計量法の解説
|
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(7) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(7) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(1) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(2) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(3) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(4) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(5) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(6) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(7) 筆者 高原隆
写真は00000000
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(3) 筆者 高原隆
筆者は計量行政職員であり現職時に作成した文章です。その後に計量法令は変更になっており、変更のある部分には編集部で注意書きをしております。元になっている文章は 計量計測データバンク「計量法の読み方」 ですので、本文に疑問がある場合には 「計量法の読み方」 を開いて確かめてください。この文章は計量法を理解するための古典ともいえる内容になっております。なお 「計量法の読み方」 が編集の都合によってPGFファイルですので、そのhtlm版として、本稿を作成いたしました。新聞紙面と併せてご利用ください。また経済産業省の穂オームページに掲載の次のページ計量制度の概要(METI/経済産業省)などで内容を確認してください。 「計量法の読み方」(https://www.keiryou-keisoku.co.jp/yomikata/ver.4-101022/yomikata-zenfile20170421.pdf)(計量計測データバンク編集部)
(見出し)
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-筆者 高原隆
(本文)
はじめに----------3
1、 計量法の目的----------4
1-1、計量法の目的とは----------4
1-2、計量法の目的と諸規定----------4
1-3、明示されていない目的----------5
2、定義等----------6
2-1、「計量」と「計量単位」----------6
2-2、「取引」及び「証明」----------7
2-3、「計量器」と「特定計量器」----------10
2-4、製造、改造、修理----------14
2-5、計量器の校正、標準物質、標準物質の値付け----------15
3、計量単位----------18
3-1、メートル条約----------18
3-2、SI単位----------20
3-3、法定計量単位----------22
3-4、非法定計量単位に関する規制----------25
4、適正な計量の実施----------37
4-1、正確な計量----------37
4-2、商品の販売に係る計量----------39
4-3、計量器等の使用----------46
5、定期検査----------53
5-1、定期検査制度----------53
5-2、指定定期検査機関----------69
6、正確な特定計量器等の供給----------81
6-1、正確な計量器の供給----------81
6-2、製造----------82
6-3、修理----------87
6-4、販売----------93
6-5、家庭用特定計量器----------96
6-6、譲渡等の制限----------100
6-7、特殊容器----------101
7、検定等----------110
7-1、検定----------110
7-2、型式承認----------136
7-3、指定製造事業者----------149
7-4、基準器検査----------160
7-5、指定検定機関----------177
8、計量証明の事業----------186
8-1、計量証明事業者制度とは----------186
-1-
8-2、計量証明事業者制度----------188
8-3、計量証明検査----------202
8-4、特定計量証明事業者制度----------210
9、適正な計量管理----------227
9-1、計量士----------227
9-2、適正計量管理事業所----------238
10、計量器の校正等----------247
10-1、トレーサビリティ制度(JCSS)----------247
10-2、公的な計量標準の設定と供給----------254
10-3、民間の計量標準の設定と供給(校正事業者登録制度)----------263
10、雑則----------274
11-1、報告----------274
11-2、立入検査----------278
11-3、計量行政審議会----------287
11-4、地方分権改正----------292
11-5、行政手続と不服申立て----------305
11-6、中央省庁再編(中央省庁等改革)に伴う改正----------313
11-7、その他----------317
計量法の解説
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(6) 筆者 高原隆
からの続き。
ときに、その最大需要電力計、電力量計又は無効電力量計及びその変成器に附属する器具において消費される電力がその変成器に表記されている使用負担の範囲内にあるように使用すること。
5) 濃度計(酒精度浮ひょうを除く。)
経済産業省令(施行則3条)で定める方法による調整をして使用すること。
<施行令9条、別表2>
(濃度計の使用方法)
施行令別表2の5号の経済産業省令で定める方法は、次のとおりとする。
1) 施行令2条17号イからリまでに掲げる濃度計(大気濃度計)
日本工業規格K0055の4・2に適合する方法であって、法144条1項(JCSS)の登録事業者(以下「登録事業者」という。)が特定標準器による校正等をされた標準物質又はこれに連鎖して段階的に標準物質の値付けをされたもの(以下「特定二次標準物質等」という。)による標準物質の値付けを行ったものを使用すること。
2) 施行令2条17号ヌ及びルに掲げる濃度計(pH計)
日本工業規格Z8802の7・2・2に適合する方法であって、特定二次標準物質等による標準物質の値付けを行ったものを使用すること。
<施行則3条>
使用方法等の制限の趣旨
一般的にほとんどの計量器は、何らかの特定の使用方法、計量対象、計量範囲を有する。しかし、法的に使用方法を強要することについては、常識的な使用方法や他の制度(事業者規制、商品量目規制、等)によりある程度の正確計量が担保される場合は規制の必要性がなく、特段の理由がある場合について指定が可能となる。
この特段の理由については、計量に掛かる費用の観点や使用方法の周知徹底の不備等から、当該分野における適正な計量の確保が重要であるにも係わらず、不適切な使用方法等が広く容易に行われしまう恐れが強く、一旦こうした使用方法がなされると適切な方法への改善が非常に困難となるものであるとされている。
指定理由
(1) 水道メーター、温水メーター及び積算熱量計(設置方法)
・建物への設置の際、スペースの節約、建物の見栄え、表示部の見易さの観点等、から適切でない取り付け姿勢で設置される可能性が高い。
・計量器の知識の不十分な事業者が一旦不適切な方法で計量器を設置(地中等への設置)すると、適切な方法への改善が困難となる。
・生活や産業の必需物資の供給という公益性の高い分野であり、正確な計量が特に求められる。
(2) 燃料油メーター、ガスメーター(計量範囲、対象物)
・それぞれの表記された種類又は粘度及び温度範囲で検定し検定証印等を付しているため、当該範囲で使用しなければ検定で精度を確保した意味が失われる。
(3) 最大需要電力計、電力量計及び無効電力量計(使用負担範囲)
・変成器は、本来電気計器用のトランスであるが他の用途に使用されることがある。それにより使用
-51-
負担の範囲を超えると正確な計量ができなくなる。
(4) 濃度計(酒精度浮ひょうを除く。)(使用方法)
・計量器の特性から、使用に際して標準物質を用いて計量器の検査をしながら使用しなければ、正確な計量ができない。
・複雑な調整を行い使用するため使用者の負担が重く、低廉であるが精度の低い標準ガスを使用する可能性が高い。
・精度の低い標準ガスを使用したかどうかどうかが、他の者には分りにくい。
・濃度の環境計量は、正確な計量への社会的要請が特に強い。
-52-
5、定期検査
5-1、定期検査制度
5-1-1、定期検査制度の歴史
江戸時代以前
計量器の検査制度は、行政による取締の手段として古くから行われてきた。江戸時代の頃には、枡や秤については幕府直轄の厳重な制度が確立していたと言われている。具体的には、「枡座」「秤座」「分銅座」の制度を定め、江戸町奉行所等の直轄の下で製造、修理、販売を独占的に行政が支配し、その使用中のものに対する取締検査など、全国的な統制を強力に実施していたと言われている。
明治時代以降
明治以降に営業用の使用中計量器の検査が行われたのは、明治9年とされている。当時の度量衡器の取締検査は、明治8年制定の度量衡取締条例に基づき、「旧器改め」という名のもとに行われ、対象機種は「ものさし」「ます(木製枡)」「はかり(棹秤、天びん、分銅)」であった。検査方法については、当時の検査規則では器差について公差という概念がなく、肉眼視定で原器と比較しほぼ合致していれば合格という粗い判定方法であったとされている。
自治取締行政
明治24年公布(明治26年施行)の度量衡法では、取引証明用の度量衡器に対して、一定期間ごとの一斉検定(現在の定期検査制度)の制度が定められた。この度量衡器の検定については、明治36年改正では甲種検定(大臣所管)と乙種検定(地方長官所管)に区分され、精度の高い一定のもの以外(乙種)は地方長官の権限によりその命を受けた官吏が執行に当っていた。この官吏には、臨検、捜査、差し押さえ及び不適正計量器の破棄など、強制処分執行権限が付与されていたとのことである。
また、各府県には、度量衡法に基づく施行令、施行規則により、常置度量衡検定所や特設度量衡検定所が設置され、度量衡器及び度量衡の取締は地方長官により実施された。地方長官の度量衡の取締については、明治42年改正には第一種取締(現在の定期検査)と第二種取締(第一種以外の立入検査等)に区分され、第一種取締は2年以内に少なくとも一回実施するよう訓令されていた。
この頃の定期検査は、地方長官が指定した度量衡器(計量器)も対象になるなど対象機種も増え、定められた検定公差や使用中の許容公差に基づき検査が行われた。一方、不合格器物の処置については、検定証印の除去又は度量衡器の破棄等ができることになっていて、没収や破棄等により使用できない状態で返品するなど、厳正な処分が行われていた。因みに、この破棄処分した度量衡器に「使用禁止」の赤紙を貼るようになったのは、大正時代頃からと言われている。
度量衡法は、その後の昭和26年までの約半世紀に亘る間、数度改正を経て施行された。
戦後の民主化と地方自治
度量衡法は、戦後の民主化された日本国憲法が昭和22年に制定されると、旧憲法下に制定された度量衡法を民主化に沿った計量法令として、計量法(昭和26年公布(昭和27年施行))と改められた。計量法と度量衡法の大きな違いは、それまで国の直轄事業として行われてきた地方の度量衡行政について、地方自治の本旨に基づく自治体の行政への転換を図ったことである。具体的には、地方計量行政に
-53-
従事する職員の身分と経費は地方自治体の所管とし、業務については国の機関委任事務とし通商産業省の指揮下に置かれることとなり、各地方庁は地方自治法により都道府県計量検定所及び特定市計量検査所と改称されていった。
計量取締については、第一種が「定期検査」に第二種が「立入検査」の名称に改められ、定期検査の周期は「市域2年と郡部3年」から「市域1年とその他3年」に改められた。定期検査対象については、従来は地方長官の指定であったものを法で規定し、皮革面積計や繊度計など様々な計量器が対象となったが、その後は徐々に対象機種が法改正により削減されていった。
また、不合格器物の処置についても、器物を壊すことはなく、検定証印に消印を付し「使用禁止」の赤紙を貼って返すこととなった。この他、民間の自主的な検査体制を推進するため、計量器使用事業場(現在の適正計量管理事業所)制度や計量証明事業者制度などが設けられ、定期検査に代わる検査として計量士による代検査制度(昭和33年改正)も設けられた。因みに、定期検査が有料となり手数料徴収ができるようになったのは、昭和41年改正(昭和42年施行)以降である。
その後の計量法は、社会的な民主化が進展していく中で、従来の強制的な規制が緩和され徐々に規範的規制へと移っていき、平成12年の地方分権化により機関委任事務も廃止された。
[編集部註]
計量法における定期検査対象の特定計量器ほか
1、自動はかりの一部機種が検定対象に追加されて検定が実施されております。当該自動ははりには検定の有効期間が設けられ、期間満了に伴って再度検定を受ける仕組みになっております。このような事情によって、これらの自動はかりは定期検査の対象にはなっておりません。(イ 自動はかり(ロに掲げるものを除く。)二年。ロ 法第百二十七条第一項の指定を受けた者が当該適正計量管理事業所において使用する自動はかり 六年)
2、質量計取引・証明に用いる特定計量器のうち、検定の対象となる非自動はかり、分銅・おもり、皮革面積計については、定期検査を受ける必要があります。(法第19条第1項)(注:一部例外があります)
3、タクシーメーターについては、年一回、装置検査を受ける必要があります。(法第16条第3項)
4、参考条文と資料 特定計量器を利用する場合(METI/経済産業省)
5-1-2、定期検査制度とは
定期検査制度とは、使用段階にある特定計量器の精度や性能を一定の水準以上に維持し、適正な計量の実施を確保するための制度である。
特定計量器の正確性を公的に担保する制度としては、検定制度がある。しかし、特定計量器の中には、検定に合格したものであっても、使用している間にその構造、使用条件、使用状況等から、その性能及び器差に変化が生ずるおそれがあり、性能及び器差について定期的に検査を行うことが適当なものがある。そこで、これらのうち政令で定める特定計量器については、取引又は証明における計量に使用する者に対して、都道府県知事又は特定市町村の長が行う「定期検査」を受けることを義務付けている。
なお、定期検査は、使用中の特定計量器の精度や性能を確認するための検査であり、当該特定計量器の正確性を公的に担保するというものではなく、当該特定計量器の次回検査までの精度や性能を保証するというものでもない。
特定計量器(法16条1項又は法72条2項の政令で定めるものを除く。)のうち、その構造、使用条件、使用状況等からみて、その性能及び器差に係る検査を定期的に行うことが適当であると認められるものであって政令(施行令10条1項)で定めるものを取引又は証明における法定計量単位による計量に使用する者は、その特定計量器について、その事業所(事業所がない者にあっては、住所。以下この節において同じ。)の所在地を管轄する都道府県知事(その所在地が特定市町村の区域にある場合にあっては、特定市町村の長)が行う定期検査を受けなければならない。ただし、次に掲げる特定計量器については、この限りでない。
1) 法107条の登録を受けた者が計量上の証明(以下「計量証明」という。)に使用する特定計量器
2) 法127条1項の指定を受けた者がその指定に係る事業所において使用する特定計量器(前号に掲げるものを除く。)
3) 法24条1項の定期検査済証印、検定証印等又は119条1項の計量証明検査済証印であって、法21条2項の規定により公示された定期検査の実施の期日(以下「実施期日」という。)において、これらに表示された年月(検定証印等に表示された年月にあっては、法72条3項又は法96条3項の規定により表示されたものに限る。)の翌月一日から起算して特定計量器ごとに政令(施行令
-54-
10条2項)で定める期間を経過していないものが付されている特定計量器(前二号に掲げるものを除く。)
<法19条1項>
定期検査の対象となる特定計量器については、政令(施行令10条1項)で定められている。
(定期検査の対象となる特定計量器)
法19条1項の政令で定める特定計量器は、次のとおりとする。
1) 非自動はかり(施行令5条1号又は2号に掲げるものを除く。以下同じ。)、分銅及びおもり
2) 皮革面積計
<施行令10条1項>
1)の括弧書は、「載台の面積の小さい非自動はかり(施行令5条1号)又は自重計(施行令5条2号)を除く」であり、検定対象外の非自動はかりを意味する。
「自動はかり」と「非自動はかり」
「自動はかり」とは、一般的に自動的(動的状態)に計量できるものであり、具体的にはオートパッカーやホッパースケールやコンベアースケールなどがこれに該当する。
「自動はかり」と「非自動はかり」の定義については、政省令の中には明記されていないが、旧通達(6機局290号)において、「非自動はかりとは、物体の質量をその物体に作用する重力を利用して計る計量器であって、計量値を得るまでの過程において、静止状態で行うものをいう」とされていた。しかし、実際には、静止計量とも移動計量とも解釈できるものもあり、判定が微妙で個々の「はかり」について疑義がある場合、経済産業省(計量行政室)に照会することとなっている。
「包装機・値付機付はかり」(いわゆる「自動包装値付機」)については、平成6年以前は「自動はかり」として検定対象外であったが、旧通達(6機局20号)により、一部(計量・包装速度が50個毎分程度以下)を静止計量と見て「特定計量器(非自動はかり)」とし、それ以外のもの(高速型)は引き続き規制対象外(自動はかり)とされた。
「おもり」
「おもり」は、「定量おもり」及び「定量増しおもり」が特定計量器として規制対象範囲であるが、「不定量おもり」及び「不定量増しおもり」については、平成5年改正により規制対象から除かれている。これについては、「不定量おもり」及び「不定量増しおもり」は非自動はかりの構成部品と位置づけられ、技術基準は定められているが特定計量器としては見なされないこととなっている。
5-1-3、定期検査の対象
定期検査の対象となる特定計量器は、政令(施行令10条1項)により「質量計(検定の対象となる非自動はかり、分銅・おもり)」「皮革面積計」とされているが、以下のものについては検査を行わない。
検査の対象外となるもの(法19条1項柱書)
1) 検定の対象とならないもの(法16条1項の政令(施行令5条)で定める特定計量器)
(これは、定期検査が検定を受けた計量器を前提とした制度であることを意味する。)
2) 検定の有効期間のあるもの(法72条2項の政令(施行令18条、別表3)で定める特定計量器)
(※有効期間のある計量器(法72条2項の政令で定めるもの)については、統計的に有効期間中は
-55-
精度や性能を保証することができるという前提があるため、定期検査から除外されている。)
検査を受ける必要がないもの(法19条1項1号及び2号)
11) 計量証明事業者が計量証明に使用する特定計量器(法19条1項1号)
(これは、法116条に基づいて計量証明検査が行われるため、二重規制を避けるためである。)
2) 適正計量管理事業所の指定を受けた者がその指定を受けた事業所で使用する特定計量器(法19条1項2号)
(※なお、指定を受けた者は、定期検査を受けなくてもよいが、その代わり、定期検査の検査周期の間に1回、特定計量器ごとに定められた計量士に、指定を受けた事業所において使用する定期検査の対象となる特定計量器が、検査の合格条件に適合するかどうかを検査させなければならない。)
法127条1項の指定を受けた者は、法21条1項の政令で定める期間に一回、法128条1号に規定する計量士に、その指定に係る事業所において使用する前項の政令で定める特定計量器(前項第一号に掲げるものを除く。)が法23条1項に適合するかどうかを同条2項及び3項の経済産業省令で定める方法により検査させなければならない。<法19条2項>
検査を免除するもの(法19条1項3号)
定期検査を免除するものについては、その特定計量器に付された定期検査証印、検定証印、計量証明検査証印に表示された年月(検定等を行った年月)の翌月1日から定期検査の実施期日(公示)までの期間が、「特定計量器ごとに政令で定める期間」を経過していないものとなっている。
「特定計量器ごとに政令で定める期間」については、質量計(非自動はかり、分銅・おもり)は「1年」、皮革面積計は「6月」(定期検査周期の概ね2分の1)とされている。(施行令10条2項)
なお、質量計のうち見込み生産を行う中小型のものについては、検定を受け出荷・販売を行う場合に流通期間等を勘案する必要があることから、当分の間、一定のもの(令附則4条5条省令xiv3条)については、政令で定める期間は「3年」(ただし、これらの質量計が取引又は証明に供されている場合に、3年の期限前に定期検査が行われた場合はその実施の期日までで免除期間は終了するとされているため、免除される定期検査は1回に限られる)とされている。(施行令附則5条1項)
因みに、旧計量法においては、検定証印について「定期検査を一定期間免除する」旨の規定がなく、検定直後のものも定期検査を受ける必要があった。平成5年改正以降は、ユーザーの利益保護の観点も踏まえ、定期検査を一定期間免除することとされた。
5-1-4、定期検査の実施
検査の実施時期等
定期検査は、一年以上において特定計量器ごとに政令で定める期間に一回、区域ごとに行う。<法21条1項>
定期検査の実施時期は、1年以上において特定計量器ごとに政令で定める期間に一回、区域ごとに行う。政令で定める期間については、施行令11条により、質量計(検定の対象となる非自動はかり、分銅・おもり)は「2年」、皮革面積計は「1年」となっている。
xiv「令附則4条5条省令」:計量法施行令附則4条、5条及び別表4の規定に基づく質量計に係る経過措置に関する省令(平成5年、通商産業省令67号)の略
-56-
法21条1項の政令で定める期間は、非自動はかり、分銅及びおもりにあっては二年とし、皮革面積計にあっては一年とする。
<施行令11条>
質量計の検査周期については、旧計量法では市部「1年」郡部「3年」とされていたが、平成5年改正の際に質量計の性能の向上等により2年に統一したとされている。
定期検査の公示
都道府県知事又は特定市町村の長は、定期検査を行う区域、その対象となる特定計量器、その実施の期日及び場所並びに前条1項の規定により指定定期検査機関にこれを行わせる場合にあっては、その指定定期検査機関の名称をその期日の一月前までに公示するものとする。<法21条2項>
定期検査の実施期日等については、実施期日の一ヶ月前までに「定期検査を行う区域」「対象となる特定計量器」「実施期日」「場所」「指定定期検査機関に行わせる場合にはその名称」を公示しなければならない。
定期検査の実施場所
定期検査の実施の場所は、次のいずれかに該当する場合は、その特定計量器の所在の場所とする。
1) 特定計量器の質量又は体積が大きいため、運搬が著しく困難なとき。
2) 特定計量器がその構造上運搬をすることにより、破損し、又は精度が落ちるおそれがあるものであるとき。
3) 特定計量器が土地又は建物その他の工作物に取り付けられているため、その取り外しが困難であるとき。
4) 特定計量器の数が多い場合又は特定計量器の検査のため必要な検査設備を備えている場合であって、その所在の場所で定期検査を行っても定期検査の事務に支障がないとき。
5) 特定計量器の所在の場所で定期検査を行うことが、定期検査の事務の効率的な実施に資するものであるとき。
<検則39条1項>
定期検査の実施場所については、計量器が実際に使われている場所で行うのが最も適切であり、かつ使用者にも便利である。しかし、計量器が使用されている場所で検査を行うことは、検査用具を持って巡回しなければならず、検査実施効率上の観点からも問題が大きい。このため、定期検査の実施場所は、計量器の所在の場所とする場合(巡回検査方式)と、定期検査主体が指定した場所とする場合(集合検査方式)の二通りがある。
この規定は、1)~4)に該当するときは計量器の所在場所での検査とし、5)の場合は定期検査主体(都道府県知事等)の判断によることとなっている。この場合、所在場所で定期検査を受ける者に対しては、指定場所まで受検計量器を搬入する他の受検者との衡平を考慮し、定期検査主体はその検査に要する旅費及び検査設備の運搬に要する経費を請求することができるとされている。(※旅費等の請求規定は、旧検則42条で規定されていたが、平成12年の地方分権化による改正において削除され、各自治体の条例等の規定に委ねられている。)
-57-
定期検査申請書の提出等
検則39条1項1号から4号までのいずれかに該当する場合は、様式13による申請書を定期検査を行う都道府県知事又は特定市町村の長に提出しなければならない。<検則39条2項>
定期検査の申請書の提出については、検則39条1項の1号~4号のいずれかに該当する場合は、所在場所定期検査申請書(様式13)を都道府県知事又は特定市町村の長に提出することと規定されている。(※平成12年改正以前は、所在場所で実施するときの検査期日の5日前までに申請者への通知(検則39条3項)、所在場所定期検査を実施するか否かの判断や申請書受理や申請者への通知を指定定期検査機関に行わせることができる(検則39条4項)規定があったが、地方分権化により各自治体の裁量に委ねられた(検則39条3項、4項削除)。)
なお、検則39条1項5号の場合及び集合検査方式による定期検査の「申請」の取扱いについては、 都道府県知事等への検査を受ける特定計量器の提出をもって「申請」とみなす(検則73条2項)こととされている。(※旧通達(5機局571号「定期検査実施要領」)では、「申請した者とは、手数料を支払った者とする。」とされていた。)
手数料の徴収
定期検査手数料の徴収については、以前は法158条1項において、「次に掲げる者(法158条1項1号「定期検査を受けようとする者」)は、実費を勘案して政令(手数料令xv1条、別表1)で定める額の手数料を納付しなければならない。」と規定され、全国一律の手数料額となっていた。現在では、平成12年の地方分権改正により、定期検査手数料は定期検査実施主体(都道府県、特定市)の裁量に委ねられ、各自治体の条例等により規定された額が徴収されている。
実施期日に検査を受けることができない者
疾病、旅行その他やむを得ない事由により、実施期日に定期検査を受けることができない者が、あらかじめ、都道府県知事又は特定市町村の長にその旨を届け出たときは、その届出に係る特定計量器の定期検査は、その届出があった日から一月を超えない範囲内で都道府県知事又は特定市町村の長が指定する期日に、都道府県知事又は特定市町村の長が指定する場所で行う。
<法21条3項>
定期検査対象計量器を取引又は証明に使用する者は、定期検査の受検が義務付けられ、その受検の時期は検査主体(知事、特定市町村長)が指定した期日に受けなければならない。しかし、疾病、旅行その他やむをえない事由により実施期日に定期検査を受けることができない者は、あらかじめその旨を都道府県知事又は特定市町村の長に届け出(検則40条、様式12)なければならず、その場合は届出があった日から1月を超えない範囲内で都道府県知事等が指定する期日・場所で検査を受けなければならない。これは、定期検査の実施期日に検査を受検できない場合の救済措置として、設けられている規定である。
5-1-5、事前調査
都道府県知事が定期検査の実施について法21条2項の規定により公示したときは、当該定期検査
xv 「手数料令」:計量法関係手数料令(平成5年、政令340号)の略
-58-
を行う区域内の市町村の長は、その対象となる特定計量器の数を調査し、経済産業省令(検則37条、様式12)で定めるところにより、都道府県知事に報告しなければならない。
<法22条>
これは、都道府県知事が行う定期検査について、区市町村の長は区域内の定期検査対象の計量器の種類・数等を調査し、定期検査の期日の初日から起算して10日前までに報告しなければならないことを規定している。
法22条の規定による報告は、様式12により定期検査の期日の初日から起算して10日前までに行わなければならない<検則37条>
5-1-6、定期検査の合格条件
① 定期検査を行った特定計量器が次の各号に適合するときは、合格とする。
1) 検定証印等が付されていること。
2) その性能が経済産業省令(検則44条)で定める技術上の基準に適合すること。
3) その器差が経済産業省令(検則45条)で定める使用公差を超えないこと。
② ①2)に適合するかどうかは、経済産業省令(検則46条)で定める方法により定めるものとする。
③ ①3)に適合するかどうかは、経済産業省令(検則47条)で定める方法により、法102条1項の基準器検査に合格した計量器(法71条3項の経済産業省令で定める特定計量器の器差については、同項の経済産業省令で定める標準物質)を用いて定めるものとする。
<法23条>
定期検査の合格条件は、1)検定証印等(検定証印又は基準適合証印)が付されていること、2)性能が検則44条に定める「技術上の基準」に適合すること、3)器差が検則45条で定める「使用公差」を超えないことである。
なお、検則43条「表記等」については、定期検査の合格条件ではないが、指導事項として遵守するよう指導することとされている。(※検則43条「表記等」は、検定の場合は合格条件となる。)
「器差」と「公差」
「器差」とは、「計量器の固有の誤差であって、計量器の指示する量と真実の量との差をいう」とされている。
「真実の量」とは、「基準器(器差のある基準器にあっては器差の補正を行った後の値)が表す、又は標準物質に付された物象の量の値」とされている。
「公差」とは、「法律で許容する器差範囲をいう」とされ、「検定公差」と「使用公差」がある。
「検定公差」は、タクシーメーターにあっては器差に、その他の特定計量器にあっては器差の絶対値に適用する。(検則16条)
� 性能に係る技術上の基準(法23条1項2号)
(性能に係る技術上の基準)
法23条1項2号の経済産業省令で定める技術上の基準は、検則11条から15条までの規定を準用するほか、検則3章及び5章に定めるところによる。この場合において、検則13条2項中「検定公差に相当する値」とあるのは「使用公差に相当する値」と、「目量(各々の表示機構の目量が異なる
-59-
場合にあっては、最小の目量)」とあるのは「目量の2倍(各々の表示機構の目量が異なる場合にあっては、最小の目量の2倍)」と読み替えるものとする。
<検則44条>
定期検査における「性能に係る技術上の基準」は、検定(構造)における「検出部と構造上一体となった表示機構」(検則11条)、「分離することができる表示機構」(検則12条)、「複数の表示機構」(検則13条)、「複合特定計量器」(検則14条)、「封印等」(検則15条)の規定を準用するほか、検則3章(質量計)及び5章(皮革面積計)に定めるところによる。この場合においては、「検定公差」は「使用公差」と、「目量」は「目量の2倍」と読み替えるものとしている。
(性能に関する検査の方法)
法23条2項の経済産業省令で定める方法は、検則17条2項並びに検則3章及び5章に定めるところによるほか、目視その他の必要と認められる適切な方法とする。<検則46条>
性能に関する検査の方法は、概ね「構造検定の方法」(検則17条2項)の場合が準用される。
検定において必要があると認めるときは、特定計量器を分解して、又は当該特定計量器に使用されている部品若しくは材料と同一の形状若しくは材質を有する部品若しくは材料の提出を求めて、検定をすることができる。<検則17条2項>
定期検査において必要と認める場合は、検定の場合と同様に部品等の提出を求めることができる。
目量、目量の数、多目量はかり
「目量」とは、「隣接する目盛標識のそれぞれが表す物象の状態の量の差」(施行令2条2号)をいう。
「目量の数」は、「ひょう量を目量又は感量で除した値(多目量はかりにあっては、部分計量範囲の最大能力を当該部分計量の目量で除した値)」(旧検則120条)とされている。(※「目量の数」=「ひょう量」÷「目量」)
「多目量はかり」とは、「0からひょう量までの質量の範囲が、異なる目量を有するそれぞれの部分計量範囲に分割された非自動はかり」(旧検則128条)とされている。
「部分計量範囲」は、「目量が同一の連続した目盛標識の集合」(旧検則128条)とされている。
計量値、目盛標識、感量
「計量値」とは、「計量器の表示する物象の状態の量」をいう。
「目盛標識」とは、「計量値又はそれに関連する値を表示するための数字又は点、線その他の記号」をいう。(※「目盛標識の数」=「ひょう量」÷「目量」+1又は0)
「感量」とは、「質量計が反応することができる最小の質量」とされている。(※「感じ」は、「感量を負荷したときに生じる変位量」をいう。)
アナログ指示機構
「アナログ指示機構」とは、「計量値を連続的に示す目盛標識の集合をいう」とされている。
「目幅」と「目盛間隔」は、「アナログ指示機構」の場合の用語として、「目幅」とは「二つの隣接する目盛標識の中心間の長さ」をいい、「目盛間隔」とは「二つの隣接する目盛標識の長さ」をいう。
-60-
[次ページに続く]
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(1) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(2) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(3) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(4) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(5) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(6) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(7) 筆者 高原隆
[計量計測データバンク編集部 註]
計量制度とその法規制は逐次変わる増す。本稿編集時点からの変更を 計量制度の概要(METI/経済産業省) などを通じて確かめて、確かな計量の実施に就溶けてください。
計量制度の概要(METI/経済産業省)
計量法における単位規制の概要
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の届出について
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の承認について
計量法における計量器の規制の概要
特定計量器に関する規制の概要
家庭用特定計量器(体重計・調理用はかり)に関する規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要(特定商品(食品など)の量目公差・内容量表記など)
特殊容器(丸正びん)制度
計量証明の事業
計量標準
法定計量における国際整合化の推進(国際法定計量機関)
普及啓発(計量記念日)
(以上202603-27,編集作業終了点)
2026-03-28-no7-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-