人は体力、気力そして知力があったればこそ仕事ができる(執筆 横田俊英)
エッセーの部屋

竹内均さんは自分が東大教授になって研究で成果をおさめることができたのは体力があってこそと述べております(執筆 横田俊英)

(副題)入学試験が大変な学校の卒業者が必ずしも企業人として優秀であるとことにはならないようです。
(本文)
 次はどうなる、ということで世の中一つとして同じことが続くことは希なようです。産業の主力の変遷にしても然りです。

 繊維、石炭、鉄鋼、造船といった産業の経済に占める割合の低下がそのことを示しております。一つの企業が続いている場合もそうです。カメラ産業はさほど大きな産業ではありませんが、ここで一時成功したかに見えてもカメラだけで生き残ってきたメーカーはありません。

 事務器や半導体製造装置その他の分野を開拓して企業の発展を持続しております。カメラのみににずっとしがみついていた企業や、他分野を上手に開拓できなかった企業で生き残ってきたカメラメーカーはありません。

 ですからキャノンもニコンもカメラメーカーであってはならないのだろうと想像することができますが、この2社の経営分析をしたわけではありません。カメラ好きにはよいこれらの企業がよいカメラをつくって供給することはありがたいことですが、そうそう甘えても居られない気持ちを持っております。

 オリンパス光学工業は医療分野の機器製造で成功しているようです。この会社はその昔レンズ製造とガラス製の体温計をつくっていたことを知って少し驚きました。ガラス製体温計を製造している千葉県にある企業が06年に廃業したこととあわせて考えておりましたが、企業は何をつくって生きていったらいいのでしょうか。

 一つの企業でガラス製体温計という同じ分野でずっと仕事をしていて生き残るには、ただ一つの企業をいうことでオンリーワン企業になる以外にはありませんが、これとて特化された技術を持っていればのことであり、一般化された技術でやっていては海外の低コストで対応されたらひとたまりもありません。

 計量計測機器産業のなかで発展を続けている企業でも同じところで同じような製品を作り続けている企業はありません。新たな市場を形成する新しい概念の製品を開発している企業は発展を続けています。

 私たちのように計量計測分野に特化したようにこの場所で仕事をしていると幾つかの企業とは何となく縁が薄くなってしまいます。これは製造企業にとって正常な発展でありますから私たちも気持ちは複雑ですが喝采の拍手を贈るべきことです。

 その一方で計量計測分野に特化してここにとどまるか、発展する計量計測機器製造業と一緒に新たな分野に着いていくのか、あるいはまた私たち自身が自らの能力を生かして新規事業をどの産業分野かで興していくのかということがあります。

 いずれにしても昔の形態で昔の方式で昔の考え方で、何も考えずに何も変わらないでいては世の中に捨てられるということだけな間違いありません。

 また企業と人ということで人材と企業業績の関係を分析してみたいと思います。
 戦後間もないころの人材採用のことですが、カメラメーカーのA社は当初から有名企業であったので採用する技術系の人材は東京大学などから、それに対してB社は私立大学ということでした。いま現在のA社とB社の関係は企業規模や業績に大きな差がついておりますので入学試験が大変な学校の卒業者が必ずしも企業人として優秀であるとことにはならないようです。このへんのことも程度があり基礎的な知識を教えても理解できないということでは非常に不都合でしょうから、中学校程度の読み書きと常識がしっかりできていれば、その後は必要に応じて学び、向き不向きで仕事や進路を変えるということでいいようです。

 答えが用意された教科に回答をだす技術が優れている者がランク付けされた学校の上位校に入学し、回答の正解率の低い者は下位校に振り分けられるというのが日本の学校制度であり、学校教育でもあります。一心不乱に模範解答をだすことに取り組んできた生徒でありますが、この成功者が必ずしも学力とその応用の実力者であるとは限りません。竹内均さんは自分が東大教授になって研究で成果をおさめることができたのは体力があってこそと述べております。健康、気力、意欲、体力ということが人間活動の基礎になるものであるようです。

 私たちは自ら学ぶ意欲をもって仕事に臨み、仕事の現実から学び、図書などからも学んで業務の改革にも前向きで取り組みます。そしていまやっている自分たちの仕事は貴重であるけれども、あるいはやらなくても良い内容を含んでいるのではないか、全部を別のことで置き換えることができるのではないか、などと自問しながら、自分がなすべき新たな仕事をつくりだしていくことを考えることをしたら良いと思います。


 日本と世界の人々に利用される計量計測情報のデータベースをインターネットのサイトに構築するのが私たちの仕事です。「計量計測データバンク」(計量計測情報データベース)「計量器いいもの通販」(これは便利!計量器いいもの通販)「web情報総合サイト」などの運営と、関連する新聞と図書の発行などが私たちの仕事です。
 

 

 
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