地蔵さんが伏し目しておりました。眉(まゆ)が引かれアイラインがあり紅を差してありました。京都の街角です。
年老いて京都に住まう。街の小さなお店で一合の酒を飲んで帰って休む。そのような生活をしている人がおります。
帰りの道の角には、地蔵さんが伏し目しておりました。眉(まゆ)が引かれアイラインがあり紅を差してありました。だれかが手を添えているのです。
京都のある大学は御所の裏手にあって煉瓦造りです。その近くの道の角にお地蔵がおりました。その大学に通っていたら京都弁になったかな、とその人は笑うのです。東京で生きて、京都に移ったのです。
人はどのような表情をしているのが良いのかを教えるお地蔵さんです。
写真と文は旅行家 甲斐鐵太郎
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