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大型はかりの検定検査合理化研究の再開 島田好昭

「もし検査装置を改良し研究を継続していればで新たに設置された4万台以上mpトラックスケール適用できのにと残念でならない」




大型はかりの検定検査合理化研究の再開 島田好昭


大型はかりの検定検査合理化研究の再開 島田好昭

写真は高原のホテルと剣岳、立山の遠望。
   (本文とは関係ありません)


 2017年2月京都で開催された第15回全国計量士大会で「検定検査に関する意見・提案」としてパネリストの方から提案があり、出席者の活発な質疑応答があった。

 「検定検査」への民間事業者の参入ということに関し、既に指定検査機関(以後Aと称す)となっている地方計量協会が器差のみ指定検定機関(以後Cと称す)となって、修理事業者(以後Bと称す)と相互に緊密な連絡を取り合うことで迅速な修理(本文ではこの場合電気式はかりのスパン調整のみとする)と修理検定が実施できるスキームを作り上げることによって従来問題となっていた、

①定期検査不合格となってから修理検定合格迄の間、そのはかりが使用停止となるための使用者が被る不利益を最少に抑えることができる。
②定期検査に合格したとしても器差が相対的に大きかった場合、スパン調整を行って使用開始時の器差(検定公差内程度)に修復したいという要求(即ち適切な計量管理を維持したい)にも応えることが可能となる。
③総じて、これにより特定計量器のスパン調整を行ったにも係わらず検定を受けずに使用しているという実態が少なからずある、

という問題を解消できる可能性がある。という提案であった。筆者はこれに賛成する。

 修理検定に使用可能な基準分銅が現場にあれば、Bによってスパン調整という正しい行為を行える。

 つまり定期検査不合格だからという負のイメージに囚われることなく、堂々と修理を行って修理検定に合格すればよい、ということが重要である。

 そのために使用者が納得できる費用、処理スピードに応える工夫をA,B,Cを核に計量関係者が大いに検討すべきと考える。

 しかし、前述の期待を大きく阻む分野が存在する。それはトラックスケール(以後TSと称す)に代表される大型はかりである。

 何故なら定期検査はTSで最も多く使用されているひょう量40tの場合を例にとれば、Aが現場に準備する分銅は40tの60%の24tである。

 しかもトラック自重を分銅に置換して検査することが殆どだから、トラック自重10t~13tを除く最大でも15tの基準分銅が存在するのみである。

 つまりスパン調整を行って修理検定を受けようとするには少なくともあと25tの分銅が不足している。分銅を集めることが可能でも、現場に運搬するには10t車が3台必要となることから、直ぐにという訳にはいかない。

 従って、当日の夕方に修理、修理検定を受けるというのは絶望的であろうし、翌日に改めて40tの分銅を運搬するのも非常に困難であり、運搬費用が高額となるから使用者に大きな負担を強いることになる。

 運搬が容易なひょう量数百kg以下のはかりではA、B、Cが連携することで上手くいけば定期検査当日でも修理、修理検定が実行できることによって、費用も時間も抑えるメリットが存するのに、大型はかりでは無理、という不合理な状況が生まれてしまう。

 そこで再度、大型はかりの検定検査合理化研究を実施してこの解決を図るべきであろう。

 再度というのは、

 かつて計量研究所(現・産総研)、計量士会、計工連会員メーカ、検定所が当時は定期検査の分銅運搬の問題を解決しようと立ち上がって、実際に分銅に代わる運搬容易な検査装置の開発を行い、試作機製作、現地テスト迄実行し数点の課題は残すものの、当時のレベルであった1500目量(30t×20kg)程度のTSには十分適用できる可能性あり、とする報告が計工連報告書として残されている(昭和53年3月「車両用はかりの検定合理化研究」)。

 筆者はこの研究にメーカ技術者として末席を汚したこともあって、以後ずっと気がかりなテーマとして頭の片隅に残っている。

 これ以降同様なテーマで研究調査が行われたが、具体的進展のないまま今日に至っている。

 各々1年間の限定された研究期間であったことも災いして、昭和53年の報告は有用な検査装置ではあるが、TSを設置している基礎に引張り荷重が作用することで基礎の補強やアンカーボルト装着というユーザ側に負担が生じる点を解決していないから、として顧みられなかった。

 もしあの当時、この検査装置を継続して改良研究し、例え新設基礎のみにでも適用しようとしておれば、約30数年間で新たに4万台以上設置されたTSには多くが適用できたかもしれない。真に残念で無為に過ごしてしまった40年近い歳月であったとの感を抱いている。

 今回のCへの民間事業者参入という好機に、修理検定がスムーズに実行できないという大きな課題解決に向かって、当時より数段高いハードルである大型はかりの検定検査装置を再度研究開発しなければならないと考え、この酷暑を紛らわせるために検査装置の改良をあれこれ考えて過ごしてみようと思っている。

 読者のご感想をお聞きしたいと思います。

(島田好昭 元ハカリ大手企業に勤務 大阪計量士会会員 計量士 2017年7月記)

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