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計量計測データバンク ニュースの窓-125-
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├【著者紹介】著者河合潤は、京都大学大学院工学研究科の教授であり、世界的な分析化学の研究者である。河合は、東京大学工学部合志陽一教授の研究室で科学者としてのトレーニングを積み、同大学院で博士号を取得し、同大学生産技術研究所の教務技官・助手、理化学研究所基礎科学特別研究員を経て、1993 年に京都大学工学部助手、助教授を経て 2001年から教授の職にある。数々の学術賞を受賞するほか、国際学会からの招待講演も多い。このよう世界的分析化学の研究者が、何故、司法の領域の科学鑑定についての著書を世に問うたのであろうか。
【本書構成】本書は、「はじめに」と8章の本論および「おわりに」で構成される。本論は、第1章「カレー毒物混入事件」、第2章「2017 年和歌山地裁決定における重大な転換」、第3章「亜ヒ酸は同一ではなかった」、第4章「科警研鑑定と中井鑑定の関係」、第5章「第2審から再審請求まで」、第6章「林真須美頭髪鑑定の問題点」、第7章「職権鑑定」、および第8章「世界の動向と裁判の問題点」の8章から成る。本書の対象は、1998年7月に起きたいわゆる「和歌山カレー毒物混入事件」の科学鑑定である。
【事件と裁判】事件は1998年7月25日、和歌山市園部地区自治会主催の夏祭りにおいて、提供されたカレーライスを食べた住民の67人が腹痛や嘔吐感などを訴えて病院に搬送され、4人が死亡した事件である。犯人と疑われた林眞須美さんは、その年の 12 月29 日、和歌山地方裁判所に起訴され、2002年12月11日、殺人・同未遂・詐欺・同未遂の8つの公訴事実で有罪となり、死刑の判決を受けた。控訴審の大阪高等裁判所も、2005年6月28日、控訴を棄却し、最高裁判所(第三小法廷)も、2009年4月21日、被告人がカレー毒物混入事件の犯人であることは、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に証明されていると認められるとして上告を棄却し、死刑判決が確定した。
【再審請求】大阪拘置所の死刑監房に収容された林さんは、判決から3ヶ月後の2009年7月22日、和歌山地方裁判所に無罪を求める再審を請求したが、2018年3月29日、同請求を棄却する決定を言い渡した。抗告審の大阪高等裁判所は、2020年3月24日、抗告を棄却した。同年4月8日、最高裁判所に特別抗告し、第三小法廷に係属していた(以下「第1次再審」という。)。ところが、林さんは、2021年5月31日、殺人の凶器は、ヒ素ではなくシアン化合物であると主張する新たな再審請求を別の弁護士を請求代理人とする再審を和歌山地方裁判所に請求した(以下「第2次再審」という。)。
【重なる悲劇】事態はさらに急変した。同年6月9日、林さんの長女と2人の孫が、突然、不慮の死を遂げ、2日後の11日に新聞でこの事実を知った林さんは、9日後の20日、心身ともに疲弊し、精神に著しい混乱をきたす中、拘置所の職員に自筆の特別抗告取下書を預けた。施設側は、同月24日、本人にも、弁護人にも無断で、この書面を最高裁裁判所に送付し、受理した最高裁は、特別抗告は取下げられたと見做した。第1次再審の弁護人は、8月19日に、上記の取下書は,真意に基づかない私信であり、送付は不当であるから、取下げは無効であるとして審理の続行を求める「取下げ無効申立書」を提出している。なお、刑事裁判とは別に、大阪地裁民事部には、林さんが原告、確定審の2人の鑑定人を被告とする名誉毀損に基づく損害賠償請求訴訟が提訴されている。河合は、再審請求審の段階から、弁護団の科学に関する問いに答えはじめ、様々な難題に回答してきた。
【著者の意図】河合は、刑事裁判で採用された証拠の科学鑑定が、正しいかどうかを一つひとつチェックする作業の中で見つかった事実を指摘していった。抗告審まで裁判所に提出された意見書は、55丁、2000ページ以上に及ぶ。それらをわかりやすく、科学の知識のない人でも理解できるようにまとめた物が本書である。書名は「鑑定不正」という些かショッキングな表現が使われている。それは、鑑定の過誤の背景に、科学者個人の過誤だけでなく、意図的・組織的な不正の存在が明らかになってしまったからであろう。鑑定人と同じ科学者コミュニティに所属する科学者としては、「驚きであり、残念きわまりないことである」と語っている。他方で、不正が暴かれた鑑定人たちの言い逃れや、それを見抜けなかった裁判官たちの素朴な「過誤」を明らかにしていった結果、日本の刑事裁判と科学鑑定の「滑稽さ」を際立たせることになった。
【鑑定不正】犯罪の残酷さや冤罪への怒りはひとまず置き、真実に耳を傾けてみよう。1998年に起きたいわゆる「和歌山カレーヒ素事件」では、化学分析による鑑定を根拠に死刑判決が宣告された。裁判の中で鑑定人たちは、殺人に使われたとされる凶器の亜ヒ酸と被告人関連の亜ヒ酸とが異なることを知っていた。彼らは、これらの亜ヒ酸が「同一」だと見せかけるため、濃度比を百万倍して対数(log)を計算して創作した図を作成した。3価ヒ素(亜ヒ酸のこと)を検出できない分析方法を用いて、被告人の頭髪は高濃度の亜ヒ酸が付着していると断定した。20年以上の年月が経った現在でも、到底不可能な化学分析方法を使って「検出した」と断言する鑑定書もあった。河合は、鑑定書や証言の中にこの種の不正を発見し、結果として、多くの「鑑定不正」を見破ってしまった。
【誤魔化される裁判官】そのほとんどが文化系出身の法律家たちは、科学者の不正を見破ることができなかった。もとより、分析化学の専門家ではない裁判官たちも鑑定の不正を見破ることはできなかった。とても分かりやすい例がある。再審請求審の大阪高裁の決定では、「還元気化」という名称のヒ素分析方法において「ヒ素を還元していない」という趣旨の判示をしている。もし、還元していると、確定審で最高裁が「揺るぎない」と言った死刑判決の事実認定が破綻することになるからだ。「還元」法は「還元しない」という文章は「すごい」認定だ。日本の裁判所でしか通用しない論法だ。河合は言う。「不正な、真実とは異なる虚偽の鑑定は、事件の被害者やそのご家族が真実を知る機会を奪ったことになる」。そして、 本書の編集作業が最終段階に入った2021年6月、死刑の確定した冤罪の被害者の娘さんと2人のお孫さんが命を落とした。『鑑定不正』は執行を待たず、3人の冤罪被害者の生命を奪ったことになる。本書は、一人の科学者の日本刑事裁判の「反科学主義」との格闘の記録である。
以上。






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