時代によって取引・証明に必要とされる計量器が変る
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時代によって取引・証明に必要とされる計量器が変わる
辻まこと の イラスト 虫をとらえる独特の感性がみられる。辻まこと - Wikipedia。
(タイトル)
時代によって取引・証明に必要とされる計量器が変わる
(本文)
地中海イタリアのカプリ島にある青の洞窟は、海底の白い砂や石灰岩によって実現する。太陽光が反射して水面を下から照らし出すと、コバルトブルーやターコイズブルーに輝く。地中海地域は石灰岩でできている。
地中海に浮かぶギリシャ共和国最大の島であるクレタ島では、ヨーロッパ最古の高度な文明の「古代ミノア文明(クレタ文明)が栄えた。古代文明が栄える条件として森林あるいは樹木がある。兵庫県ほどの8,336平方キロメートルにある森林は繁栄に伴って消失する。樹木が消えると表土が表出し、洗い流されることになり、白い石灰岩が剥き出しの島になる。ギリシャ神話、最高神ゼウスの生誕の地であり、神殿などの遺跡、ヨーロッパ最大級の渓谷、美しい白いビーチは、現代では格好の観光地として賑わう。クレタ文明は遠い昔に消滅している。
ポリネシアのイースター島は、ヤシの豊かな森林であった。人口増加とモアイ像の建立などによって森林が崩壊。表土が流出して農業ができなくなった。
インダス文明では、モヘンジョダロなどの都市建設に焼成煉瓦が使われた。樹木が燃料であったために森林が消滅した。焼成煉瓦は都市計画と上下水道のために用いられた。気候変動などの要因が重なって、文明が隆盛したときの条件を維持できなくなって、滅ぶことになる。
中国の明時代の万里の長城建設にはレンガが使われた。レンガを焼成に木材が使われたことによって森林が消滅し、黄土高原の砂漠化が進行した。日本に春に押し寄せる黄砂の原因である。
天下分け目の関ヶ原の合戦のころに山林には樹木は今ほど多くはなかった。戦国時代は深刻な木材不足であった。戦国時代から安土桃山時代は、城の建築や燃料として木材が大量に使われたために山々は現在よりも木が少なく、はげ山に近いほどに荒廃していた。徳川家康が江戸に幕府を築いたのは、豊かな森林があることと、切り出して運び出す水利によるところが大きかった。
人が生活するためのエネルギー源は近年までは薪(まき)であった。薪を炭化した炭は高級燃料として取り扱われた。英国では石炭を使って蒸気機関を動かした。英国には石炭が多く埋蔵されていた。採炭跡に溜まる地下水の排出に使われた蒸気機関は、蒸気機関車と蒸気船にまで発展した。日露戦争のころの日本の軍艦は石炭によって蒸気を起して、この圧力をエネルギーとして用いた。戦艦長門は改装前には石炭と重油の双方を燃料としていた蒸気機関であった。大きな煙突を突き出して黒煙を上げる軍艦は石炭を焚いていることを示す。進水時(新造時)の戦艦長門は黒い煙を吐いて海に浮いていた。
戦艦大和であっても推進動力は、重油を燃料とする蒸気タービンエンジンであった。戦艦大和の機関は、ボイラー(缶)で発生させた高温・高圧の蒸気によって大型のタービンを回し、スクリュープロペラを駆動させる仕組み。推進軸は直径5mのプロペラ4基(4軸)。最大速力は50.8 km/h(27.46ノット)。
現代のタンカーの主力となる動力源は、低速2ストローク・ディーゼルエンジン。長距離を航行する大型の原油タンカー(VLCCなど)では、極めて熱効率が高く経済性に優れたこのエンジンがプロペラシャフトに直結され、主にC重油を燃料としてスクリューを回している。新造される大型タンカーでLNG(液化天然ガス)の採用が急増中。
原子力船の動力機構は戦艦大和の重油で沸かす代わりに、原子炉の核分裂熱を利用しているという内容。蒸気で蒸気タービンを回してスクリューを駆動する。
薪(まき)や炭を燃料(エネルギー源)にしていた時代には持続可能性の限界から経済発展には制約があった。石炭、石油、ガスといった地下資源をエネルギー源にするとエネルギー供給面からの制約が外れたことがあって経済規模は拡大した。明治初年から大正、昭和の中期までは日本の山林は荒廃気味であった。石炭、石油、ガスそして電力のエネルギー源に切り替わることによって森林の乱伐は控えられるようになった。その代わりに人の手が入らない荒れた山が増えた。
以上のようなことから次のことが論述できる。
時代によって取引・証明に必要とする計量器が変わる。現代では家を留守にするときに唱える呪文、すなわち電気、ガス、水道、そして忘れ物ないか。ということでこれらを計る計量器が計量法の特定計量器に指定されている。以下はそれらの計量器である。
計量法の規定のうち石油、燃料ガス、石炭に関係する特定計量器
計量法の規定のうち石油、燃料ガス、石炭に関係する特定計量器は次のとおり。(使用事例の詳細を示し、それを反映しているものではありません)
特定計量器一覧(令第2条)
五 体積計のうち、次に掲げるもの
イ 積算体積計のうち、次に掲げるもの
1、水道メーターのうち、口径が三百五十ミリメートル以下のもの
2、温水メーターのうち、口径が四十ミリメートル以下のもの
3、燃料油メーター(揮発油、灯油、軽油又は重油(以下「燃料油」という。)の体積の計量に使用する積算体積計をいう。)のうち、口径が五十ミリメートル以下のもの(五十リットル以上の定体積の燃料油の給油以外に使用できないものを除く。)
4、液化石油ガスメーターのうち、口径が四十ミリメートル以下であって、液化石油ガスを充てんするための機構を有するもの
5、ガスメーターのうち、口径が二百五十ミリメートル以下のもの(実測湿式ガスメーターを除く。)
6、排ガス積算体積計
7、排水積算体積計
ロ 量器用尺付タンクのうち、自動車に搭載するもの
七 密度浮ひょうのうち、次に掲げるもの
イ 耐圧密度浮ひょう以外のもの
ロ 耐圧密度浮ひょうのうち、液化石油ガスの密度の計量に使用するもの
十八 浮ひょう型比重計のうち、次に掲げるもの
イ 比重浮ひょう
ロ 重ボーメ度浮ひょう
ハ 日本酒度浮ひょう
二 質量計のうち、次に掲げるもの
イ 非自動はかりのうち、次に掲げるもの
1、目量(隣接する目盛標識のそれぞれが表す物象の状態の量の差をいう。以下同じ。)が十ミリグラム以上であって、目量標識の数が百以上のもの((2)又は(3)に掲げるものを除く。)
2、手動天びん及び等比皿手動はかりのうち、表記された感量(質量計が反応することができる質量の最 小の変化をいう。)が十ミリグラム以上のもの
3、自重計(貨物自動車に取り付けて積載物の質量の計量に使用する質量計をいう。)
ロ 自動はかりのうち、目量が十ミリグラム以上であって、目盛標識の数が百以上のも の
ハ 表す質量が十ミリグラム以上の分銅
ニ 定量おもり及び定量増おもり
石油計量器の主な種類
1、燃料油メーター(給油機)
ガソリンスタンドなどで車両や容器へ給油する際に使用する機器。ガソリン用、灯油用などがあり、容量をデジタルなどで正確に表示・計算する。
2、流量計(ロータリピストン式など)
主にタンクローリーから家庭へ灯油を配達する際や、産業用機械で油の消費量を測定する際に使用される。
3、可搬式給油機
タンクローリーと直接接続し、車輛へ給油できる持ち運び可能なタイプ。
4、石油密度計・比重計
石油の品質管理や、温度と体積から質量を換算するために用いられる試験用の計器。
5、計量ボトル・カップ
2サイクルエンジンの混合油作りなどで、少量のオイルを計るために使用される道具。
6、ほか
石油を計る計量器に関連する幾つかの事項
1、 石油の品質などに関連する計量器(石油密度計)
石油の品質管理や密度(15℃における密度)を測定するために使用されるガラス製の浮ひょう(浮き秤)。標準石油密度計などがあり原油や石油製品の密度を測定する。
2、法的な規制とメンテナンス
石油の計量器は「特定計量器」に分類される。
a、検定義務
ガソリンスタンドの燃料油メーターは、計量法により7年ごとの検定が義務付けられている。
b、精度管理:誤差が生じると信用問題や利益減少につながるため、定期的な点検が求められる。
c、防爆対応
石油は引火性があるため、計量機は防爆構造(火花が出ない構造)であることが求められている。
3、その他の関連機器
a、ドラム缶、ボンベ用はかり
石油を重量で計量する場合に使用される台はかり。 ガソリンの重量は1Lあたり0.75kgで計算されることが多く、こうした密度と容量の関係を元に設計されている。
b、油量計
燃料油の流量を計測するメーター。
c、石油製品色試験器
石油の品質(色)を検査する機器。
d、ほか
2-3、「計量器」と「特定計量器」
計量法では、「計量器」の概念(社会通念としての計量器よりもやや範囲の狭いもの)を定義し、その規制の対象となる「計量器」(特定計量器)の範囲を定義している。(※平成5年改正以前の旧計量法においては、「計量器」にあたらないものを「類似計量器」と呼称し、規制の対象となる計量器を「法定計量器」(旧計量法12条)と呼称していた。)
この法律において「計量器」とは、計量をするための器具、機械又は装置をいい、「特定計量器」とは、取引若しくは証明における計量に使用され、又は主として一般消費者の生活の用に供される計量器のうち、適正な計量の実施を確保するためにその構造又は器差に係る基準を定める必要があ
るものとして政令(施行令2条)で定めるものをいう。
<法2条4項>
ii 「施行令」:計量法施行令(平成5年、政令329号)の略
iv 「施行則」:計量法施行規則(平成5年、通商産業省令69号)の略
特定計量器とは、計量法上の規制を課すことが必要な計量器を抽象化し、「特定計量器」と定めたものとされている。(※特定計量器は、平成5年改正により登場した用語であるが、その定める目的や概念は旧計量法における「法定計量器」とほぼ同一である。)
特定計量器は、施行令2条により、18器種が規定されている。
(特定計量器)
法2条4項の政令で定める計量器は、次のとおりとする。
1) タクシーメーター
2) 質量計
イ、非自動はかり
ⅰ、目量(隣接する目盛標識のそれぞれが表す物象の状態の量の差をいう。)が10mg以上であって、目盛標識の数が100以上のもの(ⅱ又はⅲに掲げるものを除く。)
ⅱ、手動天びん及び等比皿手動はかり(表記された感量(質量計が反応することができる質量の最小の変化をいう。)が10mg以上のもの)
ⅲ、自重計(貨物自動車に取り付けて積載物の質量の計量に使用する質量計をいう。)
ロ 分銅(表す質量が10mg以上のもの)
ハ 定量おもり及び定量増おもり(以下単に「おもり」という。)
[計量計測データバンク編集部 註]
本稿を執筆時においては質量計は イ、非自動はかり だけが特定計量器でしたが、その後に自動ハカリの一部が特定計量器に追加されました。その内容は次のとおりです。紫色の文字です。
計量法における計量器の規制の概要(事業者向け)(METI/経済産業省)
(https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/12_gaiyou_keiryouki.html)
質量計のうち、次に掲げるもの
イ 非自動はかりのうち、次に掲げるもの
目量(隣接する目盛標識のそれぞれが表す物象の状態の量の差をいう。以下同じ。)が十ミリグラム以上であって、目量標識の数が百以上のもの((2)又は(3)に掲げるものを除く。)
手動天びん及び等比皿手動はかりのうち、表記された感量(質量計が反応することができる質量の最 小の変化をいう。)が十ミリグラム以上のもの
自重計(貨物自動車に取り付けて積載物の質量の計量に使用する質量計をいう。)
ロ 自動はかりのうち、目量が十ミリグラム以上であって、目盛標識の数が百以上のもの
ハ 表す質量が十ミリグラム以上の分銅
ニ 定量おもり及び定量増おもり
3) 温度計
イ ガラス製温度計
ⅰ、計ることができる温度が零下30度以上360度以下のもの(転倒式温度計、接点付温度計、最高最低温度計、留点温度計、浸線付温度計、保護枠入温度計及び隔測温度計並びにⅱに掲げるものを除く。)
ⅱ、ベックマン温度計のうち、温度の上昇の計量に使用するもの(削除、平成22年5月改正)
ⅲ、ガラス製体温計
ロ 抵抗体温計(電気抵抗の変化をもって、体温を計量する温度計であって、最高温度保持機能
を有するものをいう。)
4) 皮革面積計
5) 体積計
イ 積算体積計
ⅰ、水道メーター(口径が350mm以下のもの)
ⅱ、温水メーター(口径が40mm以下のもの)
ⅲ、燃料油メーター(揮発油、灯油、軽油又は重油(以下「燃料油」という。)の体積の計量に使用する積算体積計をいう。)のうち、口径が50mm以下のもの(50L以上の定体積の燃料油の給油以外に使用できないものを除く。)
ⅳ、液化石油ガスメーター(口径が40mm以下であって、液化石油ガスを充てんするための機構を有するもの)
ⅴ、ガスメーター(口径が250mm以下のもの(実測湿式ガスメーターを除く。))
ⅵ、排ガス積算体積計
ⅶ、排水積算体積計
ロ、量器用尺付タンク(自動車に搭載するもの)
6) 流速計
イ 排ガス流速計
ロ 排水流速計
7) 密度浮ひょう
イ 耐圧密度浮ひょう以外のもの
ロ 耐圧密度浮ひょう(液化石油ガスの密度の計量に使用するもの)
8) アネロイド型圧力計
イ 計ることができる圧力が0.1MPa以上200.2MPa以下のものであって、最小の目量が計ることができる最大の圧力と最小の圧力の差の150分の1以上のもの(蓄圧式消火器用のもの及びロに掲げるものを除く。)
ロ アネロイド型血圧計
9) 流量計
イ 排ガス流量計
ロ 排水流量計
10) 熱量計
イ ボンベ型熱量計(削除、平成22年5月改正)
ロ ユンケルス式流水型熱量計(削除、平成22年5月改正)
ハ 積算熱量計(口径が40mm以下のもの)
11) 最大需要電力計
12) 電力量計
13) 無効電力量計
14) 照度計
15) 騒音計
16) 振動レベル計
17) 濃度計
イ ジルコニア式酸素濃度計(最高濃度5%以上25%以下のもの)
ロ 溶液導電率式二酸化硫黄濃度計(最高濃度50ppm以上のもの)
ハ 磁気式酸素濃度計(最高濃度5%以上25%以下のもの)
ニ 紫外線式二酸化硫黄濃度計(最高濃度50ppm以上のもの)
ホ 紫外線式窒素酸化物濃度計(最高濃度25ppm以上のもの)
ヘ 非分散型赤外線式二酸化硫黄濃度計
ト 非分散型赤外線式窒素酸化物濃度計
チ 非分散型赤外線式一酸化炭素濃度計(最小目量100ppm未満のもの及び最小目量100ppm以上200ppm未満のもので最高濃度が5%未満のもの)
リ 化学発光式窒素酸化物濃度計(最高濃度25ppm以上のもの)
ヌ ガラス電極式水素イオン濃度検出器
ル ガラス電極式水素イオン濃度指示計
ヲ 酒精度浮ひょう
18) 浮ひょう型比重計
イ 比重浮ひょう
ロ 重ボーメ度浮ひょう
ハ 日本酒度浮ひょう
以上<施行令2条>
2-3-1、特定計量器の範囲
選定基準
特定計量器に関する規制は、法2条4項より、「①取引若しくは証明に使用される」場合と「②一般消費者の生活の用に供される計量器」との二通りである。②のケースについては、「製造事業者の基準適合義務」(法53条)、「検定証印等のないものの譲渡等の禁止」(法57条)の規制が該当する。①のケースについては、概ね次の要素に基づいて定められている。
a) その多くが社会・経済活動において広く取引又は証明に使用されており、当該計量器の精度を公的に担保することが必要なもの。(質量計、燃料油メーター、電気計器、ガス・水道メーター、積算式熱量計、温水メーターなど)
b) 社会的に特に取引又は証明に使用する計量器について精度を公的に担保ことが求められているもの。(公害や環境に関する証明に使用する濃度計、騒音計、振動レベル計、照度計、排水・排ガスに係る積算体積計、流速計、流量計)
c) 租税、計量証明事業、中小企業等に関わる取引に用いられるもので、当該計量器の精度を公的に担保することが必要なもの。(温度計、量器用尺付タンク、皮革面積計、浮ひょう型密度計・濃度計・比重計など)
d) 「みなし証明」(法2条3項)に用いられるもので、当該計量器の精度を公的に担保することが必要なもの。(鉄道の運行に用いる圧力計や高圧ガスの保安に用いる温度計・圧力計)
対象とされないもの
計量器であっても、①その多くが取引又は証明に使用されないもの(化学用体積計など)、②精度が十分確保されているもの(時計、長さ計など)、③専門家が調整しながら使用するもの(ガスクロマトグラフなど)、④精度が高く使用者が自ら精度を確認して使用すべきもの(ブロックゲージ、電気関係測定器など)などは、精度を公的に担保する必要はないため、特定計量器の対象とされていない。
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