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計量計測データバンク ニュースの窓-146-
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├計量計測データバンク ニュースの窓-146-資料・粗鋼生産下位グループの日本製鉄とU.Sスチールの合併の事情
├ホンダと日産の合併問題理解のカギ
現下、世間を騒がせているホンダと日産の合併問題を理解するカギを以下に用意した。
自動車産業は電気自動車への流れて決定しているというのが古賀茂明の見立て。部品点数が少なくなることを論拠にする。トヨタはじめ日本の自動車産業はどのように考えて行動しているのか。20年先には完全決着することになる。それまでのせめぎあいは苛烈であり、確かな見通しのない状態での手探り状態にもある。ホンダの日産の吸収を生命の危険はないが入院を要する状態の中等症患者が、生命の危険の可能性がある重病患者を助けようとしているということであり、重病人同士が支え合っても早晩共倒れになるに決まっている、辛辣である。おまけの言葉が凄い。「日産を抱え込むのは荷が重いはずだが、だからと言って、一人でいてもどの道死が待ち受けているというわけだ」と。
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├日産とホンダの経営統合で暗躍する「経済産業省」 “負け組”同士を統合させて時間稼ぎをするだけの愚策 古賀茂明
傷病者重症度分類表(厚生労働省)
死亡=初診時死亡が確認されたもの。
重篤=生命の危険が切迫しているもの 以下のものをいう。
①心・呼吸の停止または停止の恐れがあるもの。
②心肺蘇生を行ったもの。
重症=生命の危険の可能性があるもの 重症以上と判断されたもののうち、死亡及び重篤を除いたものをいう。
中等症=生命の危険はないが入院を要するもの。
軽症=入院を要しないもの。
(昭和39年以降、軽症、中等症、重症、死亡の4つに分類し、現在に至っている。その中で、重症の定. 義については「3週間以上の入院加療を必要とするもの以上」となっている)
日本では昨年末に日産とホンダが経営統合に向けた協議に入ったことが大きな話題になっている。うまく行けば、今年6月に最終合意、2026年8月に経営統合が実現する。今月下旬には三菱自動車が統合に参画するかどうかを決める予定で、そうなれば、世界3位の800万台グループが誕生することになる。確かに大きなインパクトのあるニュースだ。
この統合構想は、単純化すれば、3社が集まって規模を拡大し、効率的な生産体制とEVやSDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)や自動運転などの研究開発に必要な巨額の投資資金も確保できるという構想のようだが、最も重要な、この連合にどんな強みがあるのかという点において、なんら魅力的な答えがないのが最大の問題である。
日産は売れる車が皆無の状況で、主力市場の中国でも米国でももはや競争力が全くない。利益もほとんど出せず、このまま行けば、確実に倒産するだろう。それを避けるためには、どこかに買収してもらうしかない。
現に、シャープを買収した台湾のホンハイが日産買収に動いていたと報じられている。
こうした状況を反映して、市場では、経営統合というと聞こえは良いが、実態はホンダによる日産の救済であるという見方が一気に広がった。
では、ホンダはなぜ日産を救済するのだろうか。疑問を持つ人もいるだろう。
確かに、ホンダはまだそこそこの利益を出している。しかし、ホンダにはまだ売れるEVが全くない。日産にはリーフというEVを売ってきた実績がある。ただし、リーフはもはや陳腐化したEVで将来性はない。ホンダ自身もEV開発では最後尾と言っても良い状況だ。世界の自動車市場の流れの中では完全に遅れてしまったという意味では日産と同じ。財務的には日産よりはマシだとしても、数年経てば、一気に日産と同じ状況になってもおかしくない。
ホンダの儲け頭は二輪車だが、こちらも中期的に見ると電動化の流れが加速し、これまでの世界市場での地位を守れるかどうかにはかなり大きな疑問符がつく状況だ。
つまり、ホンダが日産を救済というとホンダが立派な会社のように聞こえるが、中等症患者(ホンダ)が重病患者(日産)を助けようとしているということだと考えればわかりやすいだろう。重病人同士が支え合っても、早晩共倒れになるに決まっている。ホンダから見れば、日産を抱え込むのは荷が重いはずだが、だからと言って、一人でいてもどの道死が待ち受けているというわけだ。
■日産とホンダの統合という「一大イベント」を操る
いずれにしても、ホンダには日産統合に賭けるしかない。なぜなら、この統合の背後には、経済産業省がいるからだ。ホンダは、自社も負け組であることを認識しているからこそ、いざという時の経産省の支援を確保しようという狙いで、経産省の喜ぶ「日の丸連合」のシナリオを選んだのだろう。
「日の丸連合」は、経産省のDNAに組み込まれた本能のようなもので、彼らは、日本の大手企業の合従連衡を自らが関わって動かして行くことに無上の喜びを感じる。今も、日産とホンダの統合という「一大イベント」を操るのは自分たちだという夢とロマンに酔いしれていることだろう。
こうした敗者を集めて規模の利益を追求して復活させようというのは、過去に半導体や家電などの分野でも試みられてきた。エルピーダメモリやジャパンディスプレイが典型だ。しかし、負け組はいくつ集まっても所詮負け組でしかない。「日の丸半導体」「日の丸液晶」などという触れ込みで「日本復活」を目指したプロジェクトは全て失敗してきた。
お荷物を抱えることになるホンダには、「NO」と言う選択肢もあったが、経産省に恩を売ることにより、今後は、両者の新しい研究開発プロジェクトへの投資などに対して、経産省が音頭を取って、政府系の機関からの出資や融資、さらには政府からの直接の補助金などを注ぎ込む展開になる可能性は高いと思われる。
そして、一旦そこまで政府が介入すれば、本当の危機が来た時も、政府は救済に乗り出さざるを得なくなるというお決まりのパターンが待っている。
ホンハイなどの外資の傘下に日産が入るなどという「大惨事」は経産省の官僚たちのDNAが許さない。ただし、今回は、派手に経産省が前に出るという展開ではなかった。経産省の中にも、この統合は結局ただの時間稼ぎに過ぎず、最終的には日産もホンダも自力で生き残るのは無理だと冷静に見ている官僚も多いと思われる。
「責任逃れ」という体質は経産省に限らず、全省庁の官僚のDNAに深く刻み込まれた特性である。あくまでも民間主導の動きを経産省が裏から控えめにサポートするという形にして、失敗に終わった時の責任を軽くしようという「本能」が働いていると見れば良い。経産省が前に出てこないことが、いかにこの統合が危ないものかということを象徴しているのではないか。
■日本メーカー「単独」ではBYDやテスラと競えない
24年9月17日配信の本コラム「マスコミが報じる『EV懐疑論』の本質 『HV』バカ売れでもトヨタが一人勝ちできない理由」で書いたとおり、世界の自動車市場におけるEV化の流れは止まらない。そして、日本メーカーはこの流れから完全に取り残され、ほぼ挽回は無理だ。
中国の自動車大手、比亜迪(BYD)の24年の世界新車販売台数が前年比41%増の427万2145台だったと発表された。PHV乗車用の販売が7割増加したことが大きいが、EV乗用車も12%増の176万4992台と増えている。EV専業の米テスラ社の世界新車販売台数は前年比1%減の178万9226台で、BYDはこれにほぼ並んだわけだ。今の勢いだと、25年には、EVでテスラを抜き、PHVを入れた世界販売は500万台の大台が視野に入る。
ガソリン車中心のホンダは24年にすでにBYDに抜かれた可能性が高いが(ホンダの23年度の販売台数は410万台)、今年はその敗北が決定的になるだろう。
ちなみに、トヨタのEV販売は、遅々として拡大せず、26年の目標台数150万台を100万台に下げたものの、24年のバッテリーEV(BEV)の販売台数は10万台を超えるのが精一杯で、15万台には届かないと見られる(BYDやテスラなどはほとんどリアルタイムに販売台数を発表するが、トヨタなどはEVの数字がわかるのが嫌なのか発表が遅いので、現時点では24年の数字はわからない)。
日本市場全体を24年11月の数字で見ると、このうち広義のEV(BEV+PHV)のシェアは3.0%で、PHVは前年の1.4%から1.5%に増加した一方、BEVは1.9%から1.5%に減少した。メーカー別では輸入車合計(統計上の制約で合計の数字しかわからない)が3062台で最多となり、国内メーカーでは、日産が2498台で首位。前月3位の三菱は2479台を販売し、2位。3位に下落したトヨタは1743台と精彩を欠いている。
それぞれの台数の桁数の小ささには、ため息が出るばかりだ。
どんなにあがいても、日本メーカーが「単独で」BYDやテスラと競うのは難しい。
では、どうすれば良いかというと、もはや中国企業との連携しか道はないというのが正直なところだ。現に、日本唯一の生き残り自動車メーカーであるトヨタの動きは、それを示している。
■トヨタ車は事実上は「中国車」
トヨタは、技術で負けて、EVブランドでも中国では完全に地元メーカーに敗北してしまったが、かろうじて生き残ったEVへのつなぎであるハイブリッド車(HV)で稼いでいる。このHVもBYDなどのPHVに取って代わられるのは時間の問題だが、現時点では巨額の利益を上げているので、資金力では頭抜けた力を持っている。必然的に、金の力で遅れを取り戻す作戦をとることになる。
日本や米国ではEVなしでも競争できるが、中国ではEV抜きではすぐに淘汰されてしまう。しかし、トヨタといえども中国で売れるEVを作る力はない。自社開発のbZX4などは中国では全く売れなかった。
中国で窮地に立ったトヨタは、23年に発売したbZ3で、EVのコア技術と基幹部品の電池双方でBYDに全面依存して生産するところまで追い込まれた。24年に入ると、中国でPHVの販売が急増したが、これを受けて、トヨタがBYDの最新PHVシステム「DM-i」を採用するという報道も流れた。EVだけでなくPHVでもBYDの軍門に下るということになる。
さらに他の日本メーカーはもちろん、トヨタでさえ、EV化と一体で進むSDV化の動きにもまた完全に乗り遅れている。そして、自動運転も同じだ。この三つの車の「スマート化」の流れで出遅れたのは致命的である。また、電池でも、日本は中国と韓国の企業に敗北してしまった。
トヨタは中国企業と、BYDとの「協業」に加え、ネット大手の騰訊控股(テンセント)とAIやクラウドなどで、また、小馬智行(Pony.ai)とロボタクシーサービスなどで提携していたが、24年には、EVの頭脳であるスマートコックピットでなんとアメリカの制裁を受けているファーウェイとの協業を発表した。トヨタブランドでは売れないので、頭脳はファーウェイが動かしているということで中国の消費者にアピールしたかったようだ。
ここまで来ると、トヨタ車とは言っても事実上中国車と言っても過言ではない。
ここまで中国依存を強めながらもようやく発売されるトヨタの新しいEVが売れなければ、トヨタも中国市場で日産と同様の苦境に立たされることになるだろう。
ちなみに、苦境に立たされているのは日本の自動車メーカーだけではない。世界の既存の自動車メーカーは日本同様非常に苦しい立場に追い込まれているところが多い。
最近よく目にする、トヨタに次ぐ世界2位の独フォルクスワーゲンの工場閉鎖をめぐる労使対立に関するニュースなどがその象徴だ。
■ホンダよりもホンハイの方がよかった?
この危機から脱するために各社はさまざまな連携を行っているが、そのほとんどは、中国の先進的EVメーカーとの連携か、自動車以外のIT企業との連携だ。日産とホンダというような既存自動車メーカーの負け組連合を模索する大手メーカーはない。
その意味でも日産・ホンダ連合はかなりピントハズレになっている可能性が高い。日産はホンダよりもホンハイに救済してもらった方が、まだ再生の可能性は高かったかもしれない。
世界では、EV「製造」では、BYDとテスラ2強の競争に絞られてきた。
しかし、EVと自動運転とSDVを統合して管理運用するソフトウェアでは、中国市場で、テスラとそれを追うファーウェイ、少し遅れて携帯大手からEVにも参入したシャオミ(小米)の争いが激しくなっており、米国など西側市場では、傘下に最先端の自動運転技術を開発する米ウェイモ社を持つ米アルファベット社(グーグルの親会社)の勢力が急速に伸長しつつある。中国では、多くのメーカーがファーウェイのソフトウェアで新車を作り始めた。トヨタの新車もその一つと見ることもできる。一時代前にパソコン市場でインテルのCPUが席巻し、「インテル・インサイド」という言葉が流行ったが、中国では「ファーウェイ・インサイド」のロゴがどんどん普及しそうだ。
前述の24年9月17日配信の本コラムでも述べたとおり、今後の自動車市場での競争は、「電気」で「自動運転」で走ること以外に、その車に乗っていることで何が可能になるのか、さらには、自動車を含めたあらゆるIT機器(特にスマホや家電)を繋げた生活圏やその外の世界とを結んで何ができるのか、そして究極的には、それらを通じて、どんなライフスタイルが実現できるのかという競争に入った。
日本の自動車メーカーは、1周どころか2周、3周遅れている。
トヨタでさえ、単独での生き残りは困難。
それが現在の自動車市場の構造変化のスケールの大きさを物語っている。
日産とホンダの経営統合など、そうした大きな流れの中では、ほとんど無視できる泡沫に過ぎない。それが成功するか失敗するかという問いを立てていること自体が滑稽でしかないのかもしれない。
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├トランプ自動車政策 どうなる日本の自動車!? 元内閣官房参与加藤康子
00:00 1. オープニング
00:56 2. 自動車部品が関税で高くなる
02:12 3. EVに対する補助金と税額控除
07:39 4. アメリカで売れている半分は日本車
11:10 5. EVは中国だけで普及している
13:55 6. 2025年は日本の自動車産業が大復活
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├トランプ自動車政策 どうなる日本の自動車!? 元内閣官房参与加藤康子
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├海外絶賛「軽自動車はスーパーカー!」軽推進で日本は成長できる!
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├【2025年超予測:自動車(後編)】中国と先進国で別の進化が起きる/トランプ2.0、関税政策のポイント/ロボタクシーの実現性/EVに疲れたマスク/ROE20%を目指すトヨタ/ホンダの準備【中西孝樹】
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├日本の国家公務員の機構を旧日本軍の将校機構(士官学校、兵学校、陸軍大学、海軍大学)と対比する
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2024-02-16-news-146-materia-content-collection-of-metrology-databank-146-1-
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