私の履歴書 安斎正一(計量士)-その6-
|
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その6-妻との出会い
←ホームへ
←ホームへ私の履歴書 安斎正一(計量士)-その6-妻との出会い
妻との出会い
三重県四日市市に関わる話
アパートの大家さんは一人暮らしで東京都職員だったのですが、或る日私に身内について話してくれたのです。姉妹二人の妹さん夫婦が三重県四日市市で大きな鞄店を経営しており、数年に一回、東京の問屋街に最新型の流行鞄を買出しに、日本に一、二台しかない真っ赤な高級外車で来るというのです。
そして、もし今度来たら、私を妹さん夫婦に紹介すると言うのです。
私が大学二年・24歳の六月ごろだったと記憶する或る日、夜十時半ごろ学校からアパートの部屋へ帰ったら直ぐに、大家さんが「Aちゃん(家庭教師の生徒の女子高校生)が学校の試験中でわからないところをどうしても教えてほしいとさっきから“お兄さんまだ”と待っている」と言う。私の部屋へ寄こしてと言って、約30分、数学だったと思うのですが、問題が解けて理解もできて、“ありがとう”と言って帰って行ったのです。
そして間も無く、大家さんから、四日市から急に妹夫婦が来ているので私を紹介するから家へ来い、と言われました。
時刻は、既に夜十一時半ごろでしたが、「初めまして、安斎正一です。いつも叔母様にお世話になっております」と挨拶したところ、妹さん夫婦は、昼勤めて夜間大学で学び、更に帰ってから家庭教師とは、こんな稀に見る好青年と私をベタ褒めにして、この夏休みにはお姉さんと一緒に四日市へ是非来てほしいと言い、更に、鞄店には女子従業員が大勢働いていて、いい子がいるから、お嫁さんに紹介するというのです。私は、未だ未熟な勤労学生ですから女性は不要ときっぱりお断りしたのですが、これが反ってしっかりした若者と好感にとられてしまった様です。
翌朝、既に大家さんから聞かされていた真っ赤なイギリスのMGのスポーツカーを見せられたのですが、駐車している通りを歩く人達が見たこともない外車に驚いたような顔でうしろを振り返えりながら遠ざかって行ったのを憶えています。
この女性が将来の妻と閃く
夏休みに入った7月下旬に名古屋まで新幹線で、名古屋から近鉄線に乗り換えて生まれて初めて三重県に入り、四日市市諏訪栄町にある「ナガサワ鞄店」へ着いたのでした。
大きな立派な鞄店だと見ていると、従業員を紹介するからと数名の若い女性を紹介されたのですが、その内の一人がすらっと背が高く、透き通るような美人に見えたのです。
もしかすると、この人が私のお嫁さんに紹介すると言っていた人かも…と心臓がドキドキと高鳴りだしたのでした。
24歳とはいえ、まだ頼りない夜学生の自分にはどうすることも出来ない現実がそこにはありました。このとき、大学を卒業したら妻子を養えるしっかりした仕事に就くことを決意したのです。
やっぱり、あの女性だった
翌々年の2月、私の大学卒業が一カ月後に迫りこのまま築地市場で計量士の資格を取って勤めを続けようかどうするかと悩んでいたころ、四日市の鞄店の一人娘さんが埼玉県内の大学を受験するため従業員の女性(現在の妻、北川(旧姓)絢子)が随行して東京へ行くので、大学入試日の日曜日に私に道案内を頼むと言ってきたのです。どうも、大家さん姉妹が私とあの女性がゆっくり話せる時間を仕組んでくれたようです。
しかし私は、受験生の試験中、あの女性と待合室で何時間も何を話したらいいんだろうと、悩み事が更に増えてしまったのです。
[注記]「ナガサワ鞄店」の経営者、長澤秀道氏は現在93歳で四日市市の昭和幸福村公園の経営者でもあり、奥様の憲子様89歳とお二人ともに四日市市で健在で、今も連絡をとっております。
(つづく)
私の履歴書 安斎正一 目次
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その1-本欄の執筆をなぜ私が?
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その2-私の職場
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その3-私が生まれた日と父母兄弟について
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その4-夜間高校生と計量士との出会い
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その5-大学進学と空腹の日々
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その6-妻との出会い
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その7-寺岡精工へ入社
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その8-計量教習所と計量士資格取得
私の履歴書 安斎正一 目次
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その1-本欄の執筆をなぜ私が?
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その2-私の職場
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その3-私が生まれた日と父母兄弟について
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その4-夜間高校生と計量士との出会い
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その5-大学進学と空腹の日々
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その6-妻との出会い
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その7-寺岡精工へ入社
私の履歴書 安斎正一(計量士)-その8-計量教習所と計量士資格取得
私の履歴書 齊藤勝夫(元千葉県計量検定所長、元流山市助役)(日本計量新報デジタル版)
私の履歴書 齊藤勝夫(元千葉県計量検定所長、元流山市助役)(日本計量新報デジタル版)-その1-
第一章 私の歩んだ道-公務員として信念を持って 第1編 公務員人生を歩みだす
千葉県中の「ハカリ」を検査を一人でする。新品は係長が検定をやる。日曜もなしだ。
私の履歴書 齊藤勝夫(元千葉県計量検定所長、元流山市助役)(日本計量新報デジタル版) -その2-
第一章 私の歩んだ道-公務員として信念を持って 第2編 度量衡法末期の実状
「国敗れても度量衡行政は敢然として実施する」難行を経験者として語り継ぐ
私の履歴書 齊藤勝夫(元千葉県計量検定所長、元流山市助役)(日本計量新報デジタル版) -その3-
第一章 私の歩んだ道-公務員として信念を持って 第3編 新しい夜明け、計量法の歩み
1960年代以降、人口急増と工業県に変遷していく中での千葉県の計量行政に全身全霊で取り組む
私の履歴書 高徳芳忠 神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録(日本計量新報デジタル版)
神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録-その1-はじめに
西宮高校から神戸大学の計測工学科に進み川崎製鉄千葉製鉄所で計量の仕事を始める
私の履歴書 高徳芳忠(たかとく・よしただ)(日本計量新報デジタル版)
神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その2-我が家と計量の係わり
祖父の高徳純教が「はかり屋」を始め社名に「メートル」を用いた気概に敬服
TOPへ
「計量計測データバンク」サイトマップ
measure and measurement data bank of saite map
計量計測データバンク 目次 サイト
計量計測データバンク 目次 サイト(一括閲覧サイト)
社会の統計と計量計測の統計
一括表示版「社会の統計と計量計測の統計」
「計量計測データバンク」小論、評論、随筆、論文、エッセー、文芸ほか(目次版)
計量計測データバンク 目次 サイト(一括閲覧サイト)
計量計測データバンク「計量計測辞書」 measure and measurement dictionary
「計量計測データバンク」