名レンズをデジタルカメラで使って楽しむ写真遊び(執筆 横田俊英) | ||
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デジカメでフィルムカメラ時代のクラシック名レンズを使うという遊びを楽しむ(執筆 横田俊英)
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(副題)できあがった写真はフィルムカメラで撮影したものと何ら変わりませんしレンズの高性能はそのまま生かされておりまして、ピントもしっかり、色の再現性も良好です。 |
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(本文)名レンズを使って楽しむ写真遊び(執筆 横田俊英)
デジタルカメラが登場して写真を写す私にどのような変化を与えるか私自身が興味深いのです。 大きな変化は仕事で業務を記録するカメラがデジタルカメラになったことです。このためのカメラは何台か持っておりますが主力機はキャノンの一眼レフです。最初に使っていたオリンパスの一眼レフデジカメは電池がすぐに消耗するので実用になりませんでした。キャノンのデジタル一眼レフカメラは「イオ・スキス」の初代のものですが、起動時間が遅いのを除くとシャッターボタンを押した後に実際にシャッターが切れるタイムラグがほとんどないことなどもあって実用になります。写した画像のカラー印刷もフィルムカメラの35ミリタイプに遜色がありません。 デジタルカメラで撮影した画像の印画は自分で行わずにフィルムカメラの印画をするDPE屋さんに頼みます。印画がフィルムカメラのものと同じ方式であり、自分でやった場合のようにインクが消えてしまうことがないからです。また実際に紙代、インク代だけを考えても自分でやるよりこの方が安く上がりますし、プリンターに張り付いている時間のことを考えると馬鹿らしくて自分で印刷(プリント)はしておれません。 写真はデジタルカメラで用が足りるんだということがわかると、旧来のフィルムカメラでの写真撮影がいとおしくなるのは何故でしょうか。写真撮影の需要がデジタルカメラに一気に移行していく過程で、フィルムカメラの製造が次々に中止されるようになりました。フィルムカメラの中古品の値段はバブル期のクラシックカメラブームの頃と比較するとゴミのようになっております。 そのようなことから昔憧れていたカメラを東京光学研究所に集まる人々などから譲り受けるのです。機械式の一眼レフカメラがレンズが2本付いて3,000円という塩梅です。M型ライカとニコンやキャノンなどの一眼レフカメラやレンジファインダーカメラ何台かと交換しました。 ライカやニコンやキャノンのレンジファインダー機が一通りそろうと、またしても古い一眼レフやハーフサイズのカメラなどが手元に集まるようになったのです。 私は一体何をしているのでしょうか、と思うのですがカメラ好きの会員によってつくられている東京光学研究所に足を運ぶとこのようなことになるのです。好き者の集まりなんですねえ、この東京光学研究所というところは。 フィルムカメラを持っていても撮るものがないのが私の写真遊びの実情です。写真を楽しむついでにカメラも楽しむ。写真はレンズがあって撮れるものだからレンズで写真を遊んでみようと考えているのです。 しかしレンズで写真を楽しみ遊ぶといっても撮るものがなかなかありません。フィルムを買って写真を写してそれを現像してプリントするという費用の壁があるので写真をなかなか撮らないのです。そうするとレンズの性能を味わうなどという写真遊びがなかなか思うようにできないのです。 東京光学研究所では私はレンズの性能を味わうという遊びをします、と宣言しているのですが、それを覚えているここの代表がキャノンのデジカメやオートフォーカスカメラに使えるイオス用のレンズアダプターを提供してくれたのです。 いま手に入れているのはイオス用のマウントとキャノンFEマウントの先に42ミリメートルのねじ込み溝を切ったものです。これはプラクチカマウントと言いましてアサヒペンタックスなどのスクリュー式ねじ込みマウントです。 この方式のレンズは安く売っております。焦点距離50ミリメートルのものは1,000円程度です。私が最初に試しに使ったのはアサヒペンタックスのSMCタクマー55ミリ・F1.8です。 キャノン・イオス・キス・デジタル一眼レフカメラに取り付けると焦点距離は1.5倍以上になります。ピント合わせは手動で、露出は開放測光であればレンズの明るい部分を利用できますが、絞ると暗いままで撮影しますが自動ではあります。 アサヒペンタックスSPというカメラは測光時はレンズを絞り込んで行っておりましたから同じですが、撮影時は開放になっていましたから、少し不便ではあります。しかし、撮影時選定する絞り値で自動測光して撮影しますから、差し引き条件はおあいこということができます。 デジカメ用のズームレンズなどのF値、つまりレンズの明るさはF5.6などと暗いので大概は開放で撮影していることが多いのです。ズームレンズが付いていたり、暗いレンズだったりでレンズ好きにとっては良いレンズであるとは言えないレンズがデジタルカメラには標準レンズとして付けられているのです。 ペンタックスレンズを装着したイオス・キス・デジタルでまずは開放でピントを合わせて、必要な段階まで絞ってシャッターボタンをおせば写真が撮れます。写真はデジタル写真として記録されるのです。しかし今のズームレンズが主体のレンズ水準と比較するとはるかに明るくて描写性能にすぐれた高性能レンズが使えるのです。 デジカメのメディアのコンパクトフラッシュを引き抜いてDPEに持って行ってはがきサイズにプリントします。はたして写りはどうせでしょうか。フィルムカメラで撮影したものと何ら変わりません。レンズの高性能はそのまま生かされております。ピントもしっかりしておりますし、色の再現性も良好です。デジカメの画像処理エンジンが屋根の下の暗部を実際より明るく処理しているかな、と思える以外は上出来の写真になりました。 デジカメでフィルムカメラ時代の名レンズを使うという遊びは安く写真を楽しみレンズ遊びをすることができるのです。日本のカメラメーカーのレンズは悪いものではないのです。何しろ一生懸命設計して、一生懸命にレンズを磨いて、一生懸命に組み立ててできあがっているからです。 普通の人が費用の関係で味わいきれなかった日本の一眼レフカメラ用のレンズはデジタル一眼レフカメラの発達によって、今やっとそれができるようになりました。問題はデジカメ一眼レフの撮像部分が35ミリフィルムの縦24×横36ミリメートルというサイズのものがまだまだ値段が高いということです。 私が使っているデジカメ一眼の撮像部分はAPSサイズ(縦16×横24ミリメートル)であるために、35mミリメートル用一眼レフカメラのレンズの使用時の焦点距離がAPSサイズの撮像部分をもつデジカメに装着すると1.6倍ほどになってしまうのです。 フィルムカメラのレンズを楽しむためには35ミリのフルサイズデジタル・一眼レフカメラが待望され、憧れになります。 |
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