物質の値付けが行われたものであって、それぞれ次の表の下欄に掲げるもの又は同表の1号から5号までの上欄に掲げる特定計量器にあっては、下欄に掲げる標準物質を用いて経済産業大臣が別に定める基準に適合すると認められる校正用装置により得られるものとする。(表略)
<検則20条>
当該標準物質には、ボンベ型熱量計(熱量標準安息香酸)、大気濃度計(CO標準ガス等)、ガラス電極式水素イオン濃度検出器(pH標準液)などが定められている。
7-1-3計量法の技術基準のJIS化(検則JIS引用)
検則JIS化の背景
計量法における特定計量器の技術基準は、省令である「検則」においてタクシーメーター、非自動はかり等の38機種について、特定計量器を検定(検査)するための技術基準が定められている。
これらの技術基準については、計量器の技術進歩に応じた速やかな改正が求められるが、これまで必ずしも十分な対応が図られていない部分があった。一方、近年においては、法定計量分野での基準・認証制度の国際整合化や相互承認が緊急かつ重要な課題となってきており、計量器の国際技術基準であるOIML国際勧告と我が国の技術基準の整合化がより一層求められている状況にある。
また、強行法規(計量法)へのJIS規格の活用については、「新時代における規格・認証制度のあり方検討特別委員会報告書」(日本工業標準調査会、平成15年6月17日)、「規制改革推進3か年計画(改定)」(平成14年3月閣議決定)においても指摘されていた。
以上のことから、検則JIS化は、検則に規定される技術基準に当該計量器のJIS規格を引用するための省令改正を行うため、平成12年頃から3年間(JIS原案WG)に渡り検討されたJISの素案を基に、平成15年から本格的な動きが始まった。
調査研究委員会
「計量法に規定する特定計量器技術基準のJIS化に関する調査研究委員会」(以下、「調査研究員会」という。)は、経済産業省を通じ(財)日本規格協会から委託を受けた計工連xixを事務局とし、計量法に定める技術基準を迅速に技術進歩に対応させるため、平成15年度から始まったものである。
調査研究委員会の目的は、計量法検則の技術基準についてOIMLとの国際整合性を図るためJIS化し、そのために必要な調査研究を行うこととされ、当初は平成15年度から平成17年度までの3ヵ年で実施する計画になっていた。
xix 「計工連」:「社団法人計量機器工業連合会」の略
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事業概要としては、①OIMLとの国際整合に必要な事項(検則とOIMLの整合化における課題)に関する調査、②国際的な相互承認との関係における優先順位等の検討、③JIS化のための基本的事項及び計量法への引用について調査研究を実施し、④優先順位の高いものからJIS原案を作成することとされている。
なお、調査研究体制については、調査研究委員会の下に機種毎にWGを設置し、検則やOIMLやJISとの対比表を作成し、機種毎のJIS原案作成委員会において検討する体制となっている。
検則JIS化における基本的考え方
検則JIS化とは、検則においてJISを引用することであり、現行のJISがなければJISを作ることである。JIS引用の目的は、技術革新への迅速かつ的確な対応を図るためであり、そのためには検則のJISへの盛り込みが基本となる。
従って、検則条文は、原則として可能な限りJISに盛り込むとともに、検則にJISを引用する。作成する特定計量器JISは、計量器の国内における使用状況等を十分踏まえた上で、極力OIML勧告等との国際整合化を図ることとされている。
また、検則でJISを引用する部分については、特定計量器に係る構造、性能及び試験方法、基準等を定めた事項についてはJIS規格に定め、これを検則で引用するとされている。ただし、検則(款又は目ごとにJISを引用)の引用部分が任意規格としてのJISの範囲と大きく異なる場合は、パート制(JIS規格から検則で引用する部分を抽出し、強行法規用のJISとして枝番号で規格を作成するもの)とする。
なお、検則に残るもの(JISを引用しないもの)については、JIS規格はその機器に必要な構造や性能基準等、それを確認するための試験の方法を定めたものであるため、制度の枠組みや規制の内容に関わる事項及び関連する用語はこれまでどおり検則で規定するとされている。
検則JIS引用の進捗状況
新検則については、技術基準等の国際整合性を図る観点から、国際規格を踏まえて策定されたJISを技術基準等として引用していくこととされ、JISが制定されたものから順次、検則が改正されている。
JIS引用の進捗状況については、現在(平成21年2月現在)、タクシーメーター(D5609)、非自動はかり(B7611-2)、電子体温計(T1140)、ガラス製体温計(T4602)、水道メーター及び温水メーター(B8570)、燃料油メーター(B8572)、非観血式電子血圧計(T1115)、照度計(C1609)がJISに引用されている。
なお、JIS引用の内容については、平成17年3月改正当初(タクシーメーター、水道メーターなどの7機種)は器差検定の方法を除いた技術基準を引用する改正が行われたが、その後は器差検定の方法もJISによることとする検則改正が行われ、今後のJIS引用改正においても器差検定の方法はJISによることを原則とするとされている。
7-1-4検定証印
検定に合格した特定計量器には、経済産業省令(検則23条)で定めるところにより、検定証印を付する。
<法72条1項>
(検定証印)
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① 法72条1項の検定証印の形状、種類及び大きさは、次の表のとおりとする。
打ち込み印 一辺(1.2mm、1.8mm、3.6mm、6mm)の正方形
押し込み印 一辺(3.6mm、6mm)の正方形
すり付け印 一辺(3mm、6mm、12mm、24mm)の正方形
焼印 一辺(6mm、12mm)の正方形
② 検定証印が付されており、かつ、それ以上検定証印を付することができない分銅及びおもりについては、すでに付されている検定証印をもって検定証印を付したものとみなす。施行令附則5条1項の経済産業省令(令附則4条5条省令3条)で定める非自動はかり、分銅及びおもりであって、検定証印が付されており、かつ、当該検定証印と別に検定証印を付することが著しく困難であるものその他の経済産業大臣が別に定めるもの(告示473号4条(令附則4条5条省令3条))にあっても、同様とする。
<検則23条1項、2項>
①の検定証印の形状、大きさ、種類は、平成5年改正以前の旧計量法と同じである。
②は、既に検定証印が付されている分銅及びおもりについては、既に付されている証印をもって再検定の証印としてよい、ということである。この他の大臣が別に定めるものも同様となっている。
みなし規定(検則23条3項)
検則3条8項で規定する証票が付されているタクシーメーターにあっては、申請後その証票に記載された装置検査を受けるべき期日までは、その証票をもって検定証印とみなす。
<検則23条3項>
この規定は、装置検査に先立ち届出修理事業者がメーターの調整を実施した段階で、施行令7条及び検則3条8項により認められた「装置検査の申請を受理している旨の証票」(いわゆる「申請中ステッカー」)をメーターに貼付した場合、その後の装置検査までの間はタクシーの運行を可能としているものであり、通称「みなし規定」と呼ばれている。この「みなし」の根拠となっているのが、検則23条3項に定める「証票をもって検定証印とみなす」という規定である。
この「みなし規定」の条文は、平成17年改正以前は「頭部検査証印をもって検定証印とみなす」となっていたが、頭部検査の廃止に伴い「証票」をもってみなすことに改められた。
なお、装置検査については、検定証印を付す部分と装置検査証印を付す部分の両方があるため、検則23条3項でみなしている検定証印の意味が非常に曖昧になっていて、これを検定証印と理解すべきか装置検査証印と理解すべきか、考え方が分かれるところである。
根本的な問題としては、そもそも装置検査の中に検定という概念と検査という概念が持ち込まれていること自体に矛盾があり、しかも装置検査で検定証印を付すことがどういった意味を持っているのかは
-126-
っきりしないことが、検則23条3項の解釈を混乱させているところでもある。(※因みに、平成5年改正以前の旧計量法においては、タクシーメーターの走行検査(現在の装置検査)は検定として明確に位置づけられていた。)
検定証印の付印
(検定証印を付する部分)
検定証印を付する特定計量器の部分は、特定計量器の本体の通常の使用状態において見やすく消滅しにくい部分又は本体に取り付けた通常の使用状態において見やすく消滅しにくい金属片その他の物体とする。
<検則24条>
付印の場所は、見やすく消滅しにくい場所又はそこへ取り付けた金属片等となっている。
有効期間のある特定計量器(法72条2項)
構造、使用条件、使用状況等からみて、検定について有効期間を定めることが適当であると認められるものとして政令(施行令18条、別表3上欄)で定める特定計量器の検定証印の有効期間は、その政令(施行令18条、別表3下欄)で定める期間とし、その満了の年月を検定証印に表示するものとする。
<法72条2項>
検定証印等の有効期間のある特定計量器と有効期間(施行令18条、別表3)
(1) 積算体積計
イ 水道メーター ⇒ 8年
ロ 温水メーター ⇒ 8年
ハ 燃料油メーター(施行令31条3号に掲げるものを除く。)
ⅰ 自動車の燃料タンク等に燃料油を充てんするための機構を有するものであって、給油取扱所に設置するもの ⇒ 7年
ⅱ ⅰに掲げるもの以外のもの ⇒ 5年
ニ 液化石油ガスメーター ⇒ 4年
ホ ガスメーター
ⅰ 計ることができるガスの総発熱量が1m3につき90メガジュール未満であって、使用最大流量が16 m3/h以下のもの(前金装置を有するものを除く。) ⇒10年
ⅱ 計ることができるガスの総発熱量が1m3につき90メガジュール以上であって、使用最大流量が6 m3/h以下のもの(前金装置を有するものを除く。) ⇒10年
ⅲ ⅰ又はⅱに掲げるもの以外のもの ⇒ 7年
(2) 積算熱量計 ⇒ 8年
(3) 最大需要電力計
イ 電子式のもの ⇒ 7年
ロ イに掲げるもの以外のもの ⇒ 5年
(4) 電力量計
イ 定格電圧が300ボルト以下の電力量計(変成器とともに使用されるもの及びロⅱに掲げるものを
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除く。) ⇒ 10年
ロ 定格電圧が300ボルト以下の電力量計のうち、次に掲げるもの ⇒ 7年
ⅰ 定格一次電流が120アンペア以下の変流器とともに使用されるもの(定格一次電圧が300ボルトを超える変圧器とともに使用されるものを除く。)
ⅱ 定格電流が20アンペア又は60アンペアのもの(電子式のものを除く。)
ⅲ 電子式のもの(イ及びⅰに掲げるものを除く。)
ハ イ又はロに掲げるもの以外のもの ⇒ 5年
(5) 無効電力量計
イ 電子式のもの ⇒ 7年
ロ イに掲げるもの以外のもの ⇒ 5年
(6) 照度計 ⇒ 2年
(7) 騒音計 ⇒ 5年
(8) 振動レベル計 ⇒ 6年
(9) 濃度計
イ ガラス電極式水素イオン濃度検出器 ⇒ 2年
ロ ガラス電極式水素イオン濃度指示計 ⇒ 6年
ハ イ又はロに掲げるもの及び酒精度浮ひょう以外のもの ⇒ 8年
有効期間満了の表示
(有効期間満了の表示)
① 法72条2項の規定による検定証印の有効期間の満了の年月の表示は、打ち込み印、押し込み印又はすり付け印により、検定証印に隣接した箇所(金属片その他の物体に検定証印を付する場合にあっては、その裏面を含む。次条において同じ。)に、次の様式1から様式3までのいずれかにより表示するものとする。この場合において、上又は左の数字は年を表すものとし、下又は右の数字は月を表すものとする。
様式1 8
11
様式2 8.11
様式3 8 11
② ①の場合において、検定証印の有効期間は、検定証印を付した月の翌月一日から起算するものとする。
<検則25条>
年月表示の方法は、打ち込み印、押し込み印又はすり付け印により、検定証印に隣接した箇所に、様式1~3のいずれかにより表示する。具体例としては、アルミ箔のシートを容易に取れない方法により接着してもよいとされている。
計量行政審議会「検定有効期間等分科会」
現在の特定計量器の有効期間は、平成9年から平成14年にかけて行われた特定計量器の検定有効期間等の検討(見直し)により、改正されたものである。
-128-
この見直しは、政府全体の規制緩和推進計画(平成9年3月28日閣議決定)に基づき、経済産業省計量行政審議会(検定有効期間等分科会)で取り組まれたものであり、平成9年度から平成13年度までの5年計画により、検討対象を5グループに分け、年次計画として年度ごとに各グループについて検討したものである。
見直しの対象となった事項は、「特定計量器の検定有効期間」、「型式承認の有効期間」、「計量証明検査周期」、「定期検査周期」及び「基準器検査の有効期間」の5項目であった。
最終的な検討結果は、分科会の検討結果を踏まえた審議会(平成14年3月26日)の判断(答申)に基づき、変更答申のあった事項は政令(施行令)改正により反映された。
有効期間等見直しのための調査項目等
分科会における有効期間等見直しのための検討は、以下のような項目について関係者の討議結果を受け、国立研究所、製造事業者、使用者、検査機関におけるそれぞれの立場から、様々な試験データ等による技術的観点を中心に検討し結論を得ることとされていた。
・特定計量器の使用実態
(使用の実態や保守管理の状況等を踏まえ検討を行う。)
・技術進歩と特定計量器の構造
(構造、材料等の技術進歩にともなう器差特性、性能等の向上について技術的評価を行う。)
・経年変化特性の評価と耐久試験
(製造後2~3回の検定(再検定)結果等による経年変化特性の評価を行う。)
・消費者に与える影響
(消費者の負担に直結する特定計量器もあり、計量の信頼性の確保に十分留意する必要がある。)
・諸外国の規制との比較
(諸外国における検定等の有効期間と我が国制度の比較、国際基準(OIML)との比較分析。)
見直しの全体概要(検討対象と変更内容)
(1) 特定計量器の検定有効期間
ⅰ) 第一グループ
・積算熱量計 6年 ⇒ 8年
・温水メーター 6年 ⇒ 8年
・騒音計 3年 ⇒ 5年
・ガスメーター 7年 ⇒ 10年
・ガラス電極式水素イオン濃度指示計 3年 ⇒ 6年
・ガラス電極式水素イオン濃度検出器 1年 ⇒ 2年
ⅱ) 第二グループ
・燃料油メーター(自動車給油) 5年 ⇒ 7年
・燃料油メーター(小型車載等) 5年 ⇒ 現行どおり
・液化石油ガスメーター 3年 ⇒ 4年
・振動レベル計 5年 ⇒ 6年
・濃度計(ガラス電極式水素イオン濃度計除く環境用) 5年 ⇒ 10年
ⅲ) 第四グループ
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・水道メーター 8年 ⇒ 現行どおり
・タクシーメーター装置検査 1年 ⇒ 現行どおり
・照度計 2年 ⇒ 現行どおり
ⅳ) 第五グループ
・電力量計 5、7、10年 ⇒ 現行どおり
・無効電力量計 5年 ⇒ 5年
・変成器付き電力量計(電子式) 5年 ⇒ 7年
(2) 型式承認の有効期間
承認対象の全機種 5年 ⇒ 10年
(3) 計量証明検査周期
ⅰ) 第一グループ
・ガラス電極式水素イオン濃度指示計 2年 ⇒ 3年
・騒音計 2年 ⇒ 3年
ⅱ) 第二グループ
・振動レベル計 2年 ⇒ 3年
・濃度計(ガラス電極式水素イオン濃度指示計除く環境用) 2年 ⇒ 3年
ⅲ) 第三グループ
・質量計(非自動はかり、分銅) 2年 ⇒ 現行どおり
ⅳ) 第四グループ
・ボンベ型熱量計 5年 ⇒ 現行どおり
・ベックマン温度計 5年 ⇒ 現行どおり
ⅴ) 第五グループ
・皮革面積計 1年 ⇒ 現行どおり
(4) 定期検査周期
・質量計(非自動はかり、分銅) 2年 ⇒ 現行どおり
・皮革面積計 1年 ⇒ 現行どおり
(5) 基準器検査の有効期間
ⅰ) 第三グループ
・基準ガラス製温度計(目量1℃) 4年 ⇒ 5年
・基準ガラス製温度計(上記以外) 3年 ⇒ 5年
・基準ベックマン温度計 3年 ⇒ 5年
・圧力基準器(重錘型、液柱型) 3年 ⇒ 4年
・熱量基準器 3年 ⇒ 6年
・基準密度浮ひょう 6年 ⇒ 8年
・LPG用基準密度浮ひょう 3年 ⇒ 現行どおり
・振動基準器 2年 ⇒ 4年
・騒音基準器 2年 ⇒ 現行どおり
・浮ひょう型濃度基準器 6年 ⇒ 8年
・浮ひょう型比重基準器 6年 ⇒ 8年
ⅱ) 第四グループ
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[次ページに続く]計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(15) 筆者 高原隆
2026-03-28-no7-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(14) 筆者 高原隆
計量制度の概要(METI/経済産業省)
計量法における単位規制の概要
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の届出について
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の承認について
計量法における計量器の規制の概要
特定計量器に関する規制の概要
家庭用特定計量器(体重計・調理用はかり)に関する規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要(特定商品(食品など)の量目公差・内容量表記など)
特殊容器(丸正びん)制度
計量証明の事業
計量標準
法定計量における国際整合化の推進(国際法定計量機関)
普及啓発(計量記念日)
2026-03-28-no14-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-