写真は霧が峰高原に咲くレンゲツツジの赤い花(上)と前後して咲き始めたニッコウキスゲの切り炉居花(撮影 横田俊英)
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長野県の茅野市と諏訪市などの北側に盛り上がっている霧ヶ峰高原には自動車道路が敷かれていて夏でも冬でも高原の散策ができます。冬はスキー場への道路となっていて、夏には高原を黄色に染めるニッコウキスゲやその前に咲くレンゲツツジが観光客を集めます。
黄色や赤の絨毯を広げた風景は単純であって、この単純さに感動するというのは決してよいことだと思いませんが、日本の藪山(やぶやま)の風景を見慣れた目にはアッと驚く驚嘆の景色なので、6月中旬に霧ヶ峰高原がレンゲツツジの赤い花で染まるとここを訪れる人は感動しますし、7月中旬にニッコウキスゲ(ゼンテイカ)が高原を黄色で覆い尽くすと人は漏れなくオーと声を発して仕合わせな気分になります。
6月18日に霧ヶ峰高原にでかけたらレンゲツツジがよい状況になり始めていて21日に再訪すると絶好調の一歩手前でした。6月23日には最高潮でつづら折れの高原道路は諏訪方面からの道をのぼって行くと車山方面を見上げるすべての斜面が赤い色に染まっておりました。6月29日は花の盛りは過ぎていて、標高が少し下がったところでニッコウキスゲがちらほらと咲き始めておりました。
レンゲツツジの季節からニッコウキスゲの季節に変わるころ、赤から黄色に高原の花が変わると霧ヶ峰高原は夏になります。
ホタルブクロ(蛍袋、ほたるぶくろ)という花が咲き始めたのは6月の声を聞いたころです。道ばたに薄紫色の釣り鐘型の花を茎から幾つも垂らしているのがホタルブクロです。
そのホタルブクロの花の色は咲く場所などで濃淡がことなるようです。栽培種かどうか知りませんが白い花のホタルブクロを民家の前の草むらで見ることができます。
ホタルブクロと蛍とは季節が同じなのだろうか、という素朴な疑問が浮かんだものですから、6月10日の夜に散歩道の阿津川に行きましたらそこそこの数の蛍がユーラユーラと飛んでおりました。
そうなのです。ホタルブクロの花と蛍が舞う時期は同じなのです。蛍を捕まえてホタルブクロの釣り鐘型の花に入れて持ち帰ることができそうです。
阿津川は私の住まい(相模原市相模湖町)近くを流れる相模川の小さな支流です。高尾山の南側に位置するハイキングコースとして知られている石老山に注いだ雨が集まって流れ出します。この川の土手沿いに早咲きの河津桜を植えたばかりでありますが、数年もするとちょっとした春の桜の名所になります。河津桜をもじって阿津桜の並木道と名前を付けております。この阿津川に舞う蛍は身体の小さな平家蛍です。この年は蛍の舞う時期の最盛期を6月18日から23日と想定してこの期間に阿津川の蛍祭りがあり、生ビールや焼きそばでのもてなしを町会の実行委員会が行います。
蛍の舞う阿津川にはカワセミ(翡翠、かわせみ)が生息しております。人が川縁を通と瑠璃色の羽を羽ばたかせてまっすぐに飛んでいきます。
この川沿いの中学校に向かう桜並木の木陰にはオニヤンマがスイスイと行き来します。6月中旬は小オニヤンマですが、真夏になると大オニヤンマが飛びます。土手からはヤマユリ(山百合、やまゆり)の茎が元気に伸びており、7月の声を聞くと白い大きな花を開きます。
6月中旬は霧ヶ峰にレンゲツツジ(蓮華躑躅、れんげつつじ)の赤い花が咲くころです。6月14日には諏訪湖畔の宿で過ごしていて、よく15日には霧ヶ峰の車山をでかけました。咲き始めのレンゲツツジですから、長居はせずにまた来ることにして昼前の来客を家で迎えました。レンゲツツジが咲くころにの霧ヶ峰では夏鳥のノビタキ(のびたき)が元気に枝の先でさえずります。ノビタキの凄く霧ヶ峰・車山の夏はレンゲツツジの赤い花から黄色のニッコウキスゲ(ゼンテイカともいう)移って最盛期を迎えます。高原道路は昼ころには渋滞になりますから、ニッコウキスゲが咲くころには時間帯をずらして朝晩にでかけなくてはなりません。
ともかくもホタルブクロが咲いて蛍が舞って、小オニヤンマがスイスイと飛ぶ夏になりました。そのようなことで6月が過ぎて7月になりました。
(書き殴って読み返しておりません。誤字、表現の不適切さなどについてはご容赦を)