計量法の解説
|
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(9) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(9) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(6) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(7) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(8) 筆者 高原隆
写真は00000000
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(9) 筆者 高原隆
筆者は計量行政職員であり現職時に作成した文章です。その後に計量法令は変更になっており、変更のある部分には編集部で注意書きをしております。元になっている文章は 計量計測データバンク「計量法の読み方」 ですので、本文に疑問がある場合には 「計量法の読み方」 を開いて確かめてください。この文章は計量法を理解するための古典ともいえる内容になっております。なお 「計量法の読み方」 が編集の都合によってPGFファイルですので、そのhtlm版として、本稿を作成いたしました。新聞紙面と併せてご利用ください。また経済産業省の穂オームページに掲載の次のページ計量制度の概要(METI/経済産業省)などで内容を確認してください。 「計量法の読み方」(https://www.keiryou-keisoku.co.jp/yomikata/ver.4-101022/yomikata-zenfile20170421.pdf)(計量計測データバンク編集部)
(見出し)
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-筆者 高原隆
(本文)
はじめに----------3
1、 計量法の目的----------4
1-1、計量法の目的とは----------4
1-2、計量法の目的と諸規定----------4
1-3、明示されていない目的----------5
2、定義等----------6
2-1、「計量」と「計量単位」----------6
2-2、「取引」及び「証明」----------7
2-3、「計量器」と「特定計量器」----------10
2-4、製造、改造、修理----------14
2-5、計量器の校正、標準物質、標準物質の値付け----------15
3、計量単位----------18
3-1、メートル条約----------18
3-2、SI単位----------20
3-3、法定計量単位----------22
3-4、非法定計量単位に関する規制----------25
4、適正な計量の実施----------37
4-1、正確な計量----------37
4-2、商品の販売に係る計量----------39
4-3、計量器等の使用----------46
5、定期検査----------53
5-1、定期検査制度----------53
5-2、指定定期検査機関----------69
6、正確な特定計量器等の供給----------81
6-1、正確な計量器の供給----------81
6-2、製造----------82
6-3、修理----------87
6-4、販売----------93
6-5、家庭用特定計量器----------96
6-6、譲渡等の制限----------100
6-7、特殊容器----------101
7、検定等----------110
7-1、検定----------110
7-2、型式承認----------136
7-3、指定製造事業者----------149
7-4、基準器検査----------160
7-5、指定検定機関----------177
8、計量証明の事業----------186
8-1、計量証明事業者制度とは----------186
-1-
8-2、計量証明事業者制度----------188
8-3、計量証明検査----------202
8-4、特定計量証明事業者制度----------210
9、適正な計量管理----------227
9-1、計量士----------227
9-2、適正計量管理事業所----------238
10、計量器の校正等----------247
10-1、トレーサビリティ制度(JCSS)----------247
10-2、公的な計量標準の設定と供給----------254
10-3、民間の計量標準の設定と供給(校正事業者登録制度)----------263
10、雑則----------274
11-1、報告----------274
11-2、立入検査----------278
11-3、計量行政審議会----------287
11-4、地方分権改正----------292
11-5、行政手続と不服申立て----------305
11-6、中央省庁再編(中央省庁等改革)に伴う改正----------313
11-7、その他----------317
計量法の解説
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(8) 筆者 高原隆
からの続き。
<指定機関省令1条>
欠格事項
次の各号のいずれかに該当する者は、法20条1項の指定を受けることができない。
1) この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
2) 法38条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
3) 法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
<法27条>
指定の基準
都道府県知事又は特定市町村の長は、法20条1項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
1) 経済産業省令(指定機関省令2条1項)で定める器具、機械又は装置を用いて定期検査を行うものであること。
2) 経済産業省令(指定機関省令2条2項)で定める条件に適合する知識経験を有する者が定期検査を実施し、その数が経済産業省令で定める数以上であること。
3) 法人にあっては、その役員又は法人の種類に応じて経済産業省令(指定機関省令2条の2)で定める構成員の構成が定期検査の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
4) 前号に定めるもののほか、定期検査が不公正になるおそれがないものとして、経済産業省令(指定機関省令2条の3)で定める基準に適合するものであること。
5) 検査業務を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎を有するものであること。
6) その指定をすることによって申請に係る定期検査の適確かつ円滑な実施を阻害することとならないこと。
<法28条>
1)の「省令で定める器具、機械又は装置」及び2)の「省令で定める条件に適合する知識経験を有する者」については、指定機関省令2条により定められている。
3)の「法人」については、以前は「民法34条の規定により設立された法人」(公益法人)とされていたが、基準・認証制度の見直しに係る平成11年改正により、公益法人要件を撤廃し、民間企業の参入を可能にした。
(指定の基準)
① 法28条1号の経済産業省令で定める器具、機械又は装置は、別表1の特定計量器の欄に掲げる特定計量器(質量計及び皮革面積計に限る。次項において同じ。)ごとに同表の検査設備の欄に掲げるものであって、指定機関省令1条4号ロの特定計量器の定期検査を適確に遂行するに足りるものとする。
② 法28条2号の経済産業省令で定める条件に適合する知識経験を有する者及び同号の経済産業省令で定める数は、別表1の特定計量器の欄に掲げる特定計量器ごとにそれぞれ同表の定期検査又は計量証明検査を実施する者の欄に掲げるとおりとする。
<指定機関省令2条>
①の「省令で定める検査設備」については、質量計にあっては「基準分銅」及び「基準はかり」、皮
-71-
革面積計にあっては「基準面積板」及び「周速度計」となっている。
②の「知識経験を有する者及び省令で定める数」については、一般計量士数又は「短期計量教習」修了者、数は2名以上で少なくとも一般計量士を1名以上置くこととなっている。
(指定定期検査機関の構成員)
法28条3号の法人の種類に応じて経済産業省令で定める構成員は、次の各号に掲げる法人の種類ごとに、それぞれ当該各号に掲げるものとする。
1) 民法(明治29年法律89号)34条の規定に基づき設立された法人 社員
2) 会社法(平成17年法律86号)575条1項の持分会社 社員
3) 会社法2条1号の株式会社 株主
4) 中小企業等協同組合法(昭和24年法律181号)3条の事業協同組合、事業協同小組合及び企業組合並びに農業協同組合法(昭和22年法律132号)4条1項の農業協同組合 組合員
5) 中小企業等協同組合法3条の協同組合連合会及び農業協同組合法4条1項の農業協同組合連合会 直接又は間接にこれらを構成する者
6) その他の法人 当該法人の種類に応じて前各号に掲げる者に類するもの
<指定機関省令2条の2>
(指定の基準)
法28条4号の経済産業省令で定める基準は、定期検査の実施に係る組織、定期検査の方法、手数料の算定の方法その他の定期検査の業務を遂行するための体制が次の各号に適合するよう整備されていることとする。
1) 特定の者を不当に差別的に取り扱うものでないこと。
2) 定期検査を受ける者との取引関係その他の利害関係の影響を受けないこと。
3) 前各号に掲げるもののほか、定期検査の公正な実施に支障を及ぼすおそれのないこと。
<指定機関省令2条の3>
指定の更新
① 法20条1項の指定は、三年を下らない政令(施行令11条の2)で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
② 法26条~法28条の規定は、①の指定の更新に準用する。
<法28条の2>
指定定期検査機関の指定更新については、制度発足当初(平成5年)は規定がなく更新の必要がなかったが、基準・認証制度の見直しに係る平成11年改正により、指定の更新制を導入し、3年ごとの更新が義務付けられた。
(指定定期検査機関の指定等の有効期間)
法28条の2第1項(法106条3項、法121条2項、121条の10及び法142条において準用する場合を含む。)の政令で定める期間は、三年とする。
<施行令11条の2>
この規定は、指定定期検査機関のほか、指定検定機関(法106条3項)、指定計量証明検査機関(法121条2項)、特定計量証明認定機関(法121条の10)、指定校正機関(法142条)において準用され、いずれも更新期間は3年となる。
-72-
(指定の更新の手続)
法28条の2の規定により、指定定期検査機関が指定の更新を受けようとする場合は、指定機関省令1条から2条の3までの規定を準用する。この場合において指定機関省令1条中「様式1」とあるのは「様式1の2」と読み替えるものとする。<指定機関省令2条の4>
5-2-2指定定期検査機関の遵守事項
定期検査の方法
指定定期検査機関は、定期検査を行うときは、法28条1号に規定する器具、機械又は装置を用い、かつ、同条2号に規定する者に定期検査を実施させなければならない。<法29条>
これは、指定要件である検査設備を用いて、かつ一定の知識経験を有する者でなければ定期検査業務を行えないことを規定したものである。
業務規程
① 指定定期検査機関は、検査業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、都道府県知事又は特定市町村の長の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
② 業務規程で定めるべき事項は、経済産業省令(指定機関省令3条)で定める。
③ 都道府県知事又は特定市町村の長は、1項の認可をした業務規程が定期検査の公正な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
<法30条>
指定定期検査機関は、省令で規定する業務運営の内容を盛り込んだ「業務規程」を自ら定め、定期検査主体の認可を受けなければならない。業務規程の内容については、変更するときも定期検査主体の認可を要し、定期検査主体が不適当と認めたときは変更を命じることができる。
(業務規程)
① 指定定期検査機関は、法30条1項前段の規定により業務規程の認可を受けようとするときは、様式2による申請書に業務規程を添えて、当該指定に係る都道府県知事(以下この章において「委任都道府県知事」という。)又は当該指定に係る特定市町村の長(以下この章において「委任特定市町村の長」という。)に提出しなければならない。
② 法30条2項の業務規程で定めるべき事項は、次に掲げるとおりとする。
1) 定期検査の業務を行う時間及び休日に関する事項
2) 定期検査の業務を行う特定計量器の種類
3) 定期検査を行う場所に関する事項
4) 定期検査に関する証明書の発行に関する事項
5) 定期検査を実施する者の選任及び解任に関する事項
6) 定期検査を実施する者の配置に関する事項
7) 定期検査に使用する検査設備の管理に関する事項
8) 定期検査済証印の管理に関する事項
9) 定期検査の未受検者に対する受検促進に関する事項
-73-
10) 手数料の収納の方法に関する事項
11) 前各号に掲げるもののほか、定期検査の業務に関し必要な事項
③ 指定定期検査機関は、法30条1項後段の規定により業務規程の変更の認可を受けようとするときは、様式3による申請書を委任都道府県知事又は委任特定市町村の長に提出しなければならない。
<指定機関省令3条>
帳簿の記載
指定定期検査機関は、経済産業省令(指定機関省令4条)で定めるところにより、帳簿を備え、定期検査に関し経済産業省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。<法31条>
これは、指定定期検査機関に対して、その業務の公正な実施を確保させるため、定期検査主体による監督ができるよう必要事項を記載し保存するよう定めたものである。
(帳簿)
① 法31条の経済産業省令で定める事項は、次に掲げるとおりとする。
1) 定期検査を受けなければならないと見込まれる者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2) 1)に掲げる者の使用する特定計量器の種類、名称及び性能の概要
3) 定期検査を行った年月日
4) 定期検査を実施した者の氏名
5) 定期検査の成績及び合格又は不合格の別(合格しなかった特定計量器については、その理由及び製造番号)
6) 1)に掲げる者のうち、定期検査を受けなかった者のその理由
② 指定定期検査機関は、定期検査を行ったときは、遅滞なく、当該定期検査を行った区域ごとに、①に掲げる事項を特定計量器の種類ごとに区分して、帳簿に記載しなければならない。
③ 指定定期検査機関は、②の帳簿を次回の定期検査が終了するまでの間、保存しなければならない。
<指定機関省令4条>
③の帳簿の保存期間は、次回の定期検査が終了するまでである。
(電磁的方法による保存)
① 指定機関省令4条1項各号に掲げる事項が、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。以下同じ。)により記録され、当該記録が必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて直ちに表示されることができるようにして保存されるときは、当該記録の保存をもって法31条に規定する当該事項が記載された帳簿の保存に代えることができる。
② ①の規定による保存をする場合には、経済産業大臣が定める基準を確保するよう努めなければならない。
<指定機関省令4条の2>
-74-
事業の休廃止
指定定期検査機関は、検査業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、経済産業省令(指定機関省令5条)で定めるところにより、あらかじめ、その旨を都道府県知事又は特定市町村の長に届け出なければならない。<法32条>
これは、指定定期検査機関が定期検査業務を休止又は廃止することによって、計量行政に重大な支障を招くことを防止するため設けられた規定である。事業の休廃止については、以前は定期検査主体の許可が必要となっていたが、平成11年改正において事前の届出に改められた。
(業務の休廃止)
指定定期検査機関は、法32条の規定により定期検査の業務の全部若しくは一部を休止し、又は廃止の届出をするときは、全部若しくは一部を休止し、又は廃止しようとする日の三月前までに、様式4による届出書を委任都道府県知事又は委任特定市町村の長に提出しなければならない。
<指定機関省令5条>
事業計画、収支予算、事業報告書、収支決算書
① 指定定期検査機関は、毎事業年度開始前に、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、都道府県知事又は特定市町村の長に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
② 指定定期検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、都道府県知事又は特定市町村の長に提出しなければならない。
<法33条>
この規定は、指定定期検査機関として事業の健全な運営を期するため、定期検査主体による事業計画等の提出を義務付けたものである。因みに、以前は事業計画及び収支予算については認可とされていたが、平成11年改正により「提出」に改められた。
5-2-3指定主体(自治体)の管理監督事項等
解任命令
都道府県知事又は特定市町村の長は、法28条2号に規定する者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又は業務規程に違反したときは、その指定定期検査機関に対し、同号に規定する者を解任すべきことを命ずることができる。<法35条>
解任命令は、業務運営における人的な面の適正化を図るため、定期検査実施者に対して、業務規程等に違反した場合の責任を明確にしたものである。この規定は、以前は指定定期検査機関の役員にも適用されていたが、平成11年改正により役員は削除された。「役員の選任及び解任」については、以前は不当な外部圧力を排除するため、定期検査主体の認可によらなければならない規定(法34条)があったが、平成11年改正によりその規定は削除(法34条削除)された。
役員及び職員の地位
検査業務に従事する指定定期検査機関の役員又は職員は、刑法 (明治40年法律45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
-75-
<法36条>
これは、検査業務に従事する指定定期検査機関の役員又は職員について、刑法で定める公務執行妨害罪等の罰則の適用については公務と見なすことにより、公平中立な業務運営を図るものである。
なお、この規定は、検査従事者の身分を公務員として保証したものではない。
適合命令
都道府県知事又は特定市町村の長は、指定定期検査機関が法28条1号から5号までに適合しなくなったと認めるときは、その指定定期検査機関に対し、これらの規定に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。<法37条>
定期検査主体は、指定の基準(設備、検査実施者、法人、役員、経理的基礎、等)を満たさなくなったと認めるときは、その指定定期検査機関に対して、必要な措置をとるよう命ずることができる。
指定の取消し等
都道府県知事又は特定市町村の長は、指定定期検査機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて検査業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
1) この節の規定に違反したとき。
2) 法27条1号又は3号に該当するに至ったとき。
3) 法30条1項の認可を受けた業務規程によらないで定期検査を行ったとき。
4) 法30条3項、法35条又は法37条の規定による命令に違反したとき。
5) 不正の手段により法20条1項の指定を受けたとき。
<法38条>
定期検査主体は、その指定定期検査機関が「欠格事項」(法27条1号又は3号)、「業務規程違反」(法30条1項)、「業務規定変更命令違反」(法30条3項)、「解任命令違反」(法35条)、「適合命令違反」(法37条)などに該当した場合、その指定の取消し又は検査業務の停止(全部若しくは一部)を命ずることができる。
都道府県知事等による検査業務の実施
① 都道府県知事又は特定市町村の長は、指定定期検査機関から法32条の規定による検査業務の全部若しくは一部の休止の届出があったとき、法38条の規定により指定定期検査機関に対し検査業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定定期検査機関が天災その他の事由により検査業務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、当該検査業務の全部又は一部を自ら行うものとする。
② 都道府県知事若しくは特定市町村の長が前項の規定により検査業務の全部若しくは一部を自ら行う場合、指定定期検査機関から法32条の規定による検査業務の全部若しくは一部の廃止の届出があった場合又は法38条の規定により指定定期検査機関の指定を取り消した場合における検査業務の引継ぎその他の必要な事項については、経済産業省令(指定機関省令8条)で定める。
<法39条>
①は、指定定期検査機関が業務を休止(全部または一部)したとき、業務の停止を命じられたとき、天災等により業務が実施できなくなったときは、当該検査業務を定期検査主体自らが行う規定である。
-76-
②は、その際の業務の引継ぎに関する規定である。
(業務の引継ぎ)
法39条2項の経済産業省令で定める事項は、次に掲げるとおりとする。
1) 指定定期検査機関は、定期検査の業務を引き継ぐ旨を記載した書面を、委任都道府県知事又は委任特定市町村の長に提出しなければならない。
2) 指定定期検査機関は、定期検査の業務に関する帳簿及び書類を、委任都道府県知事又は委任特定市町村の長に引き渡さなければならない。
3) 指定定期検査機関は、その他委任都道府県知事又は委任特定市町村の長が必要と認める事項に関し引き継がなければならない。
<指定機関省令8条>
5-2-4基準認証制度の見直しに係る改正
基準認証制度とは
「認証」とは、一般的には「規格や基準に適合していることを公平な第三者(認定機関)が確かめ、証票やマークなどで公に示すこと」であるとされている。
認証を受けた機関は、その適合性評価の「認定」(権威ある機関が試験や校正の遂行能力を公式に承認する行為)を受けた機関とされている。
「基準認証制度」とは、この「規格や基準の制定」「認証の運用などを行う機構や組織全体」を、まとめて「基準認証制度」と呼んでいる。基準認証制度の具体例としては、工業標準(JISC)や試験所認定(JNLA)及び計量標準供給制度(JCSS)などである。(※JCSSは試験所認定の一種である。)
また、「基準認証制度」は、「性格上技術的な側面が強いことから、技術進歩を踏まえ効率的な制度運用を実現するための見直しを進めることが、本来の目的を合理的に達成するためにも必要不可欠である」とされている。
認証と認定
「認証」とは、法律上用いられる意味においては「ある行為または文書が正当な手続等(方法)でなされたことを公の機関が証明すること」を言うが、国際標準化への取り組みを背景とするISOの国際適合性評価での使い方では「製品、プロセス、サービスが特定の要求事項に適合していることを第三者が文書で保証する手続き」を「Certification」と言い、日本では「認証」という言葉をあてている。
この「第三者機関が行う認証」については、偏りや不正確が生じないよう権威ある機関がこれらの認証機関を審査し、認証を遂行する能力のあることを公式に承認する行為が必要となる。
ISO適合性評価における「認定」とは、この第三者認証(証明)行為を行う機関の信頼性を評価する行為を「Accreditation」と言い、これを日本では「認定」という言葉をあてている。(※認定機関が認証機関を認定する。)
なお、「審査登録」は、ISO9001やISO14001のようなシステム規格への適合性を証明する場合など、マネジメントシステムが規格に適合しているかを審査し登録する場合において、「認証」の代わりに「審査登録」(Registration)という用語が使用されることが多い。
基準認証制度関連法
基準認証制度の見直しに係る改正は、計量審議会答申(平成10年12月)に基づき、平成11年に公
-77-
布された「通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する計量法(法律121号)」(以下「基準認証制度関連法」という。)により、改正(平成11年法改正(平成13年施行)、平成12年政令改正、平成13年省令改正)されたものである。
計量行政審議会答申(平成10年12月)
当時の審議会答申では、「基準認証制度見直しに伴う新たな計量制度の整備」として、以下のような「基本的な考え方」が示された。
第二 基準認証制度見直しに伴う新たな計量制度の整備」
基準認証制度に関しては、「経済構造の変革と創造のための行動計画(平成9年12月24日閣議決定)」、「規制緩和推進三か年計画(平成10年3月31日閣議決定)」等において提示された下記のような基本的な考え方を前提に見直しを進めることが求められている。
【基本的な考え方
】
ア 政府の役割は事業者の取組を補完するルール作りに重点を移していく
イ 自己確認を促進する
ウ 検定業務等への適切な第三者機関(株式会社等を含む)の参入を認める
エ 技術基準の性能規定化を図る
オ 相互承認の推進等国際整合性を確保する
計量法においては、上記項目中、ア 事業者の取組を補完するルール作り、イ 自己確認の促進(指定製造事業者制度の導入)、エ 技術基準の性能規定化及び、オ 相互承認の推進(試験データの受入れ)について既にこれまでの法律改正等により対応していることから、今回の審議会では残された課題である、検定業務等への適切な第三者機関(株式会社等を含む)の参入及び国際整合性の確保に関して、基準認証制度を取り巻く国内外の動向、メーカー等の製造技術・品質管理能力の向上等を踏まえ、計量器のユーザーや消費者等の利益の保護に十分に留意しつつ、どのような整備を行っていくべきかについて、以下の制度について検討を行った。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
基準認証制度の見直しに係る改正の具体的内容
基準認証制度関連法の計量法に関する改正内容は、主に「検定業務等への適切な第三者機関(株式会社等を含む)の参入」と「トレーサビリティ制度における相互承認の推進等国際整合性の確保」、「基準器検査制度における政府認証から第三者認証等の導入」の三点であった。
検定制度等の見直し(検定等の主体への株式会社等の参入)
計量法の検定等のような適合の合否の客観性を社会的に強く求められるものについては、これまで行政又は公益法人たる第三者による確認が制度上重要としてきたが、その第三者の指定に際しては、効率性の追求による質の高いサービスの提供、国際的な基準との整合性、今後予想される計量器の通商貿易における相互承認への対応の観点から、公益法人のみに門戸を開けるのではなく、株式会社等の民間企業にも参入を認めるべきである。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
-78-
「検定業務等への適切な第三者機関(株式会社等を含む)の参入」については、指定機関の指定について公益法人要件を撤廃し、株式会社等の民間企業の参入を可能にした。
なお、主務官庁は、公益法人(民法34条法人)について、民法に基づき「公益法人の運営に関する指導監督基準について」により、監督(公益事業の比率、役員の構成等、財務の健全性)できることになっているが、公益法人であることの指定要件を撤廃すると監督権限が及ばなくなる。このため、指定の要件については、「検査を行う設備の保有」や「検査を行う者の技術的能力及び数」などを再整理し規定した。
また、公平性を担保するための措置については、「検査結果の報告」や「検査記録の保持」を義務付け、新たに指定の更新制を導入することにより、検査の客観的公平性が確保される。
計量標準供給制度の見直し(相互承認の推進等国際整合性の確保)
本制度を我が国産業にとってより効果的な制度とし、国際的な整合性を図る観点から、以下のような見直しをすべきである。
認定事業者の認定要件として特定二次標準器等に限定するのではなく、これらとトレーザブルな(国家計量標準との切れ目のない比較の連鎖がとれている)標準器等の保有についても認めること。
認定事業者が校正サービスを実施する上で、特定二次標準器等を用いての校正に限定するのではなく実用標準器を用いての校正を行うことや複数の量の標準から校正対象の量を組み立てることを認めること。また、これらの見直しに併せて、認定事業者の認定に際しての当該事業者の技術能力を評価する体制を行政側が強化することが重要である。
<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
計量標準供給制度(トレーサビリティ制度)については、制度を拡大し特定二次標準器より下位のものについても国家計量標準とのトレーサビリティを可能にした。
これについては、それまでの法143条1号の制約により、認定事業者の校正サービスが国家計量標準から直接校正を受けた計量器(特定二次標準)を用いた校正サービスに限定されていたため、JCSS制度の広がりを阻害する要因となっていた。こうしたことから、認定要件については、特定二次標準の保有に限定するのではなく、より下位の標準器(参照標準)の保有や、それを用いての校正を行うことを認定事業者に対して認めることなどの見直しが行われた。
また、認定事業者(現在は登録)の認定(現在は登録)要件を見直し、諸外国と同等の校正サービスが行えるようにするとともに、併せて認定事業者の認定に際しての技術能力評価体制を強化した。
基準器検査制度の見直し(政府認証から第三者認証等の導入)
基準器検査制度は、検定や定期検査等の技術的な信頼性の確保のために重要な制度であるが、同制度の主要確認事項である基準器と国家計量標準との器差の確認は、民間校正事業者によっても技術的には可能である。
基準器検査制度に関しても、民間能力の更なる活用の観点から、指定機関への株式会社等の参入や計量標準供給制度の拡大に併せ、基準器検査の合格条件の一つである器差について、国等だけではなく第三者たる民間校正事業者(認定事業者)からの校正を受けることも認めるべきである。<計量行政審議会答申(平成10年12月)抜粋>
基準器の検査制度については、合格条件の一つである器差検査について、従来の行政による認証だけでなく、第三者である認定事業者の交付した校正証明書で代えることを可能にした。
-79-
指定定期検査機関制度における改正
指定定期検査機関制度における具体的な改正は、民法34条の規定を削除にともなう改正については「指定」(法26条)、「指定計量証明検査機関の指定等」(法121条)、「欠格事項」(法27条3号)、「指定基準」(法28条3号、4号)などのほか、指定の更新制導入については「指定の更新」(法28条の2)の追加、などが主な内容である。
-80-
[次ページに続く]
2026-03-28-no7-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(9) 筆者 高原隆
計量制度の概要(METI/経済産業省)
計量法における単位規制の概要
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の届出について
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の承認について
計量法における計量器の規制の概要
特定計量器に関する規制の概要
家庭用特定計量器(体重計・調理用はかり)に関する規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要(特定商品(食品など)の量目公差・内容量表記など)
特殊容器(丸正びん)制度
計量証明の事業
計量標準
法定計量における国際整合化の推進(国際法定計量機関)
普及啓発(計量記念日)
2026-03-28-no9-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-