計量法の解説
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(8) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(8) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(6) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(7) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(8) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(8) 筆者 高原隆
筆者は計量行政職員であり現職時に作成した文章です。その後に計量法令は変更になっており、変更のある部分には編集部で注意書きをしております。元になっている文章は 計量計測データバンク「計量法の読み方」 ですので、本文に疑問がある場合には 「計量法の読み方」 を開いて確かめてください。この文章は計量法を理解するための古典ともいえる内容になっております。なお 「計量法の読み方」 が編集の都合によってPGFファイルですので、そのhtlm版として、本稿を作成いたしました。新聞紙面と併せてご利用ください。また経済産業省の穂オームページに掲載の次のページ計量制度の概要(METI/経済産業省)などで内容を確認してください。 「計量法の読み方」(https://www.keiryou-keisoku.co.jp/yomikata/ver.4-101022/yomikata-zenfile20170421.pdf)(計量計測データバンク編集部)
(見出し)
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-筆者 高原隆
(本文)
はじめに----------3
1、 計量法の目的----------4
1-1、計量法の目的とは----------4
1-2、計量法の目的と諸規定----------4
1-3、明示されていない目的----------5
2、定義等----------6
2-1、「計量」と「計量単位」----------6
2-2、「取引」及び「証明」----------7
2-3、「計量器」と「特定計量器」----------10
2-4、製造、改造、修理----------14
2-5、計量器の校正、標準物質、標準物質の値付け----------15
3、計量単位----------18
3-1、メートル条約----------18
3-2、SI単位----------20
3-3、法定計量単位----------22
3-4、非法定計量単位に関する規制----------25
4、適正な計量の実施----------37
4-1、正確な計量----------37
4-2、商品の販売に係る計量----------39
4-3、計量器等の使用----------46
5、定期検査----------53
5-1、定期検査制度----------53
5-2、指定定期検査機関----------69
6、正確な特定計量器等の供給----------81
6-1、正確な計量器の供給----------81
6-2、製造----------82
6-3、修理----------87
6-4、販売----------93
6-5、家庭用特定計量器----------96
6-6、譲渡等の制限----------100
6-7、特殊容器----------101
7、検定等----------110
7-1、検定----------110
7-2、型式承認----------136
7-3、指定製造事業者----------149
7-4、基準器検査----------160
7-5、指定検定機関----------177
8、計量証明の事業----------186
8-1、計量証明事業者制度とは----------186
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8-2、計量証明事業者制度----------188
8-3、計量証明検査----------202
8-4、特定計量証明事業者制度----------210
9、適正な計量管理----------227
9-1、計量士----------227
9-2、適正計量管理事業所----------238
10、計量器の校正等----------247
10-1、トレーサビリティ制度(JCSS)----------247
10-2、公的な計量標準の設定と供給----------254
10-3、民間の計量標準の設定と供給(校正事業者登録制度)----------263
10、雑則----------274
11-1、報告----------274
11-2、立入検査----------278
11-3、計量行政審議会----------287
11-4、地方分権改正----------292
11-5、行政手続と不服申立て----------305
11-6、中央省庁再編(中央省庁等改革)に伴う改正----------313
11-7、その他----------317
計量法の解説
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(7) 筆者 高原隆
からの続き。
補助目量、最小測定量
「補助目量」と「最小測定量」は、平成12年8月以降の新基準の質量計で用いられるようになった用語である。
「補助目量」とは、「目量よりも小さい単位で表される値」(1級及び2級はかりのみに使用される用語。)とされている。
「最小測定量」は、「そのはかりで正確に計量することができる最小の質量」とされている。
個々に定める性能(法71条2項)
検定の合格条件は、①「構造が技術基準に適合する」こと及び②「器差が検定公差を超えない」ことの二つであるが、型式承認を受けた特定計量器は①の構造基準のうち「性能に関するもので適合するかどうかを個々に定める必要があるもの」以外は適合するとみなされる。
定期検査においても、型式承認表示が付されている場合、検則(質量計は202条)で「個々に定める性能」とされている事項を除き適合すると見なされるため、定期検査では器差と「個々に定める性能」だけが検査される。具体的な「個々に定める性能」については、非自動はかりの場合、「感じ」「同一質量の繰り返し」「偏置誤差」「風袋引き装置」「零点設定装置」等となっている。(※「風袋引き装置」及び「零点設定装置」については、平成12年8月以降の新基準はかりにより追加された項目である。)
使用中検査の技術上の基準(「構造」と「性能」の概念整理)
検定の合格条件の場合は、「構造が技術基準に適合すること」(法71条1項1号)とされている。一方、使用中検査(定期検査、計量証明検査、立入検査、簡易修理の場合)については、「構造」ではなく「性能」という言葉を使用して、「表記等」を使用中検査の合格条件から除いている。
これについては、平成5年改正以前の旧計量法においては全て「構造」という言葉が使用されていたが、使用中検査については検定証印を確認し器差を検査すれば基本的に合格とすべきであるとの考え方から、平成5年法改正において、構造重視から性能重視の基準(性能規定化)へ改められたものである。
概念整理としては、検定の合格条件で規定される「構造」は「広義の構造」とされ、使用中検査の合格条件の「性能」は「狭義の構造」を含む性能と解される。
「狭義の構造」については、目盛、機構等の「性能」という言葉を広く解釈しないと含まれないものまで含まれるが、使用中検査の合格条件として準用する必要に対応できるよう、「性能」項目の中で規定されている。
器差検査(法23条1項3号)
(使用公差)
法23条1項3号の経済産業省令で定める使用公差は、検則16条1項の規定を準用するほか、3章及び5章に定めるところによる。<検則45条>
定期検査における使用公差は、検定公差の場合を準用する。
(器差及び検定公差)
特定計量器の器差は、計量値から真実の値(基準器が表す、又は標準物質に付された物象の状態の量の値(器差のある基準器にあっては、器差の補正を行った後の値)をいう。ただし、積算熱量計にあっては検則648条に規定する方法により算出する値をいう。以下同じ。)を減じた値又は、そ
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の真実の値に対する割合をいうものとし、検定公差は、タクシーメーターにあっては器差に、その他の特定計量器にあっては器差の絶対値に適用するものとする。<検則16条1項>
器差検査の方法についても、検定の場合が準用される。
(器差検査の方法)
法23条3項の経済産業省令で定める方法は、基準器を用いて行う3章及び5章に定める器差検査の方法とする。<検則47条>
「新基準はかり」と「旧基準はかり」
現在の定期検査対象の「はかり」については、いくつかの異なる技術基準により製造された「はかり」が混在している状態となっている。
具体的には、平成5年改正以前の技術基準による「旧法はかり」(昭和41年省令81号)、平成12年8月改正以前の「旧基準はかり」(平成5年省令70号)、平成12年8月改正以降の「新基準はかり」(平成12年省令147号)、平成17年7月改正(検則JIS引用)以降の「新JISはかり」(平成17年省令41号)となっている。
旧基準はかり
「旧基準はかり」については、平成5年改正の際に「非自動はかりのEC指令」を参考に作成された技術基準により製作されたものである。この技術基準は、①OIML76との整合、②原理、構造によらない性能重視の規定(性能規定化)、③技術進歩への柔軟な対応などを主要な観点とし見直されたものであり、平成12年8月以降の新基準に対して「旧基準」と呼ばれている。
「旧基準はかり」では、OIMLに準じて目量等(目量又は感量)と目量の数(精度)によって、「H級、M級、O級」の3等級分類が採用された。
検定公差については、旧法ではひょう量の1/2(0.5e)又は1/4(1e)を区切りとしていたのに対して、旧基準ではOIMLに準じて等級ごとに目量等の数(n)を区切りとして、目量等(e)の0.5倍、1倍、1.5倍の3公差(目量の数10,000を超えるものは0.01%)が定められた。
この他には、使用地域の区域について、旧法で「ばね式はかり」に限って重力補正を行い使用地域区分の表記(精度1/2,500以下(電気抵抗線式は1/6,000以下)に制限)がされていたが、旧基準では全ての電気式はかりがその対象となる、などが改正された。
新基準はかり
「新基準はかり」では、OIMLでは目量等1mg以上を対象とし目量の数50,000を超えるものに1級の等級を与えていることから、精度等級を4等級(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)分類に改めOIMLとの整合化が図られた。(※旧基準のH、M級を新基準の1、2、3級に分割し、新基準の4級と旧基準のO級は同じ。)
検定検査については、「零点設定機構の精度」及び「風袋引き機構」の検査項目が追加され、「使用範囲」が「最小測定量」に改められ、「目量等」について「補助目量(拡張目量)」の用語が追加され、検定公差は目量等(e)の0.5倍、1倍、1.5倍の3公差となった。
この他では、重力加速度の表記について、「使用区分の表記」から「重力加速度の大きさの範囲」の表記(3級(目量の数が6,000以下に限る)又は4級のばね式指示はかり及び電気式はかり(自己補正機
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構付きを除く))に改められた。
なお、旧基準はかりの製造等については、経過措置(検則附則2条~4条)により、型式承認表示のある「ばね式」以外の非自動はかりについては平成22年8月31日まで製造可、型式承認表示のある「ばね式」については当分の間製造可、検定公差等の適用は当分の間従前の例による、検定方法等に係る特例についても当分の間従前の例によるとされている。
新JISはかり
「新JISはかり」は、「非自動はかり」の技術基準である検則にJISを引用する平成17年7月改正により改められた基準である。
具体的には、精度等級の一部追加(4*級)、「補助表示機構(拡張表示機構)」を実目量(d)に統一などの改正が行われている。(※4*級は、平成21年3月、JIS改正により削除され4級となっている。)
なお、精度等級の追加については、平成12年8月改正において特定計量器から外れた機械式はかり(目量1g、2g)の救済処置であり、国際整合だけでなく、国内による伝統的技術で製造され今後も製造、使用される機械式はかりを考慮したとされている。
今後の課題
これらの技術基準の改正については、国際規格等との整合化を図ってきたものであるが、計量法上の規制対象範囲も同時に拡大されてきた。
具体的には、旧計量法では目量の数が10,000までのものしか対象ではなかったが、旧基準では目量の数が20,000までに拡大し、新基準では目量の数に上限はなく目量10mg未満のものも補助目量等の扱いとなるなど、検定検査対象の「はかり」は拡大の一途を辿っている。
しかし、定期検査の現場では、実質的に検査が困難な「1級はかり」なども出現している状況であり、平成5年改正の際においても、目量の数が10,000を超える高精度な「はかり」を行政が検査することに疑問の指摘がされていた。
課題としては、こうした定期検査の対象にすべきかどうかといった議論が十分なされないまま国際整合化を進めてきたことにより、対象計量器が大幅に拡大され検査技術も追いつかない状況下であることから、今後の検定検査のあるべき姿をどう構築していくべきかといった検討が必要と思われる。
「大型はかり」の使用中検査
地中台はかり
「大型はかり」とは、計量法上の定義はないが、倉庫掛や車両掛(貨車掛)など大きな重量を計る「はかり」であり、一般的に「ひょう量」が1t~2t以上の大型の「はかり」のことをいい、通称トラックスケールと呼ばれている。
大型はかりの構造は、大きな重量物の載せ降ろしをし易くするため、通常は台の上面を地面と一致させる地中「台はかり」の構造となっている。「地中台はかり」は、機械式のものは基本的には小型台はかりと同じ構造であり、セクション(荷重を直接支える「てこ」の一対の支点を含む鉛直面)の数が3~6個のものもある。(※大型はかりの場合の偏置誤差検査は、セクション検査ともいう。)
また、大型はかりの使用中検査については、大型分銅(500kg、1t、等)やクレーンを装備した「検査車」を使用するなど、通常の商業用はかりの検査の場合とは異なる特殊な状況があるため、検査方法においていくつかの特例が認められている。
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具体的には、多数の大型分銅を用意することが困難であることから、旧計量法の時代から「仮分銅」等の使用が認められてきたこと、最大検査荷重については「法定ひょう量」(ひょう量10t未満のものはひょう量3/4、ひょう量10t以上のものはひょう量3/5)での検査とされていることなど、である。
法定ひょう量
(準用)
検則204条から206条まで及び検則208条から210条までの規定は、質量計についての器差検査の方法に準用する。この場合において、検則204条、205条、209条及び210条中「検定公差」とあるのは「使用公差」と、204条、205条及び208条から210条までの規定中「器差検定」とあるのは「器差検査」と、204条1項及び6項中「5」とあるのは「3」と、同条1項中「ひょう量」とあるのは「ひょう量(ひょう量が1トンを超え10トン未満の非自動はかりにあってはひょう量の4分の3(ひょう量の4分の3が1トン未満であるときは1トン)、ひょう量が10トン以上のものにあってはひょう量の5分の3(ひょう量の5分の3が8トン未満であるときは8トン))」と、同条2項中「基準分銅」とあるのは「基準分銅又は経済産業大臣が別に定める非自動はかりの部分にあっては、基準分銅及び経済産業大臣が別に定める方法により基準器を用いて校正を行ったもの」と読み替えるものとする。
<検則214条>
前段は、非自動はかりの器差検査について、器差検定(検則204条~206条、208条~210条)を準用することを規定している。
後段は、「検定公差」は「使用公差」に読み替え、「器差検定」は「器差検査」と読み替え、「5以上の検査質量」(204条1項、6項)は「3以上の検査質量」に読み替え、「ひょう量」(204条1項)は「ひょう量(1t超10t未満はひょう量3/4(ひょう量3/4が1t未満の場合は1t)、ひょう量10t以上はひょう量3/5(ひょう量3/5が8t未満の場合は8t))」と読み替え、「基準分銅」(204条2項)は「基準分銅又は経済産業大臣が別に定める非自動はかりの部分にあっては、基準分銅及び経済産業大臣が別に定める方法により基準器を用いて校正を行ったもの」(実用基準分銅)と読み替えることを規定している。
読み替えられる「ひょう量」については、通称「法定ひょう量」と呼ばれている。
なお、検則204条2項の「基準分銅」については、「特定計量器検定検査規則の規定に基づき経済産業大臣が別に定める質量計に係る基準等について」(平成12年12月28日)通商産業省告示940号(以下、「告示940号」という。)により、読み替えられる。
車両等による器差検査の特例
大型はかりの使用中検査においては、検則214条の「大臣が別に定める方法」(告示940号)により、車両等を器差検査に使用することが特例として認められている。
(車両等の器差検査の特例)
① 検則214条に規定する経済産業大臣が別に定める非自動はかりの部分は、載せ台を有する非自動はかりであって、ひょう量が2tを超え、20t以下のものについてはひょう量の1/4(ひょう量の1/4が2t未満であるときは2t)を超える部分、ひょう量が20tを超えるものについては5tを超える部分とする。
② 検則214条に規定する経済産業大臣が別に定める方法は、基準分銅、検則附則2条の規定による廃止前の計量器検定検査規則(昭和42年通商産業省令81号。以下「旧規則」という。)417条
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1項に規定する補助分銅又は実用基準分銅及び検査を行う非自動はかりを用いて行う旧規則417条4項に規定する調整方法であって、次の各号に掲げる検査に応じ、それぞれ当該各号に定める者に、その実施に係る具体的細則を通知し、その内容にいて承認を得たものとする。
<告示940号4条>
①は、車両等を器差検査に使用できる場合について、ひょう量が2tを超え20t以下のものについてはひょう量の1/4(ひょう量の1/4が2t未満であるときは2t)を超える部分、ひょう量が20tを超えるものについては5tを超える部分、であることを規定している。
②は、大型はかりの器差検査に使用する車両等について、旧計量法検則417条4項に規定する調整方法により「車両等の校正方法」(具体的規定)を作成し、該当する機関等の承認を受けなければならないことを規定している。
車両等が特定されている場合の「車両等の校正方法」の具体的内容については、車両等の仕様の詳細及び使用規定(「目量○○kgのはかりの検査には使用不可」等)を記述し、検査中に車両等の質量変化が生ずる場合(ユニック等の使用による燃料消費)は燃料消費量の算出方法及び当該検査の適用可否(「使用公差の3分の1以内」等)を規定することとされている。
また、車両等が特定されていない場合の「車両等の校正方法」の内容については、その使用規定(みなし真値の決定、検査の適用範囲、分銅との置換後は質量変化を生じさせないための措置、等)を記述し、その記録方法及び使用した車両検査証(写)の保管などを規定することとされている。
5-1-7定期検査証印等
① 定期検査に合格した特定計量器には、経済産業省令(検則48条)で定めるところにより、定期検査済証印を付する。
② ①の定期検査済証印には、その定期検査を行った年月を表示するものとする。
<法24条1項、2項>
① 法24条1項の定期検査済証印及び定期検査を行った年月の表示は、打ち込み印、押し込み印又ははり付け印により、次の各号に定めるところにより付するものとする。この場合において、定期検査済証印には、定期検査を行った都道府県若しくは特定市町村又は指定定期検査機関の名称(以下この条において「名称」という。)を定期検査済証印に隣接した箇所に表示するものとする。
1) 定期検査済証印の形状は、次の様式1又は様式2のとおりとする。この場合において様式1中の円内の数字及び様式2中の左側の数字は定期検査を行った年の最下位の数字を表すものとし、様式1中の円外の右下の数字及び様式2中の右側の数字は月を表すものとする。 様式1
様式2
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2) 定期検査済証印の大きさは、直径1.8mm以上とする。
② 定期検査済証印は、特定計量器の見やすい箇所に付するものとする。
③ 前二項の規定にかかわらず、分銅、おもり、極小棒はかりその他の定期検査済証印又は名称を付することが著しく困難な形状を有する特定計量器については、経済産業大臣が別に定める方法及び箇所に付するものとする。
<検則48条>
5-1-8定期検査に合格しなかった特定計量器
定期検査に合格しなかった特定計量器に検定証印等が付されているときは、その検定証印等を除去する。<法24条3項>
検定証印の除去
検定証印等を除去する方法は、検則49条で準用する検則29条に規定されている。
(準用)
検則29条の規定は、法24条3項の規定により検定証印等を除去する場合に準用する。<検則49条>
検定証印等の除去する方法は、検定の場合を準用している。
(検定証印等、合番号及び装置検査証印の除去)
法72条4項及び5項、74条4項並びに75条4項の規定により、検定証印等、合番号又は装置検査証印を除去するときは、次の各号のいずれかに掲げるところによるものとする。
1) 機械的な方法により削除すること。
2) 薬剤により消去すること。
3) 容易にはく離しない塗料により被覆すること。
4) 検定証印等、合番号又は装置検査証印の全体にわたり、明りょうに、かつ、容易に消滅しない方法で、相互に平行又は交差する二本以上の線を施すこと。
5) 次の形状の消印を打ち込み印又はすり付け印により付すること。
<検則29条>
不合格等の理由の通知
都道府県知事、特定市町村の長、指定定期検査機関又は指定計量証明検査機関は、定期検査又は計量証明検査を行った場合において、不合格の処分をしたときの通知は、行政手続法8条1項の規定により、様式24により行う。この場合において、定期検査についての同条の適用にあっては、都道府県知事、特定市町村の長又は指定定期検査機関への検査を受ける特定計量器の提出をもって同
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条の「申請」とみなす。<検則73条2項>
定期検査を行った場合に不合格の処分をしたときの通知は、行政手続法8条1項の規定により、検則様式24により行う。行政手続法8条1項の規定の「申請」とは、都道府県知事等への検査を受ける特定計量器の提出をもって「申請」とみなす。(※申請をした者とは、旧通達5機局711号「定期検査実施要領」により、「手数料を支払った者とする」とされていた。)
5-1-9代検査制度(定期検査に代わる計量士による検査)
「定期検査に代わる計量士による検査」は、計量士が行う検査で合格した計量器について、一定の手続きのもとに定期検査や計量証明検査を免除しようとする制度であり、「代検査制度」と呼ばれている。
この制度は、定期検査又は計量証明検査の受検者の利便性を図り、専門的な知識と技術を有する計量士の能力を活用することによって、使用中の特定計量器の精度と性能を維持し、適正な計量の実施を図るために設けられたとされている。(※代検査制度は昭和33年改正により設けられた。)
① 法19条1項の規定により定期検査を受けなければならない特定計量器であって、その特定計量器の種類に応じて経済産業省令(検則58条)で定める計量士が、法23条2項及び3項の経済産業省令で定める方法による検査を実施期日前法19条1項3号の政令で定める期間以内に行い、③の規定により表示を付したものについて、これを使用する者が、その事業所の所在地を管轄する都道府県知事又は特定市町村の長に実施期日までにその旨を届け出たときは、当該特定計量器については、同条の規定にかかわらず、当該定期検査を受けることを要しない。
② ①の規定による届出は、③の規定により交付された証明書を添えて、経済産業省令(検則59条)で定めるところによりしなければならない。
③ ①の検査をした計量士は、その特定計量器が法23条1項各号に適合するときは、経済産業省令(検則60条)で定めるところにより、その旨を記載した証明書をその特定計量器を使用する者に交付し、その特定計量器に経済産業省令(検則61条)で定める方法により表示及び検査をした年月を付することができる。
<法25条>
①は、定期検査の対象となる特定計量器の種類に応じて定められた計量士(検則58条)が、法23条2項(性能に関する技術上の基準の適合性)及び法23条3項(器差の使用公差適合性)の検査を定期検査期日前の政令(施行令10条2項)で定める期間(質量計「1年」、皮革面積計「6月」)以内に行い、省令(検則61条)で定められた表示を付した特定計量器について、これを使用する者が定期検査主体に実施期日前までに届け出たときは、当該定期検査を受けることを要しないという規定である。
(計量士の区分)
法25条1項の経済産業省令で定める計量士は、質量計及び皮革面積計については施行則50条3号に定める一般計量士とする。<検則58条>
定期検査に代わる計量士による検査を行える者は、一般計量士である。
代検査届等
(届出)
法25条1項の届出は、様式16より行わなければならない。
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<検則59条>
代検査を行った計量士は、その特定計量器が定期検査の合格条件(法23条1項)に適合するときは、その旨を記載した証明書をその使用者に交付するとともに、その特定計量器に省令(検則61条)で定められた表示と検査した年月を付すことができる。表示については、定期検査証印と同じものであるが、「検査を行った機関の名称」は「計量士の名称」に読み替えられて適用される。
(証明書)
法25条3項の証明書は、様式17によるものとする。<検則60条>
これは、代検査証明書の様式を規定したものである。
(準用)
検則48条の規定は、法25条3項の経済産業省令で定める方法に準用する。この場合において、検則48条1項中「都道府県若しくは特定市町村又は指定定期検査機関の名称(以下この条において「名称」という。)」とあるのは「計量士の氏名」と読み替えるものとする。<検則61条>
代検査に合格したことを示す表示は、定期検査証印の場合(検則48条)を準用したものとし、計量士の氏名を記載した通称「合格シール」と呼ばれている。
不適合計量器の取扱い
代検査は、実質的には定期検査と同じ検査内容であるが、相手方の任意による検査であり、公権力の行使ではないため、検査計量器が定期検査の合格条件に適合しなかった場合、検定証印等の除去行為を行うことはできない。
この場合については、当該計量士は定期検査主体へ速やかに報告し、不適合計量器のその後の経過(修理、廃棄、新規購入等)を把握するよう、定期検査主体は計量士に対して指導することとされている。
因みに、計量士による不適合計量器の措置の一般的な例としては、不具合が発生している計量器に「軽微な修理」(施行則10条)を実施し、それでもなお不適合となった場合、「不合格シール」の貼付及び「不合格指示票」を交付し、使用者に対して不合格理由及び修理又は取替えを説明するとともに、管轄知事等へ連絡を行うこととなる。不合格票発行後の対応としては、再度訪問し改善状況を確認後、検査を行い、検査結果と指導経過等を記録し、「不適合計量器処理報告書」を作成し管轄知事等へ届け出ることとなる。
計量法関係ガイドライン
行政による代検査計量士への指導については、以前は旧通達「定期検査実施要領」(5機局711号)及び「定期検査に代わる計量士による検査等の監督の徹底について」(7機計3号)などにより行われていたが、現在は計量法関係ガイドラインを指針として各自治体の主体的判断により行われる。
(代検査の実施)
定期検査に代わる計量士による検査(以下「代検査」という。)については、以下のとおり取り扱うものとする。
1 計量士が新たに都道府県又は特定市長村の管轄区域において代検査の業務を行おうとする時は、当該都道府県知事又は当該特定市長村の長に次の事項を届け出ること。また、届出の内容等に変更があった場合も届出をすること。
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イ 氏名及び事業所の所在地(事業所がない場合は住所)
ロ 代検査を行う区域及び特定計量器の種類
ハ 基準器検査成績書又は質量標準管理マニュアルの写し
2 都道府県知事又は特定市長村の長は、法25条1項の代検査をしようとする計量士に対し、検査を行う特定計量器の所在する区域で行われる定期検査の実施期日(実施期日が数日にわたる場合にあっては、その最初の日)の10日前までに届け出るよう協力を求めることとする。
3 計量士が代検査に使用する分銅は、当該計量士が他の者と代検査その他に共用している基準器
又は他の者から借り受ける契約を締結している基準器であっても差し支えない。この場合において、その基準器は当該計量士が必要とするときは専用に供することができるものであることとする。また、実用基準分銅についても、同様とする。
4 代検査の結果、合格条件に適合しないと判断された特定計量器については、次のとおり取り扱うものとする。
イ 代検査を行った計量士は、当該特定計量器使用者にただちに不適合の通知を行うとともに使用禁止の指導を行い、その定期検査を行う都道府県知事又は特定市長村の長へ通知すること。また、使用者に対し、不適合計量器処理報告書を都道府県知事又は特定市長村の長に提出するよう指導する。
ロ 前号による報告書の送付がない場合には、都道府県知事又は特定市長村の長は、法19条の定期検査又は法148条の規定に基づき立入検査を実施することとする。
<「計量法関係ガイドライン」抜粋>
代検査に必要な基準分銅等
計量士が代検査に使用する分銅は、検査に使用する基準器として「代検査に必要な基準分銅(実用基準分銅を含む)」を所持しなければならないこととされている。
なお、「代検査に必要な基準分銅」については、計量士が所有することが望ましいが、基準器等を他の者と共有又は貸借契約し、当該計量士が使用の際に専用に供する場合は、その基準分銅等を代検査に使用することができることとなっている。
この「代検査に必要な基準分銅」については、平成5年改正以前の旧計量法では、検査の場所を管轄する都道府県知事又は特定市町村長の登録を要することとされ、その登録に関する必要事項は政令(旧法施行令17条~27条)で規定されていた。
また、平成5年新法改正以降については、過去の通達(5機局711号)により、代検査を行う計量士は150kgまでの組み合わせ3級基準分銅を所有することとなっていた。(※なお、現在では、この通達は効力を有しないため、各自治体の判断による指導となる。)
5-2指定定期検査機関
指定定期検査機関制度は、平成5年改正において設けられたものである。これは、地方自治体における職員定数抑制や民間活力導入などの近年の動向を受け、計量行政分野においてもこうした動きに柔軟に対応できるようにしたものである。
なお、この制度の活用については、各自治体(定期検査主体)の判断に委ねられている。(※因みに、平成22年2月現在、指定定期検査機関を活用している自治体は、都道府県(全47)では25(計量証明は18)、特定市(全122)では約60となっている。)
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① 都道府県知事又は特定市町村の長は、その指定する者(以下「指定定期検査機関」という。)に、定期検査を行わせることができる。
② 都道府県知事又は特定市町村の長は、①の規定により指定定期検査機関にその定期検査の業務(以下この章において「検査業務」という。)の全部又は一部を行わせることとしたときは、当該検査業務の全部又は一部を行わないものとする。
<法20条>
②の「全部又は一部」については、地域的な全部又は一部の場合やはかりのひょう量別及び種類別の場合などが想定される。これを指定定期検査機関に行わせる場合は、定期検査主体は当該検査業務を行わない。
5-2-1指定定期検査機関の指定
指定の申請
法20条1項の指定は、経済産業省令(指定機関省令xvi1条)で定めるところにより、検査業務を行おうとする者の申請により行う。<法26条>
この指定を受ける場合の手続きについては、指定機関省令1条に定められている。
(指定の申請)
法26条の規定により指定の申請をしようとする者は、様式1による申請書に次に掲げる書類を添えて、定期検査を行おうとする場所を管轄する都道府県知事(その場所が特定市町村の区域にある場合にあっては、特定市町村の長)に提出しなければならない。
1) 定款又は寄附行為及び登記事項証明書
2) 申請の日を含む事業年度の直前の事業年度の最終日における財産目録及び貸借対照表
3) 申請の日を含む事業年度及び翌事業年度における事業計画書及び収支予算書(定期検査の業務に係る事項と他の業務に係る事項とを区分したもの)
4) 次に掲げる事項を記載した書面
イ 役員又は事業主の氏名及び履歴、指定機関省令2条の2に規定する構成員(以下この号において単に「構成員」という。)のうち主たる者の氏名(構成員が法人である場合には、その法人の名称)並びに構成員の構成割合
ロ 定期検査の業務を行う特定計量器の種類
ハ 定期検査の業務を行う地域
ニ 一年間に定期検査を行うことができる特定計量器の数
ホ 定期検査に用いる器具、機械又は装置の数、性能、所在の場所及びその所有又は借入れの別
ヘ 定期検査を実施する者の資格及び数
ト 定期検査以外の業務を行っている場合にあっては、その業務の種類及び概要
チ 手数料の額
5) 申請者が法27条各号の規定に該当しないことを説明した書面
6) 申請者が指定機関省令2条の3各号の規定に適合することを説明した書類
xvi 「指定機関省令」:指定定期検査機関、指定検定機関、指定計量証明検査機関及び特定計量証明認定機関の指定等に関する省令(平成5年、通商産業省令72号、最終改正:平成18年、経済産業省令63号)の略
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[次ページに続く]
2026-03-28-no8-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(8) 筆者 高原隆
計量制度の概要(METI/経済産業省)
計量法における単位規制の概要
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の届出について
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の承認について
計量法における計量器の規制の概要
特定計量器に関する規制の概要
家庭用特定計量器(体重計・調理用はかり)に関する規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要(特定商品(食品など)の量目公差・内容量表記など)
特殊容器(丸正びん)制度
計量証明の事業
計量標準
法定計量における国際整合化の推進(国際法定計量機関)
普及啓発(計量記念日)
(以上202603-27,編集作業終了点)
2026-03-28-no8-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-