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計量計測データバンク ニュースの窓-318-
News material content collection of metrology databank №318

計量計測データバンク ニュースの窓-318-
日本の財政力と国債残高が意味すること--負債に見合う財産がある日本国 プライマリーバランス論に潜む謎解き--

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日本の財政力と国債残高が意味すること--負債に見合う財産がある日本国 プライマリーバランス論に潜む謎解き--


計量計測データバンク ニュースの窓 目次

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計量計測データバンク ニュースの窓-318-日本の財政力と国債残高が意味すること--負債に見合う財産がある日本国 プライマリーバランス論に潜む謎解き--

計量計測データバンク ニュースの窓 目次
「日本計量新報」今週の話題と重要ニュース(速報版)2025年8 月7日号「日本計量新報週報デジタル版」


日本の財政力と国債残高が意味すること 計量計測データバンク編集部
--負債に見合う財産がある日本国 プライマリーバランス論に潜む謎解き--



日本銀行本店本館 国指定重要文化財(建造物)所在地 日本橋本石町二丁目1番1号


日本銀行植田和男総裁



(大見出し)
日本の財政力と国債残高が意味すること 計量計測データバンク編集部
--負債に見合う財産がある日本国 プライマリーバランス論に潜む謎解き--


(リード)
 ある男が治療を受けている理学療法士に話しかけられた。家の母親は国債をいっぱい買っている。大丈夫なのだろうかと。結論は大丈夫。国債の償還期限になれば政府はそれを借り換えて額面を保証するから。

(見出し)
国会の論戦で明らかになった政府発行の国債とその運用の仕組み

 次のような国会での議論があり政府発行の国債とその運用の仕組みが明らかになっている。

日本国には国債発行残高に見合う金融資産ほかがあって、国債の信用の度合いは先進国中でも最上位に位置している。政府はプライマリーバランスにおける歳入不足を強調して、国民の危機感を煽り、国への過度な福祉への要求を抑え込む作戦を展開している。

 2025年7月実施の参議院選挙では、国が支出できる福祉費用をめぐって論戦が繰り広げられた。石破茂首相は日本の財政はギリシアより悪いと述べた。日本国の債券発行と国の債務の実際を知るために資料を集め、これを提示し、少しの解説を試みた。どこまで了解されるか不安はあるが以下はその文章と関連する資料である。

 資料は第213回国会 財務金融委員会 第14号(令和6年4月5日(金曜日))からの引用。

同資料の新聞見出しは

国会議論が明かす日本の財政力 プライマリーバランスは不均衡だが財政破綻の危険度は低い-令和6年4月5日、第213回国会財務金融委員会-

 なお文中、国の表現をアメリカとしたり米国としたのは文章の勢いとそのばの状況によるものであるので適宜解釈いただきたい。(計量計測データバンク編集部)

(小見出し)
日本政府の債務状況

 日本の政府債務は1980年にはGDPに対して50%程度であった。2023年には200%を超え、2025年には約235%に達する見込みである。

 財政破綻しないのは日本が自国通貨の円で借金をしていて、日本銀行という身内がその国債の半分以上を買い支えている通貨主権国だから。高債務・低成長・ゼロ金利が状態化する日本化という現象。高齢化が進む全ての先進国が辿どるかもしれない未来の姿なのかもしれない。世界の先進国は通貨主権を最大限に活用することで経済機を回避し、社会の安定を保つことをしてきた。代償は経済の活力が低下すること。

 世界の債務問題は社会の格差を広げるように作用する。コロナパンデミックによる経済の危機に対して世界中の中央銀行は量的緩和という政策を取った。政府の借金によって市場に大量のお金を流し込んだ。巡って株価や不動産価格などの資産の価格を大きく押し上げた。

 資産の大部分を保有しているのは富裕層。現在の経済構造において国の借金の増加というのは資産を持つものと持たないものとの格差を拡大させる作用を持っている。経済のルールが富裕層のために作られているようになった。大衆は不満を募らせる。世界中で盛んになるポピュリズムの下地になっているのがこれだ。ポピュリズムはエリートや既存の政治システムを批判し、大衆を基盤とした政治的な変革を目指す思想や風潮。既存の政治体制や不裕層に対する不満をつらせる人々が過激な主張を掲げるポピリスト政治家を支持する。

(小見出し)
負債で成り立っている先進国経済

 借金によって営まれる世界経済の重荷開発途上国にもを負わされる。多くの開発途上国は自国の教育や医療も外国への借金の利払いに多くの予算を投入しなくてはならない状況にある。開発途上国は全進国の何倍も高い金利で借金しなければならない。貧しい国から豊かな国へと富が逆流する債務の罠にがある。成長と犠牲を生み出しながら膨張し続ける世界の借金である。

 現代の世界経済は負債なくしては成り立たないシステムになっている。

 お金は借金によって生まれ、経済成長はさらなる借金を必要とする。負債は経済の生命線であると同時に現代社会の弱点でもある。

(小見出し)
発行紙幣が金に代わって貨幣として流通し見かけ上の貨幣機能を持つようになった

 現代の経済はアメリカ(米国)のドルによる借金を前提に動いている。現代経済の基軸になった歴史の転換点を経てのことである。お金を縛っていた物理的な重しである金(物質としてのゴールド)から通貨発行が切り離されて以降のことである。純粋な意味での貨幣ではない発行紙幣が金に代わって貨幣として流通し見かけ上の貨幣機能を持つようになった。人によっては米ドルなど中央銀行の発行紙幣を貨幣として取り扱い、現代の経済学はこの立場に立っている。

 第2次世界大戦後の世界経済はブレトンウッズ体制の上で動いていた。世界中の国の通貨の価値をアメリカのドルを基準にして、ドルはいつでも金(ゴールド)と交換できる体制である。ドルの価値は実物の金によって担保されていた。理念上は金本位制であり、その一形態としての金・ドル本位制であった。

 ドルは金(ゴールド)の実物を実態として、これに裏付けされて貨幣としての機能を備え、ドルが世界経済の決算手段として使われてきた。これは第二次世界大戦の戦費調達に英国、仏国などが米国から貸付を受けていて、なおかつ大戦直後の世界の富の5割を米国が保有する状態であるなどのことが背景にあり、米国の経済力と信用力が絶頂期にあったことがもたらした世界の通貨体制であった。

 朝鮮戦争に続く1960年代のベトナム戦争による戦費をドル紙幣の発行でまかない続けていた。ドルの発行量は米国が保有する金(ゴールド)の価値を大きく上回るようになっていた。ドルに約束どおりの値打ちがなくなっていることが知られるようになり、フランスなど欧州諸国はドル紙幣を金(ゴールド)に交換することを米国に要求するようになった。当初これに対応していた米国には金の保有量が減り続け、ドル・金本位制を維持することができなくなっていた。この状態において日本はフランスなどが見せた強気の要求をすることがないままに名目上のドル・金交換を帳簿上のままにしてしまった。

ドル・金交換が前提のブレトンウッズ体制による世界通貨制度は、金(ゴールド)の価値を裏付けにして、これにドルを重ねていて、ドルを何時でも金に交換できる約束の上に成り立っていた。金の裏付けなしの米国によるドルの大量発行はブレトンウッズ体制を崩壊させることになる。使い込みに類するドルの大量発行はドルの信用を大きく揺るがしたのである。

 もはやこれまでということで米国大統領リチャードニクソンは1971年8月15日にドルと金の交換を停止する宣言を発する。ニクソンショックである。それでも世界の経済はドルを基軸にして回るしかなかった。ドルと金の交換を停止によって、世界通貨であるドルは貨幣の価値は金(ゴールド)の価値から切り離された。

(小見出し)
100ドルは信用されるから100ドルなのだ

 金(ゴールド)の代わりになったドルがその価値を保証したのは信用である。近代経済学が説くまやかし的な論述、つまり「100ドル紙幣の価値は世界中でその価値が信用されているから100ドル分の価値を持つ」ということになり、その通貨体制に移行した。

 信用だけによって通貨の価値が保たれる通貨体制というドル基軸の新しい体制に移行した。物としては紙に印刷された額面のその数字がお金として流通させるようになった。ドル・金本位制のもでは米政府は金(ゴールド)の保有による裏付けを必要とされたが、これがなくなったことで新しい財政システムによる世界の経済体制になった。

 ニクソン・ショックまでは米ドルを基軸通貨とする固定為替レート制度のIMF・ブレトンウッズ体制であり、1973年には主要先進諸国を中心に変動為替レート制度に移行した。1999年に西欧11か国が共通通貨ユーロを創出させたことによって国際通貨システムを複数基軸通貨制度へと様相を変えた。

(小見出し)
2015年の欧州金融危機によりユーロのもつ制度的な脆弱性が明らかに

 2007から2009 年には国際通貨システムの中心国である米国発の世界金融危機が起きたが、最も支配的な国際通貨としての米ドルの機能が損なわれる事態には至っていない。2010から2015年の欧州金融危機によりユーロのもつ制度的な脆弱性が明らかになり、ユーロが世界的な規模で米ドルに匹敵する役割を果たすようになることは容易でないことが示された。中国は世界金融危機以降,増大する経済力・金融力を背景に人民元の国際化を積極的に進め、米国の通貨・金融覇権に対する競争に乗り出している。

 ロシアも2022年のウクライナ侵攻後の金融制裁により、人民元への傾斜を深めている。しかし人民元が本格的な国際通貨になるためには、国際資本移動の自由化や開放的で深み・厚みがあり流動性の高い人民元建て金融市場の存在が欠かせず、それには相当の期間を要するとされる。

 2007から2008年の世界金融危機時には銀行間取引におけるカウンターパーティーリスク(取引相手の破綻リスク)が高まったため、信用リスクプレミアムとともに流動性リスクプレミアムが上昇した。銀行はドル建て資金への需要を高めるものの、供給する銀行がいないというドル流動性危機が発生した。このドル流動性危機が発生した2007年半ば前後に、効用へのドルの相対的貢献度が54.9%から49.4%へと5ポイント余り低下したが、なおも50%近くを占めた。

(小見出し)
ドル基軸通貨体制は当面揺らがない

 米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締め政策に転じた2022年3月以降、信用リスクプレミアムの上昇は見られないが、流動性リスクプレミアムが再び高まった。金融引き締めでドル建て資金の供給が縮小した一方で、その需要が依然として旺盛なことを示唆する。

 中国が外為取引に規制を課す限り、人民元は一般受容性の必要条件を満たさないため、一般受容性を有した交換手段としての機能に優れた国際通貨からは程遠い。中国が近い将来に民主主義国家グループのように外為取引に対する規制を撤廃すれば、一般受容性の必要条件は満たすかもしれないが、流動性の面でも一般受容性の十分条件を満たす必要がある。

 1999年以降のユーロの登場は国際通貨体制を構造的に変化させた。だがユーロは一般受容性の必要条件を満たすものの、流動性の面で一般受容性の十分条件はドルに及ばない。ドルはなおも基軸通貨としての地位を維持している。ドル建て資金決済の緊急避難的回避の影響は限定的であり、ドル基軸通貨体制は当面揺らがないと考えられる。

(小見出し)
ドル、ユーロ、人民元はすべて金の裏付けなしの国際基軸通貨

国際基軸通貨のドル、ユーロ、人民元はすべて金の裏付けなしの通貨であり、通貨の価値はその時々の信用によって決まる変動相場制の体制である。禅問答のような、信用があるから価値があるということを基本にして通貨が発行されるようになった。各国の通貨の値打ちとしての換算比率は信用の裏返しであり、同時にそれは変動相場制の通貨体制となった。

 ここで生れたのは通貨発行で、言葉を変えれば貸付を行うことで信用が創造され、このループが無限に広がり得る。日本政府による国債の発行もこの仕組みと同じであり、国債の発行には金(ゴールド)の値打ちから切り離されているから限度が内容にみえる。

(小見出し)
金から切り離されたドルはかなりの程度随意に借金できるようになった

 政府がお金を発行できる量は保有する金の量による制約があった。金から切り離されたドルはかなりの程度随意に借金できるようになった。自国で通貨を発行できる国、つまり日本やアメリカなどは自国の通貨の信用が保たれる限り理論上は無限にでも借金を増やせる。ドルの価値が金に担保されない制度がドル基軸通貨体制である。この大転換によって世界的な債務膨張時代が始まった。この体制によってアメリカはさらに世界経済での特権的な地位を築いた。ドルの力が衰え始めた現在でも世界の貿易決済や金融取引のほとんどはドルで行われている。いうならばアメリカが数字を入れた紙幣として印刷したドルによって、アメリカは海外から自動車や石油を買うことができる。

(小見出し)
米国債は世界中の投資家にとって最も安全で最も取引しやすい金融商品

 アメリカ政府が足りないお金を埋めるために発行する米国債は世界中の投資家にとって最も安全で最も取引しやすい金融商品である。アメリカは他のどの国よりも低い金利で借金をすることができる。ドルリサイクリングの構造ができあがった。日本や中国のような国がアメリカに自動車や製品を輸出、代金として大量のドルを受け取る。ドルは自国で持っていても金利が付かないので、そのドルで最も安全で確実な運用先である米国債を購入する。アメリカが支払ったお金のドルが米国債の購入という形で再びアメリカにリサイクルされる。このサイクルによってアメリカは消費や政府支出を続けることができ、日本や中国などの国は輸出によって経済を成長させることができる。

(小見出し)
アメリカの連邦政府債務残高は1980年代から現在まで40倍近くに膨れ上がった

 以上のようなことで経済取引する国は互いに利益するようにみえる。アメリカの借金とその他の国のドル資産が再現なく膨らみ続けるのが実態構造。アメリカの連邦政府債務残高は1980年代から現在まで40倍近くに膨れ上がった。世界の債務問題は単に各国の借金の合計ではない。

 世界中の借金の増大はアメリカドルを中心とする世界経済システムにおいてアメリカの赤字拡大と共に進行してきた。

(小見出し)
借金が加速する三つの要因

 1971年のニクソンショックで借金の物理的な制約が外れ、ドル基軸通貨体制と仕組みに変りドルの無限発行ができるようになった。次が借金が加速する三つの要因である。

 
一つには民主主義社会における選挙制度との関係。選挙で勝つことが目的に有権者の目に見える利益を提供する。新しい公共サービスを始めたり補助金を出す、あるいは減税をする。ノーベル経済学のジェームズ・ブキャン氏が唱える公共選択論。

 この政策の恩恵は国民の生活にすぐに現れる。反作用は、将来の増税や次の世代への負担を残す。有権者は目の前の給付金を歓び、20年後までの借金を顧みない。赤字財政に対する国民の抵抗感は小さくなりがちである。

 
二つ目としてはの借金が証券という金融商品に替えられるために、負債の実在感がないこと。
 世界経済では借金が証券という金融商品として売買されるようになった。金融部門の取引が急増し産業部門の数倍にまで伸し上がった。アメリカのレーガン政権やイギリスのサッチャー政権が主導した新自由主義がその背景となっている。

 信用創造の規模と速度が飛躍的に増大した。これを後押ししたのが各国の中央銀行の金融政策であり、中央銀行は経済が弱含みになると金利を下げてお金を供給した。経済が好調でバブルに向かっていても、これを冷やす利上げには躊躇した。転んだ時には助けてくれるが調子に乗るとはやし立てるという中央銀行の姿勢があった。金融機関や投資家がこれに乘った。金融機関と投資家は多くの借金をして大きなリスクを取るようになった。こうして金利は長期的に低下し続け、債務は右肩上がりに増え続けた。

 
三つ目は先進国が直面してきた経済の長期停滞。

アメリカの政治家であり経済学者でもあるローレンスサマーズ氏が提唱した長期低論という仮説には説得力がある。経済が成長するためには家計や企業の貯蓄が投資へと回っていくという循環構造が必要不可欠ということ。

 先進国では均衡が崩れ投資よりも貯蓄が好まれる傾向がある。先進国で貯蓄が増えやすい原因は所得差の拡大。富裕層は貧困層よりも多くの金額を貯金している。富が少数に集まると社会全体で貯蓄されるお金の量が増える。高齢化は先進国社会では貯蓄が増えやすいように働く。平均寿命が長くなり社会の平均年齢も高くなると人々は将来への不安から消費よりも貯蓄を重視するようになる。先進国では貯蓄性向が高まり、投資は下火になりがちである。

(小見出し)
個人の投資が減少傾向に向かう要因

 人口増加に歯止めがかかると新しい住宅や向上インフラへの投資需要が減る。IT革命は巨大な工場を必要だった事業がパソコン1台でできるようになった。事業のための設備投資金額が劇的に低下した。貯蓄と投資を均衡させ、経済を安定した状態を保つために最適な実質金利である自然利子率が発生する。投資を貯蓄とバランスが取れるほどに上向かせるには金利を自然利子率にまで下げることが求められる。先進国における投資の停滞は著しい。自然利子率をマイナスにしなければならない状態である。これが個人の投資が減少傾向に向かう要因である。

(小見出し)
名目金利は0よりも低くすることは理論上困難

 中央銀行が操作できる名目金利は0よりも低くすることは理論上は難しい。経済をちょうど良い状態に保つためには金利をマイナスにしなくてはならない。中央銀行が金利を0以下に下げることは難しいので、先進国では満性的な低成長が続く。

 政府の借金、つまり財政赤字はどのように作用するか。政府が借金をすることは民間部門の過剰な貯蓄を吸い上げ、公共投資などによって経済を動かしていく行為になる。長期停滞の下での財政赤字は経済を失速させない効果的な政策として作用する。民主主義の政治における金融システムの構造、経済の長期停滞には幾つかの要因が複雑に絡み合う。そうしたことの結果、世界各国の借金は後戻りできないほど膨張し続けている。

(小見出し)
巨大な借金を抱えた国が辿どる未来の四つの方法と結末

 世界中で膨らみ続ける債務の未来にどうなるのか。巨大な借金を抱えた国が辿どる未来の四つの方法と結末は次のとおり。

 
第一はインフレによって緩やかに債務を削減していくという方法。

 政府と中央銀行が意図的に世の中に出回るお金の量を増やし、持続的な物価上昇を促す。物価が上がるとお金の価値が相対的に下がる。

 例えば20年前に1000万円で借りたお金があったとして当時の1000万円と今の1000万円ではその重みが全く違う。借金の学面は1000万円だが、経済の規模や物価が2倍になれば、借金の負担感は実質半分になる。インフレによって借金が実質的に目減りする。お金を貸している側である国民や投資家から、お金を借りている側の政府へと目に見えない形で富が移転していく。

 
第二はデフォルトと債務再編

 デフォルトと債務再編。最も直接的で痛みを伴う方法。政府が約束通りには借金を返せませんと公式に宣言し借金を踏み倒すこと。お金を貸してくれた国や投資家たちと交渉し、借金を半分に負けさせるとか、返済を30年待たせる形で債務の条件を変更する債務再編。ギリシアやアルゼンチンなどが採った方法である。その国の信用は地に落ち、経済は深刻な混乱に見舞われる。国民生活に大きな痛みを強るので追い詰められた時の最終手段がこれ。

 
第三は問題をひたすら先送りにし続けるという方法

 日本化という終わりなき名治療といわれるのが第三の方法。

 インフレもデフォルトも起こさず経済破綻も避けながら問題をひたすら先送りにし続ける方法。経済はほとんど成長せず物価も上がらない。金利は0に近い状態が続き、中央銀行が政府の借金である国債を大量に買い替えることで財政を維持する。この方法によって社会の安定は保たれるが、経済の活力は失われる。

 
第四の金融機関への低金利国債の押し付け

 金融抑制という政府による強制的な解決手段としての金融機関への低金利国債の押し付け。

 政府が国内の銀行や保険会社、年金基金などに対して市場の実際の値よりも低い金利で国際を買うことを強制する。政府は非常に安いコストで借金を続けることができる。不利益を受けるのは高い金利で資産を運用できたはずの国民や投資家たち。政府が国民の貯蓄から追加で税金を徴収しているのと同じこと。市場の自然な動きを歪め、経済全体の効率性を損う。

 以上、四つのどの道をたどっても苦痛や弱体化を余儀なくさせる。

日本銀行 総裁記者会見 ――2025年7月31日(木)午後3時30分から約70分 (2025年8月1日)
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk250801a.pdf
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