「計量計測データバンク」サイトマップ


2025年日本経済の素描
労働生産性を一定だとすると2020年に1億2,615万人であった人口が2070年には8,700万人に減少し、2020年の生産年齢人口は7,406万人が2065年には4割近く減り4,529万人となるとしたら、日本の経済規模は人口ならびに生産年齢人口の減少に伴なうどの割合かで小さくなる。小さな国で大きな経済を夢見るのは過去の亡霊を追うのと同じことである。GDPの消費割合は60%から70%に進行していく。人口が減れば消費の全体は減る。人口が戦後復興の昭和20年(1965年)の7,000万人になり、明治初年(1868年)の3,000万人に下降していく日本。経済規模を維持していくこと自体が難しい。
A sketch of the Japanese economy in 2025
2025年日本経済の素描

(計量計測データバンク)

計量計測のエッセー

2025年日本経済の素描

2025年日本経済の素描

国道406号線、白沢峠のトンネルの向こうに忽然と現れる後立山連峰の雪景色。トンネルを抜けると北アルプスが見えた。

2025年日本経済の素描

(本文)

 デニムのジーンズのブランド品のリーバイスの生産はバングラディッシュなどでなされていて一本の原価は1,000円に満たない。世界規模で販売されるこのブランド・ジーンズは一本10,000円以上で小売りされる。日本のファーストリテイリングは、ユニクロやジーユー、セオリーなどのブランドで世界展開している。原価ということではリーバイスよりも抑えられているはずだ。大谷翔平が活躍する米国の球場で Levi'sの看板が目に付く。

 ファーストリテイリングは、素材調達から企画、生産、販売までの一貫したプロセスにより、高品質な服をリーズナブルな価格で販売。世界のカジュアル衣料品の企業の中での売上はZARAを擁するインディテックス(スペイン)、H&M(スウェーデン)に次ぐ第3位、時価総額は世界1位。グループの中核事業であるユニクロ事業は、世界中に2,434店舗を出店。ジャーナリストの横田一がユニクロに従業員として潜り込んで店舗運営の実態を暴露した。

 リサイクル・ショップのアジア人労働者が顧客割合として多い。日本人労働者のある部分がアジア人労働者による置き換えがあるため。人手不足の対応に省力化・合理化投資による労働生産性の向上は限定的。人手不足とは労働力雇用の資金不足のことである。低賃金でしか雇うことができないのが中小企業。大企業であっても低賃金を前提とした事業運営の実態。非正規雇用は低賃金雇用のためになされる雇用方式。工場の海外移転が続く過程で日本の労働組合の組織率は低下し実態を失っている。電力労連は原子力依存、政府依存の体質を身に纏う。連合は自民党と仲良くしたい。独占的大企業の労働組合であり、政府の政策支援の下に成り立つ構造だ。

 厚生労働省第3回社会保障審議会年金部会が2023年5月8日に発表した日本の将来推計人口(令和5年推計)では、わが国の人口は、2020年の1億2,615万人から、2070年には8,700万人に減少。高齢化も進行し、65歳以上人口割合は2020年の28.6%から一貫して上昇し、2070年には38.7%へと増加。

 総務省統計局による 2022年(令和4年)7月の労働力調査(基本集計)に基づいて考察した外国人採用サポネット-マイナビグローバル (mynavi.jp)は、「深刻化する日本の人手不足問題:原因と解決策」のリポート。人手不足とは、企業が企業が業務を行うにあたって必要人材が集まらず業務が思うように行えない状態。日本の人手不足は年々深刻化しており対策を講じる必要がでてきた。少子高齢化や団塊世代の一斉退職、非正規雇用の待遇の低さなど問題がある。終身雇用が当たり前だった時代とは異なり、転職を繰り返す人も増えている。人手不足の最も大きな要因は少子高齢化。生産年齢人口に該当する15歳から64歳の人口の減少。人口減少と少子高齢化のグラフは直近の20年間では右肩下がりで、これからこの世代に突入する14歳以下の人口も減り続けて、65歳以上の人口は増加の一途。内閣府見通しでは2020年時点で生産年齢人口は7,406万人だが、2065年には4割近く減り4,529万人となる。人手不足が原因で廃業・倒産となる可能性が高くなる。廃業や倒産は免れても人手が足りなくて十分なサービスを提供できないことから、企業の評価が下がる。人手不足は中小企業には深刻。中小企業庁が公表している「令和元年度(2019年度)の中小企業の動向」は、製造業、建設業、卸売業、小売業、サービス業のすべておいて、従業員の今期の状況について「過剰」と答えた企業の割合から、「不足」と答えた企業の割合を引いた「従業員数過不足数DI」が2013年第4四半紀にマイナスとなり、それ以降は一部の業種で改善が見られるものの、人手不足感は強まり続けている。地方では有効求人倍率があがっていても雇用に結びつきにくい。よりよい条件や職場環境をお求めて転職する人も増えており、特に若者の都心部流出が進んでいる。東京には毎年10~20万人程度が地方から移住しており、一極集中化が進んでいる。これが地方の人手不足要因。

 政府が労働賃金の引上げを口にする日本の政治運営の状況。GDPの6割が個人消費であるから経済政策は変わる。輸入資材と原油高の高騰は、円安とロシア・ウクライナ戦争を契機としたエネルギー価格上昇がもたらした。諸物価が高騰していても実質賃金の低下が統計で証かされる。自動車、電力、電機ほかで政策的に賃上げされても世の中には賃上げのための体力と条件がない。供給と需要とのギャップが続くなか経済は低迷したまま。圧力計製造業は需要に対して供給力が慢性的に過剰。中小企業による競争だ背景にある。計量計測機器産業は全般的にこのような状況。需要に対して供給が多ければ価格低下の圧力が働く。圧力ゲージ一個の出荷額が300円だと苦笑していたのは20年前のことであるが現在の状況は不明。

 世界の国内総生産(GDP)に占める日本の割合は、2022年時点で4.2%。1980年以降で最低の割合。円安の影響が大きい。日本のGDPに占める割合の推移は、1980年:9.8%、1995年17.6%、2010年8.5%、2022年4.2。国際機関の予測は、2040年には3.8%、2060年には3.2%まで低下する。経済規模は2014年に中国に追い抜かれ、2030年にインドに肩を並べられる。世界GDP割合が1995年に17.6%であったのが2022年に4.2%に縮小しているのは企業の海外生産が進行したことにもよる。ある人が素朴な疑問を発した。海外の儲けをそのまま日本に持ってくることができないものか、と。そのようにはなっていない。労働者の賃金を払い、海外での販売経費とから利益がもたらされるが、利益は海外での再投資に回される。ここには国内の雇用が除外され、GDPの6割を占める個人消費も関係しない。

 経済のことを分析して一喜一憂している傍らで自身による大災害の要素がつねに潜んでいる。2011年3月11日発生の東北大震災を現実の問題として意識し予測してこれに備えることはなかった。2024年1月1日の能登大地震にしても同じ。能登地震では志賀原発は休止中であったから原発被害は発生しなかった。珠洲には原発計画があり立地場所近くが震源であった。福島原発事故の20㎞圏内の人口の回帰率は1割であり戻っているのは老齢者が多い。ここの経済は完全に崩壊している。東南海大地震、関東大地震ほかが待ち受けている。高層ビル群と都市部の弱弱しい社会インフラが崩れたときの経済損失を考慮から排除しているのが政府機関とエコノミストによる経済予測。

 労働生産性を一定だとすると2020年に1億2,615万人であった人口が2070年には8,700万人に減少し、2020年の生産年齢人口は7,406万人が2065年には4割近く減り4,529万人となるとしたら、日本の経済規模は人口ならびに生産年齢人口の減少に伴なうどの割合かで小さくなる。小さな国で大きな経済を夢見るのは過去の亡霊を追うのと同じことである。GDPの消費割合は60%から70%に進行していく。人口が減れば消費の全体は減る。人口が戦後復興の昭和20年(1965年)の7,000万人になり、明治初年(1868年)の3,000万人に下降していく日本。経済規模を維持していくこと自体が難しい。

 森永卓郎が言う。月に15万円の年金があれば豊かに暮らせると。都心に住まなければ住宅費は安い。500万円を用意すれば十分な規模で質の高い住宅を取得できる。小さな国の小さな経済の日本国。とはいっても日本国の人口は比べれば大きい。米国の大学卒業のための学費が4年間で5,000万円になることを有識者たちが語る。一部の大卒者とそれ以外の人々との年収の格差は米国で広がっている。日本がそのようになりかねない。

2024-12-31-a-sketch-of-the-japanese-economy-in-2025-




2025年日本経済の素描

計量管理の解釈と必要な変革の実行

ロシア、ウクライナ、米国、日本と国の事情

計測でも科学でもない数値の強調と人の健康 数値のトリックと人の健康

気持よく働き一日を満足する日本でありたい

人工知能(AI)と人の頭脳の働かせ方

品質工学や計量管理の技術を言葉で解き明かす

計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-

「計量計測データバンク」サイトマップ