計量法の解説
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(10) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(10) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(9) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(10) 筆者 高原隆
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計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(10) 筆者 高原隆
筆者は計量行政職員であり現職時に作成した文章です。その後に計量法令は変更になっており、変更のある部分には編集部で注意書きをしております。元になっている文章は 計量計測データバンク「計量法の読み方」 ですので、本文に疑問がある場合には 「計量法の読み方」 を開いて確かめてください。この文章は計量法を理解するための古典ともいえる内容になっております。なお 「計量法の読み方」 が編集の都合によってPGFファイルですので、そのhtlm版として、本稿を作成いたしました。新聞紙面と併せてご利用ください。また経済産業省の穂オームページに掲載の次のページ計量制度の概要(METI/経済産業省)などで内容を確認してください。 「計量法の読み方」(https://www.keiryou-keisoku.co.jp/yomikata/ver.4-101022/yomikata-zenfile20170421.pdf)(計量計測データバンク編集部)
(見出し)
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-筆者 高原隆
(本文)
はじめに----------3
1、 計量法の目的----------4
1-1、計量法の目的とは----------4
1-2、計量法の目的と諸規定----------4
1-3、明示されていない目的----------5
2、定義等----------6
2-1、「計量」と「計量単位」----------6
2-2、「取引」及び「証明」----------7
2-3、「計量器」と「特定計量器」----------10
2-4、製造、改造、修理----------14
2-5、計量器の校正、標準物質、標準物質の値付け----------15
3、計量単位----------18
3-1、メートル条約----------18
3-2、SI単位----------20
3-3、法定計量単位----------22
3-4、非法定計量単位に関する規制----------25
4、適正な計量の実施----------37
4-1、正確な計量----------37
4-2、商品の販売に係る計量----------39
4-3、計量器等の使用----------46
5、定期検査----------53
5-1、定期検査制度----------53
5-2、指定定期検査機関----------69
6、正確な特定計量器等の供給----------81
6-1、正確な計量器の供給----------81
6-2、製造----------82
6-3、修理----------87
6-4、販売----------93
6-5、家庭用特定計量器----------96
6-6、譲渡等の制限----------100
6-7、特殊容器----------101
7、検定等----------110
7-1、検定----------110
7-2、型式承認----------136
7-3、指定製造事業者----------149
7-4、基準器検査----------160
7-5、指定検定機関----------177
8、計量証明の事業----------186
8-1、計量証明事業者制度とは----------186
-1-
8-2、計量証明事業者制度----------188
8-3、計量証明検査----------202
8-4、特定計量証明事業者制度----------210
9、適正な計量管理----------227
9-1、計量士----------227
9-2、適正計量管理事業所----------238
10、計量器の校正等----------247
10-1、トレーサビリティ制度(JCSS)----------247
10-2、公的な計量標準の設定と供給----------254
10-3、民間の計量標準の設定と供給(校正事業者登録制度)----------263
10、雑則----------274
11-1、報告----------274
11-2、立入検査----------278
11-3、計量行政審議会----------287
11-4、地方分権改正----------292
11-5、行政手続と不服申立て----------305
11-6、中央省庁再編(中央省庁等改革)に伴う改正----------313
11-7、その他----------317
計量法の解説
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(9) 筆者 高原隆
からの続き。
6正確な特定計量器等の供給
現計量法の「正確な特定計量器等の供給」の章は、主に「計量器に関する事業」の制度をまとめた部分となっている。「特定計量器等」の「等」の意味は、「特殊容器」が含まれているためである。
6-1正確な計量器の供給
正確な計量器の供給は、適正な計量の実施を確保するための前提となるものである。計量法では、正確な計量器の供給を担保するため、不適正な計量器を排除する「検定制度」と「計量器に関する事業規制」制度を設けている。計量器に関する事業規制は、一定の要件を具備した者に事業(製造、修理、販売、等)を行わせることにより特定計量器等の事業の適正化を図り、もって正確な計量器の供給を期する趣旨である。
6-1-1事業規制の変遷
度量衡取締条例時代以前
貨幣制度や徴税等に関する計量器(秤、枡)の製造等の事業については、古くから国の重要な所管事業として管理されてきた。江戸時代の頃には、江戸幕府による統一国家体制が強力に整えられ、幕府直轄の厳重な制度が確立していたと言われている。具体的には、江戸及び京都に「枡座」「秤座」を設け、そこで製造される「江戸枡」(「守随秤」)「京枡」(「善四郎秤」)が東33箇国及び西35箇国(秤は西33箇国)を支配し、両替分銅については江戸に「分銅座」を置き全国を一元的に支配したと言われている。
明治時代になってからは、それまでの枡座や秤座の事業を民間に委ねることとなり、明治8年に制定された度量衡取締条例の条文の多くが事業規制に係りがあるものであった。具体的には、度量衡三器の製作は各地方(各県)に各器(一器種)につき製作所一箇所(一製作者)として、大蔵省より製造免許鑑札を交付するなど、極めて厳しいものであった。因みに、販売に関する三器売捌所については、東京は各器5~6箇所、大阪は3~4箇所、その他は管轄地の広狭に応じて適当な箇所数を選定して定め、その地方長官において身元人物相当な者を選び、各売捌人に対して売捌免許鑑札が交付された。
度量衡法時代
明治24年制定の度量衡法(明治26年公布)においては、製造、販売等の免許制度については修理事業が追加され、度量衡取締条例と同様に全て農商務大臣(後の経済産業大臣)の免許となった。事業規制については、大幅に緩和され、それぞれの免
許人の数を府県ごとに定数制限することはやめ、状況に応じて免許することになる。事業者に対しては、規制緩和により免許人の数が増えていくことになるが、法律違反に対する免許取消しや無免許に対する罰則規定のほか、免許や検定手数料などが定められていた。この度量衡法は、現在の計量法の体系と似ている部分が多く、現行計量制度の原型として、これにより近代計量制度が確立したと言われている。
計量法時代
昭和26年制定の計量法(昭和27年公布)では、新しく民主的に生まれ変わった憲法や地方自治法に対応した計量制度への改正が行われた。事業規制については、製造は通商産業大臣の許可制、修理は都道府県知事の許可制、販売は都道府県知事の登録制となった。法定の計量器については、想定される計
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量器のほとんどを網羅し、大分類で27器種に及んだ。事業の区分については、製造の許可区分が50区分、修理の許可区分が24区分、販売の登録区分が7区分であった。その後、平成41年改正においては、すべての法規制は最小限にとどめるとの基本理念に基づいて、製造が大臣登録、修理及び販売が知事登録となり、事業登録の範囲も共に狭められた。
なお、現在は、製造事業は大臣届出、修理事業及び販売事業は知事届出と、全て届出制となっている。
6-2製造
6-2-1事業の届出
① 特定計量器の製造の事業を行おうとする者(自己が取引又は証明における計量以外にのみ使用する特定計量器の製造の事業を行う者を除く。)は、経済産業省令(施行則5条1項、別表1)で定める事業の区分(2号において単に「事業の区分」という。)に従い、あらかじめ、次の事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2) 事業の区分
3) 当該特定計量器を製造しようとする工場又は事業場の名称及び所在地
4) 当該特定計量器の検査のための器具、機械又は装置であって、経済産業省令(施行則5条2項)で定めるものの名称、性能及び数
② 前項の規定による届出は、電気計器以外の特定計量器に係る場合にあっては、経済産業省令(施行則6条)で定めるところにより、都道府県知事を経由してしなければならない。
<法40条>
「特定計量器の製造の事業を行おうとする者」の意味は、「営もうとする者」ではないため営利を目的とするか否かを問わず、「事業を行おうとする者」とは一回限りではなく反復継続する場合をいう。
また、自己が取引又は証明以外にのみ使用する場合は、届出をする必要はない。
特定計量器の製造の事業を行おうとする者は、電気計器以外は都道府県知事を経由し、経済産業大臣に届け出なければならない。電気計器については、直接経済産業大臣(政令委任(施行令43条)により経済産業局長)へ届出を行わなければならない。
届出の主体については、修理事業及び販売事業が知事への届出となっているのに対して、製造事業だけが大臣への届出となっている。これについては、正確な計量器の供給における製造事業の重要性、製造事業が複数の都道府県に跨る場合があること、改善命令等の監督の重要性などから、都道府県知事とはせず大臣としたとされている。
事業の区分等
(事業の区分)
① 法40条1項の経済産業省令で定める事業の区分は別表1の2欄に掲げるとおりとし、その事業の区分の略称は同表の3欄に掲げるとおりとする。
② 法40条1項4号に規定する検査のための器具、機械又は装置であって、経済産業省令で定めるものは、別表1の2欄の事業の区分に応じ、同表の4欄に掲げるとおりとする。
③ ①の場合において、別表1の4欄中の基準器については、登録事業者が特定標準器による校正等をされた計量器又はこれに連鎖して段階的に計量器の校正をされたものを用いて定期的に校正を行った計量器であって、当該基準器と同じ又はより高い精度のものをもってこれに代えること
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ができる。
④ 前二項の場合における基準器は、改造又は修理(施行則10条に規定する軽微な修理を含む。)をしたものであって、その後において基準器検査に合格していないものであってはならない。
<施行則5条>
①及び②は、届出に係る「事業の区分」と「検査のための器具、機械又は装置」を規定している。
③は、「検査のための器具、機械又は装置」について、当該基準器と同じ又はより高精度のJCSS校正された計量器に代えることができることを規定している。
④は、②及び③の基準器の場合、改造又は修理した後に基準器検査に合格していないものであってはならないことを規定している。
届出の手続き等
(事業の届出等)
① 法40条1項の規定により事業の届出をしようとする者は、様式1による届出書の正本一通及び副本二通を、電気計器に係る事業であって当該事業に係る工場又は事業場が一の経済産業局の管轄区域内のみにあるものにあっては経済産業局長、その他の事業にあっては経済産業大臣に提出しなければならない。ただし、電気計器以外の特定計量器に係る場合にあっては、その事業を行おうとする主たる工場又は事業場の所在地を管轄する都道府県知事を経由してしなければならない。
② 都道府県知事は、①の届出があった場合において、届出に係る工場又は事業場の所在地が他の都道府県の区域にあるときは、その都道府県の都道府県知事に様式2によりその旨を通知するものとする。
③ 都道府県知事は、①の届出書の副本一通を保管するものとする。
④ 経済産業大臣は、住民基本台帳法 (昭和42年法律81号)30条の7(3項)の規定により①の届出をしようとする者に係る同法30条の5(1項)に規定する本人確認情報の提供を受けることができないときは、当該届出をしようとする者に対し、住民票の写しを提出させることができる。
⑤ 都道府県知事は、住民基本台帳法30条の8(1項)の規定により①の届出をしようとする者に係る同法30条の5(1項)に規定する本人確認情報を利用することができないときは、当該届出を使用とする者に対し、住民票の写しを提出させることができる。
<施行則6条>
①は、製造事業の届出について、様式1の正本一通及び副本二通をそれぞれの届出主体に届け出なければならないことを規定している。
②は、知事(主たる工場又は事業場の所在地を管轄する)において、届出に係る工場又は事業場の所在地が他の都道府県の区域にある場合は、その都道府県知事に様式2により、その旨を通知することを規定している。
③は、知事は①の副本一通を保管する規定である。この場合、副本一通は受理印を押して届出者に手交し、正本一通は大臣へ進達する。
④及び⑤は、大臣(知事)が住民基本台帳による本人確認情報を利用できないときについて、住民票の写しを提出させることができることを規定している。
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承継
法40条1項の規定による届出をした者(以下「届出製造事業者」という。)がその届出に係る事業の全部を譲渡し、又は届出製造事業者について相続、合併若しくは分割(その届出に係る事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下同じ。)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その届出製造事業者の地位を承継する。<法41条>
承継とは、辞書によれば「先の人の地位、事業、精神などを受け継ぐこと。」となっている。この規定は、届出製造事業者の「譲渡」「相続」「合併」「分割」の場合の承継を規定している。「分割」については、商法改正に係る平成12年改正により、計量法における承継においても新たに「会社分割」を認めることとしたものである。
変更の届出等
① 届出製造事業者は、法40条1項1号、3号又は4号の事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
② ①の場合において、法41条の規定により届出製造事業者の地位を承継した者は、その事実を証する書面を提出しなければならない。
③ 法40条2項の規定は、①の規定による届出に準用する。
<法42条>
①の変更があった場合は、「届出書記載事項変更届」(施行則7条1項、様式3)を提出しなければならない。
②の承継(法41条)の場合は、①の「届出書記載事項変更届」に施行則7条2項の書面を添付し、提出しなければならない。
③は、知事への届出の場合についても、大臣と同様に①の規定を準用することを規定している。
(変更の届出等)
① 届出製造事業者は、法42条1項の規定により変更の届出をしようとするときは、様式3による届出書の正本一通及び副本二通を、電気計器に係る事業であって当該事業に係る工場又は事業場が一の経済産業局の管轄区域内のみにあるものにあっては経済産業局長、その他の事業にあっては経済産業大臣に提出しなければならない。ただし、電気計器以外の特定計量器に係る場合にあっては、その事業を行っている主たる工場又は事業場の所在地を管轄する都道府県知事を経由してしなければならない。
② 法41条の規定により届出製造事業者の地位を承継した者は、法42条2項の事実を証する書面として次に掲げるものを①の届出書に添えて提出しなければならない。
1) 法41条の規定により事業の全部を譲り受けたことによって届出製造事業者の地位を承継した者であって、個人にあっては、様式4による書面、法人にあっては、当該書面及び登記事項証明書
2) 法41条の規定により届出製造事業者の地位を承継した相続人であって、二人以上の相続人の全員の同意により選定された者にあっては、様式5による書面及び戸籍謄本
3) 法41条の規定により届出製造事業者の地位を承継した相続人であって、2)の相続人以外の者
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にあっては、様式6による書面及び戸籍謄本
4) 法41条の規定により合併によって届出製造事業者の地位を承継した法人にあっては、その法人の登記事項証明書
5) 法41条の規定により分割によって届出製造事業者の地位を承継した法人にあっては、様式6の2による書面及びその法人の登記事項証明書
③ 施行則6条2項及び3項の規定は、①の届出に準用する。
④ 経済産業大臣は、住民基本台帳法30条の7(3項)の規定により①の届出をしようとする者に係る同法30条の5(1項)に規定する本人確認情報の提供を受けることができないときは、当該届出をしようとする者に対し、住民票の写しを提出させることができる。
⑤ 都道府県知事は、住民基本台帳法30条の8(1項)の規定により①の届出をしようとする者に係る同法30条の5(1項)に規定する本人確認情報を利用することができないときは、当該届出を使用とする者に対し、住民票の写しを提出させることができる。
<施行則7条>
①は、「事業の届出等」と同様に、様式3の正本一通及び副本二通をそれぞれの届出先に届け出ることを規定している。
②は、承継の場合について、届出に添付する書面を規定している。
③は、「事業の届出等」と同様に、知事への届出に係る工場又は事業場の所在地が他の都道府県の区域にある場合の通知、正本一通の進達及び副本一通の保管等を規定している。
④及び⑤は、「事業の届出等」と同様に、住民基本台帳による本人確認情報を利用できない場合の住民票の写しの提出について規定している。
廃止の届出
① 届出製造事業者は、その届出に係る事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
② 第法40条2項の規定は、①の規定による届出に準用する。
<法45条>
この規定に違反した場合は、罰則(法179条)が適用される。
(廃止の届出)
① 届出製造事業者は、法45条1項の規定により事業の廃止の届出をしようとするときは、様式7による届出書の正本一通及び副本二通を、電気計器に係る事業であって当該事業に係る工場又は事業場が一の経済産業局の管轄区域内のみにあるものにあっては経済産業局長、その他の事業にあっては経済産業大臣に提出しなければならない。ただし、電気計器以外の特定計量器に係る場合にあっては、その事業を行っている主たる工場又は事業場の所在地を管轄する都道府県知事を経由してしなければならない。
② 施行則6条2項及び3項の規定は、①の届出に準用する。
<施行則9条>
6-2-2検査義務
届出製造事業者は、特定計量器を製造したときは、経済産業省令で定める基準に従って、当該特定計量器の検査を行わなければならない。ただし、法16条1項2号ロ(指定製造事業者)の指定を
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受けた者が法95条2項(基準適合義務等)の規定により検査を行う場合は、この限りでない。<法43条>
検査義務は、昭和41年改正において許可制から登録制に移行し、登録基準としてそれまでの「製造設備の保有」から「特定の検査設備の保有」に規制緩和された際に、自己検査の励行を担保するために設けられたとされている。これは、昭和41年以前の製造品の悉皆検定から譲渡制限計量器以外は取引又は証明用のみの検定に改められたことから、検査を受けない不適正計量器(検定対象以外のもの)が市中に出回ることを危惧したためである。
ただし書は、指定製造事業者に対しては基準適合義務で検査を義務付けているため、二重規制を避けたものである。
(検査義務)
法43条の経済産業省令で定める基準は、次のとおりとする。
1) 検査規則が制定され、その検査規則が確実に履行されていること。
2) 検査管理責任者又は検査部門(以下「検査管理責任者等」という。)が設置され、その検査管理責任者等が検査を統括していること。
3) 一定の周期で検査設備(施行則5条2項に規定する検査のための器具、機械又は装置を含む。以下同じ。)の検査が行われ、適正な検査を行うことができるように管理されていること。
4) 当該特定計量器の構造及び器差を検査するために必要な性能を有する検査設備を用いて、1)の検査規則に基づき全数検査により適正に検査が行われていること。
5) 検査に合格しなかった特定計量器が再調整され、又は廃棄されていること。
6) 検査管理責任者等が、検査記録を作成し、その検査管理責任者等の責任においてこれが3年以上保存されていること。
<施行則8条>
1)の「検査規則」については、平成5年以前の旧計量法では「検査規程」と呼ばれていたものであるが、以前は国で作成した検査規程のモデルが製造事業者に配布されていた。
6-2-3改善命令
経済産業大臣は、届出製造事業者が法43条の経済産業省令(施行則8条)で定める基準に従って特定計量器の検査を行っていないと認める場合において、当該特定計量器の適正な品質を確保するために必要があると認めるときは、その届出製造事業者に対し、当該特定計量器の検査のための器具、機械若しくは装置の改善又はその検査の方法の改善に関し、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。ただし、法43条ただし書(指定製造事業者)の場合は、この限りでない。<法44条>
改善命令の主体は、届出の主体と同じく大臣であり、知事ではない。改善命令の内容は、検査設備の改善及び検査方法の改善について、必要な措置をとるよう命令することができる。この改善命令に違反した場合は、罰則(174条)が適用されるが、その前に命令という行政措置により是正を図ることとし
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6-3修理
6-3-1事業の届出
届出の主体
特定計量器の修理(経済産業省令(施行則10条1項)で定める軽微な修理を除く。法49条3項を除き、以下同じ。)の事業を行おうとする者(自己が取引又は証明における計量以外にのみ使用する特定計量器の修理の事業を行う者を除く。)は、経済産業省令で定める事業の区分(2号において単に「事業の区分」という。)に従い、あらかじめ、次の事項を、電気計器に係る場合にあっては経済産業大臣に、その他の特定計量器に係る場合にあっては当該特定計量器の修理をしようとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。ただし、届出製造事業者が法40条1項の規定による届出に係る特定計量器の修理の事業を行おうとするときは、この限りでない。
1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2) 事業の区分
3) 当該特定計量器の修理をしようとする事業所の名称及び所在地
4) 当該特定計量器の検査のための器具、機械又は装置であって、経済産業省令(施行則13条)で定めるものの名称、性能及び数
<法46条1項>
修理事業については、電気計器は大臣(製造事業と同じく政令委任(施行令43条)により経済産業局長)、電気計器以外は都道府県知事に届け出なければならない。
修理事業の範囲(法46条1項柱書)
最初の括弧書の「軽微な修理を除く」については、省令(施行則10条1項)で定める軽微な修理はこの条文中の「修理」用語の全てから除かれ、即ち届出を要しないという意味である。
また、「法49条3項を除き、以下同じ。」とは、変成器の修理の場合はこの条文中の「修理」から除くという意味である。
事業の区分、検査設備
省令で定める「事業の区分」については、施行則13条において準用する施行則5条1項により、届出製造事業者と同じとなる。(施行則、別表1の「製造する事業」を「修理する事業」に読み替える。)(※なお、製造と修理の事業区分については、平成5年改正により一本化(41区分)された。)
また、4)の検査設備についても、施行則13条において準用する施行則5条2項により、届出製造事業者と同じとなる。
届出製造事業者による修理(法46条1項ただし書)
ただし書については、届出製造事業者は届出に係る検査設備の保有と製造技術も有していることから、改めて修理の届出を行う必要はないという意味である。(即ち、修理事業もできる。)
届出の手続き等
法41条、法42条1項及び2項並びに法45条1項の規定は、法46条1項の規定による届出をした者(以下「届出修理事業者」という。)に準用する。この場合において、法42条1項及び法45条1項中「経済産業大臣」とあるのは、「都道府県知事(電気計器の届出修理事業者にあっては、経済産業
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大臣)」と読み替えるものとする。<法46条2項>
届出の手続き等については、施行則13条の準用規定(施行則5条、6条1項及び3項、7条、8条、9条1項)により、届出製造事業者と同様の取り扱いとなる。
具体的には、届出の提出先(施行則6条1項)の「経済産業大臣」は「都道府県知事」、届出書(施行則6条1項、7条1項、9条1項)の「副本二通」とあるのは「副本一通」と読み替えられ、「承継」(法42序)「記載事項変更届」(法42条)及び「廃止届」(法45条)も同様に準用される。
(準用)
施行則5条、6条1項及び3項、7条、8条及び9条1項の規定は、法46条1項の特定計量器の修理の事業に準用する。この場合において、施行則5条1項及び6条1項中「法40条1項」とあるのは「法46条1項」と、施行則5条2項中「法40条1項4号」とあるのは「法46条1項4号」と、施行則6条1項、7条1項及び9条1項中「副本二通」とあるのは「副本一通」と、6条1項中「その事業を行おうとする主たる工場又は事業場の所在地を管轄する都道府県知事を経由してしなければならない」とあるのは「経済産業大臣に代えてその事業を行おうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出しなければならない」と、施行則7条1項及び9条1項中「その事業を行っている主たる工場又は事業場の所在地を管轄する都道府県知事を経由してしなければならない」とあるのは「経済産業大臣に代えてその事業を行っている事業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出しなければならない」と、施行則7条及び9条中「届出製造事業者」とあるのは「届出修理事業者」と、施行則7条1項中「法42条1項」とあるのは「法46条2項において準用する法42条1項」と、施行則7条2項中「法41条」とあるのは「法46条2項において準用する法41条」と、「法42条2項」とあるのは「法46条2項において準用する法42条2項」と、施行則8条中「法43条」とあるのは「法47条」と、施行則9条中「法45条1項」とあるのは「法46条2項において準用する法45条1項」と、別表1の第二欄中「製造する事業」とあるのは「修理する事業」と読み替えるものとする。<施行則13条>
6-3-2検査義務
届出製造事業者又は届出修理事業者は、特定計量器の修理をしたときは、経済産業省令(施行則8条準用)で定める基準に従って、当該特定計量器の検査を行わなければならない。
<法47条>
省令で定める基準については、施行則13条において準用する施行則8条となり、届出製造事業者と同じとなる。(即ち、届出製造事業者と同様の検査義務が課せられる。)
6-3-3改善命令
経済産業大臣又は都道府県知事は、届出製造事業者又は届出修理事業者が法47条の経済産業省令で定める基準に従って特定計量器の検査を行っていないと認める場合において、当該特定計量器の適正な品質を確保するために必要があると認めるときは、その届出製造事業者又は届出修理事業者に対し、当該特定計量器の検査のための器具、機械若しくは装置の改善又はその検査の方法の改善に関し、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。<法48条>
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改善命令は、内容は届出製造事業者の場合(法44条)と同様に検査設備の改善及び検査方法の改善であるが、命令の主体は大臣又は知事である。
6-3-4検定証印等の除去
証印等(検定証印等、変成器付電気計器の合番号、装置検査証印)の付された特定計量器の改造又は修理をした者は、原則、これらの検定証印等、合番号、装置検査証印を除去しなければならない。
これは、一旦故障した特定計量器を修理した場合、公的な検定を受けていなければ、不適正な特定計量器が取引又は証明に使用される危惧が生じるためである。こうしたことを排除するには、証印等の付された特定計量器を修理した場合、再び検定を受けてから使用させる必要があるため、その証印等の抹消を義務付けている。
検定証印等、法74条2項若しくは3項の合番号又は法75条2項の装置検査証印が付されている特定計量器の改造(法2条5項の経済産業省令で定める改造に限る。次項において同じ。)又は修理をした者は、これらの検定証印等、合番号又は装置検査証印を除去しなければならない。ただし、届出製造事業者若しくは届出修理事業者が当該特定計量器について、又は法127条1項の指定を受けた者がその指定に係る事業所において使用する特定計量器について、経済産業省令(施行則11条1項)で定める修理をした場合において、その修理をした特定計量器の性能が経済産業省令(施行則11条2項)で定める技術上の基準に適合し、かつ、その器差が経済産業省令(施行則11条2項)で定める使用公差を超えないときは、この限りでない。<法49条1項>
簡易修理(法49条1項ただし書)
簡易修理とは、計量器の性能、構造に影響を及ぼす修理であって、器差に影響を及ぼす蓋然性の乏しいものとされている。具体的は、法49条1項ただし書の省令(施行則11条1項)で定める修理であると明示されている。
法49条1項ただし書の意味は、届出製造事業者若しくは届出修理事業者又は適正計量管理事業所において簡易修理を行った場合、省令(施行則11条2項)で定める技術上の基準に適合し、かつ、その器差が省令(施行則11条2項)で定める使用公差を超えないときは、検定証印等の除去を行わなくてもよいということである。
法49条1項の経済産業省令で定める技術上の基準は特定計量器検定検査規則(通商産業省令70号。以下「検定検査規則」という。)64条の規定を、同項の経済産業省令で定める使用公差は検定検査規則65条の規定を、法49条1項の検定証印等の除去は検定検査規則29条の規定を準用する。<施行則11条2項>
型式承認表示を除去しない修理等(法49条2項ただし書)
法84条1項(法89条4項において準用する場合を含む。)の表示が付されている特定計量器の改造又は修理をした者は、その表示を除去しなければならない。ただし、届出製造事業者若しくは届出修理事業者が当該特定計量器について、又は法127条1項の指定を受けた者がその指定に係る事業所において使用する特定計量器について経済産業省令(施行則12条1項)で定める修理をした場合は、この限りでない。
<法49条2項>
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型式承認表示が付されている特定計量器の改造又は修理をした者は、その表示を除去しなければならない。ただし、届出製造事業者若しくは届出修理事業者又は適正計量管理事業所において省令(施行則12条1項)で定める修理(「簡易修理」及び「同一型式の範囲内の修理」)を行った場合は、その型式承認表示の除去はしなくてもよい。(「型式承認表示を除去しない修理」と言う場合は、通常、「同一型式の範囲内の修理」(検定証印等の除去は必要)のことを指す。)
この省令(施行則12条1項)で定める修理については、「簡易修理」と「型式承認の表示を除去しない修理(その特定計量器に係る型式と同一の型式に属するものとして産総研又は日電検が示す構造の範囲における修理)」とされている。
この修理を行った特定計量器は、「簡易修理」の場合はそのまま使用することができ、「型式承認の表示を除去しない修理」の場合は型式承認表示が付されたものとして検定を受けた後、取引又は証明に使用することができる。
法49条2項ただし書の経済産業省令で定める修理は、施行則11条1項に掲げる修理及び当該特定計量器に係る型式の承認のときに、特定計量器をその承認に係る型式と同一の型式に属するものとして独立行政法人産業技術総合研究所(以下「研究所」という。)又は日本電気計器検定所が示す構造の範囲における修理とする。<施行則12条1項>
変成器の合番号
変成器の製造又は修理の事業を行う者は、法74条2項の合番号が付されている変成器の改造又は修理(経済産業省令(施行則10条1項)で定める軽微な修理を除く。)をしたときは、その合番号を除去しなければならない。<法49条3項>
変成器の製造又は修理の事業を行う者は、合番号が付された変成器の改造又は修理(軽微な修理を除く)をしたときは、その合番号を除去しなければならない。
変成器付電気計器については、電気計器と変成器を別々に検査し、その両方の誤差の合計を誤差としている。従って、変成器を改造又は修理した場合は、変成器付電気計器の誤差も変化するため、その合番号の抹消を義務付けたものである。
法49条2項で規定する法第84条1項(法89条4項において準用する場合を含む。)の表示の除去及び法49条3項で規定する合番号の除去の方法は、検定検査規則29条の規定を準用する。
<施行則12条2項>
6-3-5有効期間のある特定計量器に係る修理
検定証印等の有効期間のある特定計量器については、再検定の前に修理を義務付ける必要のないもの(概ね器差の調整を行えば十分なもの)と、一定期間経過後修理が必要なものがある。
この「一定期間の経過後修理が必要な特定計量器」については、部品等の劣化により性能が悪化する蓋然性が高く、次の有効期間満了前に器差が大きくなる可能性が高いため、一定期間の経過後の修理が義務付けられている。(※この規定は、平成5年改正により設けられた。)
① 届出製造事業者又は届出修理事業者は、法72条2項の政令(施行令18条「検定証印等の有効期間のある特定計量器」)で定める特定計量器であって一定期間の経過後修理が必要となるものとして政令(施行令12条)で定めるものについて、経済産業省令(施行則14条)で定める基準に
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2026-03-28-no7-structure-and-function-and-purpose-of-the-measurement-law-
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(目次) 筆者 高原隆
計量法の解説- 計量法の構造と機能(目的)-(10) 筆者 高原隆
計量制度の概要(METI/経済産業省)
計量法における単位規制の概要
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の届出について
非法定計量単位による目盛等を付した計量器の販売の承認について
計量法における計量器の規制の概要
特定計量器に関する規制の概要
家庭用特定計量器(体重計・調理用はかり)に関する規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要(特定商品(食品など)の量目公差・内容量表記など)
特殊容器(丸正びん)制度
計量証明の事業
計量標準
法定計量における国際整合化の推進(国際法定計量機関)
普及啓発(計量記念日)
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計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
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計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
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