0.001グラムの計量と金価格の推移
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0.001グラムの計量と金価格の推移
写真はアヤメ。紫色のアヤメは野で山で目に付く。写真のように花の付け根にモヤモヤの模様があるのがアヤメ。根元の芯から真っすぐに白い筋が走るのがカキツバタ。
(タイトル)
0.001グラムの計量と金価格の推移
(本文)
あるモノの価格は1グラム15,349円である。0.1グラムは1,534円。0.1グラムは153円。0.01グラムは15円。0.001グラムは1.5円。計量法の商品量目にかかる規定は1.5円ていどの誤差を許さない。0.001グラムを間違わずに計量できる質量計は研究における分析分野などの用途のものである。この精密さを実現する質量計は取引の用途に使われることを想定していない。
1グラム15,349円で取引されているそのモノはどれほどの精密さで計量が実施されているのか。0.001グラムの精密さが実現されていなければならない。1グラム15,349円というそのモノは金(物質としての金、つまりゴールド)であり、田中貴金属が示す2025年05月の平均価格。田中貴金属では価格に見合う質量計測をして売り買いの取引をしている。
田中貴金属にある天びんメーカーの社長と営業部長が直接に売り込みをしている現場を目撃した計量記者がいる。田中貴金属の本店付近で出会った二人に何処へ行くのかと尋ねたのであった。金の質量を相当の精密さで計量する精密天びんは高価格であり、これを全国の支店・販売店などに何台も販売・納品できれば商売上は大いに好ましい。だから幹部二人して田中貴金属に営業した。
金価格の高騰は一般家庭に眠っている指輪、ネックレス、ほか金を使った装飾品などを金取引市場に引き出す。金製品を買い上げているものの一つに街のリサイクル・ショップがある。このような買取店で金製品を取引している現場は見ていない。リサイクル・ショップで五千円、一万円で売られている靴などの買取価格は五円、十円、十五円。金(物質としてのゴールド)の場合には金の含有率などのことがあり取引は難しく、正確に質量を測定する意味や意義は純金に比べれば薄れるから、見た目における鑑定でおおよその値段が付けられる。売る側は少しでもお金になれば良いと考え、金製品の場合には予想より高かったと考える。五円で買い取った靴が五千円で売られるからだ。このような事情があるから古物の取引がインターネットでの個人売買が成立する背景となる。小さな市場の枠ではなくより大きな市場が対象になることで価格の合理性が成立する。
金(ゴールド)価格は通貨の信用を反映する。金本位制の貨幣制度での国家運営が行き詰ったために金(ゴールド)に裏付けられた通貨発行の原則を取りやめたのがニクソンによる金とドルの兌換を停止であり、これがニクソンショック。
1971年8月15日にリチャード・ニクソン米大統領は金とドルの兌換停止を発表。これによって金本位制に基づく国際通貨制度としてのブレトン・ウッズ体制が終焉。以後は主要通貨は変動相場制へと移行。ニクソンはアメリカの金準備の減少したためにドルと金の交換を停止した。金の裏付けなしでドルを発行し続けていたために金とドルの兌換を止めた。金とドルを基軸とした固定相場制が崩壊。主要国通貨は金との交換を前提としない変動相場制へと移行。米国、日本など主要各国は金の裏付けなしに自国通貨を発行し続けてきた。日本の国債の発行はこのようなことであった。発行した各国通貨の発行し過ぎ、あるいは出鱈目さを示す鏡の役割として金(ゴールド)が機能する。
次のことが日本における通貨発行のし過ぎを示している金(ゴールド)の1971年から2025年までの価格推移である。
年度別の金1グラムあたりの円価格(税抜、年平均)の推移。(資料は田中貴金属資料による)
2025年05月15,349円、04月14,996円、03月14,298、02月14,169、01月13,676。
2024年11,718円、2023年8,834円、2022年7,649円、2021年6,402円、2020年6,122円、2019年4,918円、2018年4,543円、2017年4,576円、2016年4,396円、2015年4,564円、2014年4,340円、2013年4,453円、2012年4,321円、2011年4,060円、2010年3,477円、2009年2,951円、2008年2,937円、2007年2,659円、2006年2,287円、2005年1,619円、2004年1,472円、2003年1,399円、2002年1,296円、2001年1,105円、2000年1,014円、1999年1,069円、1998年1,287円、1997年1,337円、1996年1,405円、1995年1,209円、1994年1,312円、1993年1,328円、1992年1,446円、1991年1,609円、1990年1,826円、1989年1,725円、1988年1,845円、1987年2,133円、1986年2,044円、1985年2,490円、1984年2,808円、1983年3,296円、1982年3,068円、1981年3,311円、1980年4,499円、1979年2,218円、1978年1,343円、1977年1,341円、1976年1,257円、1975年1,616円、1974年1,598円、1973年958円。
年度ごとの年初の取引価格は次のようであった。計量計測データバンクによる田中貴金属資料からの抜粋。小売価格(税抜)(円/グラム)。NHKなどの初取引価格の報道と年度の平均価格の比較のために役立つ。
1973年690円、1974年1,170円、1978年1,375円、1979年1,428、1980年5,105、1981年3,830、1982年2,885、1983年3,380、1984年2,885、1985年2,485、1986年2,195、1987年2,115、1988年1,955、1989年1,678、1990年1,944、1991年1,749、1992年1,541、1993年1,422、1994年1,516、1995年1,306、1996年1,422、1997年1,451、1998年1,335、1999年1,144、2000年1,031、2001年1,105、2002年1,276、2003年1,480、2004年1,559、2005年1,548、2006年2,122、2007年2,523、2008年3,185、2009年2,774、2010年3,531、2011年3,861、2012年4,214、2013年4,962、2014年4,396、2015年4,992、2016年4,502、2017年4,774、2018年5,209、2019年4,882、2020年6,014、2021年7,124、2022年7,492、2023年8,705、2024年10,507円、2025年1月平均価格13,676円、2025年5月平均価格15,349円。
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