計量法の解説
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(16) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(16) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(15) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(16) 筆者 高原隆
筆者は計量行政職員であり現職時に作成した文章です。その後に計量法令は変更になっており、変更のある部分には編集部で注意書きをしております。元になっている文章は 計量計測データバンク「計量法の読み方」 ですので、本文に疑問がある場合には 「計量法の読み方」 を開いて確かめてください。この文章は計量法を理解するための古典ともいえる内容になっております。なお 「計量法の読み方」 が編集の都合によってPGFファイルですので、そのhtlm版として、本稿を作成いたしました。新聞紙面と併せてご利用ください。また経済産業省の穂オームページに掲載の次のページ計量制度の概要(METI/経済産業省)などで内容を確認してください。 「計量法の読み方」(https://www.keiryou-keisoku.co.jp/yomikata/ver.4-101022/yomikata-zenfile20170421.pdf)(計量計測データバンク編集部)
(見出し)
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-筆者 高原隆
(本文)
はじめに----------3
1、 計量法の目的----------4
1-1、計量法の目的とは----------4
1-2、計量法の目的と諸規定----------4
1-3、明示されていない目的----------5
2、定義等----------6
2-1、「計量」と「計量単位」----------6
2-2、「取引」及び「証明」----------7
2-3、「計量器」と「特定計量器」----------10
2-4、製造、改造、修理----------14
2-5、計量器の校正、標準物質、標準物質の値付け----------15
3、計量単位----------18
3-1、メートル条約----------18
3-2、SI単位----------20
3-3、法定計量単位----------22
3-4、非法定計量単位に関する規制----------25
4、適正な計量の実施----------37
4-1、正確な計量----------37
4-2、商品の販売に係る計量----------39
4-3、計量器等の使用----------46
5、定期検査----------53
5-1、定期検査制度----------53
5-2、指定定期検査機関----------69
6、正確な特定計量器等の供給----------81
6-1、正確な計量器の供給----------81
6-2、製造----------82
6-3、修理----------87
6-4、販売----------93
6-5、家庭用特定計量器----------96
6-6、譲渡等の制限----------100
6-7、特殊容器----------101
7、検定等----------110
7-1、検定----------110
7-2、型式承認----------136
7-3、指定製造事業者----------149
7-4、基準器検査----------160
7-5、指定検定機関----------177
8、計量証明の事業----------186
8-1、計量証明事業者制度とは----------186
-1-
8-2、計量証明事業者制度----------188
8-3、計量証明検査----------202
8-4、特定計量証明事業者制度----------210
9、適正な計量管理----------227
9-1、計量士----------227
9-2、適正計量管理事業所----------238
10、計量器の校正等----------247
10-1、トレーサビリティ制度(JCSS)----------247
10-2、公的な計量標準の設定と供給----------254
10-3、民間の計量標準の設定と供給(校正事業者登録制度)----------263
10、雑則----------274
11-1、報告----------274
11-2、立入検査----------278
11-3、計量行政審議会----------287
11-4、地方分権改正----------292
11-5、行政手続と不服申立て----------305
11-6、中央省庁再編(中央省庁等改革)に伴う改正----------313
11-7、その他----------317
計量法の解説
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(15) 筆者 高原隆
からの続き。
計量法では、型式承認を受けた計量器は構造上の基準に適合するとみなされるものの、検定時にその承認された型式に適合するかどうかの試験(型式適合性試験)を受けることが必要となっていた。(旧計量法88条2項、3項))
輸入事業者
① 特定計量器の輸入の事業を行う者(以下「輸入事業者」という。)は、その輸入する特定計量器の型式について、法76条1項の政令(施行令22条、別表4)で定める区分に従い、経済産業大臣又は日本電気計器検定所の承認を受けることができる。
② 法76条2項(2号及び4号を除く。)及び3項、法77条並びに法78条の規定は、①の承認に準用する。この場合において、法76条2項3号中「製造する工場又は事業場の名称及び所在地」とあるのは、「製造する者の氏名又は名称及び住所」と読み替えるものとする。
③ 法61条、法62条2項及び法79条1項の規定は、①の承認を受けた輸入事業者(以下「承認輸入事業者」という。)に準用する。この場合において、法61条「前条第一項」とあるのは「法77条1項」と、法62条2項中「前項」とあるのは「法81条3項において準用するほう79条1項」と読み替えるものとする。
<法81条>
①は、輸入事業者も届出製造事業者と同様に、その輸入する特定計量器の型式について、法76条1項の政令で定める区分に従い、経済産業大臣又は日本電気計器検定所の承認を受けることができる。
②は、型式承認の申請(法76条2項、3項)及び承認基準(法77条)並びに指定検定機関の試験(法78条)は①の承認に準用することを規定している。
③は、承継(法61条、法62条2項)及び変更の届出等(79条1項)は承認輸入事業者に準用することを規定している。
承認輸入事業者に係る基準適合義務
承認輸入事業者は、その承認に係る型式に属する特定計量器を販売するときは、製造技術基準に適合するものを販売しなければならない。ただし、輸出のため当該特定計量器を販売する場合において、あらかじめ、都道府県知事に届け出たときは、この限りでない。
<法82条>
承認輸入事業者は、当該計量器を販売するときには製造技術基準適合義務が課せられる。ただし書は、輸出のため販売する場合であらかじめ知事に届け出たときは、当該義務は課せられない。
承認の有効期間等
① 法76条1項及び法81条1項の承認は、特定計量器ごとに政令(施行令23条)で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
② ①の承認の更新の申請に関し必要な手続的事項は、経済産業省令(検則33条)で定める。
<法83条>
型式承認は、特定計量器ごとに政令(施行令23条)で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によってその効力を失う。この政令で定める期間については、全ての特定計量器について一律「10年」(平成9年度に5年から10年に延長)とされている。
なお、型式承認の有効期間内に付された型式承認の表示は、更新がなされず有効期間を経過し型式承
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認が失効した場合であっても、それとは関わりなく有効な表示として取り扱われる。
型式承認の有効期間は、平成5年新計量法改正において、新たに設定されたものである。これについては、技術上の基準の変更によりそれに基づいて製造できなくなった型式の整理を図る、更新を高水準の特定計量器の開発に移行する契機とすること、などから設けられたとされている。
(承認の更新)
① 法83条2項(法89条3項において準用する場合を含む。)の更新を受けようとする者は、様式10による申請書を研究所又は日本電気計器検定所に提出しなければならない。
② ①の更新の申請は、更新の時期の半年前から受け付けるものとし、様式11の交付により更新がなされたものとする。
③ 研究所又は日本電気計器検定所は、法83条(法89条3項において準用する場合を含む。)により効力を失った型式の承認に係る申請書、検則30条2項の書類、承認書の写しその他必要と認められる書類を、承認失効の日より5年間保存しなければならない。
<検則33条>
型式承認表示
① 承認製造事業者又は承認輸入事業者は、その承認に係る型式に属する特定計量器(法80条ただし書又は法82条ただし書の規定の適用を受けて製造され、又は販売されるものを除く。)を製造し、又は輸入したときは、経済産業省令(検則35条)で定めるところにより、これに表示を付することができる。
② 法50条1項の政令で定める特定計量器に付する①の表示には、その表示を付した年を表示するものとする。
③ 何人も、①(法89条4項において準用する場合を含む。)に規定する場合を除くほか、特定計量器に①の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。
<法84条>
①は、型式承認表示は省令(検則35条)に定めるところにより付すことを規定している。
②は、一定期間経過後修理が必要となる特定計量器(法50条1項の政令で定める特定計量器)には、型式承認表示を付した年を表示することを規定している。
③は、①(承認外国製造事業者(法89条4項準用)の場合を含む)に規定する場合以外では、特定計量器に①の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならないことを規定している。
(型式承認表示等)
型式承認表示及び法84条2項の型式承認表示を付した年の表示は、本体の見やすい箇所に、明りょうに次の様式1又は様式2(法84条2項の場合にあっては、様式3又は様式4)により付するものとする。この場合において、様式3又は様式4の右の数字は、型式承認表示を付した年を表すものとする。
様式1 型式承認第1号
様式2 型承1号
様式3 型式承認第1号6
様式4 型承1号6
<検則35条>
様式3及び様式4については、検定の有効期間のある「一定期間経過後修理が必要となる特定計量器」
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となる。それ以外のものは、様式1又は様式2を用いる。
検則35条に規定する型式承認表示の具体的表示方法
「新規の型式承認の表示例」
(例) 型式承認第D011号
D:特定計量器の機種別の記号
01:承認をした年を表す西暦の下2桁の数字
1:承認をした年の通し番号(1より順次増える)
「軽微変更承認の型式承認の表示例」
(例) 型式承認第D011-1号
D:特定計量器の機種別の記号
01:承認をした年を表す西暦の下2桁の数字
1:承認をした年の通し番号(1より順次増える)
―1:承認型式に追加された順を表す
特定計量器の機種別の記号
B:タクシーメーター
D:非自動はかり
E:分銅
F:おもり
G:ガラス製温度計、ベックマン温度計及びガラス製体温計
H:抵抗体温計
I:皮革面積計
L:水道メーター
M:温水メーター
N:燃料油メーター
O:液化石油ガスメーター
K:ガスメーター
P:量器用尺付タンク
R:密度浮ひょう
X:アネロイド型圧力計
Q:アネロイド型血圧計
Y:積算熱量計
W:振動レベル計
SE:ジルコニア式酸素濃度計
SB:溶液導電率式二酸化硫黄濃度計
SF:磁気式酸素濃度計
SDS:紫外線式二酸化硫黄濃度計
SDN:紫外線式窒素酸化物濃度計
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SAS:非分散型赤外線式二酸化硫黄濃度計
SAN:非分散型赤外線式窒素酸化物濃度計
SAS:非分散型赤外線式一酸化炭素濃度計
SC:化学発光式窒素酸化物濃度計
S:ガラス電極式水素イオン濃度検出器
SS:ガラス電極式水素イオン濃度指示計
Z:酒精度浮ひょう
U:浮ひょう型比重計
表示の除去
(表示の除去)
輸入事業者は、法84条1項(法89条4項において準用する場合を含む。)の規定により表示が付されている場合を除くほか、法84条1項の表示又はこれと紛らわしい表示が付されている特定計量器を輸入したときは、これを譲渡し、若しくは貸し渡し、又はこれについて検定を受ける時までにその表示を除去しなければならない。
<法85条>
省令で定められた型式承認表示以外の場合は、譲渡(貸し渡し)及び検定を受けるときまでにその表示を除去しなければならない。
(型式承認表示の除去)
検則29条の規定は、法85条の規定により型式承認表示を除去する場合に準用する。
<検則36条>
型式承認表示の除去については、「検定証印等、合番号及び装置検査証印の除去」(検則29条)の場合を準用する。
改善命令
経済産業大臣は、承認製造事業者又は承認輸入事業者が法80条又は法82条の規定に違反していると認めるときは、その者に対し、その製造し、又は輸入する特定計量器が製造技術基準に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
<法86条>
大臣は、承認製造事業者(法80条)又は承認輸入事業者(法82条)が製造技術基準適合義務に違反していると認めるときは、当該事業者に対して必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
承認の失効
承認製造事業者がその届出に係る特定計量器の製造の事業を廃止したとき、又は承認輸入事業者が特定計量器の輸入の事業を廃止したときは、その承認は効力を失う。
<法87条>
承認の取消し
経済産業大臣は、承認製造事業者又は承認輸入事業者が次の各号の一に該当するときは、その承認を取り消すことができる。
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1) 法79条1項(法81条3項において準用する場合を含む。)又は法84条3項の規定に違反したとき。
2) 法44条又は法86条の規定による命令に違反したとき。
3) 不正の手段により法76条1項又は法81条1項の承認を受けたとき。
<法88条>
1)は、承認製造事業者及び承認輸入事業者(法81条3項準用)が「変更の届出等」(法79条1項)に違反したとき、又は「型式承認表示」(法84条3項)に違反した場合は、その承認を取り消すことができることを規定している。
2)は、届出製造事業者に対する「改善命令」(法44条)又は承認製造事業者に対する「改善命令」(法86条)に違反したときは、その承認を取り消すことができることを規定している。
3)は、不正の手段により、製造型式(法76条1項)又は輸入型式(法81条1項)の承認を受けたときは、その型式を取り消すことができることを規定している。
外国製造事業者
① 外国において本邦に輸出される特定計量器の製造の事業を行う者(以下「外国製造事業者」という。)は、その特定計量器の型式について、法76条1項の政令で定める区分に従い、経済産業大臣又は日本電気計器検定所の承認を受けることができる。
② ①の承認を受けた外国製造事業者(以下「承認外国製造事業者」という。)は、その承認に係る型式に属する特定計量器で本邦に輸出されるものを製造するときは、当該特定計量器が製造技術基準に適合するようにしなければならない。
③ 法76条2項(2号及び4号を除く。)及び3項、法77条、法78条並びに法83条の規定は、①の承認に準用する。
④ 法61条、法62条2項、法79条1項、法84条1項及び3項並びに法86条から88条の規定は、承認外国製造事業者に準用する。この場合において、法61条中「前条1項」とあるのは「法89条3項において準用するほう77条1項」と、法62条2項中「前項」とあるのは「法89条4項において準用する法79条1項」と、法84条3項中「何人も」とあるのは「承認外国製造事業者は」と、「特定計量器」とあるのは「本邦に輸出される特定計量器」と、法86条中「法80条又は法82条」とあるのは「法89条2項」と、「命ずる」とあるのは「請求する」と、法88条2号中「命令に違反したとき」とあるのは「請求に応じなかったとき」と読み替えるものとする。
⑤ 経済産業大臣は、④において準用する法88条の規定によるもののほか、承認外国製造事業者が次の各号の一に該当するときは、その承認を取り消すことができる。
1) 経済産業大臣が、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、承認外国製造事業者に対し報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
2) 経済産業大臣が、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、承認外国製造事業者の工場、事業場、営業所、事務所又は倉庫において、特定計量器、帳簿、書類その他の物件について検査させ、又は関係人に質問させようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、若しくは忌避され、又はその質問に対して答弁がされず、若しくは虚偽の答弁がされたとき。
3) 2)の規定による検査において、経済産業大臣が、承認外国製造事業者に対し、その所在の場所において職員に検査させることが著しく困難であると認められる特定計量器を期限を定めて提
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出すべきことを請求した場合において、その請求に応じなかったとき。
⑥ 国は、⑤3)の規定による請求によって生じた損失を承認外国製造事業者に対し補償しなければならない。この場合において、補償すべき損失は、同号の規定による請求により通常生ずべき損失とする。
<法89条>
①は、外国製造事業者はその輸入又は製造する特定計量器の型式について、法76条1項の政令で定める区分に従い、大臣又は日電検の承認を受けることができることを規定している。
②は、承認外国製造事業者は本邦に輸出される当該特定計量器を製造するとき、製造技術基準適合義務が課せられることを規定している。
③は、「承認申請」(法76条2項(届出製造の事業区分(2号)及び届出年月日(4号)を除く))及び「検査に代わる試験」(法76条3項)、「承認基準」(法77条)、「指定検定機関の試験」(法78条)、「承認の有効期間」(法83条)は、①の承認に準用することを規定している。
④は、「承継」(法61条、法62条2項)、「変更の届出」(法79条1項)、「承認表示」(法84条1項及び3項)、「改善命令」(法86条)、「承認の失効」(法87条)、「承認の取消し」(法88条)の規定は、承認外国製造事業者に準用することを規定している。
⑤は、④で準用する法88条以外で1)~3)に該当するときは、承認を取消すことができる。1)は、政令(施行令39条3項)で定める「報告の徴収」に対し、報告せず又は虚偽の報告がされた場合である。2)は、国の職員による立入検査において、検査拒否等や虚偽の答弁がされた場合。3)は、2)の検査において特定計量器の提出を請求し、その請求に応じなかった場合である。
⑥は、⑤3)による請求によって生じた損失について、国は承認外国製造事業者に対し補償しなければならないことを規定している。
(報告の徴収)
経済産業大臣が法89条2項の承認外国製造事業者に対し同条5項1号の報告を求めることができる事項は、次のとおりとする。
1) 法89条4項において準用する法84条1項の表示を付した特定計量器の型式及び数
2) 製造技術基準(法80条の製造技術基準をいう。以下同じ。)への適合のために講じた措置及びその実施状況
<施行令39条3項>
7-2-3型式承認と国際相互承認(MAA)
OIMLとMAA
OIMLとは
OIMLとは、計量器の技術基準及び適合性評価の測定法手順の国際的な調和(加盟国の法定計量規則等の整合化)を促進し、計量器の国際貿易の円滑化を図ることを目的として、1955年に24ヶ国の参加を得てフランスのパリで締結された条約に基づく「国際法定計量機関」である。
OIML (国際法定計量機関:International Organization of Legal Metrology) は、加盟政府間にて結ばれた「OIML条約」(国際法定計量機関を設立するための条約:Convention Establishing An International Organization of Legal Metrology)の条約組織として成立した国際的な法定計量機関であり、日本は1961年に加盟し、条約加盟国(2009年4月現在の正加盟国は58カ国、準加盟国は56カ国)は総人口と経済力に応じた加盟分担金を毎年支払う義務があり、国際法定計量事務局(BIML)
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はパリに置かれている。
OIML条約に関する組織は、4年毎開催の全加盟国代表で構成する「国際法定計量会議」(OIML総会)を最高議決機関とし、その下に毎年開催の全加盟国1名で構成する「国際法定計量委員会」(CIML)が実質的な理事執行機関であり、CIMLの監督の下に「対開発途上国常任作業部会」、「技術委員会」(分野別にTC1~TC18を設置)及び「小委員会」(各TC内に課題別に設置される)、国際法定計量事務局(BIML)が置かれている。
OIMLの役割は、①法規の適用を受ける計量器の検定検査を行う国家機関及び計量器の原理、構造、使用等に関する資料並びに情報の中央機関となること、②各国の計量法規の翻訳並びに刊行、③法定計量に関する一般原則の確立、④法的計量に関する諸問題の国際的解決、⑤計量器及びその使用に関するモデル法規の作成、⑥計量器の検定及びその取り締まりを行う模範的機関の組織の具体案の作成、⑦国際的に承認され、その使用が国際的に推奨される計量器の特性及び品質の決定、⑧各国計量機関の相互理解、などとされている。
国際勧告(R)及び国際文書(D)
国際勧告 (International Recommendation)とは、計量器のモデル規則(①「計量・技術要求事項」、②「試験方法」、③「試験報告書の書式」で構成されている)である。OIMLでは、商取引、健康、安全、環境分野等で使用される計量器の国際勧告を作成し、加盟国は国際勧告を可能な限り国内法規に取り入れる道義的責任がある。
一方、国際文書(International Document)については、法定計量の共通的課題への指針を与えるもので、国内法規への採用は加盟国の裁量に任されている。(※2008年7月現在、国際勧告はR 140 、国際文書はD 28まで発行されている。)
OIML証明書制度
OIML証明書制度は、OIML加盟国が他の加盟国で発行したOIML証明書を相互に受入れ活用する仕組みとして、1991年に導入された任意の制度である。
OIML証明書制度は、OIML技術要件に適合する計量器の使用促進を目的とし、加盟国は国の型式検査での重複を防ぐ(ワンストップテスティング)ため、活用が奨励されている。製造事業者や輸出入事業者にとっては、計量器の輸出入時の行政的な手続及び試験に要する費用の軽減に役立っている。(※2008年7月現在、49種類の計量器の国際勧告がこの制度の適用を受けている。)
OIML型式承認
OIML型式承認申請は、加盟国が指定したOIML証明書発行機関(日本はNMIJ-AIST)で受け付けている。この発行機関は、ISO/IECガイド65等の製品認証に関わる要求事項を満たす必要がある。
試験は、発行機関が指定した試験機関で行われ、試験機関はISO/IEC 17025等の試験機関に求められる要求事項を満たす必要がある。
発行機関は、試験機関から届いた試験報告書を評価し、計量器の型式がOIML国際勧告の要求事項に適合していることを証明する「OIML証明書」及び「試験報告書」を申請者に発行する。
発行した証明書は、OIML中央事務局に送付し登録申請を行い、事務局は証明書の内容を確認した後、OIML証明書のデータベースに登録し、OIMLのホームページ(http://www.oiml.org/certificates/)で公開している。(※具体的には、OIML国際勧告が対象とする計量器について、製造事業者が発行機関
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(産総研)にOIML証明書の発行を申請し、その適合証明書を加盟国の法定計量機関に提出する。)
OIML適合証明書
OIML適合証明書の所有者は、記載されている同一型式の計量器の型式承認を外国で申請する際に、その証明書を添付することができる。国によっては、試験報告書の提出が求められることもある。
2008年7月現在、 産総研では、R60「ロードセル」、R76「非自動はかり」、R115「最高温度保持機能付体温計」及びR117 &R118「燃料油メーター」のOIML証明書発行機関となっている。
OIML-MAA
「型式評価国際相互受入れ取決めの枠組み」(MAA:Mutual Acceptance Arrangement)とは、法定計量分野における計量機器の型式承認手続きに関し、国際法定計量機関(OIML)加盟各国の型式承認試験機関が測定した試験データを相互に受入ることを可能とするため、国際相互承認の手続を定めたものである。
MAAは、OIML証明書制度を基礎とし発展させたものであり、参加国間の試験能力に関する相互信頼の仕組みとして、参加国間でのワンストップテスティングを実現するため、第38回国際法定計量委員会(CIML)会議(2003年11月)で承認された。
加盟国の参加機関(OIML証明書発行機関、国の型式承認機関、計量器の販売を許認可する国家担当機関)は、MAA文書に基づき、OIML証明書制度が適用される計量器毎に表明される「相互信頼宣言書」(DoMC)に署名する。MAA参加国は、DoMCへの参加形態に関わらず、他の参加国が発行したOIML MAA型式評価報告書及びOIML MAA証明書を受け入れる道義的責任がある。
DoMCへの参加形態には、OIML MAA証明書を発行するかどうかで、発行型と受入型の2種類に分かれる。発行型を選択する場合は、OIML 証明書発行機関が指定する試験機関の試験能力を、国際的に認知された方法(ISO/IEC 17025に基づく「ILACのMRAに参加している認定機関による認定」又は「OIMLピアアセスメント」)により実証する必要がある。受入型を選択する場合は、OIML事務局に書面で連絡すれば、随時、資格審査受けることなく参加することができる。(※産総研は、R60及びR76のDoMCに発行型として参加し、この2機種については従来型のOIML証明書ではなく、OIML MAA証明書を発行している。)
また、それぞれのDoMCには、DoMC参加国の代表で構成する「参加資格審査委員会」(CPR)が設けられている。CPRは、発行型の参加を希望する機関の能力審査と参加の決定を行うとともに、その後の参加機関の能力維持と活動を監視するという重要な役割を担っている。
「MAAに基づくDoMC」と「OIML証明書制度」の関係
DoMCに署名した発行機関は、署名以前に受理したOIML証明書発行申請書の場合を除き、「OIML-MAA証明書」と「OIML-MAA型式評価報告書」(試験報告書を含む)をDoMCの特別な条件の下で発行する。(DoMCの下で発行するOIML-MAA証明書とOIML-MAA型式評価報告書(試験報告書を含む)には、特別なOIMLロゴを付けられる。)
DoMCの締結後、DoMCに参加しない発行機関がOIML証明書制度の下で当該種類の計量器のOIML証明書を継続して発行できる期間(移行期間)をCIML会議で定められる。(※BIMLへの証明書登録料(2008年現在)は、OIML-MAA証明書が530ユーロ、従来型のOIML証明書が159ユーロとなっている。)
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計量法型式承認における国際相互承認
型式承認における国際相互承認は、計量器の国際貿易における技術障壁の緩和を図ることを目的とした「型式評価国際相互受入れ取決めの枠組み」(MAA)に基づき、「OIML適合証明書」の試験データにより、当該二国間で相互受け入れ合意(MoU:Memorandum of Understanding)されるものである。
MAAの具体的運用は、計量器の種類毎に申請国の試験認証機関が参加資格審査委員会による所定の資格審査を受け、相互信頼宣言(DoMC: Declaration of Mutual Confidence)の締結(署名)により、他国の試験成績書(OIML適合証明書+試験報告書)の受け入れと国内での活用の義務が発生する。
わが国については、2008年現在、「非自動はかり」(オランダ(NMi)、ドイツ(PTB)、韓国(KATS))、「燃料油メーター」(オランダ(NMi))の2機種について参加を表明し、2機種以外の計量器(水道メーター等)についても、順次対象が拡大される予定とのことである。
なお、国際相互承認された型式承認の計量法上の具体的な手続きとしては、外国製造事業者による型式承認申請の際、外国の試験機関(経済産業大臣が指定)の適合書面の提出を受け、型式承認を行うこととなる。
7-3指定製造事業者
7-3-1指定製造事業者制度とは
指定製造事業者制度とは、優れた品質管理能力を有する製造事業者に対して経済産業大臣が(事業の区分に従い工場又は事業場ごとに)指定を行い、指定を受けた特定計量器(型式承認を受けたものに限る)については、省令で定める技術基準に基づく自主検査を行うことで、検定に代えることができるようにする制度である。
検定制度においては、特定計量器の構造の複雑化や技術の高度化等に対応し、型式承認制度が導入されている。型式承認を受けた特定計量器は、原則として、その構造が検定に必要な技術上の基準を満たすものと見なされるが、器差については一個一個の全数検定が義務付けられている。
全数検定は、一定の品質管理能力の高い製造事業者にとっては過剰な負担となり、品質管理能力向上への意欲をそぐおそれがあったことや、行政にとっても検定労力の負担があった。指定製造事業者制度は、指定する製造事業者に検定証印と同じ法的効果を有する一定の表示(基準適合証印)を付すことを認めることで、検定制度の効率的運用を図ることを目的としている。
この制度は、平成5年新計量法改正によって導入されたものであるが、型式承認における構造基準の見なし検定と同様の方式を拡大したものとも言える。(※平成3年審議会答申では、「検定制度の見直し」について「一定の製造能力・品質管理能力の保有、検査記録の保存義務等の要件を満たした特定の事業者で製造された計量器については、技術基準に適合する旨の表示を附することにより、検定に代えることができるものとすることが適当である。その際、対象となる事業所の要件については、品質保証のための一連の規格であり世界各国で採用されているISO9000シリーズの活用を検討していくことが適当である。」という指摘がされていた。)
7-3-2指定製造事業者制度の特徴(新しい考え方)
(1) 一定の製造能力と品質管理能力が指定要件
指定製造事業者となるには、「一定の製造能力」と「一定の品質管理能力」を有していることが条件
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となる。
一定の製造能力とは、総合組み立てや最終調整を実施していること、そのための経営資源(設備、人員等)を確保していることであり、具体的には組織として特定計量器を製造するための工程がなければならない。従って、製造工程のない輸入事業者は指定を受けることができない。
一定の品質管理能力については、ISO9000(9002)の手法を活用している。具体的には、「指定の基準」の「省令で定める品質管理の方法」として、省令(77号)別表(全20項目)が定められ、更に個々の特定計量器について「大臣が別に定める細目」(4項目)が規定されている。
なお、ISO9000の手法を活用することとしたのは、ISOが一定の品質管理(例えば、責任者の職務の明確化、作業手順等の文書化など)を行っていることを保証する規格であり、検定合格率が一定水準維持される蓋然性が高いためとされている。(※現状は、指定製造事業者のほとんどがISO9001の認証企業となっている。)
(2) 品質管理の国際規格である「ISO9002:1987」(細目は日本工業規格(JIS)を参照)を採用
指定製造事業者制度における要求事項は、ISO9002:1987を参照して作成されている。(※当規格の最新版(ISO9001:2000)とは版が異なる。)そして、指定製造事業者制度は、国等が行う検定を免除する制度であるため、事業者の指定にあたっては当該特定計量器の正確性が担保される措置がとられている。
具体的には、検定の合格条件を品質管理面で担保するため、「指定の基準」(省令別表、細目)の中に「完成品検査」という項目(ISO9000には無い部分)を特に設け、製品規格面での要求事項に合致するよう対応させている。
また、細目では、特定計量器毎に「材料・部品等の購買」、「工程管理」、「完成品管理」、「製造設備及び検査設備」について示され、特定計量器ごとに定められた技術的事項を含む要求事項が規定されている。「完成品管理」項目の中では、検則に基づく自主検査の項目と方法が述べられている他、基準適合義務を証明するための試験項目及び方法が規定されている。(※なお、近年では、検則のJIS化が進み、従来検則に規定されていたことがJISへ移行したものもある。)
(3) 指定製造事業者としての一定の義務規定を担保
指定製造事業者の指定を受けた者には、一定の義務として「基準適合義務」及び「検査義務、検査記録作成、保存義務」等が課せられる。
なお、指定製造事業者の指定に係る特定計量器については、型式承認を受けていることが前提であるため、型式承認を受けた者としての「製造技術基準適合義務」(法80条)が課せられ、更に型式承認を受けた特定計量器が検定の際に検査される項目(器差、一部性能)について検定を免除する代わりとして、「基準適合義務」(法95条)が課せられることになる。
「検査義務、検査記録、保存義務」については、不合格品の適切な処置の確認、行政の立入検査における資料となるものであり、検定に代わる自主検査の公正性を担保するためのものでもある。
また、この他の指定製造事業者の義務としては、基準適合証印の管理や自主検査員の育成なども要求されることとなる。
(4) 指定(検査方法)は、従来の勧告(指導)型から事実を客観的に捉える「審査」型を採用
指定製造事業者制度では、従来は事業者に対して勧告(指導)の形で改善が行われていたが、本制度では事実を客観的に捉える審査という形で改善措置等が行われる。
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[次ページに続く]計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(17) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量制度の概要(METI/経済産業省)
計量法における単位規制の概要
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の届出について
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の承認について
計量法における計量器の規制の概要
特定計量器に関する規制の概要
家庭用特定計量器(体重計・調理用はかり)に関する規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要(特定商品(食品など)の量目公差・内容量表記など)
特殊容器(丸正びん)制度
計量証明の事業
計量標準
法定計量における国際整合化の推進(国際法定計量機関)
普及啓発(計量記念日)
2026-03-28-no16-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-