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├計量計測データバンク ニュースの窓-317-国会議論が明かす日本の財政力 プライマリーバランスは不均衡だが財政破綻の危険度は低い-令和6年4月5日、第213回国会財務金融委員会-
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├計量計測データバンク ニュースの窓 目次
├「日本計量新報」今週の話題と重要ニュース(速報版)2025年8 月7日号「日本計量新報週報デジタル版」
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(大見出し)
国会議論が明かす日本の財政力 プライマリーバランスは不均衡だが財政破綻の危険度は低い-令和6年4月5日、第213回国会財務金融委員会-
衆議院予算委員会の模様 文中の財政金融委員会ではなくイメージとしての写真です。(計量計測データバンク編集部)
[注]文中の見出しは計量計測データバンク編集部が内容を解釈して付けたものです。文中の区切りなどについても表現の都合で一部変更があります。国会議事録は下欄にリンク先を示してあります。
第213回国会 財務金融委員会 第14号(令和6年4月5日(金曜日))
(小見出し)
令和二年度の二〇二〇年の歳出予算現額は百八十二兆二千六百五十八億円、繰越額は三十兆七千八百四億円
江田委員
私は昔、「財務省のマインドコントロール」という本も書いているんですけれども、そのマインドコントロールにかかっているのではないかという意識から、基本中の基本の議論を大臣と財務省の皆さんとしていきたいと思うんですよ。
その前にまずちょっと教えていただきたいのが、二〇二〇年度、二一年度、二二年度の補正予算を含む予算総額と、各年度の使い残した額を事務方から教えていただけませんか。
○寺岡政府参考人 お答え申し上げます。
令和二年度の、二〇二〇年の歳出予算現額、これは、当初予算と補正予算を含め、その年度で歳出が可能であった額の総額でございますが、百八十二兆二千六百五十八億円であり、そのうち歳出されなかった額、これは、不用額として三兆八千八百八十億円、繰越額は三十兆七千八百四億円でございます。
令和三年度の歳出予算現額は百七十三兆三千七百九十六億円であり、不用額は六兆三千二十八億円、繰越額は二十二兆四千二百七十二億円。
令和四年度の歳出予算現額は百六十一兆六千四百六十八億円、不用額は十一兆三千八十四億円、繰越額は十七兆九千五百二十八億円となってございます。
(小見出し)
コロナ対応予算年間三十兆円の使い残し その原資は借金や税金
江田委員
コロナが起こり、ある程度、危機管理対応として、また、コロナの正体が分からない中で多額な予算を積み増すということは、私はある意味理解はできます。しかし、そうはいっても、年間三十兆前後の使い残しがあるというのは、借金や税金でしょう、原資は。
鈴木国務大臣
政府といたしましては、令和二年度以降の新型コロナの感染拡大でありますとか物価高騰などの予期せぬ事態に対して万全な対応を期すべく、必要かつ十分な予算を措置してきたところでありまして、これは、未曽有の事態に対して国民の命と暮らしを守り抜く観点から、適切なものであったと考えているところであります。しかしながら、結果として、令和二年度以降、不用額や繰越金が大きくなっているということは事実でありまして、このことにつきましては重く受け止めなければならないと思ってございます。その上で、個別事業の予算計上に当たりましては、内容をよく精査の上、適切な経費の見積りに努めていくべきだということは当然のことでありまして、引き続き、歳出構造の平時化に向けて適切かつ的確な予算編成に努めていかなければならない、そのように感じているところであります。
(小見出し)
使い残し三十兆円は消費税一〇%分
江田委員
年間百七十兆だ、百八十兆だと異常な予算の額を組んでいるわけでしょう。三十兆も使い残した、この額がどういう額かという意味で、ちょっと分かりやすく、分かっていただくために、事務方の方でいいですから、消費税収一%分の税収って幾らですか。
青木政府参考人
約三兆円でございます。
江田委員
三兆円ですよね。そうすると、三十兆使い残しているということは、消費税一〇%分を使い残しているということですよ。
皆さん、思い起こしていただければ、我々は、ほぼ野党は一致して、二一年秋の衆議院選、二二年夏の参院選において、時限的な消費税五%減税をやってくださいと訴え、政府にもお願いをしてまいりました。三十兆円も残す余裕があったのなら、五%減税なんかとっくにできていたじゃないですか。五%減税をして、お釣りが来る額ですよ。
しかし、当時を振り返れば、安倍総理も菅総理も岸田総理も、いやいや、消費税は貴重な貴重な社会保障の財源ですから一円たりともまかりませんという答弁を繰り返し繰り返しやっていましたでしょう。
私に言わせれば、こんな三十兆円も使い残す余裕があったのなら、見込み違いがあったなら、とっくにできているんですよ。消費税五%減税を、一番危機的な状況であった二〇年度、二一年度にできていたんですよ。違いますか、財務大臣。
(小見出し)
消費税を社会保障財源と位置付ける国はあるか
鈴木国務大臣
財源論といいますか、財源がないからしないということではなくて、繰り返しになりますけれども、消費税は年々増加する社会保障給付費の財源確保が課題となる中で、全世代型社会保障制度を支える重要な財源として位置づけられることから、その引下げを行うことは適当ではなかったと考えているところでございます。
江田委員
これは機会費用というんですよ。機会損失ともいいますね。ここに、消費税、時限的に五%、一年間でもやれば、もっと早く困窮している国民生活を救えたかもしれないし、コロナ以前の景気にもっと早く戻ったかもしれない、そういう意味で、機会費用と機会損失が生じたと私は思いますけれどもね。
今おっしゃられた、では、消費税は、そういう額の問題ではなくて、社会保障の財源だからとおっしゃいましたけれども、そんなことを言っている国は一つでもあるんですか、外国に。
青木政府参考人
フランス、ドイツ、スイスでは、付加価値税の税収の一部を社会保障の支出に充てることを法律などで定めておる国がございます。
(小見出し)
消費税収全体を社会保障の財源だと言い募っている国は一つもない 江田委員
江田委員
ごくごく例外、付加価値税の税収の一部をごくごく例外的に措置をしている、財政上の制約の観点から措置しているということであって、我が国のように、消費税収全体を社会保障の財源だと言い募っている国は一個もありません。これはもう明らかで、いや、社会保障の財源だと言えば国民は納得してくれるだろう、消費増税だって受け入れてくれるだろうという、これは財務省の魂胆なわけですよ。
しかし、そういう国は一個もないし、それから、何度も指摘されていますけれども、では、あなた方は特別会計にしているんですか。昔の道路特定財源のように、消費税収を区分経理して、特別会計の管理をしていれば、まだ社会保障の財源に充てると言えると思いますよ。
しかし、今やっていることは、消費税法の一条か二条か忘れました、そこに社会保障に充てるということと、予算総則に書いているだけで、しかも、年間の、予算の例えば社会保障関係費というのは三十七兆か八兆円でしょう。今、消費税の国の税収というのは二十三兆円、四兆円でしょう。要は、社会保障の内数だから、税収をそこに充てていますといったって、お金に色はついていないわけだから、そこはもう全く特別会計のようにリンクしていないわけです。消費税収がどこに使われているか分からないわけだから、金に色目はないわけですからね。
ですから、そういうことでやっているのは日本だけだということを指摘したいと思いますし、この言い方が大問題をはらんでいると私が思うのは、消費税というのは逆進性のある税制でしょう。所得の低い人ほど重税感を持つ税を財源として、所得再配分機能を持つ社会保障の財源に充てようなんというのは、完全な論理矛盾じゃないですか。どうですか。
鈴木国務大臣
消費税につきましては逆進性があるという御指摘でございますが、高所得者より低所得者の方が所得に対する消費税の負担率が高くなるという点につきましては、御指摘のとおりでございます。
しかし、軽減税率制度によって逆進性が緩和されていることに加えまして、消費税財源が充当される社会保障給付等の受益はむしろ低所得者に総体的に手厚くなっていることに鑑みれば、全体として所得再分配機能にも十分配慮したものとなっていると考えてございます。
その上で、消費税については、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、働く世代などの特定の層に負担が集中することがないなどの特徴を有しておりまして、社会保障の財源としてふさわしいものであると考えているところであります。
(小見出し)
消費税収は所得税、法人税と同じように一般税収として扱うっている 現にそうだ 江田委員
江田委員
例えば、年金生活者支援給付金、これも消費税収を充てているんですよね。これは住民税非課税の方が対象ですよ。幼児教育の保育の無償化も、〇―二歳児については、無償化は住民税非課税世帯でしょう。生活保護費、これは国じゃなくて地方の消費税交付金で賄われている。
こういう所得再配分の典型のような施策について、低所得者ほど重税感にあえぐことになる税財源を充てるなんという論理を構築している国は一つもないんですよ、さっき御指摘のドイツやフランスも含めて。全て、ヨーロッパの付加価値税も我が国の消費税も、これは一般財源なんですよ。だけれども、社会保障の財源だというなら増税も受け入れてくれるだろうという魂胆から、ずっと言い募ってきた。もうこういううそ偽りはやめましょう。
消費税、私は全部廃止しろとは言いませんよ。しかし、消費税収は所得税、法人税と同じように一般税収として扱う、現にそうなんだから。社会保障の関係費よりもまだ内数だから、充てる充てるというのが言い逃れとしてまだできるかもしれませんけれども、消費税収、将来二〇%、三〇%に上げて、例えば社会保障の額を消費税収が上回ったときは必ず、その税収はほかに回しますと言うに決まっているので、財務省は。そういうことを指摘しておきたいと思います。
さて、次、千兆円を超える、なんなんとする借金があって、もう日本の財政は破綻寸前だ、だから増税しなきゃいかぬ、今回も、防衛増税だ、子育て支援、これは重要な我々が訴えてきた政策ですけれども、その財源として健康保険料の値上げだと今、岸田政権はやっていますよね。しかし、そんな必要は全くないと私は思っていますので、ちょっと聞いていきたいと思います。
(小見出し)
国債、借金は子や孫たちへのツケ回しだと これは本当か
江田委員
まず基本中の基本、よく言いますよね、国債、借金は子や孫たちへのツケ回しだと。これは本当なんですか。
寺岡政府参考人
国債は、国民の中でもこれを保有している特定の者あるいはこれを包含する民間部門にとっては資産でありますが、政府にとりましては、国債に対する元金の償還や利払いを必ず責任を持って行わなければならないという意味において、負債であると考えてございます。
世代間の問題についても、様々な議論があることは承知しておりますが、将来、国債の保有の有無にかかわらず、追加的に税金等の負担や歳出改革という国債の償還のための負担を負っていただく必要が生じるものであると考えてございます。
(小見出し)
国債は国にとっては負債 国民には資産だ 江田委員
江田委員
国にとってはツケ回しだ、しかし、国民にとっては資産になる。私の言葉で言うと、国債、借金は、子や孫たちへの仕送りだ。
例えば、江田憲司が百万円の国債を買います。それで、死にます。子供が相続します。満期が来ました、百万円もらえます。ですから、国民の側からすれば、借金、国債は、子や孫たちへの仕送りなんですよ。しかし一方で、国の立場からすると、それは将来へのツケ回しなんですよ。当たり前のことですよ。
それをこの国ではなぜか、バランスシートの当たり前の考えを公正に正確に国民に情報提供するのではなくて、この負債だけを切り出して、千兆円を優に超える、今、長期債務残高千二百兆円を超えている、大変だ大変だと言うから、私は非常に怒っているわけですよ、ずっとこれを、もう十何年か。
私の趣旨は、しっかり、国民に情報提供するときには、負債がこれだけあるのなら、資産もこれだけありますよと、財務省だって、二〇〇〇年代から国のバランスシートをやっと作り始めているわけでしょう。
(小見出し)
バランスシートの負債トヨタは三十兆円(の借金、)資産は四十八兆円
江田委員
ですから、結局、超優良企業のトヨタさんだって、バランスシートの負債だけ言えば三十兆円の借金ですから。それを大変だ大変だと言っていますか。ソフトバンクさんも十七兆円の借金で、これだけ見れば大変な負債ですよ。しかし一方で、資産、トヨタは四十八兆円あるから、ソフトバンクさんは二十一兆円あるから、優良企業なんですよ。
ですから、私が言いたいことは、一方的に負債だけを言って国民をだますのはやめてほしい。負債のことを言うときには、国の資産のことも言ってほしい。だからこれは、一般会計、特別会計というか全部、独法や政府系金融機関のバランスシートを見ると、今、国の資産は九百六十二・七兆円、負債は千五百四十四・五兆円、資産・負債差額が五百八十一・八兆円、これが正確な数字ですよ。
私も、資産・負債差額が五百八十一兆あるから、財政再建は必要だと思っていますよ。財政規律も重要だと思っているんですよ。しかし、余りにも、日本は千兆円も超える借金があるから破綻寸前だ破綻寸前だ、だから消費税を増税しなきゃいかぬ、だから子育て支援でも健康保険料を値上げせないかぬ、だから防衛増税もしなきゃいかぬというのはおかしいと言っているんですよ。大臣、どうですか。
(小見出し)
自国通貨建ての国債であっても市場からの資金調達が困難となる可能性がある
鈴木国務大臣
日本は国内外で多くの資産を保有しているということについて申し上げますと、我が国は、国内ではこれまで、家計の金融資産等を背景に、大量の国債の大部分を国内で低金利かつ安定的に消化するとともに、対外純資産の蓄積を背景とした経常収支の黒字が、経済全体で見て、その頑健性を支える要因の一つとなっているものと認識をいたしております。
政府の債務残高、これは世界最悪の水準であることも事実でありまして、仮に政府の金融資産を債務残高から差し引いた純債務で見たとしても、諸外国と比べて高い水準となっております。また、その金融資産につきましても、年金積立金や外貨準備などは見合いの負債が存在しており、単純に債務残高から差し引くことのできる資産と認識するには適当ではないと考えております。
こうしたことを踏まえますと、我が国の財政の現実は決して楽観できる状況ではなくて、一たび財政の持続可能性への信頼が損なわれれば、金利の上昇等を通じて利払い費が大きく増加することや、自国通貨建ての国債であっても市場からの資金調達が困難となる可能性があることなど、財政面においても重大な影響が及ぶと考えられることから、引き続き、歳出歳入両面の改革を続けて、責任のある経済財政運営を進めなければならないと考えております。
(小見出し)
国費資産は沢山ある 資産と負債について公正に情報提供せよ 江田委員
江田委員
では、どうしてあなた方はバランスシートを作り出したんですか、その意味は何ですかと問いたいところですけれども、今、資産は売れないものもある、例えば、高速道路だって今民営化されて株式があるわけだから、要は株式売却したら価値が出てくるわけで、売れないことはないんですよ。それから、今の資産の八割は金融資産ですから、いつでも売れるんですよ。有形固定資産だって、公務員宿舎は青山とか赤坂にあるわけだから、あれだって売ろうと思えば売れるので、そんな議論をしたら際限ないので、基本的に、資産、負債、しっかり平等に公正に情報提供してください、今後、本当に。それはお願いしますよ。
(小見出し)
家計の金融資産は二千百四十一兆円
江田委員
では、ちょっと角度を変えて、端的に額だけ答えてほしいんですけれども、直近の日本の個人の金融資産は幾らですか。
三村政府参考人
昨年十二月末時点、家計の金融資産、日銀の資金循環統計によりますと、二千百四十一兆円でございます。
(小見出し)
国内全体の金融資産は九千七百四兆円
江田委員
二千百四十一兆円ですよ。 では、これに国と企業の金融資産を合わせた全体の金融資産は幾らですか。
三村政府参考人
同じく昨年十二月末時点でございますが、国内全体の金融資産、九千七百四兆円でございます。
(小見出し)
対外純資産は四百十八・六兆円
江田委員 ほぼ一京円ですよ、一京円ですよ。では、対外純資産は幾らですか。
三村政府参考人
これは、直近、最新の数字が令和四年末ということになりますが、対外純資産、四百十八・六兆円でございます。
(小見出し)
外貨準備は百八十九・七兆円
江田委員 四百十八兆。世界最大の債権国ですよ、日本は。外貨準備は幾らですか。
三村政府参考人
本日の朝、三月末時点の外貨準備を公表しておりますので、その数字でございますが、一兆二千九百七億ドル、三月の基準外国為替相場で換算いたしますと、約百八十九・七兆円でございます。
(小見出し)
令和五年暦年の経常収支、二十・六兆円の黒字
江田委員
百九十兆円なんなんとして、年々、今の為替相場もあり、どんどん増えている、こんなに外貨準備を持っている国はありませんから。先進国はみんなこの十分の一、二十分の一以下です、残高。この議論はまたします、この財務金融委員会で。経常収支は幾らですか。
○三村政府参考人
令和五年暦年の経常収支、二十・六兆円の黒字でございます。なお、先ほど、私、外貨準備のドル建ての数字、ひょっとすると一兆二千九百七と言ったかもしれませんが、切上げ、切下げの関係でより正確に言いますと、一兆二千九百六億ドルでございます。
(小見出し)
国全体の金融資産、対外純資産、外貨準備、経常収支を総合してみれば財政破綻の要素はない
江田委員
個人金融資産は二千百四十一兆円、国全体の金融資産は九千七百四兆円、対外純資産は四百十八・六兆円、外貨準備は百九十兆円弱、経常収支も二十兆円、どこが破綻するんですか、この国が。
取るべきところから取っていないから、厳しい厳しいと財務省は言っているんでしょう。厳しい厳しいと言わなければ消費増税できないから、今まで言ってきたんでしょう。取るべきところから取っていないんですよ。日本の資金保有量というか、これは別の言葉で言うと、日本の支払い能力とも言うんですよ、今、私が答えていただいた数字は全て。日本の支払い能力は天下一品なんですよ。
しかし、これだけお金があるのに、自民党の政治は超大企業と富裕層におもねる政治だから、なぜならば、超大企業からいっぱい献金をもらい、組織票をもらう、業界団体もそうでしょう、そういう政治なんです。いや、そういう政治があってもいいでしょう、民主主義ですから。それもある一部の国民を代表されているわけですから、いいと思いますよ。しかし、国民にしわ寄せをしないでほしい。取るべきところから取っていないから、また防衛増税だ、今度は健康保険料の値上げだ、する必要は全くありませんから。
これは、代案も含めて、またこの委員会でやります、今回じゃなくて、次回以降やりますから、よく覚えておいていただきたいと思います。
さて、その上で、私も何度も予算委員会で取り上げてきましたが、前黒田日銀総裁が財務官当時に書いた例の格付会社への意見書、ここには自国通貨建ての国債のデフォルトは考えられないと書いてあって、今でも財務省のホームページに載っているんですが、この考えに今でも同意しますね、財務省。
(小見出し)
日本の財政は家計の金融資産や御指摘の経常収支の黒字等を背景に大量の国債を国内で低金利かつ安定的に消化してきた 財務省委員
寺岡政府参考人
国債の信用リスクに対するお尋ねだと思いますけれども、日本の財政は、家計の金融資産や御指摘の経常収支の黒字等を背景に、大量の国債を国内で低金利かつ安定的に消化してきたということでございます。
一方、一たび財政の持続可能性への信認が損なわれれば、金利の上昇等を通じ、利払い費が大きく増加するおそれがあることや、自国通貨建ての国債の場合であっても、通貨の信認を失えば、市場からの資金調達が困難となる可能性があることなど、財政面において重大な影響が及ぶと考えてございます。
したがいまして、引き続き、自国通貨建てであっても、市場や国際社会における中長期的な財政の持続可能性への信認が失われることのないよう、責任ある経済財政運営に努め
×××。
(小見出し)
当時の黒田東彦財務官は自国通貨建ての国債のデフォルトは考えられないと述べた 江田委員
江田委員
今の発言は看過できない。では、黒田財務官、当時、が出して、今でも載っているあれを否定するんですね。断言しているんですよ、自国通貨建ての国債のデフォルトは考えられないと。私が理解するところは、徴税権もある、通貨発行権もあるからなんですよ。
さっき言った、豊富な資金がある、日本は。支払い能力がある。そこからいざとなれば取れるので、税金で。だから、このデフォルトは考えられないという一般理論を述べているんです、一般理論を。具体理論じゃないよ。この一般理論をあなたは否定するということなのね、それをはっきりさせたい。[注]黒田東彦財務官1999年(平成11年)7月~2003年(平成15年)1月。
(小見出し)
日本の財政 外には健全、内には危機と述べるのは止めよ 江田委員
寺岡政府参考人
年々厳しさを増す財政状況に鑑みれば、仮に市場等の信認を失う事態が発生すれば、金利の上昇を通じて市場からの資金調達が必ずしも安定的に行われなくなる可能性も否定できないと考えてございます。
このため、政府としては、市場の信認を失うような事態が生じないよう、引き続き財政健全化を進めていくことが極めて重要だと考えてございます。
江田委員
明らかに当時の財務省の考えを否定したと。
というか、もう一切海外にこういうことを言わないでください。二枚舌ですから。格付会社、海外には、これ、あえて今日はやりませんけれども、日本の支払い能力は万全だ、低金利で、内国人に国債は消化されてと延々と書いていますよ。そんなことを対外的に言いながら、当時も国民には、財政は厳しい厳しい、増税が必要だと言っていた。完全な二枚舌なんですよ、財務省は。うそ八百なんですからね。金輪際言わないでくださいね、これを。
対外的に何があっても、いやいや、自国通貨建ての国債のデフォルトは考えられないというのは間違いでした、やはり信認が落ちれば、いろいろな財政支出も要るし、全体的に問題があるから、こういうことはまともに認められませんという答弁でしたからね、そこは言っておきますよ。
(小見出し)
日本のCDSスプレッドの値は約〇・二%
江田委員
では、CDS、クレジット・デフォルト・スワップ、今日本は、レバレッジ何%ですか。
奥政府参考人
お尋ねのCDSスプレッド、これは、その時々の経済財政の状況など様々な要因を背景に変動しておりますが、日本のCDSスプレッドの直近、本年四月三日時点の値は約〇・二%でございます。
(小見出し)
日本の国債はほぼ一〇〇%安全であることを示すCDSスプレッド〇・二%
江田委員
まあ、CDSを御存じない国会議員の人はいらっしゃらないと思いますが、念のため説明しますと、これは国債を買うときの保証料みたいなもんですね、保険料みたいなね。要は、日本の国債を百万円買いました、でも、その国債が破綻してしまった、そのときに全額返してもらうための保険料です。それが〇・二%というのは、今市場は、日本の国債はほぼ一〇〇%安全だと思っているということなんですよ。これは、G7で見ても、ドイツが〇・一五%に次いで安全だと市場は評価している。
ちなみに、フランスは〇・二四、アメリカですら〇・三八、イギリスも〇・三三、日本は〇・二三と極めて低い水準にあって、エジプトなんかは一三・三二、一時財政破綻までいったギリシャで二五〇%、二、三年前のロシア、ウクライナ危機、一〇〇%、日本は、何度も言いますけれども、〇・二三%。
財務省が幾らうそをついたって、市場が一番正直ですから、日本の国債はほぼ一〇〇%安全だと思って取引されているということを、是非国民の皆さん、知っていただきたいと思います。
(小見出し)
日本の支払い能力、保有能力は天下一品、日本の国債は一〇〇%安全 江田委員
江田委員
まとめると、日本の支払い能力、保有能力は天下一品、それを背景にして市場は、日本の国債は一〇〇%ほぼ安全だと思っている。何が財政破綻か。
要は、自民党政治というのは、担税能力のあるところからまともに税金を取っていないから、いつまでたっても財政は厳しい厳しいといって、庶民を苦しめる消費増税に走っている。経団連会長の発言が典型ですよ。経団連会長が記者会見して口を開くたびに、なぜ消費増税しか言わないか、それは法人税を上げたくないからなんですよ。
しかし、もう既に法人税下げ競争は終わっているんですよ、国際的には。バイデン大統領になって、トランプが一気に下げた法人税、二一%まで下げたものを二八%まで上げようとしています。今、議会の調整で二六・五%までちょっと下げていましたけれども、上げようとしている。イギリスのスナク政権は、サッチャー政権以来、半世紀ぶりに一九%の法人税を二五%に上げている。
みんな、コロナで拡大した支出、財政を賄うために法人税を上げているんですよ。だけれども、あなた方は絶対に上げられないと思いますよ。これもまたやりますから。財務省の資料でも、法人税を一番負担していないのは超大企業ですから。中小零細企業よりも法人税を負担していない、いろいろな政策減税措置を適用して、ということもありますからね。取るべきところから取れば、健康保険料の値上げも要らないし、それから防衛増税も要らないということをここでは申し述べておきたいと思います。
何度も言いますけれども、私も、資産・負債差額がマイナスである以上、財政規律は重要だと思っているんですよ、枠組みはね。私は、基本的考えは、この借金が将来的に収束するのか、発散するのかというのに注目しています。巨額の借金であっても、一千兆円の借金を、誰がやったって、あした、あさって返せないんだから。将来にわたってこの借金は収束するのか、発散するのかが重要なんですよ。
(小見出し)
ドーマーの定理 金利払いや借金返済よりも経済成長による税収が上回っていれば将来収束する
江田委員
そういう意味で、今政府も取っておられるプライマリーバランスをまずバランスさせた上で考えていこうという発想は、私が理解するところ、ドーマーの定理を背景にしている。ドーマーの定理というのは、二〇〇〇年代、与謝野・竹中論争があったんですけれども、結局、プライマリーバランスをバランスさせた上で経済成長率の方が長期金利よりも上回っていれば、もっと分かりやすく言うと、金利払いや借金返済よりも経済成長による税収が上回っていれば将来収束するからという意味で、私は一つの重要な枠組みだと思っているんですよ。ほかにもあるかもしれない、勉強してみますけれども。
そういう考えで今、プライマリーバランスを前提とした財政規律の枠組みをつくっているという理解でよろしいですか。確認です。
(小見出し)
経済の再生を図りつつプライマリーバランスの黒字化を達成、債務残高対GDP比を縮小させる 鈴木国務大臣
鈴木国務大臣
ドーマーの定理によりますと、債務残高対GDP比の変動につきましては、名目成長率と名目金利の大小関係のほか、プライマリーバランスの水準にも左右されると承知をしております。
将来の名目成長率と名目金利の水準について、政府として確たることを申し上げることができない中にありまして、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくためには、経済再生を図りつつ、まずはプライマリーバランスを黒字化することが必要であると考えます。
こうした点を踏まえまして、骨太方針では、経済の再生を図りつつ、二〇二五年度の国、地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を達成し、同時に債務残高対GDP比の安定的な下げを目指すこととされておりまして、政府といたしましては、これに基づいて財政運営を行っているところであります。
江田委員
GDPに占める債務残高比率というのは、従来から私は思っているんですけれども、どんな意味があるのかと思っているんですよ。
そういうことじゃなくて、まずプライマリーバランスを黒字化した上で、経済成長率を長期金利よりも上げていくということが重要なんですよ。そういう考えに立っているんですよね。これは確認ですけれども、今ぐちゃぐちゃおっしゃいましたけれども、そういうことですよね。
(小見出し)
プライマリーバランスの黒字化を目指し同時に債務残高対GDP比を安定的に下げる 財務省委員
寺岡政府参考人
大臣の御答弁したとおりでございますが、まず、現在の政府の方針については、経済の再生を図りつつ、二〇二五年度の国、地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を達成し、同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指す。
これは、おっしゃいますように、ドーマー条件、金利と成長率が一定な場合には、逆に申しますればプライマリーバランスが黒字化したときには、そのドーマー条件が成立いたしますれば債務残高GDP比が発散しないという条件でございますので、まずはを目指すというのが政府の方針ということでございます。
江田委員
先にそういう答弁をしてもらえばいいんですよ。
最後に、ゆめゆめ誤解なきように言うと、財務省が財政再建や財政規律を言い募るのは当然の職務です。だけれども、政府の中には、やはり財政の論理もあれば、経済の論理もあれば、社会保障の論理もあれば、外交、安全保障の論理もあって、それは並列なんですよ。それを、あたかも財政の論理が他の論理をへいげいするように財政規律だけを言っているのがおかしいと言っているだけなので。
私は、財務省が口酸っぱく財政再建や規律を言うのは、当たり前の職責。しかし、それを踏まえて総合的な判断、この国のために何が一番いいか、優先順位を決めるのは総理大臣、トップですからね。トップ、総理大臣が、財務省の言い分も聞く、経済産業省の言い分も聞く、厚生労働省の言い分も聞く、外務省の言い分も聞いた上で総合判断するということだから。
ゆめゆめ誤解しないでいただきたいのは、財務省がそういうことを言い募ることについて批判しているわけではなくて、私が今日言いたかったことは……
津島委員長
申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。
江田委員
国民に情報提供するときには、正確な公正な情報提供をしてください。その上で、民主主義国家ですから、最終的には国民が判断しますということを申し上げたかったわけでございます。
御清聴ありがとうございました。
津島委員長 これにて江田君の質疑は終了いたしました。
計量計測データバンク ニュースの窓-316-国債は子や孫への仕送りだ1000兆円超の借金に惑わされるな(第213回国会財務金融委員会第14号(令和6年4月5日(金曜日)(江田憲司君の質疑だけ抜き出し表示 計量計測データバンク編集部))
第14号 令和6年4月5日(金曜日)
会議録本文へ
令和六年四月五日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 津島 淳君
理事 井上 貴博君 理事 金子 俊平君
理事 鈴木 馨祐君 理事 塚田 一郎君
理事 稲富 修二君 理事 櫻井 周君
理事 伊東 信久君 理事 稲津 久君
石原 正敬君 英利アルフィヤ君
小田原 潔君 越智 隆雄君
大塚 拓君 大野敬太郎君
木原 誠二君 岸 信千世君
瀬戸 隆一君 藤丸 敏君
藤原 崇君 古川 禎久君
宮下 一郎君 宗清 皇一君
山田 美樹君 若林 健太君
江田 憲司君 階 猛君
末松 義規君 野田 佳彦君
馬場 雄基君 原口 一博君
沢田 良君 藤巻 健太君
掘井 健智君 中川 宏昌君
田村 貴昭君 吉田 豊史君
財務大臣
国務大臣
(金融担当) 鈴木 俊一君
内閣府副大臣 井林 辰憲君
財務副大臣 赤澤 亮正君
外務大臣政務官 穂坂 泰君
財務大臣政務官 瀬戸 隆一君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 和田 薫君
政府参考人
(警察庁刑事局組織犯罪対策部長) 猪原 誠司君
政府参考人
(金融庁総合政策局政策立案総括審議官) 堀本 善雄君
政府参考人
(金融庁企画市場局長) 井藤 英樹君
政府参考人
(金融庁監督局長) 伊藤 豊君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 笠置 隆範君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 吉田 雅之君
政府参考人
(財務省大臣官房総括審議官) 坂本 基君
政府参考人
(財務省主計局次長) 寺岡 光博君
政府参考人
(財務省主税局長) 青木 孝徳君
政府参考人
(財務省理財局長) 奥 達雄君
政府参考人
(財務省国際局長) 三村 淳君
政府参考人
(国税庁次長) 星屋 和彦君
政府参考人
(観光庁審議官) 石塚 智之君
政府参考人
(株式会社国際協力銀行代表取締役副総裁) 天川 和彦君
参考人
(日本銀行総裁) 植田 和男君
参考人
(日本銀行決済機構局長) 武田 直己君
財務金融委員会専門員 二階堂 豊君
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├計量計測データバンク ニュースの窓-318-日本の財政力と国債残高が意味すること--負債に見合う財産がある日本国 プライマリーバランス論に潜む謎解き--
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├第213回国会 財務金融委員会 第14号(令和6年4月5日(金曜日))
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├国債(借金)は子や孫への「仕送り」だ!・・・1000兆円超の借金に惑わされるな!
├国債は子や孫への「仕送り」だ!1000兆円超の借金に惑わされるな!-財務金融委(4/5)質疑より - 江田憲司(エダケンジ) | 選挙ドットコム
├国債(借金)は子や孫への「仕送り」だ!・・・1000兆円超の借金に惑わされるな!-財務金融委員会(4/5)質疑より(ハイライト動画) - 衆議院議員
江田けんじNET
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├日本銀行百年史
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├RIETI - ドル基軸通貨体制の行方 際立つ流動性、地位揺るがず
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├純喫茶エルマーナ: 社労士笠島正弘のあれこれ話そう
├古い田植え機を使う八ヶ岳山間地の水田 甲斐鐵太郎
├蓼科の山荘の10坪の喫茶室のこと 甲斐鐵太郎
├coffeeとエルマーナ 見ていた青春 若いころのこと-1- 夏森龍之介
├「coffeeとエルマーナ」 見ていた青春 若いころのこと-1- 夏森龍之介
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├計量計測データバンク ニュースの窓-301-
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夏森龍之介のエッセー
田渕義雄エッセーの紹介
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├日本の国家公務員の機構を旧日本軍の将校機構(士官学校、兵学校、陸軍大学、海軍大学)と対比する
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├計量計測データバンク ニュースの窓 目次
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2025-07-15-news-317-materia-content-collection-of-metrology-databank-317-
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