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計量士(国家試験・資格認定・登録)
Qualified person (national examination, qualification qualification, registration)
計量士(国家試験・資格認定・登録)
ここで紹介している計量法の説明資料は2021年3月13日時点のものです。変更があることをご考慮下さい。
資料は産業技術環境局 計量行政室を元にしております。正確を期す場合には計量法本法と関連規則を照合して下さい。
計量計測データバンク 編集部

計量士(国家試験・資格認定・登録)

(タイトル)
計量士(国家試験・資格認定・登録)
ここで紹介している計量法の説明資料は2021年3月13日時点のものです。変更があることをご考慮下さい。資料は産業技術環境局 計量行政室を元にしております。正確を期す場合には計量法本法と関連規則を照合して下さい。(計量計測データバンク編集部)

計量士(国家試験・資格認定・登録)

計量士関係

計量士とは

計量士とは、計量に関する専門の知識・技術を有する者に対して一定の資格を与え、一定分野の職務を分担させることにより、計量器の自主的管理を推進し、適正な計量の実施を確保することを目的としているものです。

計量士の主な職務

計量士は、計量管理を職務とする者です。計量管理とは計量法第109条において「計量器の整備、計量の正確の保持、計量の方法の改善その他適正な計量の実施を確保するために必要な措置を講ずること」と定められており、計量士は主に適正計量管理事業所※1及び計量証明事業所※2において計量管理等を行っています。また、計量管理業務のほかに、計量士は都道府県知事・特定市町村長が行う定期検査※3等を代わりに実施することができます。

<活動内容の例>

一般計量士 生産工場や百貨店・スーパーマーケットで使用される長さ計や質量計、体積計、温度計等の計量器の精度管理や測定計画の策定、実施等の計量管理

環境計量士(濃度関係)  工場から排出されるばい煙、排水や環境(大気・水域)及び工場跡地等土壌の中の有害物質、悪臭物質等の測定及び計量管理

環境計量士(騒音・振動関係) プレス、送風機等の騒音源を有する工場や建設工事、道路(自動車)、鉄道、航空機の騒音の測定及び計量管理
計量士の資格取得方法について
計量士の資格は、環境計量士(濃度関係)、環境計量士(騒音・振動関係)及び一般計量士 の3区分に分かれております。
それぞれの資格を取得する方法は、2つの方法があり、国家試験コース(計量士国家試験に合格し、かつ実務経験その他の条件を満たし登録)と資格認定コース(国立研究開発法人産業技術総合研究所の教習の課程を修了し、実務経験などの所定の条件を満たして計量行政審議会が認め、登録)があります。

目次

計量士の登録者等

計量士の資格取得方法

登録申請等各申請

よくある質問Q&A

計量士の登録者数

計量士は以下の3区分に分かれています。

環境計量士(濃度関係)
環境計量士(騒音・振動関係)
一般計量士

計量士の登録者数(累積) 令和3年2月末

環境計量士(濃度関係):約11,600人
環境計量士(騒音・振動関係):約3,410人
 (旧 環境計量)※:約7,000人

※平成5年法改正前の区分(「濃度関係」、「騒音・振動関係」に分割以前)の登録者数

一般計量士:約14,640人

計量士の資格取得方法

計量士になるためには、次のコースに応じた条件に適合し、経済産業大臣の登録を受けなければなりません。

1.【国家試験コース】概略図(PDF:52KB)PDFファイル

計量士国家試験に合格し、かつ、登録する計量士の区分に応じて経済産業省令に定める実務の経験その他の条件に適合する者

<参照規則、基準>

経済産業省令(計量法施行規則)外部リンク
登録の実務基準(計量法施行規則第51条第4項及び第54条第3項の規定に基づき経済産業大臣が別に定める基準等について(経済産業省告示第63号))

<計量士国家試験>

試験案内、過去の試験の正解番号、試験結果に関するお知らせ(資格・試験のページ)
第71回計量士国家試験(令和2年12月13日実施)(New!)
過去の計量士国家試験問題
計量士国家試験データ(受験者数・合格率等(PDF形式:61KB)PDFファイル

2.【資格認定コース】概略図(PDF形式:62KB)PDFファイル

国立研究開発法人産業技術総合研究所計量研修センター 外部リンクが実施する教習の課程を修了し、かつ、登録する計量士の区分に応じて経済産業省令に定める条件に適合する者であって、計量行政審議会が認めた者

<参照規則、基準>

経済産業省令(計量法施行規則)
登録の実務基準(計量士資格認定に係る実務の基準等について(計量行政審議会))

【教習についての問い合わせ先】国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター 計量研修センター 電話 029-861-2422/FAX 029-861-2423

登録申請等各申請

計量士の登録申請等に際しては、事前に都道府県計量行政機関(計量検定所等)に相談するようにして下さい。また、郵送の場合は必ず日中に連絡のつく電話番号(携帯番号)又はメールアドレスを記載したメモを同封して下さい。


申請内容
1.計量士の登録
(登録免許税:3万円 / 件 )

申請書類
申請書(様式66)(PDF形式:3KB)PDFファイル
申請書(様式66)の別紙様式(PDF形式:232KB)PDFファイル
【記載例(PDF形式:375KB)】PDFファイル

計量士国家試験合格者にあっては、
・計量士国家試験合格証書の写し及び
・計量法施行規則第51条の登録の条件に適合することを証する書面
*(参考)実務の証明書(様式66の2)【様式記載例(PDF形式:218KB)】PDFファイル
計量士資格認定者にあっては
・計量士資格認定書の写し

申請先
住所又は勤務地を管轄する都道府県の知事
(申請者の現住所又は勤務先の所在地を管轄する都道府県の計量検定所等に申請)

申請内容
2.計量士登録証の訂正
(手数料:2千円 / 件)

申請書類
申請書(様式)67(PDF形式:2KB)PDFファイル
計量士登録証原本
訂正の根拠が確認できる証明書又はその写し

申請先
住所又は勤務地を管轄する都道府県の知事
(申請者の現住所又は勤務先の所在地を管轄する都道府県の計量検定所等に申請)

申請内容
3.計量士登録証の再交付
(手数料:2千円 / 件)

申請書類
失ったときは紛失理由書(様式自由:例(PDF形式:51KB)PDFファイル)
破損や汚損等した場合は登録証原本

申請先
住所又は勤務地を管轄する都道府県の知事
(申請者の現住所又は勤務先の所在地を管轄する都道府県の計量検定所等に申請)

申請内容
4.計量士登録簿の交付・閲覧
(手数料:
【交付】650円 / 枚
【閲覧】380円 / 回)

申請書類
申請書(様式)69(PDF形式:4KB)

申請先
経済産業大臣(計量行政室へ申請書を送付)

申請内容
5.計量士国家試験合格証の再交付

申請書類
申請書(様式)71(PDF形式:4KB)PDFファイル
合格番号等が不明な場合は、申請者本人だと確認できる身分証等の写し
【記載例(PDF形式:110KB)】PDFファイル

申請先
経済産業大臣(計量行政室へ申請書を送付) ※合格証は、計量士の登録申請、計量士国家試験の科目免除申請、の際に必要となります。大切に保管ください。

申請内容
6.計量士の資格認定

申請書類
【環境計量士(濃度関係、騒音・振動関係)の場合】
申請書(様式)64(PDF形式:109KB)PDFファイル
・一般計量教習修了証書写し
計量法施行規則第51条第2項の条件に該当する旨示した書面
【一般計量士の場合】
・申請書(様式)64(PDF形式:109KB)PDFファイル
・一般計量教習修了証書写し
・一般計量特別教習修了証書の写し
計量法施行規則第51条第2項の条件に該当する旨示した書面
*(参考)実務の証明書(様式1)【記載例((PDF形式:210KB)】PDFファイル

申請先
住所又は勤務地を管轄する都道府県の知事(申請者の現住所又は勤務先の所在地を管轄する都道府県の計量検定所等に申請)

申請内容
7.計量士資格認定証の再交付

申請書類
申請書(様式)65(PDF形式:2KB)PDFファイル (紛失理由は具体的に記載して下さい)

申請先
住所又は勤務地を管轄する都道府県の知事(申請者の現住所又は勤務先の所在地を管轄する都道府県の計量検定所等に申請)※認定証は、計量士の登録申請の際に必要となります。

よくある質問Q&A

1.計量士国家試験は受験資格はあるのですか。
環境計量士(濃度関係)、環境計量士(騒音・振動関係)、一般計量士のいずれも学歴、年齢の制限はありません。

2.計量士国家試験合格の有効期限はありますか。
合格の有効期限はありません。(なお、旧法での計量士国家試験合格者は現行法でも有効です。)

3.【国家試験コース】計量士国家試験に合格したら計量士になれるのですか。
計量士国家試験に合格しただけでは計量士にはなれません。計量士登録を受けることが必要です。登録を受けようとする計量士の区分に係る計量士国家試験に合格し、かつ、当該計量士の区分に応じて法令で定められたいずれかの条件を満たさなければなりません(Q4参照)。なお、計量法第124条により、計量士でない者は、計量士の名称を用いることは出来ません。

4.計量士国家試験合格者の計量士の登録のための条件とは何ですか。(計量法施行規則第51条第1項参照)
① 環境計量士(濃度関係)
・ 濃度に係る計量に関する実務に一年以上従事していること。(Q5実務の経験を参照)
・ 計量法施行規則第119条第5号で定める環境計量講習(濃度関係)を修了していること。
・ 薬剤師の免許を受けていること。
・ 職業訓練指導員免許(免許職種が化学分析科である者に限る。)を受けていること。
・ 職業能力開発校(訓練科が化学系化学分析科である者に限る。)を修了していること。
・ 技能検定のうち、検定職種を化学分析(等級の区分が一級又は二級のものに限る。)又は産業洗浄(実技試験の科目を化学洗浄作業とするものに限る。)とするものに合格していること。
・ 技術士(衛生工学部門に係る登録を受けている者に限る。)の登録を受けていること。
② 環境計量士(騒音・振動関係)
・ 音圧レベル及び振動加速度レベルに係る計量に関する実務に一年以上従事していること。(Q5実務の経験を参照)
・ 計量法施行規則第119条第6号で定める環境計量講習(騒音・振動関係)を修了していること。
・ 職業訓練指導員免許(免許職種が公害検査科であるものに限る。) を受けていること。
・ 職業能力開発校(訓練科が化学系公害検査科であるものに限る。) を修了していること。
・ 技術士(物理及び化学を選択科目とする応用理学部門に係る本試験に合格した者に限る。) の登録を受けていること。
③ 一般計量士
・ 計量に関する実務に一年以上従事していること。(Q5実務の経験を参照)

5.計量士国家試験合格者の計量士に必要な実務の経験とはどのようなものでしょうか。
具体的な内容については、「計量法施行規則第51条第4項及び第54条第3項の規定に基づき経済産業大臣が別に定める基準等について」(通商産業省告示第151号)に規定されています。

6.計量士国家試験を受ける時点では、計量士登録の条件である実務の経験等がないのですが。
計量士国家試験は受験可能です。計量士の登録をする場合は、計量士登録申請の時点で法令で定められた条件を満たしていることが必要です。

7.計量士国家試験合格者の実務の経験に代わる環境計量講習とは何でしょうか。
計量士国家試験(環境計量士(濃度関係)又は環境計量士(騒音・振動関係))に合格した方は、計量法第122条第2項第1号(登録)を行うための条件を満たすために、環境計量講習を受講することができます。(計量法施行規則第51条第1項第1号ロ又は同項第2号ロ)。
(注意:環境計量士の登録条件については、計量法施行規則第51条第1項の第1号又は2号に掲げられる他の条件のいずれかを満たしている場合でも登録ができます。)
環境計量講習は、国立研究開発法人産業技術総合研究所計量研修センター において、実施されるので、講習の申し込み、詳細については研修センターにお問い合わせ下さい。
【環境計量講習についての問い合わせ先】国立研究開発法人 産業技術総合研究所
計量標準普及センター 計量研修センター 電話 029-861-2422/FAX 029-861-2423

8.環境計量講習を修了したのですが、有効期限はありますか。
修了証書の有効期限はありません。(なお、旧法での修了者は現行法でも有効です。)
(修了証書は大切に保管してください。)

9.【資格認定コース】計量士の資格認定のための条件とは何ですか。(計量法施行規則第51条第2項参照)
計量士の区分に応じて次のいずれかの条件に該当しなければなりません。
①環境計量士(濃度関係)
濃度に係る計量に関する実務に二年以上従事(Q10実務の経験を参照)し、かつ、次のいずれかに該当すること。
イ 第百十九条第三号に規定する環境計量特別教習(濃度関係)を修了していること。
ロ 薬剤師の免許を受けていること。
ハ 職業訓練指導員免許(免許職種が化学分析科であるものに限る。)を受けていること。
ニ 職業能力開発校(訓練科が化学系化学分析科であるものに限る。)を修了していること。
ホ 技能検定のうち、検定職種を化学分析(等級の区分が一級又は二級のものに限る。)又は産業洗浄(実技試験の科目を化学洗浄作業とするものに限る。)とするものに合格していること。
②環境計量士(騒音・振動関係)
音圧レベル及び振動加速度レベルに係る計量に関する実務に二年以上従事(Q10実務の経験を参照)し、かつ、次のいずれかに該当すること。
イ 第百十九条第四号に規定する環境計量特別教習(騒音・振動関係)を修了していること。
ロ 職業訓練指導員免許(免許職種が公害検査科であるものに限る。)を受けていること。
ハ 職業能力開発校(訓練科が化学系公害検査科であるものに限る。)を修了していること。
③一般計量士
計量に関する実務に五年以上従事(Q10実務の経験を参照)していること。

10.計量士の資格認定に必要な実務の経験とはどのようなものでしょうか。
具体的な内容については、「計量士資格認定に係る実務の基準等について」(平成十三年七月三十日計量行政審議会)に規定されています。

11.計量士がいる事業所等ではとどのようなメリットがあるのでしょうか。
計量士は計量法で定められた下記職務を行うことができます。
・定期検査に代わる計量士による検査(計量法第25条)
・計量証明検査に代わる計量士による検査(計量法第120条)
・計量証明事業における計量管理(計量法第108条)
・適正計量管理事業所における計量管理(計量法第127条~第129条)

12.定期検査に代わる計量士による検査(計量法第25条)に使用する設備は、計量士が保有しなければならないのでしょうか。
計量士が代検査に使用する分銅は、当該計量士が他の者と代検査その他に共用している基準器又は他の者から借り受ける契約を締結している基準器であっても差し支えありません。この場合、その基準器は当該計量士が必要とするときは専用に供することができるものであることとします。また、実用基準分銅についても、同様です。

お問合せ先
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電話によるお問合せ
産業技術環境局 計量行政室
電話:03-3501-1688(直通) FAX:03-3501-7851
受付時間:9時30分~12時00分 13時00分~17時00分(平日のみ)

計量業務のハンドブックとしての「計量制度の概要」の利便
 計量とは計ることですが計ることは社会行為を含みます。計量を世の中の仕組みとして統括しているのが規制法としての計量法です。質量の単位表記はkgとすることが決まっております。キログラムをKGやKgと表記するのは誤りです。ことに取引や証明にかかる分野ではkgと表記することが義務づけられております。キログラムをKGと表記した取引でこのKGはキログラムの意味ではないとして相手を騙そうとする手口に使われることがありますから質量の表記にはkgを用いることを知ってこの表記を習慣つけるように訓練することが大事です。ここで記載している「計量制度の概要」とその内容は計量業務に従事する人にとって何時でも取り出せる手引き書であります。技術としての計量や計測の理解とあわせて利用されることが期待されます。(計量計測データバンク編集部)


(計量計測データバンク 編集部)
日本の計量法を知る(目次)
計量法における単位規制の概要
計量法における計量器の規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要
日本の計量法が定める特殊容器制度
日本の計量法における計量証明制度
日本の計量法と計量標準制度
日本の法定計量における国際整合化の推進
日本の計量の普及啓発(計量記念日)


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日本の計量法を知る(目次)
計量法における単位規制の概要
計量法における計量器の規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要
日本の計量法が定める特殊容器制度
日本の計量法における計量証明制度
日本の計量法と計量標準制度
日本の法定計量における国際整合化の推進
日本の計量の普及啓発(計量記念日)


日本の計量法を知る(目次)

日本の計量法を知る(目次)
計量法における単位規制の概要
計量法における計量器の規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要
日本の計量法が定める特殊容器制度
日本の計量法における計量証明制度
日本の計量法と計量標準制度
日本の法定計量における国際整合化の推進
日本の計量の普及啓発(計量記念日)

【計量制度に関連する資料】

SIの定義

国際単位系の定義は以下である。

 国際単位系(SI)は
基底状態にある摂動を受けないセシウム133原子の超微細遷移の振動数 ΔνCsが 9192631770 Hz
真空における光速度 c が 299792458 m/s
プランク定数 h が 6.62607015×10−34 J s
電気素量 e が 1.602176634×10−19 C
ボルツマン定数 k が 1.380649×10−23 J/K
アボガドロ定数 NA が 6.02214076×1023 mol−1
周波数 540×1012 Hz の単色光の発光効率 Kcd が 683 lm/W
である単位系である。

 ここで、ヘルツ(記号: Hz)、ジュール(記号: J)、クーロン(記号: C)、ルーメン(記号: lm)、ワット(記号: W)は、それぞれ秒(記号: s)、メートル(記号: m)、キログラム(記号: kg)、アンペア(記号: A)、ケルビン(記号: K)、モル(記号: mol)、カンデラ(記号: cd)と、 Hz = s−1、J = kg m2 s−2、C = A s、lm = cd m2 m−2 = cd sr、W = kg m2 s−3 で関係付けられている。 7つの定義定数の数値には不確かさはない。この定義ではそれぞれの定数の値を対応するSI単位で表現したときの厳密な数値を定めている。 定数の値は数値と単位の積であるため、厳密な数値を固定することによって単位を定めることができる。 7つの定数はすべてのSI単位がこれらの積と比によって表すことができるように選ばれている。

 この定義ではそれぞれの定数の値を対応するSI単位で表現したときの厳密な数値を定めている。 定数の値は数値と単位の積であるため、厳密な数値を固定することによって単位を定めることができる。7つの定数はすべてのSI単位がこれらの積と比によって表すことができるように選ばれている。

SIの七つの定義定数とそれらによって定義される七つの単位

定義定数 記号 数値 単位
セシウムの超微細遷移周波数 ΔνCs 9192631770 Hz
真空中の光の速さ c 299792458 m s−1
プランク定数 h 6.62607015×10−34 J s
電気素量 e 1.602176634×10−19 C
ボルツマン定数 k 1.380649×10−23 J K−1
アボガドロ定数 NA 6.02214076×1023 mol−1
視感効果度 Kcd 683 lm W−1


SI単位
 現行のSIでは、7つの定義定数の数値を固定することでSIを定義しており、すべてのSI単位が定義定数から直接に構成されるため、基本単位と組立単位の区別の必要性がない。しかし基本単位と組立単位の考え方は便利であり、定着しているため現行のSIでも維持されている。

SI 基本単位
 詳細は「SI基本単位の再定義 (2019年)」を参照。7つの定義定数の数値の固定によるSIの定義では、SI基本単位の定義は定義定数を用いて導き出される。SI基本単位は秒 s、メートル m、キログラム kg、アンペア A、ケルビン K、モル mol、カンデラ cd であり[注 1]、対応する基本量はそれぞれ時間、長さ、質量、電流、熱力学温度、物質量、光度である。この7つの基本単位のうち、キログラム kg、アンペア A、ケルビン K、モル mol の4つについては2018年11月16日の国際度量衡総会(CGPM)においてその定義が根本的に改定された。残りの秒 s、メートル m、カンデラ cd については定義は本質的にはこれまでと同じであるが、表現が改められた[6]。基本単位の新しい定義は、2019年5月20日に発効された。

SI基本単位の量、名称、記号とその定義

基本単位 定義
名称 記号
時間 (second) s 秒(記号は s)は、時間のSI単位であり、セシウム周波数ΔνCs、すなわち、セシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位 Hz(s−1 に等しい)で表したときに、その数値を9192631770 と定めることによって定義される。
長さ メートル(metre) m メートル(記号は m)は長さの SI 単位であり、真空中の光の速さ c を単位 m s−1 で表したときに、その数値を 299792458 と定めることによって定義される。ここで、はセシウム周波数 ΔνCs によって定義される。
質量 キログラム(kilogram) kg キログラム(記号は kg)は質量の SI 単位であり、プランク定数 h を単位 J s (kg m2 s−1 に等しい)で表したときに、その数値を 6.62607015×10−34と定めることによって定義される。ここで、メートルおよび秒は c およびΔνCs に関連して定義される。
電流 アンペア(ampere) A アンペア(記号はA)は電流の SI 単位であり、電気素量 eを単位 C (A s に等しい)で表したときに、その数値を1.602176634×10−19と定めることによって定義される。ここで、秒は ΔνCs によって定義される。
熱力学温度 ケルビン(kelvin) K ケルビン(記号は K)は、熱力学温度の SI 単位であり、ボルツマン定数 k を単位 J K−1(kg m2 s−2 K−1 に等しい)で表したときに、その数値を1.380649×10−23と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は hc および ΔνCs に関連して定義される。
物質量 モル(mole) mol モル(記号は mol)は、物質量のSI単位であり、1モルには、厳密に6.02214076×1023 の要素粒子が含まれる。この数は、アボガドロ定数 NA を単位 mol−1で表したときの数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。

系の物質量(記号は n)は、特定された要素粒子の数の尺度である。要素粒子は、原子、分子、イオン、電子、その他の粒子、あるいは、粒子の集合体のいずれであってもよい。

光度 カンデラ(Candela) cd カンデラ(記号は cd)は、所定の方向における光度の SI 単位であり、周波数 540×1012 Hz の単色放射の視感効果度 Kcd を単位 lm W−1(cd sr W−1 あるいは cd sr kg−1 m−2 s3 に等しい)で表したときに、その数値を 683 と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は hc およびΔνCs に関連して定義される。


量 基本単位 名称 記号 定義

時間 秒(second) s
 秒(記号は s)は、時間のSI単位であり、セシウム周波数ΔνCs、すなわち、セシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位 Hz(s−1 に等しい)で表したときに、その数値を9192631770 と定めることによって定義される。

長さ メートル(metre) m
  メートル(記号は m)は長さの SI 単位であり、真空中の光の速さ c を単位 m s−1 で表したときに、その数値を 299792458 と定めることによって定義される。ここで、秒はセシウム周波数 ΔνCs によって定義される。

質量 キログラム(kilogram) kg
  キログラム(記号は kg)は質量の SI 単位であり、プランク定数 h を単位 J s (kg m2 s−1 に等しい)で表したときに、その数値を 6.62607015×10−34と定めることによって定義される。ここで、メートルおよび秒は c およびΔνCs に関連して定義される。

電流 アンペア(ampere) A
  アンペア(記号はA)は電流の SI 単位であり、電気素量 eを単位 C (A s に等しい)で表したときに、その数値を1.602176634×10−19と定めることによって定義される。ここで、秒は ΔνCs によって定義される。

力学温度 ケルビン(kelvin) K
  ケルビン(記号は K)は、熱力学温度の SI 単位であり、ボルツマン定数 k を単位 J K−1(kg m2 s−2 K−1 に等しい)で表したときに、その数値を1.380649×10−23と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は h、c および ΔνCs に関連して定義される。

物質量 モル(mole) mol
  モル(記号は mol)は、物質量のSI単位であり、1モルには、厳密に6.02214076×1023 の要素粒子が含まれる。この数は、アボガドロ定数 NA を単位 mol−1で表したときの数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。系の物質量(記号は n)は、特定された要素粒子の数の尺度である。要素粒子は、原子、分子、イオン、電子、その他の粒子、あるいは、粒子の集合体のいずれであってもよい。

光度 カンデラ(Candela) cd
  カンデラ(記号は cd)は、所定の方向における光度の SI 単位であり、周波数 540×1012 Hz の単色放射の視感効果度 Kcd を単位 lm W−1(cd sr W−1 あるいは cd sr kg−1 m−2 s3 に等しい)で表したときに、その数値を 683 と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は h、c およびΔνCs に関連して定義される。

 上の表の中には、単位の定義の中に別の単位を用いているものがある。例えば、メートルの定義には秒の定義が前提とされている。単位の定義に求められるのは何より実用性、すなわち現在の社会生活に必要かつ十分な精度を持ち、定義値が容易に実現できることである。このため、定義の独立性は意味を持たない。なお、基本量の次元の記号には、サンセリフ立体を用いる。

次元と記号
次元 長さ 質量 時間 温度 物質量 電流 光度
記号   L   M   T   Θ    N     I    J

SI 組立単位

 詳細は「SI組立単位」を参照。組立単位は基本単位の冪の積で定義される。このうち特に比例係数が1である組立単位を一貫性のある組立単位と言う。SIにおいて、一貫性のある組立単位の一部には、固有の名称とその記号が与えられている。

SI 接頭辞

 詳細は「SI接頭辞」を参照。SI接頭辞は、SI単位の10進の倍量単位・分量単位を作るための接頭辞である。

SI接頭辞

接頭辞 記号 1000m 10n 十進数表記 漢数字表記 short scale 制定年
ヨタ (yotta) Y 10008 1024 1 000 000 000 000 000 000 000 000 一𥝱 septillion 1991年
ゼタ (zetta) Z 10007 1021 1 000 000 000 000 000 000 000 十垓 sextillion 1991年
エクサ (exa) E 10006 1018 1 000 000 000 000 000 000 百京 quintillion 1975年
ペタ (peta) P 10005 1015 1 000 000 000 000 000 千兆 quadrillion 1975年
テラ (tera) T 10004 1012 1 000 000 000 000 一兆 trillion 1960年
ギガ (giga) G 10003 109 1 000 000 000 十億 billion 1960年
メガ (mega) M 10002 106 1 000 000 百万 million 1960年
キロ (kilo) k 10001 103 1 000 thousand 1960年
ヘクト (hecto) h 102 100 hundred 1960年
デカ (deca) da 101 10 ten 1960年
10000 100 1 one
デシ (deci) d 10−1 0.1 一分 tenth 1960年
センチ (centi) c 10−2 0.01 一厘 hundredth 1960年
ミリ (milli) m 1000−1 10−3 0.001 一毛 thousandth 1960年
マイクロ (micro) µ 1000−2 10−6 0.000 001 一微 millionth 1960年
ナノ (nano) n 1000−3 10−9 0.000 000 001 一塵 billionth 1960年
ピコ (pico) p 1000−4 10−12 0.000 000 000 001 一漠 trillionth 1960年
フェムト (femto) f 1000−5 10−15 0.000 000 000 000 001 一須臾 quadrillionth 1964年
アト (atto) a 1000−6 10−18 0.000 000 000 000 000 001 一刹那 quintillionth 1964年
ゼプト (zepto) z 1000−7 10−21 0.000 000 000 000 000 000 001 一清浄 sextillionth 1991年
ヨクト (yocto) y 1000−8 10−24 0.000 000 000 000 000 000 000 001 一涅槃寂静 septillionth 1991年


SI 単位と併用される非 SI 単位

 詳細は「SI併用単位」を参照。日々の生活で広く SI とともに用いられているため、CIPM により国際単位系と併用することが認められている非 SI 単位である。これらの使用は今後ずっと続くものと考えられ、SI 単位によって正確な定義が与えられている。以下に、SI国際文書SI第9版(2019年)第4章「SIとの併用が認められる非SI単位(Non-SI units that are accepted for use with the SI )」の表8[9]で挙げられている非SI単位の全てを列挙する。この表中の単位は、SI単位との併用が認められる。なお計量法では分、時、日、度、分、 秒 の各単位は、SI接頭辞とは併用されない(1 kh などとはしない)(SI接頭辞#計量法による使用制限)。また日は計量法上は計量単位ではなく、暦の単位とされている。

単位の名称 単位の記号 SI単位による値
時間 min 1 min = 60 s
h 1 h = 60 min = 3600 s
d 1 d = 24 h = 86 400 s
長さ 天文単位(a) au 1 au = 149 597 870 700 m
平面角 ° 1° = (π/180) rad
1′ = (1/60)° = (π/10 800) rad
(b) 1″ = (1/60)′ = (π/648 000) rad
面積 ヘクタール(c) ha 1 ha = 1 hm2 = 104 m2
体積 リットル(d) L, l 1 L = 1 l = 1 dm3 = 103 cm3 = 10−3 m3
質量 トン(e) t 1 t = 103 kg
ダルトン(f) Da 1 Da = 1.660 539 066 60(50)× 10-27 kg[注 2][11]
エネルギー 電子ボルト(g) eV 1 eV = 1.602 176 634 × 10-19 J
比の対数 ネーパ(h) Np
ベル(h) B
デシベル(h) dB

(欄外注)ガル(記号Gal)は、加速度の非SI単位である。重力加速度を表す単位として測地学と地球物理学で用いられる。1 Gal = 1 cm s-2 = 10-2 m s-2
(a)~(h)の注については、SI併用単位を参照のこと。


その他の非SI単位の削除

 2019年に改訂された国際単位系(SI)(第9版)では、前項の「SI 単位と併用される非 SI 単位」以外の「非SI単位」の列挙は全て削除された。SI国際文書第8版(2006年)(廃版)の第4章には、SI併用単位とは別に表7、表8、表9に次の単位が掲げられていた。

表7 SI単位で表される数値が実験的に求められる非SI単位
 SIとの併用が認められている単位  4単位:電子ボルト、ダルトン、統一原子質量単位、天文単位(ただし天文単位は2014年の補遺によって、SI併用単位に格上げされていた。)
 自然単位系  4単位:速さの自然単位(真空中の光の速さ)、作用の自然単位(換算プランク定数)、質量の自然単位(電子質量)、時間の自然単位
 原子単位系  6単位:電荷の原子単位(電気素量)、質量の原子単位(電子質量)、作用の原子単位(換算プランク定数)、長さの原子単位・ボーア(ボーア半径)、エネルギーの原子単位・ハートリー(ハートリーエネルギー)、時間の原子単位
表8 その他の非SI単位[14] 9単位: バール、水銀柱ミリメートル、オングストローム、海里、バーン、ノット、ネーパ、ベル、デシベル
表9 CGS単位系およびCGSガウス単位系に属する非SI単位  10単位:エルグ、ダイン、ポアズ、ストークス、スチルブ、フォト、ガル、マクスウェル、ガウス、エルステッド 10単位
  (注)このうちガル(Gal)については第9版表8の欄外注に掲げられており、やや特別な扱いになっている。

以上の表7、表8、表9の単位のうち、天文単位(ただし2014年の補遺によって既にSI併用単位となっていた。)、ダルトン、電子ボルト、ネーパ、ベル、デシベルの6単位(およびガル)は、第9版の「SI併用単位」に格上げされ、残りの単位は全て第9版からは削除された。

単位と数値の記法
 国際単位系(SI)は、数値と単位を記述するときの記法について詳細な規定を定めている。

量記号と単位記号
 量(物理量)の記号は斜体(イタリック体)で表記し、通常は、ラテン語またはギリシャ語のアルファベット1文字である。大文字と小文字のいずれも使ってよい。量に関する追加情報は、下付き文字で、または、括弧の中に入れて、加えることができる。
例: g = 9.80665 m/s2 : gは斜体であり、重力加速度を表す量記号である。 
単位記号は、その前後の文章で使われている書体にかかわらず、立体(ローマン体)で表記する。
例:m = 239.6 g : g は立体であり、グラム(質量の単位)を表す単位記号である。
量の性質についての付随情報は量記号に与えるものとし,単位記号に与えてはならない。
例:最大電位差の表現  Umax = 1000 V とする。 U = 1000 Vmax は不可。
量の値の書式
数値と単位を分割するために空白(space)を用いる。量の値は数字と単位の積として表され,空白は乗算記号 を表す(二つの単位の間に挿入される空白がそれらの積を表すのと同じである)。この原則は,セルシウス度(degree Celsius)についても適用され,セルシウス温度 t の値を表現するときには,その単位記号である°C の前に空白を挿入する。

例: 123.4 kg   30.2 ℃   不適例:30.2℃  不適例:30.2 °C

 この原則における唯一の例外は,平面角を表す単位である角度(degree),分(minute),及び秒(second)であり,それぞれの単位記号である°,′,及び″に対しては,数値と単位記号との間に空白を挿入しない(度 (角度)#記法)。
例: 30゚28'8"

数字の書式及び小数点
 小数点(decimal marker)は、「.」(ピリオド)でも「,」(コンマ)でもよい。どちらを選ぶかは関連する文章やその言語の習慣によるものとする(小数点#二つの方式)。現在の日本では、「.」(ピリオド)を用いることがほとんどである。
数字の値が+1 と–1 との間にある場合、小数点の前には常に 0(ゼロ)を置くものとする。
例: 0.234、-0.879     .234、-.879 とはしない。
桁の多い数を表す場合には、読みやすくするために,空白(space)を用いて3桁毎のグループに分けてもよい。ただし、グループの間に点「.」やカンマ「,」を挿入してはならない。(以下は小数点として「.」を用いる場合の例)
例:43 279.2 0.168 29 不適例:43,279.2 0.168,29
小数点の前後にある4桁の数字を表す場合には,1桁だけ分けるための空白を挿入しないのが普通である。
例:3279.3 0.1683 又は 3 279.3 0.168 3
このようなかたちで桁数をグループ分けするか否かは、それぞれの選択に委ねられる。設計図、財務諸表、コンピュータが読み取るスクリプト(scripts)などの特定の専門的分野では、このやりかたは必ずしも使われていない[19]。  表中の数字の場合、同じ欄の中で使用する形式は統一する。

各国における国際単位系
 「メートル法化」も参照.現在では、世界のほとんどの国で合法的に使用でき、多くの国で使用することが義務づけられている。しかしアメリカなど一部の国では、それまで使用していた単位系の単位を使用することも認められている。

アメリカ合衆国
「アメリカ合衆国のメートル法化」を参照
イギリス
「 イギリスのメートル法化(英語版) 」を参照
カナダ
「 カナダのメートル法化(英語版) 」を参照
日本
「日本のメートル法化」も参照. 日本は、1885年(明治18年)にメートル条約に加入、1891年(明治24年)施行の度量衡法で尺貫法と併用することになり、1951年(昭和26年)施行の計量法で一部の例外を除きメートル法の使用が義務付けられた。1974年には国際単位系が導入され[20]、1991年(平成3年)にはJIS規格が完全に国際単位系準拠となり、JIS Z 8203「国際単位系 (SI) 及びその使い方」が規定された[注 3]。この国際単位系への移行に伴い、1992年に気象庁が気圧の単位をミリバールからヘクトパスカルに変更するなど、いくつかの単位が変更された。

参考文献
 (準拠すべき基本文献)国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年4月.パンフレット 国際単位系(SI)は世界共通のルールです 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター 計量標準普及センター 計量標準調査室、2020年4月.産業技術総合研究所 計量標準総合センター『国際文書 国際単位系 (SI)』、2006年、第 8 版日本語版。 (旧版であり、廃止されている。)

国際単位系(SI)解説資料集(計量計測データバンク 編集部)

SI文書第9版(2019)日本語版及び関連資料(計量標準総合センター)
2019年5月20日、国際単位系(SI)にかかる大きな改定が実施されました。 SIの基盤である七つの基本単位(秒(時間)、メートル(長さ)、キログラム(質量)、アンペア(電流)、ケルビン(熱力学温度)、モル(物質量)、カンデラ(光度))のうち、キログラム、アンペア、ケルビン、モルの定義が改定されたのです。 特に、キログラムに関しては、130 年ぶりの改定でした。この改定によって、SI の基本単位は全てキログラム原器のような人工物から解放され、普遍的な定数にもとづき定義されることになりました。計量標準総合センターでは、この定義改定にかかる情報を広く発信するために、冊子「国際単位系(SI)基本単位の定義改定と計量標準」を刊行しました。 本冊子には、定義の改定された四つの単位だけでなく、七つの基本単位のそれぞれについての解説記事を収録しています。 各記事では、「定義定数」にもとづく各単位の定義が導かれた経緯などが解説されています。 さらに、国際度量衡局(BIPM)が2019年に刊行した「The International System of Units, 9th edition」の日本語版「SI文書第9版(2019)日本語版」も収録しています。 本冊子が、定義改定にかかる情報を収集する際の包括的なリファレンスとなれば幸いです。以下からダウンロードいただけます。
国際単位系(SI)基本単位の定義改定と計量標準(一括ダウンロード:16MB)
目次
表紙・目次・編者のまえがきPDFダウンロード(435KB)
国際単位系(SI)基本単位の定義改定と計量標準(総論)臼田 孝PDFダウンロード(690KB)
国際単位系における長さの単位「メートル」の定義と実現 稲場 肇、平井 亜紀子 阿部 誠PDFダウンロード(2.4MB)
プランク定数にもとづくキログラムの新しい定義とその実現方法 藤井 賢一PDFダウンロード(2.7MB)
時間の単位「秒」についての基礎解説と最新動向 洪 鋒雷、安田 正美PDFダウンロード(1.2MB)
改定国際単位系における電気標準 金子 晋久PDFダウンロード(2.9MB)
熱力学温度の単位「ケルビン」の定義改定 山田 善郎、中野 亨PDFダウンロード(2.1MB)
物質量の単位「モル」の基礎解説とアボガドロ定数にもとづく新たな定義を導いた計測技術 倉本 直樹PDFダウンロード(4.5MB)
光度の単位「カンデラ」および測光・放射標準 蔀 洋司PDFダウンロード(3.9MB)
国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版PDFダウンロード(2.2MB
国際単位系(SI)第9版(2019)要約 日本語版PDFダウンロード(1.1MB)

SI単位って
(日立ハイテク)©KASAKURA PUBLISHING Co.ltd 2015
質量の単位であるキログラム(kg)の定義改定がなされる以前の文章であるために、キログラム(kg)の新定義が反映されていないことを考慮してください。(計量計測データバンク 編集部)

単位の世界にも「国際標準」があります。それが「SI単位」。SIとは「国際単位系」を意味するフランス語「Le Système International d'Unités」の頭文字をとったものです。18世紀末、国を超えて誰もが同じ単位を使えるようにしようという機運が高まり、まず、1875年に「メートル条約」が採択されました。それでもまだ、分野によって統一が図れなかったところで、1960年、パリで開かれた第11回国際度量衡総会でSI単位が単一の実用的な単位として採用されたのです。
SI単位系では、まず、以下の7つの「SI基本単位」が定められています。
SI基本単位
メートル(長さ)
キログラム(質量)
秒(時間)
アンペア(電流)
ケルビン(熱力学温度)
モル(物質量)
カンデラ(光度)
そして、これらを組み合わせたものとして、平方メートル(面積)、立方メートル(体積)、メートル毎秒(速さ)、ラジアン(平面角)などの「組立単位」があります。
また、倍量・分量を表す記号として「SI接頭語」があります。「センチ」「ミリ」「メガ」「ギガ」などのことと言えばピンと来るでしょう。10倍、100倍、1000倍…、または1/10、1/100、1/1000…などを表す語を単位につけて、大きな数字・小さな数字を表せるようにしているのです。
その他、リットル、トン、ヘクタール、分・時・日などSI単位に属さないけれどSI単位との併用が認められているものもあります。
SI単位系
国際単位系。メートル法の後継として国際的に定められ、世界中で広く使用されている単位系です。
SI基本単位
SI組立単位
SI併用単位


邦訳 第8版SI文書

国際単位系(SI)に関する基本文書である「国際文書SI第七版」の日本語版(計量計測データバンクに掲載)
国際単位系(SI)に関する基本文書である「国際文書SI第七版」の日本語版が完成した。「国際文書SI第七版」の原書は一九九八年、国際度量衡局(BIPM)から出版された。本文書は、SIに関して国際度量衡総会(CGPM)や同委員会(CIPM)での決議、勧告、声明などを中心に、SIを理解し利用するために必要な情報を集めた基礎資料としての国際文書であり「国際単位系(SI)を紹介する最も権威のある文書」(テリー・J・クインBIPM局長)である。本稿執筆者の櫻井慧雄計量研究所計測システム部長は、日本語版の作成に当たった計量研究所「国際単位系(SI)日本語版」刊行委員会委員長である。(2000年1月1日現在 計量計測データバンク編集部)

国際単位系(SI)ウッキペディア
ウッキペディアの文章は投稿者によって書き改められます。既出の資料を下敷きにして、これの引用をもって公正であるとされますが、投稿者の考えや傾向が色濃く反映されます。本データを利用するにあたって注意を要する事項です。(計量計測データバンク 編集部)
国際単位系(こくさいたんいけい、仏: Système International d'unités、英: International System of Units、略称:SI)は、メートル法の後継として国際的に定められ、世界中で広く使用されている単位系である。
国際単位系 (SI) は、メートル条約に基づきメートル法のなかで広く使用されていたMKS単位系(長さの単位にメートル m、質量の単位にキログラム kg、時間の単位に秒 s を用い、この 3 つの単位の組み合わせでいろいろな量の単位を表現していたもの)を拡張したもので、1960年の第11回国際度量衡総会 (CGPM) で採択された。なお、国際単位系 (SI) はメートル法が発展したものであるが、メートル法系の単位系の亜流として「工学単位系(重力単位系)」「CGS単位系」などがあり、これらを区別する必要がある。


国際単位系(SI)の定義改定について(産業技術総合研究所工学計測標準研究部門首席研究員 藤井賢一)
メートル条約にもとづいて 2018 年 11 月に開催された総会において,国際単位系(英語:InternationalSystem of Units,仏語:Système internationald'unités,略して SI)の定義を大幅に改定することが採択された。これは,SI の根幹をなす 7 つの SI基本単位のうち,キログラム,アンペア,ケルビン,モルの定義を基礎物理定数に基づく新しい定義へと
移行させるというものである 1), 2)。特に,キログラムについては国際キログラム原器(InternationalPrototype of the Kilogram:IPK)による定義が廃止され,130 年ぶりにその定義が改定されることになった。新しい定義は 2019 年 5 月 20 日の世界計量記念日から施行される。本稿では特に物理学や化学などと関係の深いキログラムとモルを中心に新しい定義の概要について紹介する。


法定計量単位(経済産業省)
計量法で定める72の物象の状態の量に対応する計量単位を法定計量単位として規定しているが、この法定計量単位は次の4つに分類される。
SI単位に係る計量単位(表1)(PDF形式:12KB)PDFファイル
SI単位のない量の非SI単位(表2)(PDF形式:7KB)PDFファイル
SI単位のある量の非SI単位(表3)(PDF形式:7KB)PDFファイル
用途を限定する非SI単位(表4)(PDF形式:7KB)PDFファイル
接頭語の使い方(表5)(PDF形式:7KB)
これらのうち、a~cについては、10の整数乗を表す接頭語(表5)と組合せて使用することができる。


基礎物理定数
基礎物理定数(以下、基礎定数)は、自然現象を記述するための基本的な方程式に、不可欠な定数として入ってくるものである。 具体的には、電気素量e 、プランク定数h 、微細構造定数 α 、リュードベリ定数R∞ 、万有引力定数G などである。また、ある基礎定数は、他の基礎定数の組み合わせで表される場合がある。基礎定数に関する情報は、いろいろな実験から得られる。ある時点で、これら様々な実験(場合によっては理論)から求められた 結果を整理し、比較・検討し、お互いにつじつまが合っているかを確かめる作業(すなわち基礎定数の調整作業)は、我々が自然理解の手段として頼りにしているモデルの妥当性を確かめることに他ならず、基礎物理学の基盤のチェックとして極めて重要な意味がある。このような調整を経て決められた基礎定数の推奨値のセットは、人間が作ったSI単位と自然のものさしとの換算係数ともいえる。

(計量計測データバンク 編集部)

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