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私の履歴書 高徳芳忠(たかとく・よしただ)

私の履歴書 高徳芳忠(たかとく・よしただ)(日本計量新報デジタル版)
神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その20- ドイツ人と計測技術の導入
端子台に及ぶまでドイツ独特の技術レベルの高さに敬服したものであった。



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私の履歴書 高徳芳忠(たかとく・よしただ)(日本計量新報デジタル版)
神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その20- ドイツ人と計測技術の導入
端子台に及ぶまでドイツ独特の技術レベルの高さに敬服したものであった。

ドイツ人と計測技術の導入

可動線輪の調節計に驚く



 計量整備掛としてのもう一つのテーマに、転炉廃熱ボイラーの計装工事があった。
 オーストリアのシーメンス社から調整指導に2人の技術者が来て、いろいろと教えてくれた。大学時代のドイツ語を思い出しながら、習ったものだ。

 わが国では多くのものが電子化している時に、可動線輪の計器シリーズで、調節計までもが可動線輪であるのには驚いた。発信器にはリングバランスやベローズも使われていて、どれもが大きくて、堅牢にできているのに感心した。

 その他端子台に及ぶまで、誰でも容易に触れるように工夫されていて、ドイツ独特の“こだわった”ところでの技術レベルの高さに敬服したものであった。

楽しい交わり

 彼らは、技術者としての確固たるプライドと自信を持っていて、横から我々が提案してもガンとして受け付けないところがあった。そればかりか「技術者たるものは、かくあるべきだ」と我々に諭してくれた。

 そんな彼らは、製鉄所から少し離れた丘の上にある外人専用の施設に宿泊していた。夕方になると一緒に食事をしようと誘うのでついて行き、食事を楽しんでいた。美味しいステーキも出て、何とも良い気分であったが、何事も度重なると何とやらで、ある日、厚生課から電話があり「一緒についてくる社員は時々にして欲しい」との由。

 この据付が終わりに近づいた頃、仲良くなった2人の技師を我が家に招いて、食事を差し上げようと考え、家内の賛成を得た。私も買い物や部屋の整理に協力し、その日となった。2人とも背も高いし、一人は太ってもいたので、我が家が一段と狭く感じられた。室内の置物や家内の手料理を喜んでもらったのは良かったが、何分6畳、4畳半の狭い家、彼らが押入れの襖を指して「あの向こうが寝室か?」と尋ねたのには赤面した。

導圧菅の凍結

 廃熱ボイラーとは、転炉の溶銑に酸素を吹き込む時に発生する高温ガスを燃料とするボイラーである。急激な発熱に応じてレベル制御、給水制御をせねばならず、制御系としては厄介なものであった。従って、転炉共々オーストリアからの輸入であったのだ。

 この転炉が立ち上がった初めての冬、突然夜中に制御不能で運転が止まるという事故が起こった。夜中に呼び出され駆け付けたが、原因が判らないので対処もできず。1時間経ち2時間経ち、300tの溶鋼をどうするか、周りから責められ急がされ……ダメだと思いつつも薬缶に湯を沸かして、屋外に設置された圧力計の発信器に走った。

 導圧菅に湯をかけたのである。途端に配管中を蒸気が流れる音を聞いた時の喜び。思わず「やった!」と叫んだ。蒸気本管から圧力を取り出して発信器にいたる導圧配管が、急に襲ってきた寒波のために凍結していたのである。後から聞いたのであるが、建設工事の最中、計装配管の保温まで気が回らなかったのだそうだ。

(つづく)

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その20- ドイツ人と計測技術の導入
端子台に及ぶまでドイツ独特の技術レベルの高さに敬服したものであった。


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私の履歴書 高徳芳忠 神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録(日本計量新報デジタル版)

私の履歴書 高徳芳忠(たかとく・よしただ)(日本計量新報デジタル版)
神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その1-はじめに
西宮高校から神戸大学の計測工学科に進み川崎製鉄千葉製鉄所で計量の仕事を始める

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その2-我が家と計量の係わり
祖父の高徳純教が「はかり屋」を始め社名に「メートル」を用いた気概に敬服

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その3-「異人さん」と「神戸メートル協会」
母は大阪の船場の商家の生まれで、“こいさん”(末娘)として育った

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その4- 父(忠夫)のはかり屋「高徳衡機(株)」
裕福な青年期を過ごした父は祖父が始めた「はかり屋」の跡を継いだ

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その5- 私の誕生は1936(昭和11)年9月である
私が誕生したのは神戸の御影という阪急とJRに挟まれた静かな住宅街であった

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その6- 1943(昭和18)年、私は魚崎小学校に入学した
疎開列車は家族揃って城崎温泉に湯治に行ったときと同じ流線形の蒸気機関車

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その7- 1高徳家の由来
酒醸造や両替商を営みかつ庄屋でもあったのが我がご先祖、姫路藩ご用達となり苗字帯刀を許されたらしい

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その8- 疎開地・丹波での小学生時代
疎開先で雑音と音声の途切れる玉音放送をラジオ屋の前で聞き後で戦争に負けたのだと教えられた

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その9- 田畑を耕し薪採りをした中学時代
高校1年生になる1952年までの10年疎開地に居着くことに 1949年に湯川博士のノーベル物理学賞

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その10- 父のはかり屋への復帰
私は京都府立福知山高校入学後の3学期に編入試験を受けて兵庫県立西宮高校に転校した

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その11- 西宮での高校生活
2・3年生の担任は英語教師である「英語は丸覚えなり」と指導され、これに従って何とか様になった

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その12- 文学への傾倒
浪人時代お金はない。参考書代が小説代に化けていった。父は「芳忠には小説を読ませるな」と。

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その12-2- 牧師と教会の人々
私を育ててくださった他大学の関西学院小林信雄氏ほかの偉い先生方

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その13- 楽しき神戸大学での学生生活
ボート部では艇が走る水音とスピード感、漕ぎ疲れ艇庫に戻る時の疲労感と達成感に浸る

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その14- 国立大初の神戸大学「計測工学科」に進む
J・トムソン(英国)の言葉「科学は計測に始まる」に感激、「科」とは禾(か)(稲・麦などの穀物の総称)を斗(容量の単位)るに学をつけて科学

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その15- 時代の要求で生まれた「計測工学科」の名が消えた
神戸大学「計測工学科」は「システム工学科」に、今では「情報知能工学科」になっている

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その16- 3年夏休みの工場実習は川鉄千葉工場へ
「石を投げれば37(昭和37年入社)に当たる」学卒大量採用の年度に川鉄に採用決定

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その17- 千葉製鉄所管理部熱管理課に
「千葉製鉄所管理部熱管理課に勤務を命ず」という辞令をもらい、「特急つばめ」で東京に向う

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その18- 川崎製鉄(株)最初の職場は計量整備掛
「始めは現場で人と計測機器に接するのが一番の近道だよ。これ程恵まれた仕事の与えられ方はない」

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神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その19- 消耗型熱電対の導入
計量整備掛に就いて1年も経っただろうか、次は消耗型熱電対が入ってきた

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端子台に及ぶまでドイツ独特の技術レベルの高さに敬服したものであった。

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