霧ヶ峰高原はキスゲが咲くと夏がきてキスゲが散ると秋になるのです(8月6日 執筆 横田俊英)
エッセーの部屋

高原の季節の移ろいは早いのです

(副題)レンゲツツジとコバイケイソウの協演は夏の前奏曲です
 何だかんだと日頃の業務にあくせくしている間に8月が来て、もう9日もなってしまいました。ニッコウキスゲの咲く霧ヶ峰高原に8月6日に出かけました。

 2週間前にコロボックルヒュッテ付近を散策してこのキスゲ(ニッコウキスゲ、ゼンテイカ)をみて夏が来たことを心に刻んだのですが、まだ満足していないのです。午前中に済ませるべき用事を処理してしまうと、天気は良いし、年に何度か行く蓼科のレストランの1,500円の昼のメニューも今年はまだ食べていないから、ということで昼過ぎに出発したのです。

 ニッコウキスゲは霧ヶ峰高原の夏を象徴する黄色い花ですが、昭和30年代まで行われていて薬草採取などのための山焼きが行われなくなってから樹林帯が増え、低木樹が繁茂するようになって段々と少なくなっております。

 日光の霧降高原のニッコウキスゲはスキー場のゲレンデに咲き乱れておりますが、これはスキーゲレンデのため樹木を刈り取っているためにキスゲの花園となっているのです。

 コロボックルヒュッテに向かう砂礫にはシモツケソウのうす茶色の花が広がっていて風情に欠けます。トウモロコシを売っているお爺さんはこの日はお休みで息子さんらしい年配の人がおりました。そのテントの横にはミソガワソウが一茎だけ紫色の花を付けておりました。この付近にはマツムシソウが薄紫の八重の花を付けておりました。マツムシソウは秋の花と思っているのですが、この付近は8月になるともう咲いておりますし、高原地帯のマツムシソウの開花は早いように思います。ハクサンフウロも桃色の花を付けておりましたし、オオバギボシはわずかに紫色が混じった小さな釣鐘型の花を幾つも付けてあちこちに咲いておりました。

 キスゲが咲くと夏がきてキスゲが散ると秋になるのです。高原の季節の移ろいは早いのです。6月のレンゲツツジの朱色(赤)の花は初夏の象徴です。コバイケイソウはレンゲツツジとの協演によって夏の前奏曲であります。そしてキスゲは夏の象徴です。シシウドの手を平のような怪奇な白い花が空にむかって開くと夏です。秋も深まると高原はススキで覆われて枯れ草色に変わります。

 カメラを大きなものや小さなものなど何台か担いでの高原散策です。

 

 
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