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PDFロック解除と改行と空白処理(無料オンラインツールを使用)
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PDFロック解除と改行と空白処理(無料オンラインツールを使用)
PDFロック解除と改行と空白処理(無料オンラインツールを使用)
Unlock PDF and edit line breaks and whitespace (using a free online tool)
PDFロック解除と改行と空白処理(無料オンラインツールを使用)
2025-09-17-unlock-pdf-and-edit-line-breaks-and-whitespace-using-a-free-online-tool-
PDF(ファイル)にロックが掛かっているために引用したり論文などの文章の処理に苦労することがあります。これに対処する方法があります。「iLovePDF」というPDFをさまざまに処理するオンラインツールです。
「iLovePDF」のうちの一つのソフトウエアの「PDFロック解除」というオンラインツールを使ってPDF(ファイル)に掛かっているロックするのです。無料で提供されている「iLovePDF」です。
ロック解除したPDF文書には、不都合な改行マーク、そして同じように不都合な空白が残ることが多いので、改行マークと空白を除去して文書を元の状態に戻します。
一連の作業をするのには「iLovePDF」というオンラインツールを開いて、「PDFロック解除」を開いて作業をした後で、
PDFの改行削除ツール(https://diary-039.com/entry/2021/01/10/delete-newline)
と
日本語文章から不要な空白を削除(https://ryjkmr.github.io/remove-space-from-japanese-text/)
の
二つのオンラインツールを用いて処理するのです。いずれのオンラインツールも無料です。もしも有料の課金マークが出てきたら回避して対応します。
以下の文書はPDF(ファイル)ロック解除と、その後の改行削除、不要な空白を削除の処理方法です。
A、PDF(ファイル)ロック解除の方法
1、PDF(ファイル)をフォルダーに保存。保存するには「リンクのコピー」を選択して対処する。
a、PDF(ファイル)名は当該PDF(ファイル)ついている名称で保存される。付いていない場合などには仮の名前を付けて保存する。
2、「LovePDF」というPDFファンのためのオンラインツールを起動する。
a、PDF(ファイル)ロック解除の機能を立ち上げる。
b、PDF(ファイル)ロック解除の機能を動作させる。
次のような説明がでてくるのでそれに従う。
PDF文書のパスワード解除しますセキュリティを解除します。これでいつでもユーザーの希望に合わせて利用が可能です。
c、PDFファイルを選択 または、ここにPDFをドロップして下さい。
(1)「リンクのコピー」として保存したPDF(ファイル)を選択する。
(2)PDFロック解除を選択(クリックあるいはタッチ)して動作させる。
(3)ロック解除したPDF(ファイル)をダウンロードする。
(4)以上によってロックされていたPDF(ファイル)を入手することができる。
3、ロック解除されたPDF(ファイル)は改行マークと空白がある不完全な文章であることが多いので、次の二つオンラインツールを使って処理をする。
a、PDFの改行削除ツールを開いてPDF(ファイル)をコピーしてを張付けて、処理キーを押すと行マークが削除される。
b、日本語文章から不要な空白を削除するツールを開いて、aで処理された文書を張り付ける。bの処理を二度実施すると空白の除去率が高まることがある。
c、上によって処理された文章をテキスト文書やWord文書あるいは一太郎文書として保存する。
[PDFの改行削除ツールと日本語文章から不要な空白を削除するツールの二つのツール]
[PDFの改行削除ツールと日本語文章から不要な空白を削除するツールの二つのツール]
PDFからのコピペやOCRしたテキストなどでよく見られる
日本語文書中の不要な空白を削除します。
例:「この Apple は」→「このAppleは」
例:「図 1 に示す」「図1に示す」など
英文中の空白は無視します。
「1.1 はじめに」のような章番号の後ろの空白も無視します。
全角英数字は半角に変換します。 ついでに行頭の空白を削除、「,」を「、」に変換します。
取り切れない部分もあります。
やっていることは単純な置換の繰り返しなので、
ご自分の変換したい文章に合わせて改造して下さい
以上。(当該PDF(ファイル)をフォルダーに保存する際には「リンクのコピー」を選択する。なれない作業のために躊躇する場面であるので、あえて重複して書き込んで置く。これが肝要なところ。)
鍵が掛かっていたPDF(ファイル)を以上の方法によってロック解除して取得した文書の実例
以下は鍵が掛かっていたPDF(ファイル)を以上の方法によってロック解除して取得した文書の実例である。(ソフトウエアは「iLovePDF」「PDFの改行削除ツール」「日本語文章から不要な空白を削除するツール」の三つを使用)
処理事例その-1-(ロック解除してダウンロードした文書)
JAPAN TAPPI JOURNAL・58巻・2号・237頁
file:///C:/Users/user/Downloads/58_237_unlocked.pdf
偽札事件が発端の紙幣安全線植村峻(紙幣研究家)
偽札事件が発端の紙幣安全線
植村 峻 (紙幣研究家)
1942年春ベルリンの北にあったザクセンハウゼン
強制収容所の中に,更に厳重な鉄条網を張り巡らせた
特殊目的の工場が造られた。この工場にはドイツ各地
などのユダヤ人強制収容所等から約140人の製紙や印
刷技術の技師,熟練技術者,更に刑務所に収容されて
いた優秀な偽札犯人たちが移送され,作業が開始され
た。この作業はナチス親衛隊情報部ベルンハルト・ク
ルーガー大尉の指揮下で極秘裏に行われた大規模な偽
札製造作業であり,責任者の名前を採って「ベルンハ
ルト作戦」と名付けられていた。
近代戦争では敵国の経済活動を麻痺,破壊させるた
めの謀略作戦として,相手国の精巧な紙幣を大量に製
造頒布する戦略が採用されることが多く,この第2次
世界大戦下でも既にイギリス空軍が本物と区別できな
い精巧な偽2マルク紙幣をルール地区に空中散布して,
経済攪乱作戦の先鞭をつけていた。ナチスドイツはこ
れに対抗して,本物と偽造券とを判別できない全く完
璧なイギリスの5ポンド券などを大量偽造する計画を
策定し,紙幣用紙から製版,印刷,仕上げまで一貫し
て本物そっくりに作り上げ,占領地域,中立国での軍
需物資調達に使用したり,英国本土での使用も目論ん
だものであった。
当時イギリスで最も多く発行,使用されていたイン
グランド銀行の5ポンド券は,紙幣用紙に偽造防止の
重点が置かれ,「ホワイト・ファイバー」という愛称
の通り,精緻で複雑な白黒透かしによる文字を券面全
体に抄き入れている反面,印刷は地模様がなく,守護
女神ブリタニアの紋章,支払い文言などを墨一色で文
字印刷しただけの極めて簡素なものであった。
限りなく本物の紙質に近づけるため,5ポンド券の
紙幣を徹底的に調査分析し,トルコ産の亜麻を主原料
にした素材を使い,5ポンドと全く同じような白黒透
かしが抄造可能な漉き網を作ったが,最初は3枚に1
枚が失敗作であった。印刷用版面では,本物の紙幣を
2004年2月
拡大して紙幣の文字などに隠されているシークレット
・マークなどを解析して本物そっくりの金属板の原版
を製作,これを元に大型の紙幣専用印刷機で製造した
ほか,紙幣に使用されている極秘の記号や番号のルー
ル情報もスパイを使って入手し印刷した。更に,紙幣
を古く見せかける機械や人手を使って紙幣を揉み,若
干汚して本物らしさを追求した。
できあがった精巧な偽5ポンド券は,スパイの手によ
りスイスなどの中立国で使用したが偽札と露見せず,
更にイングランド銀行本店などで実際に使用したり,
鑑定を依頼しても見破られず,製造した偽札の全体金
額は不明であるが,大量の偽札がユーゴでの武器調達,
イタリアのムッソリーニ救出作戦の身代金,外国での
スパイの活動資金に使われた。
やがてこの偽札の存在はイングランド銀行によって
感知され,あまりの精巧さに当事者たちはショックを
隠せなかった。偽札と本物の相違点は,透かしの模様
のごく一部が違っているとか,印刷文字の隠しマーク
の一部がないとか,とても素人では判別できない精巧
なものであった。これに対抗してイングランド銀行,
紙幣用紙の製造メーカー・ポータルス社が採用した偽
造防止技法は,紙幣用紙に細い糸のようなセキュリテ
ィ・スレッド(安全線)を抄紙段階で抄き入れること
であり,これは透かしと同様に紙幣を明るい方向にか
ざすと容易に安全線を確認することができる画期的な
技法であった。
この安全線は,その後各種の改善が重ねられ,伝統
的な埋没式のほか,安全線が一部用紙の表面に断線状
に露出した窓開き安全線,幅が5ミリと巾広の安全線,
文字や図柄が入った安全線,電気的な信号等に反応す
る機械検知用の安全線,ホログラムなどの入った
OVD安全線など,様々な形態や機能を備えたものが
相次いで開発され,偽造防止に役立っている。
「必要は発明の母」であると言われるが,今日では
世界の紙幣の大部分に採用されている画期的な安全線
の採用の動機が,ナチス親衛隊による精巧な偽造とい
う深刻な被害に起因しているというのも意義深い。な
お,保守的なイングランド銀行では,その後1955年
まで白地の5ポンド券を使用したが,1957年以降にな
ってやっと「ヘルメットをかぶった女性」肖像やカラ
フルな地模様の5ポンド券に切り替え,偽造防止対策
を強化している。
処理事例その-2-(改行削除ツールを用いて改行マークを削除した文書)
JAPAN TAPPI JOURNAL・58巻・2号・237頁
file:///C:/Users/user/Downloads/58_237_unlocked.pdf
偽札事件が発端の紙幣安全線植村峻(紙幣研究家)
偽札事件が発端の紙幣安全線 植村 峻 (紙幣研究家) 1942年春ベルリンの北にあったザクセンハウゼン 強制収容所の中に,更に厳重な鉄条網を張り巡らせた
特殊目的の工場が造られた。この工場にはドイツ各地 などのユダヤ人強制収容所等から約140人の製紙や印 刷技術の技師,熟練技術者,更に刑務所に収容されて
いた優秀な偽札犯人たちが移送され,作業が開始され た。この作業はナチス親衛隊情報部ベルンハルト・ク ルーガー大尉の指揮下で極秘裏に行われた大規模な偽
札製造作業であり,責任者の名前を採って「ベルンハ ルト作戦」と名付けられていた。 近代戦争では敵国の経済活動を麻痺,破壊させるた めの謀略作戦として,相手国の精巧な紙幣を大量に製
造頒布する戦略が採用されることが多く,この第2次 世界大戦下でも既にイギリス空軍が本物と区別できな い精巧な偽2マルク紙幣をルール地区に空中散布して,
経済攪乱作戦の先鞭をつけていた。ナチスドイツはこ れに対抗して,本物と偽造券とを判別できない全く完 璧なイギリスの5ポンド券などを大量偽造する計画を
策定し,紙幣用紙から製版,印刷,仕上げまで一貫し て本物そっくりに作り上げ,占領地域,中立国での軍 需物資調達に使用したり,英国本土での使用も目論ん
だものであった。 当時イギリスで最も多く発行,使用されていたイン グランド銀行の5ポンド券は,紙幣用紙に偽造防止の 重点が置かれ,「ホワイト・ファイバー」という愛称
の通り,精緻で複雑な白黒透かしによる文字を券面全 体に抄き入れている反面,印刷は地模様がなく,守護 女神ブリタニアの紋章,支払い文言などを墨一色で文
字印刷しただけの極めて簡素なものであった。 限りなく本物の紙質に近づけるため,5ポンド券の 紙幣を徹底的に調査分析し,トルコ産の亜麻を主原料
にした素材を使い,5ポンドと全く同じような白黒透 かしが抄造可能な漉き網を作ったが,最初は3枚に1 枚が失敗作であった。印刷用版面では,本物の紙幣を
2004年2月 拡大して紙幣の文字などに隠されているシークレット ・マークなどを解析して本物そっくりの金属板の原版 を製作,これを元に大型の紙幣専用印刷機で製造した
ほか,紙幣に使用されている極秘の記号や番号のルー ル情報もスパイを使って入手し印刷した。更に,紙幣 を古く見せかける機械や人手を使って紙幣を揉み,若
干汚して本物らしさを追求した。 できあがった精巧な偽5ポンド券は,スパイの手によ りスイスなどの中立国で使用したが偽札と露見せず, 更にイングランド銀行本店などで実際に使用したり,
鑑定を依頼しても見破られず,製造した偽札の全体金 額は不明であるが,大量の偽札がユーゴでの武器調達, イタリアのムッソリーニ救出作戦の身代金,外国での
スパイの活動資金に使われた。 やがてこの偽札の存在はイングランド銀行によって 感知され,あまりの精巧さに当事者たちはショックを 隠せなかった。偽札と本物の相違点は,透かしの模様
のごく一部が違っているとか,印刷文字の隠しマーク の一部がないとか,とても素人では判別できない精巧 なものであった。これに対抗してイングランド銀行,
紙幣用紙の製造メーカー・ポータルス社が採用した偽 造防止技法は,紙幣用紙に細い糸のようなセキュリテ ィ・スレッド(安全線)を抄紙段階で抄き入れること
であり,これは透かしと同様に紙幣を明るい方向にか ざすと容易に安全線を確認することができる画期的な 技法であった。 この安全線は,その後各種の改善が重ねられ,伝統
的な埋没式のほか,安全線が一部用紙の表面に断線状 に露出した窓開き安全線,幅が5ミリと巾広の安全線, 文字や図柄が入った安全線,電気的な信号等に反応す
る機械検知用の安全線,ホログラムなどの入った OVD安全線など,様々な形態や機能を備えたものが 相次いで開発され,偽造防止に役立っている。 「必要は発明の母」であると言われるが,今日では
世界の紙幣の大部分に採用されている画期的な安全線 の採用の動機が,ナチス親衛隊による精巧な偽造とい う深刻な被害に起因しているというのも意義深い。な
お,保守的なイングランド銀行では,その後1955年 まで白地の5ポンド券を使用したが,1957年以降にな ってやっと「ヘルメットをかぶった女性」肖像やカラ
フルな地模様の5ポンド券に切り替え,偽造防止対策 を強化している。
処理事例その-3-(日本語文章から不要な空白を削除するツールを用いて空白を削除した文書)
JAPAN TAPPI JOURNAL・58巻・2号・237頁
file:///C:/Users/user/Downloads/58_237_unlocked.pdf
偽札事件が発端の紙幣安全線植村峻(紙幣研究家)
偽札事件が発端の紙幣安全線植村峻(紙幣研究家) 1942年春ベルリンの北にあったザクセンハウゼン強制収容所の中に、更に厳重な鉄条網を張り巡らせた特殊目的の工場が造られた。この工場にはドイツ各地などのユダヤ人強制収容所等から約140人の製紙や印刷技術の技師、熟練技術者、更に刑務所に収容されていた優秀な偽札犯人たちが移送され、作業が開始された。この作業はナチス親衛隊情報部ベルンハルト・クルーガー大尉の指揮下で極秘裏に行われた大規模な偽札製造作業であり、責任者の名前を採って「ベルンハルト作戦」と名付けられていた。
近代戦争では敵国の経済活動を麻痺、破壊させるための謀略作戦として、相手国の精巧な紙幣を大量に製 造頒布する戦略が採用されることが多く、この第2次世界大戦下でも既にイギリス空軍が本物と区別できない精巧な偽2マルク紙幣をルール地区に空中散布して、
経済攪乱作戦の先鞭をつけていた。ナチスドイツはこれに対抗して、本物と偽造券とを判別できない全く完璧なイギリスの5ポンド券などを大量偽造する計画を策定し、紙幣用紙から製版、印刷、仕上げまで一貫して本物そっくりに作り上げ、占領地域、中立国での軍
需物資調達に使用したり、英国本土での使用も目論んだものであった。当時イギリスで最も多く発行、使用されていたイングランド銀行の5ポンド券は、紙幣用紙に偽造防止の重点が置かれ、「ホワイト・ファイバー」という愛称の通り、精緻で複雑な白黒透かしによる文字を券面全体に抄き入れている反面、印刷は地模様がなく、守護女神ブリタニアの紋章、支払い文言などを墨一色で文字印刷しただけの極めて簡素なものであった。
限りなく本物の紙質に近づけるため、5ポンド券の紙幣を徹底的に調査分析し、トルコ産の亜麻を主原料にした素材を使い、5ポンドと全く同じような白黒透かしが抄造可能な漉き網を作ったが、最初は3枚に1枚が失敗作であった。印刷用版面では、本物の紙幣を2004年2月拡大して紙幣の文字などに隠されているシークレット・マークなどを解析して本物そっくりの金属板の原版を製作、これを元に大型の紙幣専用印刷機で製造したほか、紙幣に使用されている極秘の記号や番号のルール情報もスパイを使って入手し印刷した。更に、紙幣を古く見せかける機械や人手を使って紙幣を揉み、若干汚して本物らしさを追求した。できあがった精巧な偽5ポンド券は、スパイの手によりスイスなどの中立国で使用したが偽札と露見せず、更にイングランド銀行本店などで実際に使用したり、
鑑定を依頼しても見破られず、製造した偽札の全体金 額は不明であるが、大量の偽札がユーゴでの武器調達、イタリアのムッソリーニ救出作戦の身代金、外国でのスパイの活動資金に使われた。やがてこの偽札の存在はイングランド銀行によって感知され、あまりの精巧さに当事者たちはショックを隠せなかった。偽札と本物の相違点は、透かしの模様のごく一部が違っているとか、印刷文字の隠しマークの一部がないとか、とても素人では判別できない精巧なものであった。これに対抗してイングランド銀行、
紙幣用紙の製造メーカー・ポータルス社が採用した偽造防止技法は、紙幣用紙に細い糸のようなセキュリティ・スレッド(安全線)を抄紙段階で抄き入れることであり、これは透かしと同様に紙幣を明るい方向にかざすと容易に安全線を確認することができる画期的な技法であった。この安全線は、その後各種の改善が重ねられ、伝統
的な埋没式のほか、安全線が一部用紙の表面に断線状に露出した窓開き安全線、幅が5ミリと巾広の安全線、文字や図柄が入った安全線、電気的な信号等に反応する機械検知用の安全線、ホログラムなどの入ったOVD安全線など、様々な形態や機能を備えたものが相次いで開発され、偽造防止に役立っている。
「必要は発明の母」であると言われるが、今日では世界の紙幣の大部分に採用されている画期的な安全線の採用の動機が、ナチス親衛隊による精巧な偽造という深刻な被害に起因しているというのも意義深い。なお、保守的なイングランド銀行では、その後1955年まで白地の5ポンド券を使用したが、1957年以降になってやっと「ヘルメットをかぶった女性」肖像やカラフルな地模様の5ポンド券に切り替え、偽造防止対策を強化している。
処理事例その-4-(ロック解除、改行マーク削除、空白削除のあとで原文と照らしてわずかに処理した最終文書)
JAPAN TAPPI JOURNAL・58巻・2号・237頁
file:///C:/Users/user/Downloads/58_237_unlocked.pdf
偽札事件が発端の紙幣安全線植村峻(紙幣研究家)
偽札事件が発端の紙幣安全線植村峻(紙幣研究家)
1942年春ベルリンの北にあったザクセンハウゼン強制収容所の中に、更に厳重な鉄条網を張り巡らせた特殊目的の工場が造られた。この工場にはドイツ各地などのユダヤ人強制収容所等から約140人の製紙や印刷技術の技師、熟練技術者、更に刑務所に収容されていた優秀な偽札犯人たちが移送され、作業が開始された。この作業はナチス親衛隊情報部ベルンハルト・クルーガー大尉の指揮下で極秘裏に行われた大規模な偽札製造作業であり、責任者の名前を採って「ベルンハルト作戦」と名付けられていた。
近代戦争では敵国の経済活動を麻痺、破壊させるための謀略作戦として、相手国の精巧な紙幣を大量に製 造頒布する戦略が採用されることが多く、この第2次世界大戦下でも既にイギリス空軍が本物と区別できない精巧な偽マルク紙幣をルール地区に空中散布して、
経済攪乱作戦の先鞭をつけていた。ナチスドイツはこれに対抗して、本物と偽造券とを判別できない全く完璧なイギリスの5ポンド券などを大量偽造する計画を策定し、紙幣用紙から製版、印刷、仕上げまで一貫して本物そっくりに作り上げ、占領地域、中立国での軍
需物資調達に使用したり、英国本土での使用も目論んだものであった。
当時イギリスで最も多く発行、使用されていたイングランド銀行の5ポンド券は、紙幣用紙に偽造防止の重点が置かれ、「ホワイト・ファイバー」という愛称の通り、精緻で複雑な白黒透かしによる文字を券面全体に抄き入れている反面、印刷は地模様がなく、守護女神ブリタニアの紋章、支払い文言などを墨一色で文字印刷しただけの極めて簡素なものであった。
限りなく本物の紙質に近づけるため、5ポンド券の紙幣を徹底的に調査分析し、トルコ産の亜麻を主原料にした素材を使い、5ポンドと全く同じような白黒透かしが抄造可能な漉き網を作ったが、最初は3枚に1枚が失敗作であった。印刷用版面では、本物の紙幣を拡大して紙幣の文字などに隠されているシークレット・マークなどを解析して本物そっくりの金属板の原版を製作、これを元に大型の紙幣専用印刷機で製造したほか、紙幣に使用されている極秘の記号や番号のルール情報もスパイを使って入手し印刷した。更に、紙幣を古く見せかける機械や人手を使って紙幣を揉み、若干汚して本物らしさを追求した。
できあがった精巧な偽5ポンド券は、スパイの手によりスイスなどの中立国で使用したが偽札と露見せず、更にイングランド銀行本店などで実際に使用したり、鑑定を依頼しても見破られず、製造した偽札の全体金
額は不明であるが、大量の偽札がユーゴでの武器調達、イタリアのムッソリーニ救出作戦の身代金、外国でのスパイの活動資金に使われた。やがてこの偽札の存在はイングランド銀行によって感知され、あまりの精巧さに当事者たちはショックを隠せなかった。偽札と本物の相違点は、透かしの模様のごく一部が違っているとか、印刷文字の隠しマークの一部がないとか、とても素人では判別できない精巧なものであった。
これに対抗してイングランド銀行、紙幣用紙の製造メーカー・ポータルス社が採用した偽造防止技法は、紙幣用紙に細い糸のようなセキュリティ・スレッド(安全線)を抄紙段階で抄き入れることであり、これは透かしと同様に紙幣を明るい方向にかざすと容易に安全線を確認することができる画期的な技法であった。この安全線は、その後各種の改善が重ねられ、伝統
的な埋没式のほか、安全線が一部用紙の表面に断線状に露出した窓開き安全線、幅が5ミリと巾広の安全線、文字や図柄が入った安全線、電気的な信号等に反応する機械検知用の安全線、ホログラムなどの入ったOVD安全線など、様々な形態や機能を備えたものが相次いで開発され、偽造防止に役立っている。
「必要は発明の母」であると言われるが、今日では世界の紙幣の大部分に採用されている画期的な安全線の採用の動機が、ナチス親衛隊による精巧な偽造という深刻な被害に起因しているというのも意義深い。なお、保守的なイングランド銀行では、その後1955年まで白地の5ポンド券を使用したが、1957年以降になってやっと「ヘルメットをかぶった女性」肖像やカラフルな地模様の5ポンド券に切り替え、偽造防止対策を強化している。
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