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国際度量衡総会のキログラムの定義変更と産業技術総合研究所の発表資料など

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速報!国際度量衡総会において新定義採択。国立研究開発法人 産業技術総合研究所。2018/11/16。
11月13日~16日フランス共和国・ベルサイユ国際会議場において第26回国際度量衡総会が開催されました。 16日にはキログラムを含む基本4単位の定義改定が審議され、新定義が採択されました。全ての計量単位が原器という器物から解放される、歴史的節目となりました。今後さらなる計測技術の発展が期待されます。新定義は2019日5月20日から適用されることも併せて決議されました。詳しくは計量標準総合センターSI基本単位定義改定特設ページを参照ください。計量標準総合センターSI基本単位定義改定特設ページ。


産総研 中鉢良治 理事長コメント キログラム定義改定における産総研の役割


 本日、フランスで開催された国際度量衡総会で、約130年ぶりに、質量の単位キログラムの定義を「国際キログラム原器」という器物から、「プランク定数」という物理定数を基にした定義に改定することが決定されました。

 キログラムは国際単位系(SI)の中でも特に重要な基本単位の1つであり、その定義は世界中のあらゆる重さの測定に影響しますが、キログラム原器のわずかな不安定さが問題となってきました。そのため、定義改定に向けて主要各国が最高水準の技術を投入し、長期間にわたり、検討と議論が進められてきました。

2017年、産総研を含む各国の国家計量標準機関が測定したプランク定数の値から調整値が決定されました。このとき使用されたデータは8つですが、産総研は実にそのうちの4つの測定に関わっています。そして、このプランク定数の調整値を用いてキログラムを新しく定義することが本日決定されたのです。プランク定数は不変であるため、より信頼性の高い質量の測定が可能になります。

 定義改定の基礎となったプランク定数の測定に産総研が多大な貢献をなしえたことは、産総研が中心となって培ってきた日本の測定技術が世界的に見ても非常に高い水準にあることを意味します。

 計量標準は、普段意識することはありませんが、あらゆる科学・技術の基礎となる極めて重要なものさしです。産総研計量標準総合センターの研究者たちの、科学・技術の基盤を支えるという高い志と常に究極の精度を追求するたゆまぬ努力が、定義改定への貢献となって結実したものです。

 私は産総研理事長として、また一人の技術者として、研究者たちの成果と貢献に対し、心より敬意を表したいと思います。

 新しい定義は2019年5月20日の世界計量記念日から適用されます。この日同時に、ケルビン(温度)、アンペア(電流)、モル(物質量)の定義改定も実行されます。これらの定義改定により、一般の方の生活にただちに影響がでることはありませんが、長期的には様々な恩恵がもたらされると期待できます。これは、かつて長さの基準をメートル原器から光の速さにしたことで微細加工の評価が可能になったことと同様に、微小質量を扱うナノテクノロジー、バイオテクノロジーや次世代半導体開発、極低温・超高温制御が必要な材料開発などで求められる高精度な測定を実現し、新しい産業の創出に貢献していくことが期待されます。

 産総研は、前身機関を含めた約130年間、キログラム原器を保管し、計量標準の中核機関としての役割を務めてまいりました。今回の定義改定により、計量標準は新たな世界へと進化してまいります。産総研は、今後も日本の計量標準の中心として、高度な測定技術の開発・維持に努め、科学・技術の発展に貢献してまいります。
最後に、これまでの研究活動を支えていただいた国内外の関係機関の皆様方及び国民の皆様方に心からお礼を申し上げますとともに、今後とも変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げます。

2018年11月16日
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
理事長 中鉢 良治



国際単位系(SI)の基本単位定義改定に関する公開審議のライブウェブキャストのお知らせ


 11/16(金)日本時間19:00(パリ現地時間11:00)より第26回国際度量衡総会での国際単位系(SI)の基本単位定義改定に関する公開審議のライブウェブキャストが行われます。下記リンクからご覧いただけます。
https://www.bipm.org/en/the-si/
(なおウェブキャストは基調講演から始まり、審議終了は日本時間21:25(パリ現地時間13:25)が予定されています)

はじめに

 科学の発展とともに、SI基本単位の定義の多くは、例えば長さはメートル原器から「光の速さ」という物理定数にもとづく定義となり、より普遍的なものに置き換わってきました。

 このような流れの中で、質量だけは国際キログラム原器 という人工物で定義され、100年以上にわたって使われてきましたが、その質量変動の影響が懸念されています。このため、基礎物理定数の一つであるプランク定数にもとづいた質量の定義を目指して、日本を含む世界の計量標準機関が研究開発を重ねています。定義改定の条件が満たされた場合、2018年秋の国際度量衡総会においてプランク定数にもとづいた質量の定義採択が審議される予定です。

 この定義改定が日常生活や従来の計量計測 に直ちに影響を与えることはありません。その一方で、 決して変わらない物理定数を定義にすることで計量単位の長期的不変性が確保されます。また新しい定義による測定器が開発されることで、これまで正確に測定することが困難だった 微小質量を直接測ることが可能となるなど、ナノテクノロジーなどへの寄与が期待されています。このように新しい定義は、計量計測におけるイノベーションを起こす可能性を秘めたものであり、計量計測分野の発展に寄与することが期待されています。

国際単位系(SI)の将来の改定について

 国際度量衡総会(CGPM)は、第25回総会(2014年11月)において国際単位系(SI)の将来の改定についての決議を採択しました。この決議はCGPMの過去の決議(2011)をもとにしており、SIの改定に向けた国際度量衡委員会(CIPM)の推奨事項を銘記するとともに、将来の変更へ向けての詳細なロードマップを提示しました。
 「新しいSI」において、SI 基本単位のうち四つ、すなわちキログラム、アンペア、ケルビン、そしてモルは物理定数を用いて再定義されます。つまり、それらの新しい定義は、それぞれプランク定数(h)、電荷素量(e)、ボルツマン定数(k)、そしてアボガドロ定数(NA)の確定値にもとづくことになります。この結果、SIのすべての7つ基本単位が、物理定数の式で表現されます。そして、基本単位の定義を実用的に実現する手段として、具体的な現示(実現)方法も規定されます。

 国際度量衡委員会諮問委員会による文書 "Information for users about the proposed revision of the SI" の和訳版「SI(国際単位系)の定義改定案について」

 本コーナー はこのように改定が予定されるSIの最新状況をお伝えするため、今後順次拡充していく予定です。

SI定義改定に関する情報へのリンク

国際度量衡委員会諮問委員会による文書 "Information for users about the proposed revision of the SI" の和訳版「SI(国際単位系)の定義改定案について」

国際単位系(SI)に関する説明は以下のウェブページに情報があります。
https://www.nmij.jp/library/#si

国際度量衡総会(CGPM)および国際度量衡委員会(CIPM)に関する説明は以下のウェブページに情報があります。
https://www.nmij.jp/~imco/metric/

講演会のご案内
  ・日本学術会議公開シンポジウム
     「新しい国際単位系(SI)重さ、電気、温度、そして時間の計測と私たちの暮らし」
     https://www.nmij.jp/public/event/2018/scj-symposium_2018/

SI定義改定に関わる過去の講演会資料は以下のウェブページからダウンロード出来ます。
  ・第十四回 NMIJ国際計量標準シンポジウム
     新時代を迎える計量基本単位 -アンペアの定義改定と将来展望-
     https://www.nmij.jp/public/event/2018/Forum2018/
  ・計測標準フォーラム第15回講演会共催
     新時代を迎える計量基本単位 -SI定義改定のインパクト
     https://www.nmij.jp/public/event/2017/Forum2017/
    ・計測標準フォーラム第14回講演会
     新時代を迎える計量基本単位 -新SIと将来技術
     https://www.nmij.jp/public/event/2016/Forum2016/
     NMIJ 国際計量標準シンポジウム
    ・「新時代を迎える計量基本単位 —新SI最新動向—」
     ~計測標準フォーラム第13回講演会~
     https://www.nmij.jp/public/event/2015/Forum2015/

国際度量衡局のSI定義改定に関するホームページ(英語)のURLです
http://www.bipm.org/en/measurement-units/rev-si/

SI Brochure第9版草稿(英語)がダウンロードできるウェブページです。
http://www.bipm.org/en/measurement-units/rev-si/#communication

 質量の単位「キログラム」の新たな基準となるプランク定数の決定に貢献(2017年10月24日)
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2017/pr20171024/pr20171024.html

最終更新日 2018.11.14

(以上のコンテンツは計量標準総合センターがwebに掲載したものを元に作成していおります)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター
計量標準普及センター 計量標準調査室 nmij-info-ml@aist.go.jp
(スパム防止の為@マークは全角にしております.半角の@に入れ替えてご利用下さい。)

質量の単位であるキログラム(kg)の定義変更と関連する諸事項
2018-11-16-various-matters-related-to-the-definition-change-of-kilogram-which-is-unit-mass-measurement-news-site-

国際度量衡総会のキログラムの定義変更と産業技術総合研究所の発表資料など
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「キログラム」の定義、変更を決定 「アンペア」なども。朝日新聞。2018年11月16日21時26分。
質量の単位「キログラム」の定義が「国際キログラム原器」と呼ばれる分銅から、約130年ぶりに見直される。日本を含む各国が加盟するメートル条約で単位のあり方を定める「国際度量衡総会」が16日、フランスで開かれ、キログラムなど四つの単位の改定案が可決された。新しい定義は来年5月から導入される。

質量の単位「kg」130年ぶり定義見直し。読売新聞。2018年11月16日 22時04分。

パリ郊外で開会中の国際会議「国際度量衡どりょうこう総会」は16日、質量の単位キログラム(kg)など四つの単位の定義改定案を承認した。質量の単位は、1889年から分銅「国際キログラム原器」で定義されてきたが、130年ぶりに見直されることになった。ほかに定義が見直される単位は、電流のアンペア(A)と温度のケルビン(K)、物質量のモル(mol)。定義の改定は1983年のメートル(m)以来で、来年5月20日の「世界計量記念日」に正式に新定義に移行する。

「キログラム」の定義変更を採択=約130年ぶり-国際度量衡総会。時事通信社。(2018/11/16-22:22)
フランスにある円柱状の分銅を国際的な基準としている質量の単位「キログラム」の定義を約130年ぶりに見直し、基礎物理定数を使った新たな定義に移行する案が16日、パリで開かれた国際度量衡総会で採択された。移行は来年5月20日から。1キログラムの質量そのものは変わらず、社会生活に影響はないが、誤差が生じにくくなるため、新薬開発などに必要な微細な質量の計測がより正確にできるようになる。

2018年11月開催の国際度量衡総会の概要 キログラムなど4単位の定義改定 を予定 国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター 計量普及センター 国際計量室長 齋藤則生

質量の単位キログラムの定義変更、数日のうちに。国際度量衡総会で。NHK NEWS WEB。

(画像をタッチすると動画をみることができます)
産業技術総合研究所計量標準総合センターの臼田孝センター長は「定義の見直しで1キログラムの重さ自体が変わるわけではないので、
日常生活に変化はありませんが、より精度が高くなるため、ナノテクノロジーや創薬など微小なものを扱う産業にはメリットがあると思います」と話しています。

動画。日本国キログラム原器を公開。NHK NEWS WEB。11月12日。

質量の単位「キログラム」の新たな基準となるプランク定数の決定に貢献。発表・掲載日:2017/10/24。

-アボガドロ定数の高精度化に成功-普遍的な物理定数に基づく新しいキログラムの再定義に道を拓く。発表・掲載日:2012/02/27。

【参考】日本計量新報論説ほか
第26回国際度量衡総会でキログラムほかSIの基本4単位の定義を改定
(副題)「キログラムの大きさは、プランク定数hの値を正確に6.626 070 15×10-34 J sと定めることによって設定される」

キログラムの定義改定を実現したプランク定数測定の方法
(副題)プランク定数測定のためのワット・バランス法とX線結晶密度法

国際単位系(SI )と7つの基本単位の正体
副題(質量だけは国際キログラム原器で定義され130年ほど使われてきた)

プランク定数で規定された質量標準はシリコン球の質量計測で実現される
副題(地球を10mの凹凸に見立てられる真円度のシリコン球は物質量を体現)


質量と重量の違い及び質量の単位キログラムの定義変更
2018年11月16日開催の国際度量衡総会で質量の単位キログラム(kg)を定義変更


質量と重さ(重量)を混用してはならない(執筆 岩田重雄 元日本計量士学会会長)

気になる計量の言葉づかい「足せるものと足せないものがある」




【資料 質量の単位キログラムの定義および新定義に関係する諸事項】

質量の単位であるキログラム(kg)の定義変更と関連する諸事項
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