貨幣の定義 日本銀行券 日銀券発行と管理 貨幣大試験
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貨幣の定義 日本銀行券 日銀券発行と管理 貨幣大試験
貨幣の定義 日本銀行券 日銀券発行と管理 貨幣大試験
銀行券の発行、流通、管理の流れを示す図。
第153次製造貨幣大試験を実施しました(令和6年10月28日、大阪市の造幣局(本局)において) 横山財務副大臣による秤量(両皿天秤)
第153次製造貨幣大試験を実施しました(令和6年10月28日、大阪市の造幣局(本局)において) 横山財務副大臣による秤量(電子天秤)
貨幣と通貨の諸定義(マルクス主義経済学を含めて)
通貨とは
通貨とは、取引の際に商品の交換手段として使用され、人々の間で通用する貨幣(money)のこと。日常的には「お金」とも呼ばれる。
[通貨の定義]
流通手段・支払い手段として機能している貨幣。銀行券・補助貨幣などの現金通貨のほかに、預金通貨も含まれる。商品交換の媒介物として一般に流通する貨幣。流通手段、支払手段としての機能を果たす。
[通貨の例]
日本では、1000円札や1万円札などの紙幣、100円玉や1円玉などの硬貨が通貨として使用されている。米ドル、ユーロ、円の3通貨は取引高が大きいため、ニューヨーク、ロンドン、東京が世界三大市場。
[通貨の単位]
日本の通貨単位は「円」で、明治4年に制定された「新貨条例」で初めて通貨の単位として定められた。
貨幣(カヘイ)とは、AI による概要(貨幣の定義)
貨幣(カヘイ)とは、商品やサービスの交換や流通を円滑にするために使用される物体や媒介物で、通貨や「お金」とも呼ばれる。
[貨幣の機能]
価値尺度機能:財やサービスの価値を測定する機能。交換機能:財やサービスと交換するための媒介物としての機能。価値貯蔵機能:価値を貯蔵する機能。支払機能:交換機能から派生する機能。
[貨幣の種類]
現金通貨(紙幣と補助貨幣)。預金通貨(普通・当座預金)。定期預金、据置貯金、定期積金などの「準通貨」。
[貨幣の供給]
貨幣の供給は、発券銀行である中央銀行によって行われる。中央銀行は、自らのバランス・シートの負債項目の和であるマネタリー・ベースを拡張、収縮することによって、マネーストックを間接的にコントロールする。
[貨幣の統計]
貨幣や通貨に関する統計はマネーストック統計として、日本銀行から毎月公表されている。
マルクス主義経済学における貨幣とは、AI による概要(貨幣の定義 マルクス経済学)
マルクス主義経済学における貨幣は、価値尺度としての機能を持ち、労働の社会的化身とされている。
[マルクス主義経済学における貨幣の定義]
価値尺度としての機能を持つ。人間的労働の社会的化身として機能する。金が価値尺度として役立つのは、それ自身が労働生産物であるから。価値形態論の展開を通じて一般的等価物である貨幣商品が導き出される。貨幣単位は「固定した金属重量として」捉えられる。
[マルクス主義経済学について]
マルクス主義経済学は、主にカール・マルクスが自身の著書「資本論」で説いた思想。資本主義の崩壊を予言した点や剰余価値説を提唱した点などが特徴。マルクス主義は、資本を社会の共有財産に変えることによって、労働者が資本を増殖するためだけに生きるという、賃労働の悲惨な性質を廃止し、階級のない協同社会を目指す。
「通貨AIとは」
通貨AIとは、AI技術とブロックチェーン技術を組み合わせた仮想通貨(暗号資産)や、AIエージェントを活用した投資型DAO(分散型自律組織)などを指す。
[通貨AIの例]
ai16z(AI16Z) AIエージェント主導の投資型DAOが発行する仮想通貨。
aixbt(aiXBT) AIによる仮想通貨の市場解説とリサーチを行うAIエージェント。
GAME by Virtuals AIエージェントインフラ銘柄として注目されている銘柄。
Luna by Virtuals AIエージェントインフラ銘柄として注目されている銘柄。
[通貨AIの仕組み]
AIエージェントは、人間ユーザーの介入なしに、データ分析や仮想通貨の自動取引、ウォレット間送金などを自律的に行う。
AIエージェントは、自然言語処理(NLP)、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、機械学習を組み合わせて、市場動向を分析し、ユーザーを支援し、自動化されたアクションを実行。
AIエージェントは、ブロックチェーン上で自律的に動作。
[通貨AIの展望]
仮想通貨市場で急速に注目を集めているAIエージェントは、投資家に新たな選択肢を提供。大手VCのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)やコインベース・ベンチャーズが2025年の成長分野とされている。
日本銀行券とは
日本銀行券とは、日本銀行が発行する紙幣(お札)で、日本国内における法定通貨として使用されている。
[日本銀行券の発行の流れ]
日本銀行が国立印刷局に発注する。
国立印刷局が製造する。
日本銀行本支店の金庫に保管される。
金融機関が日本銀行当座預金を引き出して銀行券を受け取る。
金融機関が個人や企業に銀行券を供給する。
[日本銀行券の流通]
個人や企業が商品やサービスの購入、税金の納付などに利用する。
金融機関が利用者への支払いに用いる。
金融機関が日本銀行に還流する。
[日本銀行券の鑑査]
日本銀行が銀行券自動鑑査機で真偽と枚数をチェックする。
汚損度合に応じて流通適否の別に整理する。
流通に適したものは再度市中に供給する。
不適当なものは復元できない大きさに裁断され、廃棄する。
銀行券・貨幣の発行・管理の概要
日本銀行は、日本で唯一、銀行券を発行する発券銀行。日本銀行は銀行券の安定供給を確保するとともに、銀行券の信認を維持するために、さまざまな業務を行っている。
銀行券の発行
日本銀行法では、日本銀行は、銀行券を発行すると定めている。銀行券は、独立行政法人国立印刷局によって製造され、日本銀行が製造費用を支払って引き取る。そして、日本銀行の取引先金融機関が日本銀行に保有している当座預金を引き出し、銀行券を受け取ることによって、世の中に送り出される。この時点で、銀行券が発行されたことになる。
銀行券は、さまざまな資金の受払いに利用可能な決済手段であり、特に小口資金のための受払いの手段として広く利用される。銀行券には、銀行券を用いて支払いを行った場合、相手がその受取りを拒絶できないという、法貨としての強制通用力が法律により付与されている。
現在、日本銀行は、一万円券、五千円券、二千円券、千円券の4種類の日本銀行券を発行している。
銀行券の流通
日本銀行が発行した銀行券は、その後、金融機関から預金を引き出した人々や企業の手に渡り、商品やサービスの購入などに利用される。また、銀行券の一部は金融機関に持ち込まれ、預金として預けられる。
金融機関は、利用者への支払いに当面必要としない銀行券を、日本銀行の本支店に持ち込み、日本銀行当座預金に預け入れる。このように銀行券が日本銀行に戻ることが銀行券の還収である。日本銀行や金融機関は、銀行券が全国各地にくまなく行き渡るための流通拠点としての役割を果たす。
銀行券の管理
金融機関を通じて銀行券が日本銀行の本支店に戻ってくると、日本銀行は、受け入れた銀行券の枚数を確認し、偽造・変造された銀行券がないか、厳重に真偽鑑定を行っている。また、損傷や汚染の度合いから再度の流通に適するかどうかも判別している。日本銀行が行うこのようなチェックを鑑査という。日本銀行の鑑査によって選り分けられた、本物で再度の流通に適していると判断された銀行券は、再び金融機関に支払われる。
一方、鑑査の結果、流通に適さないと判断された銀行券は、復元できない大きさに裁断のうえ廃棄される。銀行券の平均寿命は、一万円券で4~5年程度、五千円券、千円券は使用頻度が相対的に高く傷みやすいため1~2年程度である。また、日本銀行では、本支店の窓口において、損傷した銀行券の引換えを行っている。
日本銀行券には、偽造・変造を防止するために、さまざまな偽造防止技術が施している。日本銀行は偽造対策のため、外国の中央銀行との情報交換や共同研究などの国際的な取組みをしている。
銀行券の発行、流通、管理の流れを示す図。
貨幣の取扱い
貨幣は、日本銀行ではなく、政府が発行している。貨幣は、独立行政法人造幣局が製造した後、日本銀行へ交付されるが、この時点で貨幣が発行されたことになる。貨幣も銀行券と同様に、日本銀行の取引先金融機関が日本銀行に保有している当座預金を引き出すことを通じて、世の中に送り出される。
貨幣大試験
貨幣大試験とは造幣局において製造された貨幣の量目および、貴金属貨幣にあっては品位が規定通りにつくられている事を内外に示すために、毎年度ごとに財務大臣の下、行われる試験のことで、正式には製造貨幣大試験。
幕末期、外国人大使から、金銀地金の持込による本位貨幣の自由鋳造を行う造幣局の設立の要求が強まり、明治新政府は大阪に造幣局を設立し新貨条例を制定して西洋型の円形貨幣を製造することになった。
製造貨幣が国際的に信用を得るためには、公的に貨幣の量目および品位が適正につくられている事を第三者に示す必要が有る。そこで製造貨幣の中から、規定枚数毎に供試貨幣(きょうしかへい)が選取され、年度毎に行われる貨幣大試験に供される事が規定された。
第1次の製造貨幣大試験は明治5年5月13日(1872年6月18日)に行われ、試験の対象となった貨幣は明治3年11月27日(1871年11月27日)創業当時から試験日までの製造分であり、二十圓から一圓の金貨および一圓から五錢の銀貨の量目および品位の試験が行われた。それ以来、各年度毎に試験が行われ、結果の詳細は年度毎に発行される『造幣局長年報書』に記述されている。
明治22年度(1889年度)製造分の貨幣からは供試貨幣に加えて、別途、造幣局内において品位および量目試験を行うための試験貨幣の選取も行われることとなった。ただし大正7年度(1918年度)以降製造分の局内試験貨幣は製造枚数に含めないこととなった。
令和6年度(2024年度)で製造貨幣大試験は第153次を迎えた。
製造貨幣大試験の内容
品位試験は個々の供試貨幣を1枚ずつ分析する試験と、1,000枚の供試貨幣をまとめて鎔解してサンプルを採取し分析する合併鎔解による二本立てで行われた。量目試験についても同様に1枚ずつ秤量する試験と、1,000枚毎にまとめて秤量する試験が行われた。
昭和14年(1939年)11月に行われた昭和13年度製造分の第68次貨幣大試験からは対象貨幣は臨時補助貨幣のみとなり、1,000枚の量目試験のみ行われることとなった。
品位試験に使用される供試貨幣は分析のため鎔解さらに溶解されるが、量目試験に使用された供試貨幣も通常は試験後鎔解され、新たな貨幣の材料とされる。しかし貨幣需要が逼迫した場合、しばしば量目試験に使用された供試貨幣が発行に廻される場合があった。これまでに明治21年度から22年度、大正15年度から昭和3年度、昭和34年度から39年度、および昭和43年度から45年度製造分の供試貨幣の一部または全てが発行に廻されている。
試験貨幣選取規定
供試貨幣および試験貨幣は製造貨幣の規定枚数毎に抜き取られるわけであるが、その枚数は試験貨幣選取規定で定められる。供試貨幣および試験貨幣の選取は一日に製造した貨幣のうち規定枚数につき一枚という基準で行われ、規定枚数に満たない端数が出た場合は、端数につき一枚選取するとした時期、また選取しないと規定した時期もあった。明治初期および現在の基準は以下の通りである。
創業 明治30年3月。
二十圓~五圓金貨 1,000枚につき1枚。
二圓、一圓金貨 5,000枚につき1枚。
貿易一圓銀貨 5000枚につき1枚。
補助銀貨 2,000枚につき1枚。
五錢白銅貨 20,000枚につき1枚。
平成19年度。
千円記念銀貨 4,000枚および端数につき1枚。
五百円(記念・通常) 40,000枚および端数につき1枚。
百円、五十円、十円 60,000枚および端数につき1枚。
五円 50,000枚および端数につき1枚。
一円 400,000枚および端数につき1枚。
試験公差
製造貨幣の量目および品位の厳密性を期すとはいえ工業製品である以上、誤差はつき物である。そこで公差と称して定められた範囲内での誤差が許容される。例として明治初期の金貨および銀貨の公差を以下に示す。
旧金貨 二十圓金貨 十圓金貨 五圓金貨 二圓金貨 一圓金貨
規定品位(千分位) 900 900 900 900 900
品位公差(千分位) 2 2 2 2 2
規定量目(ゲレーン) 514.41 257.20 128.6 51.44 25.72
規定量目(ガラム) 33、1/3 16、2/3 8、1/3 3、1/3 1、2/3
一枚量目公差(ゲレーン) 0.5 0.5 0.5 0.25 0.25
一枚量目公差(ミリガラム) 32.40 32.40 32.40 16.20 16.20
千枚量目公差(ゲレーン) 72 48 36 24 12
千枚量目公差(ガラム) 4.665 3.110 2.333 1.555 0.778
旧銀貨 一圓銀貨 五十錢銀貨 二十錢銀貨 十錢銀貨 五錢銀貨
規定品位(千分位) 900 800 800 800 800
品位公差(千分位) 2 2 2 2 2
規定量目(ゲレーン) 416 193 77.2 38.6 19.3
規定量目(ガラム) 26.9563 12.5 5 2.5 1.25
一枚量目公差(ゲレーン) 1.5 1.5 1 0.5 0.5
一枚量目公差(ミリガラム) 97.20 97.20 64.80 32.40 32.40
千枚量目公差(ゲレーン) 96 72 48 24 24
千枚量目公差(ガラム) 6.221 4.665 3.110 1.555 1.555
平成19年度 千円記念銀貨 五百円記念貨 五百円 百円 五十円 十円 五円 一円
法定量目(グラム) 31.1 700 7,000 4,800 4,000 4,500 3,750 1,000
法定量目の枚数 1 100 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000
公差(測定枚数当りグラム) 0.42 4.2 13 16 21 15 16 7
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[資料]
銀行券・貨幣の発行・管理の概要 : 日本銀行 Bank of Japan
財務省が第153次製造貨幣大試験を実施 令和6年10月28日、大阪市の造幣局で
第153次製造貨幣大試験を実施しました : 財務省
貨幣大試験 - Wikipedia
貨幣として機能した麻薬のアヘン
【明治銀貨13枚】ポチっとシリーズ。
├目次 官僚制度と計量の世界 執筆 夏森龍之介
├
├官僚制度と計量の世界(24) 戦争への偽りの瀬踏み 日米の産業力比較 陸軍省戦争経済研究班「秋丸機関」の作業 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(23) 第二次大戦突入と焦土の敗戦「なぜ戦争をし敗れたのか」 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(22) 結核で除隊の幹部候補生 外務省職員 福島新吾の場合 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(21) 戦争と経済と昭和天皇裕仁 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(20) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(19) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(18) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(17) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(16) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(15) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(14) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(13) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(12) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(11) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(10) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(9) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(8) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(7) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(6) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(5) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(4) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(3) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(2) 執筆 夏森龍之介
├官僚制度と計量の世界(1) 執筆 夏森龍之介
├
ほか
[資料]国立研究開発法人産業技術総合研究所:役員および執行体制 (aist.go.jp)
https://www.aist.go.jp/aist_j/information/organization/director/director_main.html
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-